魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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 では第六話更新です!

 今現在、『阿修羅』とこの『闇の剣と星の剣』のストックを絶賛執筆中であり、こちらのストックが溜まるようなら、来週か再来週から週一更新に移行したいと思います。

 ちなみに、ストックがたまらなければ今のまま不定期更新で、更新は遅くなると思います。ご了承下さい。

 ……にじファンの時に、全部消していなければ………ッ!



第三章 子供先生襲来
006 子供先生と追憶と


 

SIDE:チウ

 

「・・・・・・ぁ・・・ぅ・・・・・・・・・」

 

 中学二年の三学期に入った、二月のある日。私は中学の自分の席で、始業開始前から机に突っ伏す羽目になった。原因というのも……

 

 あンのエセ聖騎士! 訓練キツ過ぎンだろうが! 相手はこの間まで帰宅部だった、一般人だって分かってんのか?! どこの世界に、五十層の多腕型ボス(クオーターポイントで、SAOでも屈指の強さ)相手に、一人で特攻させる訓練があンだ! その上毎日ギリギリまで追い込みやがって! 過労で死んだらどうすんだー!

 

「何か、朝からダレダレだネ、千雨サン」

 

――元気の出る中華スープです

 

「ほんとだねぇ。元気が出る特製マシーン、逝っとく☆?」

 

 出たな超一派。親友(・・)の件では感謝してるけど、どうにもコイツらは信用できねえ。つーか、ハカセ。お前の後ろのソレは絶対一般人が手を出しちゃいけないヤツだ。それこそ『魔法のように』()りそうだ。

 

「ただの過労と精神疲労と睡眠不足だよ……スープありがとな」

 

「全然『ただの』とは言えないと思うガ……まあいいネ」

 

「そうそう気にするな。…で、何だ?」

 

 こいつら、基本的には自分の用事以外で話して来ないしな。絶対なんかウラがある。

 

「ああイヤ、千雨サン自体に用事ではなく、去年送り出した彼女(・・)のことでネ」

 

「あ~、メンテとかか? こないだメールくれたけど、問題ないってよ。今はアメリカだけど、麻帆良祭の時期に一度日本に戻るとは言ってたぞ?」

 

「私も気になってたんですよ。何と言うか、血縁的には茶々丸の妹ですから」

 

 まあ、私も親友の体調は気になるしな。ALOに入れば会う事は出来るが、現実の体調までは分からんし。

 

「それともう一つ、実は今日から新任の先生が来るんだヨ。面白そうダタから、教えておこうトネ」

 

「ああ、高畑先生、出張ばかりだったもんな。ついに代わりが来たか……」

 

 新任が魔法関係者らしいって事は、既にヒースクリフが『まほネット』とやらから調べていた。ただその割りに、アイツどんな奴なのかは教えてくれなかったんだが・・・?

 

 

「それで実はソノ先生…………『十歳』の『子供』らしいヨ?」

 

「………あ?」

 

 

SIDE OUT

 

「ハアア……マジかよ、チクショウ……」

 

「…どうかしたのか? チウ」

 

 今日も五十層のボスと戦うため、『ヒースクリフの魔法授業』にやって来たはいいが、チウの様子がどうにも変だ。ヒースクリフからは、チウのクラスの新任の先生が魔法関係者だとしか聞いてないが……?

 

 

「うちのクラスの新しい担任な――――十歳の子供だったんだよ」

 

「………へ?」

 

 

 思考が、そこで停止した。え? 十歳? た、たしかに新任は魔法関係者と聞かされていたし、常識外の人が来る可能性もあったけど、これは少し常識の範囲外過ぎた。

 

「…………免許は? と、いうか労働基準法は?」

 

「何でもオックスフォードを卒業した、英語教諭ってことになってるらしいぜ。本当は高校すら出たか怪しいのになー、あはははははは…」

 

 ……ああ、成程。さっきからチウの様子がおかしいのは、余りの常識外に思考停止に陥ってるからか。確かにそんな事態が起きたら、『日常』を愛する彼女からしたらこうなるか。

 

 

「……チウ。大丈夫。どんなに常識外なことが起きても、どんな状況に放り出されても、必ずオレはそばにいるから」

 

 

 だから手を握って、少しでも励ます言葉をかけた。だが、それに対するチウの反応は。

 

 

「~~~~~っ!! な、な……」

 

「……な?」

 

 

 なぜか顔を真っ赤に染めて、次の言葉を詰まらせた。何かおかしなこと言ったか?

 

 

「何言ってんだ、テメエはーーーーーーッ!!!」

 

 

 そんな言葉とともに、キレイに顎先に手甲(ガントレット)でのアッパーカットが決まり、オレの意識は闇に落ちた。……なぜ。

 

 ◇ ◇ ◇

 

「イテテテ、何すんだよ、チウ………」

 

「うるせえ、アレは全面的にテメエが悪い。全く、変なところキリトの悪影響受けやがって……」

 

「いや、悪影響って……何がだよ?」

 

「ウルサイ、ダマレ。それとさっきみたいな台詞、くれぐれも他のヤツに吐くんじゃねえぞ? これ以上(・・・・)増やされると迷惑だ」

 

 正直意味が分からなかったが、それでも頷いておく。チウは時々唐突に不機嫌になることがあるが、既に五年以上の付き合いでも、未だに原因は不明だ。

 

「ハアアアアア……てか、クラスでもちょっと『関係』を疑われてるんだぞ? 特に≪キッド≫と≪レーカ≫の二人は、GGOにもALOにも入ってこないことで余計にだし……」

 

「ああ、確かに最近は、ALOにもGGOにもログインする機会が減ったな。二人に引退するんじゃないかって、心配かけちゃったかな?」

 

「いや……引退云々じゃなくて……ハア、もういい。ホントにキリトの悪影響ときたら……」

 

 ちなみに≪キッド≫というのは、オレとチウがGGOで知り合ったプレイヤーで、≪レーカ≫はALOのプレイヤー。後で二人ともチウのクラスメートだと分かった時には、吃驚したものだ。

 

 

「それで――――新任の『ネギ・スプリングフィールド』君の様子はどうかね?」

 

 

 横合いから、そんな声をかけられた。そこに佇んでいるのはいつもの赤い鎧を着込んだヒースクリフ………ではなく。

 

「何、してんだ、アンタ……」

 

「ん? どうかしたかね? 見ての通り、お茶の準備だが?」

 

 ……ああ、確かにお茶の準備だ。右手にティーポットを持ち、左手を添えてティーカップに紅茶を淹れていく様子は、確かにそうだ。……ただ。

 

 

「……なんで、執事服?」

 

「フム、君はあの鎧を着込んだ状態で、紅茶を淹れろというのかね?」

 

「いや、そうじゃなくて……」

 

 

 ――正直、余りに意外すぎて、何を言えばいいか分からない。この光景をSAO時代の皆に見せたら、卒倒するんじゃないだろうか?

 

「まあ、この服装について言えば、単純に状況にあった服装を、SAO時代に登録したいくつかのテンプレート衣装から選んだだけさ。他意はないよ」

 

「「ああ、そうですか……」」

 

 このあたり、ツッコんだら負けなんだろう。

 

「それでなんだっけ、ネギ先生の様子だったか?」

 

「ウム、確かあの子は、数えで十歳の少年と聞いていたのでね。どんな授業を行っているのか、気になったのだよ」

 

 ――数えで、十歳。てことは、本当は『九歳』の少年か……。

 

「……いや、今日も授業あったんだけどよ…………」

 

 そこで、チウの顔に影が差した。…? 一体、どうしたんだ?

 

「神楽坂といいんちょ――雪広の奴が、ケンカ始めてな。結局1ページも進まなかった……」

 

 それは、また災難な。

 

 

「それに――――あのガキ、どうにも秘匿意識が薄くてよ。入室時点で魔法障壁全開で張ってるわ、歓迎会で読心術使うわ……極めつけは、テンパって、『記憶を失え~』だぜ? 魔法の杖も出しっ放しだし……」

 

 

 ………………えっと。

 

「フム、恐らく、魔法学校でも秘匿意識よりも、魔法理論や術式の知識に重きを置かれたのだろうな。秘匿意識があれば、一般社会で障壁張りっぱなしなど、およそありえん話だ」

 

 つまり、魔法社会の教育の弊害か。

 

「でも、なんでそんな小さな子が……?」

 

「それは――――彼の『生い立ち』に由来するな」

 

 …生い立ち?

 

「彼の父、『ナギ・スプリングフィールド』は、魔法世界では知らぬ者のいない≪英雄≫だ。魔法世界での大規模な戦争を終結に導き……またその後も多くの紛争地域に赴き、人道支援に尽力した。あれこそ≪真の英雄≫と呼ぶべき存在だったよ……」

 

 ? ――だった?

 

「なあ、もしかして、その人――」

 

「君の察したとおりだ。ナギ・スプリングフィールドは、公式に10年前に死んだと認定されている。そしてネギ君は、今なおその背中を追い続けていると言えるな。今回教師をやることになったのも、父のような≪立派な魔法使い≫になる試験のためだ」

 

 その言葉に……オレとチウの脳裏に浮かんだのは……かつてのアインクラッドでの日々だった。

 

 

――――≪師匠≫! 今日は『打ち込み面』教えてくれるんだろ!?

 

――――おい、コウ! 今日は私が≪師匠≫に教えてもらうんだぞ?!

 

 

――――≪師匠≫の持つ野太刀、カッコイイよな! ボク(・・)もいつかカタナスキル使ってみたい!

 

――――お前にゃ無理だろ、コウ。≪師匠≫と同じ武器なんて百年早いっての。

 

――――なんだと~~~。

 

――――なんだよ~~~。

 

 

 ………あの頃は、本当に必死になって、その背中を追いかけていた。

 

「……あのさ、チウ」

 

「……あー、うん。大体言いたいことは、分かる」

 

 この辺り、流石は五年以上にわたるパートナーというべきか。

 

 

「あのガキのフォローをしてやれってんだろ…? その代わりお前も手伝えよ?」

 

「ああ……その、正直≪立派な魔法使い≫は気に食わないけど、ネギ先生がお父さんと同じスタートラインに立てる位はね」

 

 

 その程度なら、手助けしてあげたい。心から、そう思った。

 




 では第六話終了です!

 さてネギま勢からは、学園祭時の重要キャラ、『超一派』が初登場! 同じように見えますが、この人たちも結構独自設定が施されています。特に作中で出てたチウの『親友』の作製とか…

 さらに、新たなVRゲーマー、『キッド』と『レーカ』が登場! ちなみに両方チウのクラスメートですが、片方はまるで隠れてないな…。

 そして、最後に出てきた≪師匠≫、コレは完全なオリジナルキャラです。やっぱり保護者もなしに、ボス攻略に挑むのは違和感あるので……
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