魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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麻帆良祭! はっ、じっま、るよ~♪


069 祭、開幕

 

『只今より、第78回麻帆良祭を開催します!』

 

 晴天の中、待ちに待った麻帆良祭は開幕した。

 

「――さて、まずはどこ回る?」

 

「普通に店の方じゃないか?」

 

 開催の喧騒の中、アーチのある辺りで開催を待ちわびていたのはチウとコウ。他二人は、現在店の当番だ。

 

「というか、チウ。本当にクラスの当番やらなくて良かったのか?」

 

「ああ。バイト先の用事が、急きょ入ったって言って誤魔化した。本来なら、私もこの時間の当番だ」

 

「レーカとキッドの苦労が滲むよ……」

 

 こんなところに二人でいるのには理由がある。それは本日から三日間、泊りがけで麻帆良祭を見学に来る人たちの案内だ。

 

 

「――――おーい、二人とも!」

 

 

 麻帆良大橋の向こうから、やがて特徴的な団体が訪れる。その中で声を掛けてきたのは、黒のサマーセーターに、ダークブルーのデニムを合わせた、全体的に黒っぽい女性的な印象の青年。

 

「キリトさん!」

 

 コウが彼を見て呼びかける。そう、彼はキリトさんこと桐ケ谷和人さん。留学先のアメリカから、麻帆良祭の見学と帰省を合わせ、はるばる戻ってきたのだ。

 

「うっす、キリトもアスナも久しぶりだな」

 

「もー、チウは相変わらず現実(リアル)でも口が悪いんだから」

 

 チウの挨拶に、苦笑しているのは、アスナさんこと結城明日奈さん。もっともそろそろゴールインして、名字が「桐ケ谷」に変わりそうではある。……まあ、二人の後ろで黒いオーラを出している何人かを、説得するのが長そうではあるな。

 そして、最後に彼女の手をきゅっと握っていた女の子が、口を開いた。

 

 

「二人ともお久しぶりです!」

 

 

 人工繊維で作られた黒髪が風に舞う。彼女の名前は「ユイ」。キリトさんとアスナさんがあのアインクラッドで出会った、かけがえのない二人の「娘」。ちなみになんで現実(リアル)に出てきているかと言うと、ボディ自体は、チウのクラスの超鈴音と葉加瀬聡美というマッドサイエンティストコンビの作り上げた日常生活適応型『絡繰茶々丸・改』というボディらしい……。耳のアンテナや集音器は隠蔽(カモフラージュ)が施され、球体関節も試作型の人工皮膚で隠されているので、チウのクラスの茶々丸さんとは似ても似つかないが。なぜ『ユイボディ』とか他の名前を付けなかったのか聞いてみたら――

 

「「『改』には研究者のロマンがあります(あるネ)!!」」

 

 ――だった。その台詞を聞いた瞬間、「ああ、紙一重の人達だ」とつくづく思った。

 

「もう、お兄ちゃんもアスナさんも、歩きながらゆっくり話そうよ。久しぶりに会えたんだし」

 

 そう口添えするのはキリトさんの妹。リーファさんこと直葉さんだ。その後ろにも春休みに会ったとき以来となる人たちが連なっていた。

 

「ま、そーよね。こんなところで止まってちゃ、天下の往来の迷惑よね」

 

「言い方が古いわよ、リズ」

 

「あ、あのお二人ともその辺で……」

 

 リズベットさんこと篠崎里香さん、シノンさんこと、朝田詩乃さん。そして、シリカこと綾野珪子さん。全員大学在学中だが、今回は麻帆良祭の開催期間に合わせて休みを取り、こっちに遊びに来たのだ。

 

「いやぁ……こんだけの面々に囲まれてると、景色が華やぐなぁ、オイ……」

 

 そして、一人だけ社会人のはずなのに、きっちり有給まで取って遊びに来たクラインさんこと壷井遼太郎さん。後はこの場にいないが、エギルさんことアンドリュー・ギルバート・ミルズさんも、明日以降店を休みにして遊びに来るそうだ。

 

 ――で、実のところ、バイトの用事というチウの言い訳も、あながち嘘ではない訳で。

 

「いやいや、久しぶりだね、キリト君、アスナ君! 久しぶりに君たちに会えて僕は感激だな!」

 

「「菊岡サン……」」

 

 目の前であからさまに両手を広げ喜びを表現する、バイト先の上司、菊岡誠二郎室長。かつてあった色々な経緯を考えれば、複雑すぎる感情が表情に浮かぶのも無理はない。もっともここにウチの室長がいるのにもそれなりの理由があるのだ。

 

 先日の悪魔襲撃の際はっきりしたことだが、現在≪笑う棺桶(ラフコフ)≫に所属しているメンバーは、全員がキリトさんやアスナさんに因縁がある。彼ら二人の来日に合わせて、再びラフコフの襲撃がある可能性が高かったため、今回『先端技術対策管理室』と、協力機関の総力を結集して襲撃に備えることとなっていた。菊岡室長はホスト役兼務のSP。周囲にも不意の襲撃に備えて政府機関の人間と、≪関西呪術協会≫の協力者が潜伏中だ。

 

 ≪関西呪術協会≫の人間が麻帆良祭に流入することに、≪関東魔法協会≫はいい顔をしなかったが、先日の襲撃も予期できず、『日本国民』を危険に曝した≪関東魔法協会≫に護衛の全てを任せるわけにいかないと菊岡サンが交渉したところ、某ぬらりひょんは1時間くらい煙に巻こうとはしていたそうだが、最終的に認めた。なお、その際、一度なにかの魔法を使おうとした痕跡も見つかったそうだが、秘書に扮していた天ヶ崎さんが未然に阻止した。

 

「さあ、まずはチウちゃんたちのクラスを見て回ろうじゃないか! 彼女らのクラスは、確かお化け屋敷をやっているんだろう?」

 

「何でアンタが仕切ってるんだ、菊岡サン。それでコウのクラスは何やるんだ?」

 

「………………それがさ、キリトさん。結局、決まらずに、『麻帆良祭の歴史』っていう資料展示でお茶を濁すことになったよ……」

 

「そんなの、誰が行くのよ?」

 

「いや、シノン。私は、コウを尊敬するぜ」

 

「? チウは何か知ってるの?」

 

「ああ…………『オール手ブラジーンズ喫茶』を阻止したんだからな……」

 

「??」

 

 やり遂げたよ…………俺たち……。

 

「それじゃあ、俺も昼間はオメエらに付き合うか。(わり)ぃが、夜は少し用事があってな」

 

「ほう? コウ君やチウちゃんに聞いたが、確か壺井氏は今現在教師をされている女性と付き合っていたんだったか。麻帆良(ココ)の人だったのかい?」

 

「なんだよ、菊岡の旦那。知ってたのかよ~」

 

 クラインさんには珍しく顔がニヤついている。いや、最近はいつもこうだったか。そうして懐から財布と、そこに入っていた一枚の写真を見せつけていた。

 

 

「葛葉刀子さんって言うんだ。今の俺のスゥィートハニーさ」

 

 

 そこには、眼鏡をかけたストレートロングの髪型の美女が写っていた。

 




SAO組全員集合!
壁?ゴメンなさい、その人だけもう少しかかります!

まあ、キリトとアスナが来たら警戒厳重になるのは、当たり前です。そして、ようやくユイとクラインのフラグを回収……長かったなぁ

次回は麻帆良祭一日目……お化け屋敷と格闘大会の予選だけ?馬鹿言っちゃいけねぇ……チウには、『アレ』があるじゃないか☆
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