魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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麻帆良祭第一日目、まずはお化け屋敷からスタート!


070 仮想世界の円卓

「いらっしゃいませー☆ 3-Aホラーハウスにようこそー! あ?! みんなー!」

 

 ALO仲間を案内しつつ、やって来たのは、チウのクラスのお化け屋敷。そこではバケネコに扮したキッドが客引きをしていた。

 

「ちょっと、チウズルいよー! 自分だけ担当抜け出してー!」

 

「あ? 見ての通り、バイト先の上司の命令でホスト役だ。こっちも仕事中だよ仕事中」

 

「それでもズルーイ!」

 

「まあまあ、そこまでにして、入ってみようじゃないか。トップバッターはキリト君とアスナ君かな?」

 

「なんでアンタが仕切ってるんだ、菊岡」

 

 キリトさんの言う通りだとは思うけど、まあ警備を考えたら、行く順番はある程度こっちで操作しないとマズイだろうな。結局菊岡サンの口八丁でトップバッターはキリトさんとアスナさんだった。

 

「それではこのホラーハウスにはお客一人につき、女の子が一人つきまーす☆タッチ一回五百円です♪」

 

「待てコラ。なんだそのワケわからねえサービスは!」

 

「えー? これが我が3-Aの『ドキッ♡女だらけのお化け屋敷』作戦だよー! このサービスならウハウハガッポガッポとお金を落として行くって、桜子が」

 

「椎名ぁあああ!」

 

 ……あからさまにわかるカップルにまで、女の子を付けようとするとか。この出し物、破局の原因になるんじゃなかろうか。

 

「まあまあ☆とりあえず、コースは怖さで別れてるから、好きなの選んでってよ、キリトー♪」

 

「……ユイがいるからな。初心者コースで」

 

「そうね。ほら、ユイちゃん。怖くないからね?」

 

「はい、ママ!」

 

 結局キリトさん一家は初心者コース。他にはホラーが苦手というシリカも初心者コースとなった。そして、その他の人間が、一番怖い上級者コースとなったわけなのだが。

 

「――――! ――――――!」

 

「お、落ち着け、スグ!? あだ!」

 

「はあ……まさか全力ダッシュする羽目になるとは、思ってなかったわよ」

 

 内部でパニックになった挙句、剣道全国トップレベルの腕前で暴走しまくっている人間が一名。それと一緒に入ったせいで、やや疲れた顔をしている狙撃手がいた。

 

「そんなに怖いのかねぇ……?」

 

「次はオレ達か」

 

「じゃ、こっちへ……」

 

 全部を見届けた後、オレとチウの入る番になった。付き添いはレーカだった。

 

 どよんとした暗い雰囲気の学校の廊下が、目の前に広がっている。明らかに入る前と広さが違いすぎる気がする。

 

「……超さんの最先端技術だって」

 

「どんな最先端だよ。やっぱアイツ怪しいな」

 

「魔法技術の不正使用か。もっとも菊岡さんに話したら、関東を糾弾する機会を得たって喜びそうだけど」

 

 所属の上では超さんは、麻帆良の人間だ。その技術と魔法の知識については、外部の人間に漏れないよう厳重に取り扱わなければならない。これで彼女が何か問題を起こせば、関東の責任問題にも発展しうる。

 

「…………とりあえず目の前に、妖怪ぬらりひょんの死体が転がってるんだが。これも最先端か?」

 

「うん……最先端」

 

「ハハハ、何を言ってるんだい、チウ。オレには京都で厄介ごとを引き寄せた、妖怪の死体なんて見えないよ。サンドバッグは転がってるけど」

 

「…………ああ、うん。相当ストレス溜まってるのは察したから、いい加減ストンピングを一度やめろ。壊しちまったら、この後のお化け屋敷に影響するだろうが」

 

 その後、内部を見て回ったが、いきなり案内人の首が落ちたり、窓から手がいくつも生えたり、本物の幽霊が徘徊してたりと、いろいろあったが、ようやくゴールへたどり着き、ホラーハウスは終了となった。

 

「いやー、結構怖かったねー」

 

「全然余裕そうだな、菊岡の旦那」

 

「怖かったです~」

 

「もう大丈夫だよー? ユイちゃん」

 

「よし、この後はアイスでも食おうか、ユイ」

 

「あう…………あうあ……」

 

「あ、あのー、キリトさん? リーファさんが、戻ってこないんですが……」

 

「無駄よ、シリカ。あの三人完全に、新婚夫婦みたいな空気作ってるもの」

 

「あれは、戻ってくるまで、しばらくかかるわね……」

 

 全員ホラーハウスを堪能し終わったため、全員でその場を移動し、外の露店で食事を取り、再び歩くこととなった。しかし、どこか目的地のあるようなそんな歩き方に、ふとチウが不審に思う。

 

「なあ、菊岡さん。次はどこに向かってるんだ?」

 

「何言ってるんだい、チウちゃん。君が出る予定の、コスプレイベント会場だよ」

 

「――――――――……あ゛あ!?」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 ……現在位置、コスプレイベント会場控室。誰もいない参加者控室にてオレは、壁ドン――――もとい、壁にドンドンと頭を叩きつけられる折檻を受けていた。

 

「ど、う、い、う、事、だ? オイ」

 

「すいませんごめんなさい許してください。チウのブログにこのイベントに参加するか迷っているって書いてあったので、強引にでも参加させれば気が晴れるかと……!」

 

「……あー、くそ。あのブログ見てやがったのか……」

 

 チウは心底疲れ切った溜息をついてはいるものの、ここの所殺伐としたことばかりあったので、少しは気晴らしになればと思っての企画だ。出来れば参加してほしい。

 

「……………………チッ。分かった、出るよ。今から断ってイベント側に迷惑かけるのもな」

 

「あー、さんきゅ」

 

「その代り……お前も協力しろ」

 

「え゛?」

 

 ◇ ◇ ◇

 

『さあ! 次の参加選手は男女カップルでの参加です。お名前は『チウとコウ』!』

 

「お、次みたいだな」

 

「どんな衣装で出てくるのかしらね」

 

 知り合い一同が注目する中、やがて舞台袖から、カシャンカシャンと金属の擦れる音が聞こえてきた。

 

『おお!? これは面白いお題です! テーマは『F○te/Zero』! 『騎士王アルトリアと湖の騎士ランスロット』だそーです! では、どーぞ!!』

 

 その呼び声に従い、まず現れたのは漆黒の鎧。目庇からわずかに見える眼光は鋭く観客を睥睨する。続いて現れたのは銀の鎧に身を包む男装の騎士王。その手には一振りの剣を持ち、腰にも一本の儀仗剣を下げている。

 

 やがて、騎士王が舞台の中心へとたどり着くと、漆黒の騎士はその脇へと片膝をつき、頭を垂れる。騎士王はそれに対し頷くと、捧げ持っていた剣を抜き、顔の前で一度立てると、騎士の肩へゆっくりと下ろしていく。そして、肩に触れると今度はもう片方の肩へと同じように触れる。この流れで、観客の誰かが気付いた。

 

「『騎士の誓い』……」

 

 そう、これは湖の騎士が騎士王へと忠誠を誓う場面(シーン)。作中には無くとも、その見事な再現度に観客が息を呑んだ。

 

 騎士の両肩に剣を触れさせると、騎士王に扮したチウはその剣を横にして捧げ持つ。その剣を、湖の騎士に扮したコウが受け取った。

 

「――――ランスロット。貴公の働きに期待する」

 

「――――はっ!」

 

 王の言葉を持って、『騎士の誓い』は終了となった。ここまで息を呑んで見守っていた観客から拍手が贈られる。舞台に立つ二人はその拍手へと応えていた。

 

 そんな割れんばかりの拍手の中、菊岡だけは内心冷や汗をかいていた。

 

(あの二人~~! アレ、≪心意結晶≫で出したアバターじゃないか! こんなところで出すなんて、バレたらどうするつもりだったんだか……)

 

 ……そう、実は二人分の衣装を用意する暇が無かったため、急きょすぐ用意できるアバターでの出場となったのだ。もっとも他の参加選手も色々とんでもない再現度だったので、バレることは無いだろうが。ちなみに一番すごかったのは、何故か参加していた『ピエロと妖怪カオナシ』というよく分からないコンビだった。

 

 こうして、コスプレイベントは終わり、一度帰路につくこととなったが、その途中、何処かから連絡を受けた菊岡が表情を変えた。

 

「――何? わかった。これから現地に向かう。そちらは現地で待機してくれ」

 

 そして、電話を切り、こちらにわずかに潜めた声を出した。

 

「二人とも、少し付き合ってくれるかな?」

 

 菊岡に誘われ、向かった先。それはこの激動の麻帆良祭の、序章となる場所だった。

 




ホラーハウスとコスプレイベント終了!そして、あの大会へのフラグが……!まあ、銃と詠唱魔法は禁止だから、参加選手は妥当かとw

無詠唱だけでアーティファクト有りの勝負、どうなりますかね?
―追記―(7/31)
田舎への帰省がありまして、8/2の更新は有りません。次回の更新は翌週となります。
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