魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

77 / 130
お盆からの帰還、第二弾です!


072 本選開始

「――どうすんだ、オイ」

 

「ハハ、まさかこうなるとはね……」

 

 武道会の予選を終えたチウとコウは、菊岡に超包子で夕食を奢らせながら頭を抱えていた。

 

「いや、だけど囮役と言う点ではこれ以上なく役立ってるよ。本選でも魔法がバレない程度に頑張ってくれれば大丈夫さ」

 

「そうは言うけどな、菊岡。このトーナメントだと、私らが頑張っても魔法バレなんて防げそうもないぜ?」

 

「チウに同感だな。こんなの絶対無理だろ」

 

 発表された本選の組み合わせは、こうである。

 

本選第一試合  佐倉愛衣 VS 村上小太郎

本選第二試合  長瀬楓 VS クウネル・サンダース

本選第三試合  水原光 VS 長谷川千雨

本選第四試合  龍宮真名 VS 古菲

本選第五試合  田中 VS 高音・D・グッドマン

本選第六試合  ネギ・スプリングフィールド VS タカミチ・T・高畑

本選第七試合  神楽坂明日菜 VS 桜咲刹那

本選第八試合  エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル VS 山下慶一

 

第一~第四試合までと第五~第八試合までは完全にトーナメントの反対側で、当たるには決勝に勝ち進むしかない。その上、反対側のトーナメントのブロックに、魔法バレ関係なく試合をしそうなネギ先生やマクダウェルが固まっているのだ。こんなもの、防ぎようがない。

 

「もう、諦めるしかないんじゃないか……?」

 

「まあ、オコジョになるのは彼らだし……」

 

 見捨てて事後の火消しに全力を注ぐのが正しい気がしてきた。

 

「大体この組み合わせ、こっちの正体知ってて、悪意あるんじゃねえか? よりにもよって本選の第三試合で直接対決だぞ」

 

本選第三試合  水原光 VS 長谷川千雨

 

 完全な同士討ちだった。

 

「君たちなら、魔法を公にバラす行動はしないだろうけど……それでも一応注意させてもらうよ」

 

「やるわけねえだろ。むしろその言葉はこっちの忠告聞きもしない奴らに言えよ」

 

「まあ、手足や剣が光る程度なら主催者と組んだ『特殊効果』ってことで誤魔化せるだろうしな。チウ、そう言うわけで明日は≪ソードスキル≫のみでやらないか?」

 

「あー。私も無詠唱とか上手く出来ねえしな。必然的にそうなるか」

 

 ≪ソードスキル≫は、基本的に魔力を込めるだけで発動する。大会規定でも無詠唱以外禁止だし、それに魔法バレを防ぐ意味でも効果的だ。

 

「でも、僕は少し興味あるな。二人のうちどっちが現実では強いのか」

 

 目の前の菊岡は気楽にそんなことを言うが、こっちは憂鬱だ。あれだけ規模の大きな大会になった以上、確実にALOの皆も見に来るだろう。あまり現実の友人に魔法バレはしたくない。横を見ると、チウも目の前の菊岡のテンションの高さにうんざりしていた。

 

「明日は、他の皆と一緒に応援させてもらうよ。二人とも頑張ってくれ」

 

「「はあ……」」

 

 薄暗くなってきた超包子の一角、二人そろって肌寒い夜気を吐き出していた。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 翌日、本選選手控室にて。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああ………………魔法使いのバカヤロウ……」

 

「もう無理だな、こりゃ……」

 

 頭を盛大に抱えるチウの姿と、完全に諦めモードに入ったコウの姿があった。それというのも、彼らの前に行われた試合。第一試合の勝者小太郎は大して派手な攻撃もなく、魔法バレの恐れも無かった。

 

 しかし第二試合の『長瀬楓VSクウネル・サンダース』は、もはやどこのRPGのボス戦かと言いたくなるぐらいの派手な試合となった。長瀬が開幕いきなり分身をかますわ、クウネルは重力系の魔法らしき球体を雨のように降らすわ、その上当たり前みたいに空中に『浮遊』した。衆人環視の前である。

 

「……とりあえず菊岡に連絡とるぞ。今回の魔法バレに関して、私たちの責任は一切無いと口添えしてもらおう」

 

「責任取らされたら、たまらないしな」

 

 あんな大規模なもの防ぎようもない。それに、どうも最後の場面が気になる。

 

「チウ、最後のアレは……」

 

「……まあ、ネギ先生絡みだろうな」

 

 あの異常な実力差、そして最後に見せた『別人』のような戦闘力。それを思えば最強の魔法使いとされる≪サウザンド・マスター≫の関係者だろうとは推測できた。

 

「恐らく、アレとは準決勝で当たるな」

 

「向こうの用事はネギ先生だろ。しかもあれだけ人目を意に介さず攻撃してくんだ。どうやっても勝ち目なんて無えよ」

 

 無詠唱というルール自体は守っていても、追いつけない異常な強さ。確かに勝ち目なんて無い。

 

「……どんなに頑張っても準決勝までか。だったらこの一回戦で、全力を出させて貰おうかな?」

 

「あ? なんだよ、コウ。やる気ねえように言っといて、結構テンション上がってたのか?」

 

 チウが言うように、テンションはそれなりに上がっている。模擬戦以外でチウと戦うのは、これが初めてなんだから。

 

「いや、どっちが強いか、白黒つけておくのも有りかな、ってね」

 

「――上等ォッ!!」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 そのころ、武道会場の外では、その大会の動きに懸念を抱く人間がいた。ロングの髪をストレートに伸ばし、キリッとしたスーツに身を包んだ女性。ここ麻帆良で教師として働く、葛葉刀子という女性だった。

 

(超鈴音が主催する大会ということで危惧していましたが……今のところは大丈夫なようですね……)

 

 喫茶コーナーでコーヒーを飲みながら携帯用の端末を覗いているその姿は、驚くほど様になっており、実際周りにはそれに見惚れる男子学生の姿もあった。

 

 そんな風に仕事中の彼女に、近づく影があった。

 

「いやー、少し遅れちまいましたね。スイマセン、葛葉さん」

 

 近づいてきた男は、如何にもアイロンをかけたばかりと言う雰囲気のスーツに身を包み、どうにもスーツに着られている印象が拭えない男だった。どちらかと言うと、赤っぽい髪を逆立たせて落ち武者みたいな格好をさせた方が似合いそうだ。

 

「いえ、こちらも仕事で少し遅れましたから、気にすることはありませんよ――――壺井さん」

 

 クラインこと、壺井遼太郎。コウとチウが麻帆良の魔法関係者に奮戦する中、彼もまた知らずに魔法関係者と接触していた。

 




直接対決、直前まで終了です。第三試合は本来楓がいたんですが、コウとチウが参加したので、いきなりクウネルさんと戦ってもらいました。そのため、既に一度『変身ナギ』が出てます。自重なしの重力魔法が飛び交う一回戦……

クラインと刀子さんのデートと違いすぎる現状に、絶望するコウとチウw
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。