魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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新年明けましておめでとうございます!

それでは、週一更新に移行しての第一弾、いっきまーす!

皆さんお待ちかね『図書館島』編はじまりはじまり~♪



007 騒動と突撃と

SIDE:チウ

 

 前回の話し合いで、あのチビッ子のフォローが決まって、しばらく……とりあえず、クシャミで武装解除が暴発したときには、神楽坂にジャージを貸してやり、惚れ薬(確か違法と聞いた…)を作ってきた時には、既に飲んじまった後だったので、正気を無くしたクラスメートの介抱にまわった。

 

 …が、流石に女子風呂に一緒に入ってやがった時には、フォローのしようも無かった。その後日、高等部とのドッジボール対決になった時にも、何で対決になるのかに頭抱えててフォローしなかった。

 

 

 ―――そして、今日。

 

 

SIDE OUT

 

 

「モウイヤダモウイヤダモウイヤダ……」

 

「……あ~~、ヒースクリフ。チウの故障を治す特効薬とか無い?」

 

「フム、気にすることもあるまい。幼い魔法使いの常識の無さに、改めて嘆いているだけだろうさ」

 

 ここ最近の通例になってきた、『ヒースクリフの魔法授業』。今日はいつにも増して、チウの様子がおかしい。

 

「…………なあ、チウ。一体何があったんだ? 原因は、以前フォローを頼んだ子供先生だとは思うけど」

 

「ハハ、コウ。もうゴールしてもいいよね?」

 

「いや、ダメだから。三途の川渡っちゃうから」

 

 実際それくらいヤバイように見える。訓練のときも半ば条件反射的に身体は動いてるし、基本魔法もどんどん覚えてるけど、流石にこれはダメだろう。

 

「あのガキ、教室内で武装解除暴発させるわ、違法の惚れ薬作るわ、人目が少しでもなくなれば杖で飛ぶわ、挙げればキリが無えんだよ……」

 

「……それはまた」

 

 どんだけ魔法使用に抵抗感が無いんですか。それに暴発って、そういうのは魔法学校で最初に教えるべきことでは?

 

「あまつさえ、今日に至っては授業中に、『英単語野球拳』だぜ? 常識無いにも程があんだろ……」

 

 ………………それはつまり、子供先生はチウの素肌も見たと? ……ふうん。

 

「……て、オイ。ちょっと待て。お前、何、武器フル装備して、出口に向かってんだ?!」

 

「いやあ、ちょっとな。英国からのお客様に、ほんの少し日本のホラー映画を体感してもらおうかと」

 

 そう、具体的には夜道で襲われる的な。ジェイソンとフレディ的な。井戸から出てくる貞子的な。

 

「それホラーじゃねえし。いいから落ち着け。主に脱がされてたのは、いつものバカ五人衆(レンジャー)だから」

 

「……なら、いいか」

 

 好きな女の子以外には、もう少し勉強しなさいとしか言えない。まあ、それはともかく。

 

「チウも今日は、しっかり勉強した方が良いんじゃないか? そんなんじゃ、ここ最近勉強に身が入らなかっただろ?」

 

「う゛」

 

「……君達。この空間を勉強部屋代わりに使う気かね」

 

 いやこの時期だし、学生としてはそれが本分でしょ?

 

「まあ固いこと言わずに……SAO特製面白料理のレシピ仕入れてきたから」

 

「また何か作ったのか…」

 

 新作料理は『醤油味のしない醤油ラーメン』です! そんなこんなで、その夜は更けていった……。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 で、翌日。同じく『ヒースクリフの魔法授業』空間内。

 

「子供先生と、バカレンジャーが行方不明?」

 

「ハアァァァァァァ、そうなんだよ………」

 

 何でも、読めば頭の良くなる魔法の本を探しに行ったとか。でも、それって……

 

「子供先生は止めなきゃいけない立場では?」

 

「だよなぁ……」

 

 教師の自覚無いんじゃなかろうか……?

 

「ちなみに今日の授業は?」

 

「英語は自習だったよ……」

 

「「………………」」

 

「「ハアァァァァァァ……」」

 

 何と言うかダメダメだな、子供先生。

 

「そういうわけで、ヒースクリフ。今日の修行は中止にしてくれ」

 

「それはかまわんが……助けに行くのかね? この街の中なら、よほどのことが無い限り身の安全は保障できるが?」

 

 なんだかんだで、チウは優しいな。バカレンジャーの普段の成績を考えたら、もう少しお灸を据えるほうがいいと思うが。

 

 

「宮崎たちから聞いたんだが……連絡が切れる前に、石像が動いただの、穴に落とされるだのいう叫び声と、やたらバルタンみたいな笑い声がずっと聞こえてたんだとよ」

 

「――それはつまり、あのバルタン笑いのぬらりひょんが一枚噛んでいると……?」

 

 

 ……それは、興味深い。確か動く石像(ゴーレム)を初めとする無機物系の人形には、魂を宿さない限り意思など無いはずで、それ以外の場合は、たいてい術者が一定の五感を共有しているもので、その場合複雑な指令も可能となると講義を受けた。と、いうことは。

 

 

「つまり、今子供先生達を追っている石像は、学園長と五感がリンクしている可能性が高い。と、こういうわけだな? チウ」

 

「ああ、その通りだ……これは大チャンスと言えるな」

 

 

 つまり、こんなフザケた学園を放置し続けている、あのナスビ頭を唐竹割りにしても、誰にも文句を言われない、と。ぬらりひょんも、死にはしないけど、ペインアブソーバ完全オフに近い痛みを受ける、と。

 

「串刺しと、真っ二つと、どっちがいいかな?」

 

「まあ、待て。一瞬で終わらすのはまずい……私が切り刻もう」

 

(冥福を祈りますよ、学園長……)

 

 じゃあ、行きますか。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 場所は変わって、麻帆良学園・図書館島。

 

「改めて来てみると、地上部分はともかく、地下から微弱な魔力を感じるな」

 

「まあ、フツーこんな図書館はありえねえからな。十中八九、魔法関連施設だろう」

 

 一応、一般にも開放されている地上部分から入ったけど、ここまではテスト前で人も多く、監視の魔法は感じ取れなかった。

 

「さて、此処からだな……頼めるか、コウ?」

 

「OK……リンク・スタート 集え幻視の精 幻惑の霧 我らを包みその手に抱け―――≪幻霧の繭≫」

 

 手に持ったトランプのクラブの杖から、半透明の霧が発生した。オレの得意呪文は、影・幻・闇。今回は、自分達を覆い隠す透明化を施した霧を発生させた。

 

「よし、見えなくなった……けど、向こうはあの妖怪だからな。お前も顔を隠して置けよ」

 

 そう言ってチウが、以前夜店で買った狐の面をつけた。まあ幻術を見破れるなら、お面も無意味かもしれないけど。

 

「分かってる。あのとき、お揃いで買ったのがある」

 

 そうして取り出したのは、チウのものとは色違いの黒い狐の面。顔隠すものがこれしかなかったからな。

 

「よし行くか……」

 

「少し悪趣味だけど、わくわくしてきたな」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 …それから探し回り、此処は図書館島の地下。正直ここにくるまでに、バカみたいに高い本棚だの、滝が存在する本棚だの、見たような気はするが、なにもなかったんだ。いいな! 『なにもなかったんだ』!!

 

 正直地下空間の広さから探すのは相当手間取りそうだったが、そこはそれ。チウの風魔法を使って、地下構造を走査。さらに常時魔力駄々漏れの子供先生と、ぬらりひょんの孫を捜索。何故か子供先生は探知できなかったが、ぬらりひょんのお孫さんの探知と、その周りの生体反応を多数発見。そこへと通ずる穴を見つけ出し、最近覚えた飛行魔法で二人で落下……今に至る。

 

 まあ、今問題なのは。

 

 

「他人(ひと)が探しに来てやったのに、のん気に勉強会してやがることだよなぁ」

 

「…どうする? チウ」

 

 

 穴から出てきて近くまで急いで行って見てみると、彼らは勉強会の途中のようだった。今の現状を理解しているのだろうか?

 

「まあ、パニクられるよりは、面倒が無くて良いか。いくぞ、コウ」

 

「ターゲットは、この近くに隠れていると見るべきだろうな。リンク・スタート 月夜を覆う深遠なる影 我が手に宿りてこの身を覆え―――≪影の衣≫」

 

 オレが唱えたのは、影の魔法の中位呪文にして、影装術の基礎となる呪文。身体の表面を影が覆い、身体性能を強化する呪文。さらに影の一部を変異させることで武装を作ることも出来る。武器使いのオレにとっては、武器の持ち運びに便利な呪文だった。

 

 ヒースクリフ曰く、「この呪文は基礎にして最強。極めればそれだけで最強足りえる」とも言われた呪文だ。最もいまだに影を展開できるのは、両腕と背中(・・)くらいだが。

 

「『形態変化』―――≪妖精の翅≫」

 

 背中に展開した影の衣を変異させ、コウモリのような翅に変化させる。呪文の進歩によって良かったことは、ALOの妖精の姿の『一部再現』が可能になったこと。つまりは、『妖精の翅』を影で作れるようになったことだ。若干紫がかった闇妖精(インプ)特有のコウモリのような翅は、シルフほどではないにしても、高速飛行が可能だった。もっとも身体に本来無い器官で、しかも体重を支えるわけだから少し多めに魔力を消費するが。

 

「リンク・スタート 集え光の精霊 風の精 我が背に宿りて 大空翔る 羽ばたく羽根を―――≪光の翼≫」

 

 チウの方はトランプのスペードの杖を持って、自分の周りを巡るような光の粉末を出した。ソレは徐々に背中に集い、一定の形を成していく。これは光魔法の応用で背中に翼を作り出し、それに風魔法を纏うことで飛行を可能とする呪文。形状は本人のイメージに左右され、ALOでのシルフの翅そのものとなっている。ALO内では、スプリガンとシルフの速力(スピード)狂の兄妹とも競り合っていた翅だ。

 

 閑話休題

 

「仮面も付けてるし、これでばれる事は無いだろ……いくか」

 

「そうだな、まずは心配かけた子達に、お説教かな」

 

 今ここに、SAO生還者(サバイバー)と魔法先生が邂逅することと相成った。主に、魔法関係者から受ける多大なストレスのはけ口を学園長に求めて…………

 




 というわけで、週一更新第一弾です!

 前回彼らはネギ先生のフォローに回ると話してましたが、あくまで先生個人に対してであり、魔法使い全体への印象は変わってないんですよ……

 もっとも今回である程度ガス抜きした後に、コウとチウは『とんでもない奴』に遭う予定なので、その後はかなり魔法使いたちとの接し方が変わってきますが……

 ちなみに今回出した≪幻霧の繭≫、≪影の衣≫、≪光の翼≫は詠唱含めて全部オリジナル魔法です。影系統には公式で≪影の鎧≫があるんですが、コウはまだまだ初心者と言うことでオリジナルにしました。それに……鎧の方は『脱げ女二号』になる可能性ありまして……

追記(1月6日):週一更新に変えたこの作品の反応はどうかな~、と軽い気持ちでランキングを覗いたところ…

日間第9位にこの作品がががが
Σ(°Д°;)ポカーーーーン

読んでくれた皆さん、本っ当に、ありがとうございます! これからも頑張ります!!
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