魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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クロスものでしか出来ない限定イベント、開始します。



077 麻帆良大戦、開幕

 

 それは、唐突な始まりだった。

 

 図書室で開始予定時刻を待っていたチウとコウの耳に、遠くで響く衝撃音が飛び込んで来たのだ。

 

「チウッ?!」

 

「今のは――オイ、まだ開始時刻じゃねえぞ!?」

 

 ただならぬ事態に慌ててチウがネット上の情報を確認する。その間に、コウの携帯に菊岡からの着信が入って来た。

 

「菊岡サンか? さっきの衝撃音はなんだ。まだ開始予定時刻じゃないだろ!?」

 

『どうやら、向こうが開始時刻を早めたみたいだ! 今事態の確認のため、天ヶ崎さんに向かってもらっている。すぐに連絡が来ると思うから、そっちも準備を!!』

 

「その確認は必要ないみたいだぜ、菊岡サン。どうやら戦闘開始で間違いないみたいだしな」

 

 そう言ってチウが探し当てた、麻帆良湖のリアルタイム動画。そこには湖中から姿を現す巨大なロボットの姿があった。

 

「計画を早めたと見て間違いないな。菊岡さん、すぐに天ヶ崎さんに連絡して、対処に回ってくれ。俺達もすぐに向かう」

 

「だな。綾瀬、ここは任せる。ネギ先生の魔法が必要になるとしたら、事態の収拾の辺りだ。タイミングを見て、お前が起こしてくれ」

 

「コウ、チウ。こっちも準備すんだよ」

 

「それじゃあ、思いっ切り暴れるかにゃ?」

 

 コウ、チウ、レーカ、キッド。各人が自身の得物を手に、戦意を高める。夕映に後を任せ、全員が図書室を出ようとしたところで、チウのパソコンが突如光を放った。

 

『チウちゃん!!』

 

 画面に映し出されたのは、チウの親友のユイ。ひどく慌てた様子で画面の中を飛び回っている。

 

『チウちゃん、大変です! パパが……ママが!!』

 

 常にはない慌てた様子のユイ。その様子は、事態が彼女らの予想すら飛び越えて動き出したことを告げていた。

 

 ◇ ◇ ◇

 

 所変わって、麻帆良湖沿岸に展開された戦線。そこでは3-Aの釘宮らが各魔法先生たちと共に巨大ロボットへと対抗していた。

 

「一般生徒は、小型・中型のロボットへ対処してください! 大型は、我々ヒーローユニットが対応します!」

 

 この戦場で指揮を執るのは魔法先生の一人、葛葉刀子。そして最前線で大型ロボットと戦うのは神多羅木という黒服にサングラスの教師だった。

 

「戦線をよく維持している……流石は我が麻帆良の生徒。馬鹿にはできんな」

 

 戦場に不意に生じた空白。その時間に紫煙をくゆらせ、神多羅木は周囲へと視線を走らせた。地上ではあちこちで小競り合いが生じているが、これを大規模サバイバルゲームと思っている生徒たちは当初の予想を超え、善戦していた。これならば、早晩事態の収拾に移れるだろう。

 

 ――そう考えてしまったのは、致命的な油断だった。

 

 瞬間、ゾッとするような悪寒が神多羅木の背筋を駆け抜けた。振り向きざまに得意の風系無詠唱呪文を、フィンガースナップと共に撃ち出す。都合三つの鎌鼬が、背後に迫っていたフードを被った襲撃者へと迫った。

 

「なッ?!」

 

 神多羅木は、目の前の光景が理解出来なかった。彼の放った魔法は、障壁で防がれるのでもなく、≪魔法の射手≫で相殺されるのでもなく、剣で斬り裂かれた(・・・・・・・・)。魔法の核となる一点を見抜かれ、全てを寸分たがわず斬り裂かれたのだ。尋常ならざる剣の腕前に、警戒心が最大まで高まる。

 

「どうやら、君らが事前の情報にあった、超一派側の協力者か」

 

 にらみ合っていた両者の間に、周囲に散開していた魔法先生および魔法生徒が集結してきた。それに対し、目の前のフードの人物の後ろにも、周囲に隠れていたと思われるフード集団が集まってきた。人数は、十人にも満たない。

 

「どういった意図で協力しているかは知りませんが……大人しく降伏なさい。彼女のやろうとしていることは、決して許されないことです」

 

 葛葉が凛とした様子で告げる。その言葉に、神多羅木と戦っていた者ではない、他のフードが進み出た。

 

 

「――――(わり)ぃが、そういう訳にいかないんスよ、葛葉さん」

 

 

 その言葉と声に、葛葉が目を瞠った瞬間、そのフードの男は彼女の眼前に移動し、腰から白刃を抜き放った。

 

「くっ!」

 

 咄嗟に彼女が抜いた野太刀とぶつかり合い、鍔迫り合いの状況になる。フードの男の得物は、機械式の部品で構成されているものの、反りのある片刃の刀剣。『カタナ』とも、日本刀とも呼ばれるソレだった。二人の激突を合図とするように、周囲のフードもまた動き出した。

 

「ハアアアアッ!」

 

「セアアアアッ!」

 

「てえいっ!」

 

「おりゃあ!」

 

「うりゃああ!」

 

「せええいっ!」

 

 二本の片手剣、細剣(レイピア)短剣(ダガー)両手戦斧(バトルアックス)片手戦槌(メイス)、長剣が閃き周囲の魔法先生たちへと襲い掛かる。近接戦に優れた者たちが前に出てそれらの初撃を凌ぎ切った。

 

「これは……話に聞いた以上の手練れだね」

 

 二本の片手剣を携えた剣士と対峙した高畑が、内心舌打ちする。あの一瞬、防御と同時に抜き打ちの無音拳を放った彼だったが、強化無しだったとは言えスピードにおいて並ぶもの無きその攻撃を、目の前のフードは完全にしのいだ。それも、先の神多羅木同様、身体に当たる本命だけを剣で斬り裂くという方法で。本国の評価で言えばAAにも匹敵する強敵に、彼もまた最大まで警戒する。

 

 そんな中、一人だけ精彩を欠く者がいた。

 

「なぜ、なんですか……!」

 

 葛葉刀子。最初に激突した彼女だけが動揺を露わにし、未だに目の前のフード男と鍔迫り合いの状況にあった。常にない彼女の様子に、周囲の同僚が訝しむ。ぎり、と彼女の野太刀を握り締める手に力がこもり、その言葉を口にした。

 

 

「なぜ、貴方がここにいるんです! 壺井さん!!」

 

 

 その呼びかけに、フードの男は力を込めて鍔迫り合いを跳ね除けて距離を取り、そのフードを払いのけた。

 

 出てきたのは、葛葉と同年代の男。その服装は、『超包子』が刻印された未来的なボディースーツを纏っており、特徴として左肩と腰回りに武者鎧を思わせる蛇腹状の外板が取り付けられていた。

 

「ホント、スイマセン……けど、あいつ等の為だっつうんなら、それを見て見ぬふりするのは、俺の武士道に反するんすよ」

 

 それを合図に、全員がフードを取り払った。出てきたのは極めて若い青年と女性たち。斧使い一人だけ壮年の域ではあるものの、まだ大学生くらいと思える集団だった。その全員が細かい意匠は異なるものの、同一の『超包子』が刻印されたボディースーツを纏っている。

 

 予想だにしていなかった相手の姿に全員が停止する中、黒いボディースーツを身に着けた二刀流の剣士が高らかに宣言する。

 

「俺達の大事な仲間で、戦友の四人のため……チーム『SAO生還者(サバイバー)』、この戦いに介入する」

 

 それは、かつて仮想の世界の戦いを終わらせた英雄たち。かつての少年少女は成長し、そして今、最大の障壁として立ち塞がろうとしていた。

 




SAO組、ボスキャラ化、終了……
この展開、実は当初から決めていたことでして、超の背景と経緯を決定した辺りで、彼らのボスキャラ化は必然でした。ちなみに彼らが着てるボディースーツは、原作で超が着てた軍用強化服です。

原作では龍宮一人に負けてた魔法先生方ですが、敵性戦力が数倍に跳ね上がったことで、もはや無理ゲーレベルにw

さて、今回出てきたSAOボスキャラ組は七人ですが、誰が足りないのでしょうか……?ヒントは、武器に注目。
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