魔法先生ネギま!~闇の剣と星の剣   作:路地裏の作者

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今回展開が思いつかず、投稿に少し遅れました。スイマセン!



082 師弟邂逅

 

「……お話って、何を話すんだよ? 正直、降伏勧告とかなら受け入れるのは無理だぞ?」

 

『まあ、そうかもしれないけど。とりあえず聞いてみたいことがあったのよ』

 

 チウがスピーカーの向こうのシノンさんと話すが、その間敵のロボット軍団は遠巻きに囲い込むだけで何もしてこない。絶好の攻撃機会をわざわざ逃すのは、製作者の意図だと思うが、一体何のつもりでこんなことをしているのだろうか?

 

 超についてはユイのガイノイドボディの製作の関係で知っている程度だが、チウから聞いた話では目的の為なら手段を選ばない科学者然とした人物……要は『マッドサイエンティスト』という表現が一番妥当だと聞いていた。そんな人物が、自分の計画の邪魔になる一団を何の考えもなしに放置するとは思えない。

 

 そんなことをつらつら考えている間も、チウとシノンさんの話は続く。

 

「聞いてみたいことってのは、なんだ? 一応聞いとくが」

 

『相変わらず口悪いわね……あなた達は、もしこのまま魔法世界に向かえば、命を落とすってことは知っているのよね?』

 

「超が話したって言う未来の話か? それならユイに聞いたぜ」

 

『そう……だったら、どうしてあなた達は戦うのかしら?』

 

 ……場に沈黙が流れる。成程、確かに死が待ち構えてるのに、わざわざそっちを選ぶなんて普通はしない。それを聞きたかったから、シノンさんはここで待ち構えていたのか。だとすると、答えるべきなのはチウじゃない。

 

「――その質問には、オレが答えますよ。オレが魔法世界に行くのは、≪笑う棺桶(ラフィン・コフィン)≫とのつかなかった決着をつけに行くため。そして、何よりも水原光(オレ)という人間をもう一度ちゃんと始めるためです」

 

 その回答に、またしばらくの間スピーカーから沈黙が流れる。やがて再び聞こえてきたのは、やや真剣さを増した声だった。

 

『……コウ、分かっているの? それがどのくらい危険なことなのか』

 

「分かっています」

 

『未来は、変えられるのかも分からないのよ?』

 

「それでも変えます」

 

『あなたも、レーカやキッドも死ぬかも知れないのよ?』

 

「死なせません。絶対に」

 

 運命だろうと、未来だろうと、人間はそんなものいくらだって変えられる。SAOを生き抜いたオレやチウは、そのことを本当に良く分かっていた。キリトさんもアスナさんも、かつては分かっていた筈だ。それでも敵に回ったのは、それだけオレやチウのことが心配だったんだろう。心配をかけてしまうのは、本当に済まないと思う。だとしても、この件から降りるつもりはない。

 

 こちらの意思を感じ取ったのか、再度の沈黙の後、やや疲れたような溜息が漏れた。

 

『はあ……仕方ない、か。アンタ達は昔っから変に強情だものね。でも、行くんだったら、絶対に無事に帰って来なさい。それこそ仕事っていう都合を押し付けてきた菊岡を踏み台やら犠牲にしてもいいから。全責任は菊岡に押し付けるつもりで行ってきなさい』

 

「――――んにゃ? シノン、戦わないのかにゃ~?」

 

『キッド? 私と戦ってたら、あなた達四人なんて、近づかれる前にお陀仏よ。まあ、折角面白い銃と軍用強化服なんてもらったんだし――――』

 

 シノンさんの言葉が切れた瞬間、目の前のロボット軍団へと真っ黒い渦状の球体がいくつも撃ち込まれた。

 

『――露払いくらいはしてあげるわ』

 

 ガキュキュ!と特徴的な音を立てて敵が消えていく。あっという間に進路が開けた。

 

「サンキュー、シノン!」

 

『いいわよ。その代わり、キリトたちとはあなた達で戦って、きちんと向き合いなさい。私は向こうの狙撃手に少し用があるから』

 

 周囲の建物には、いくつも田中さん型ロボットが武器を構えて群がって来る。それでもオレ達四人の足が止まることは無い。障碍となり得る個体を優先して排除してくれる狙撃手が味方に付いたことで、先程よりもはるかにスムーズに進めるようになった。

 

『キリトたちはその先の広場よ。じゃ、後は自分たちで頑張りなさい』

 

「りょうか――――ッ!?」

 

 シノンさんの最後の通信に返答しようとした瞬間、右手側の建物の上から、ジェットエンジンのような音を立てて高速で飛来する物体が目に入った。慌ててそちら側にいたレーカを押しのけ、片手剣ソードスキル≪ヴォーパルストライク≫で迎撃する。

 

「「ハアアアアアッ!!」」

 

 ちょうど中間で爆発音を響かせ、両者の攻撃の衝撃が爆ぜた。反動で相手と共に数メートル吹き飛ばされ、地面に沈み込むように着地する。

 

「――――やっぱり、キツイですね」

 

 こちらが突き出した漆黒の片手剣に対して、相手が使ったのも機械的なフォルムの黒鉄の片手剣。繰り出した技も、全く同じ≪ヴォーパルストライク≫。それだけで相手が一体誰なのか、しっかりと感じ取れた。

 

「……悪いな、コウ。お前たちを魔法世界に行かせるわけにはいかないんだ……」

 

「キリトさん……!」

 

 ――かつて、アインクラッドにおいてプレイヤー解放の勇者とされた最強の剣士。≪黒の剣士≫キリト、その妻≪閃光≫アスナ、≪ビーストテイマー≫シリカ、鍛冶師リズベット、商人エギル、風妖精(シルフ)リーファ。仮想世界において、かつての英雄だった最強の戦士たちが目の前に立ち塞がった。

 




いよいよ次回から師弟対決。その前に少し狙撃手対決も描くかも知れません。

シノンは敵に回ると、龍宮と共に無理ゲーになってしまうので、味方にしてみました。少し展開が強引かも……

最近この作品の展開やネタがつまり気味。もう片方の作品はポンポン展開が出るし、オリジナル作品のアイデアはすぐ浮かぶのに……
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