モモンガさん、転生する   作:一人旅系亜種

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エンリ&ンフィーレア

 とんでもない爺さんとの出会いや、たぶん次期皇帝になるであろうジルクニフとの親善は無事終わった。いくつかの贈り物を貰ってから、師とお話ししたいと喚くお爺さんを連れてジルクニフは国へと帰っていった。別に転移魔法が使えるのだから、会おうと思えば会えるはずですよと言ったら、当人は承知致しましたとか納得はしていた。

 その様子に、この爺と呆れた目を向けていたジルクニフだが、最後にはこんなんでも我が国の重鎮なんだよなぁと無理矢理納得していたのだから凄い。

 ちなみにフールーダの第七位階獲得の件だが、習得前にあることをしないといけないことが判明した。フールーダが長生きしている理由は、キンジュツシの仙術にある禁呪。禁呪は何かを封じる魔法で、フールーダはこれを使って老化を封じる事で永遠の時を生きようとした。魔法の深淵を覗くためには、人の寿命では短すぎると判断したのだとか。

 ただこの魔法はもっと上の位階で学べる魔法で、フールーダが習得できる魔法ではない。特殊な儀式を行う事で、発動したままの状態にしてある。しかし儀式により無理矢理発動したせいか、フールーダの魔法は不完全な状態。不老になる筈が徐々に年をとっていて、このままではいずれ老衰することは確定している。

 もしもキンジュツシをここで外してしまったら最後、フールーダはいきなり寿命死してしまうかもしれない。それを防ぐためにも一度帝国に戻ってもらい、俺はその禁呪を使うための儀式を準備して貰った。

 そこに転移で俺はお邪魔する。

 

「その儀式魔法の発動を」

「委細承知! わが師の命を実行させて頂きます」

「……そこだ! <魔法修正強化・上位魔法封印>」

 

 俺は修正強化した<上位魔法封印>に禁呪を封印。一度封じてしまえば、禁呪は使い捨てだが俺の魔法として行使できる。魔法強化タレントを持つ、俺の魔法として。

 修正内容は他人にもかけられる。一度禁呪で封印したら、術者が解かない限り封印されたままにする。最強化可能に。

 位階上昇させて、最強化をかけてフールーダに禁呪を使用。封印するのは同じく『老化』そのもの。禁呪そのままだと老化を喰いとめるのが精々だが、実質第十位階にして最強化まですればどうだ!

 禁呪は上手くいったのか、立会人を頼んでいたジルクニフ……と、第十位階魔法詠唱者の魔法行使を見学したいと付いてきた皇帝が驚きに声を上げた。

 

「じ、じい? じいなのか?」

「なんという……これが第十位階魔法詠唱者の実力なのか!!?」

「私はどうなったのですか!?」

「鏡があるから、それで自分を見てみたら良い」

 

 俺が手鏡を渡すと、フールーダは自分の顔を見る。髭は全て抜け落ち、若々しくなり皺の無くなった顔を。白髪になっていた髪は、元からそこまで変わらない白銀色をしている。フールーダは自分の手を眺める。しわがれて枯れ枝としか言えなくなっていた老人の腕から、ふっくらとした若者の腕に変わった自分の腕を。

 

「これは若返って……!?」

「禁呪は使い手によって封じられる物が変わる。未熟なフールーダが使えば、老化を封じようとしても、ゆっくりとだが進行してしまう。私が使うのであれば、より強力な物を封じられる。例えば老化した事実そのものとかな」

「老化を止めても、私が老いた事実は変わらない…………しかし老いが封じられたならば……老人となってしまった体は矛盾として処理され、私は若い体に戻る?……」

 

 理屈としてはそうだ。老いが封じられたのに、老いた体なのはおかしい。それを処理するために、老いた体そのものが封印されて、結果として若い肉体だけが残る。この手の不思議現象は、俺の魔法強化につきものだ。二重戦士化をしようとすれば、元になる魔法詠唱者レベル以上が変換されたり。

 しかし『老化』封印は非常に便利だ。禁呪に関しては、覚えられるなら俺も覚えておきたいな。今までの課題であった、人間は老衰してしまう問題が一気に解決する。

 

(キンジュツシを習得したいが、今の俺のレベルで入れる余裕はない。俺のレベル上限は、モモンガ玉が機能しているならプレイヤーと同じ100の筈。そこに詰めたいクラスについては既に決まっているから難しい)

 

 素手で戦う事が多いから20レベル分はモンク系列に回し、残りの大半は元々適性のある魔力系で今回は固めている。信仰系は習得するのに信仰心が必要で、俺には神様を信仰する習慣がないせいか非常に適性が低い。クレリックとかプリーストなどはほぼ絶望的。

 ただしドルイドなどは自然に対する信仰心。俺は前世が環境破壊上等で自然なんて滅んでいたせいか、この世界に生まれて大層自然に感動したこともあり、自然信仰とそこまで相性が悪くない。もしかしたらドルイド系列ならあるいは……といったところ。そして精神系にしても、魔力系と比べたら相性が良くないだけで、時間をかけたら習得可能なのも判明している。

 

(モモンガパワーとは別に、俺には99レベル分の余裕がある。ワールドリインカーネイターが5レベルまで育ったら習得可能分は95まで落ちるが、その代わりに凄い事になるから問題はない。ま、それらを習得するとしても次だな。次回にどうするかだ)

 

 とにもかくにも、フールーダから貰った禁呪を魔改造したことにより、帝国の大魔法使いは『老化』しない永遠の肉体になった。中々悪くない結果じゃないかと俺は自分を褒めてお──

 

「師よぉ! 我が偉大なる師よ!! やはりあなた様こそが、この世でもっとも優れた頂点に立つ魔法師にして魔導師!! あまねく魔法詠唱者が仰ぎ見るべき魔術と魔法の神王!! 私を導くばかりでなく、若き肉体まで頂いた事、心の底より感謝を申し上げます! 我が全てを御身に捧げ、伏して仕える事をお許しください!!」

「……フールーダ殿。あなたが仕えるのは私ではなく、あちらにおられる皇帝陛下と、皇家の歴史において最大の天才であるジルクニフ殿下だ。間違えるな」

 

 という事で宜しいですかと目で問うてみたら、ジルクニフはそいついるけどいらないと目で訴えてくる。皇帝はと言うと、こんなんが我が国の大英雄? うそでしょ? 私に魔法のいろはを教えてくれた教師の真の姿がこれ? みたいな心の声が聞こえてきそうな様子だ。

 

「……え、エモット公爵。我が国の主席魔術師に助力してくれたこと、恩に着る。この礼については、後日正式にさせて頂きたい。なんでも御身の誕生日は下風月と伺っている。その時に、我が国からもいくつか贈り物を、此度の礼としてそちらに贈らせてもらいたい」

「ありがとうございます、皇帝陛下。では私からも一つ、御身に願いたいことがございます」

「なんだろうか?」

「フールーダ殿が公務を誤魔化し国を抜け出し、我が国にお忍びで来ないように見張って頂きたいと願います。無論私からもフールーダ殿にはげんめ……お願いはしますが、皇帝陛下からも口添え願いたいと思っております」

「それは善処しよう……我が国の総力を挙げて、善処しよう……」

 

 国一番の重鎮に対する仕打ちではないが、この数日で見せたフールーダの奇行は俺とジルクニフ、あとこの場で魔法キチの姿を見てしまった皇帝に深い衝撃を与えてしまった。全員が一つの思惑で繋がる。この魔法爺だけはなんとかして押さえよう。対フールーダ同盟だ。

 

 とまぁこんな感じのオチが付いた帝国とのファーストコンタクトは無事? 終わり、少し季節が廻れば4月にあたる上風月が終わり、5月にあたる中風月がやってくる。つまりエンリの誕生日だ。

 今までであれば、法国からの贈り物や祝辞が届くぐらいのささやかなイベントだったが、王国公爵閣下の妹君かつ、王の懐杖にしてエ・ランテルの領主となっている人物の妹の誕生日だ。普通にそこそこ大きな催しものになる。

 まぁ大きいと言っても、俺の誕生日ほどではないらしい。なにせ俺の誕生日は、法国の一大イベント。あらたに設定された祝日には、闇の祭りハービンが開かれるのだとか。ハービンってなんだよと思ったら、ハロウィンのことだった。そんな文化まで持ち込んでたのね、六大神は。

 アンデッドのコスプレをして練り歩く行事とまでは残っているらしく、これをせっかくなので復活させたとかなんとか。法国でアンデッドなんてOKなのかよと思うが、現在新型ゴーレムが稼働しているから問題ないらしい。嘘も方便だー。でもハロウィンは10月のイベントで、俺の誕生日は6月なんだけどな……

 

「けっこう人が集まるものだな」

 

 エンリの誕生パーティ会場は、領主宅の一室を使って行っている。質実剛健な館ではあるが、社交パーティに使えるような会場もある。そこに椅子や机を並べて、立食形式にして誕生会開催だ。

 そこまで人が来てくれるか? なんて疑問に思っていたが、エ・ランテルのお偉い人達はみんな集まってくれた。神官長も代表として、闇の人が来ている。他にも漆黒や陽光のメンバーなんかも顔を覗かせている。

 六色がこんなとこにいていいのか? となるが、俺の眷属で人手に余裕があるから大丈夫らしい。この先王国戦士団も育ったら法国と協力戦線を築くので、なお余裕が出来る。うんうんホワイトなのはいいことだ。代わりに俺がなんかブラックになってるが、今だけの話。人材が育てば楽になる。それまで頑張れ俺!

 

(しかしみんな楽にしてくれているな。格式ばっかりな作法を無しにして正解だったな)

 

 貴族令嬢のパーティなどはもっと格式ばった宮廷作法があるのだが、今回それは無しでもっと気楽な催しとしている。理由の大半は、エンリがまだその手の礼式に慣れていないからなのと、俺の使う作法は法国式で王国式とはかなりの別物だから。礼の仕方とかはだいぶ違うんだよな、法国式は。

 宗教が国の土台になっていて、他種族との戦争が多かったせいか、かなり質実剛健な手順になっている。王国式や帝国式では行う手順が、大胆にも省かれていたりする。

 いい加減俺も覚えないといけないなとは思うので、今度エンリと共にパンドラ先生から教えてもらう予定。ちなみにパンドラは、全作法を習得し完璧に使いこなせる。俺もハンディマンとか言う万事屋クラスがあるから礼儀作法は覚えやすい方だが、それでもパンドラには速度で大幅に負ける。怖いね、うちの参謀殿の天才性は。

 会場を眺めていたら、隅っこの方で何やらもじもじしている少年を発見。ンフィーレアだ。手に何か小瓶を持っていて、チラチラとエンリの方を眺めてはどうしようかなーみたいな空気を醸し出している。

 あれは……そういうことか。仕方ない、俺が一肌脱いでやろうかな。

 

「や、ンフィーレア。そんな所でどうしたんだ?」

「あ、モモンお兄さん……その……なんでもありません」

 

 なんでもはあるだろ、なんでもは。どう見てもエンリの方を気にしてたじゃないか。

 

「その小瓶、もしかしてエンリへの贈り物かな?」

「うぇ!? え、いや、違う……かも」

「ふぅん? 直接渡すのは恥ずかしい?」

 

 俺がそう言うと、ンフィーレアはうぅ……と唸って小瓶を後ろ手に隠してしまう。ンフィーレアも今年で6歳になる。元々精神年齢が4歳ぐらいは高い子だから、精神の成熟性は10歳ぐらいか? それぐらいの年齢感覚だと、女の子に直接プレゼントするのは恥ずかしいのだろう。

 俺の場合、ンフィーレアやエンリぐらいの年齢の頃には、野盗やゴブリンに死をプレゼントするぐらいしかなかったので、こうやって見ていると新鮮な気持ちになる。

 

(ンフィーレアがエンリに気があるのは分かりやすいからな)

 

 ここに引っ越してきたときに初の顔合わせをしたのだが、その時にンフィーレアはエンリを見て固まっていた。俺はなぜそんな顔を? と思ったのだが、考えてすぐにピンと来た。それを確かめるためにンフィーレアに、エンリを見てどう思ったのか聞いてみたら、しどろもどろになり、可愛いと思ったか聞いたらビンゴ。

 若人の初恋は見ていて癒されるなぁ……ちょっと前まで見ていたのが、馬鹿どもの圧政圧政、時折傲慢強欲色欲暴食怠惰と糞みたいな人の欲が羅列され、俺とランポッサが憤怒と七つの大罪コンプリートだったので、なおさら心に染み入る。

 俺としてはンフィーレアの初恋を応援したい。なにせンフィーレアは、鉄と真鍮の指輪で使い魔にする第一候補だ。

 どんなマジックアイテムであろうと制限なく使用可能とする。このタレントを最大活用するのであれば、上限を100にするのは必然。公爵の妹となれば相応のお相手を求められるかもしれないが、相手が人類でも数少ない難度300近くにまで達した英雄となれば問題ないだろう。エンリ側がどう思うかはさておき、このまままっすぐに育ったンフィーレアは、エンリの婿候補としては悪くない。

 成長したら俺と一緒に人類守ろうな! ンフィーレア君!

 

「一人で渡すのが恥ずかしいなら、俺が一緒に付いていくよ。ここでまごまごしていても、エンリには小瓶は届かないぞ?」

「……それじゃ、モモンお兄さんも一緒に来てくれるなら……行きます」

「えらいぞ、ンフィーレア」

 

 俺がついてくるという事で決心がついたのか、ンフィーレアはエンリに向かってズンズン進んでいく。俺もそのあとをおっとりと付いていった。

 

「モモン様。男の子と一緒なんてどうされたのですか?」

 

 エンリと一緒にいたクレマンティーヌが、外行きの聖女モードで話しかけてくる。

 

「一人の男の子が勇気を出したんでな。発破をかけた者として、助力に来たんだ」

「そうですか……モモン様の助力を授かれるなど、その男の子は幸運者ですね。この世でもっとも強き御方の、分厚く強い手に助けられるのですから」

「しょせん俺の手なんて薄紙ですよ。自らが一歩前に出ようとする輝きに比べれば、なんとも頼りのない代物。自らが助かろうとするからこそ、尊きものもありますから」

 

 いつもの胡乱気なやりとりを、何の話してるんだろうとエンリが見てくる。ンフィーレアの方は、なんとか理解しようとしているのか、うーんと唸っている。可愛いなエンリもンフィーレアも。

 

「えっと、その、これ。エンリちゃんに、贈り物と思って」

「わーありがと! これは何かな?」

「それはね、香水の瓶だよ。ここを押すと霧が出るから、それを髪とかに振りかけたら良い匂いがするよ」

「こうかな……わ、甘い香りがする」

 

 ほー、確かに甘いバニラみたいな香りだ。バニラ果実も六大神がユグドラシルから持ち込んだ植物で、法国では香りづけ用途などで栽培されていたりする。エ・ランテルにも持ち込んで栽培してあるから、それを原材料に使ったのだろうか。

 

「んー、香水って髪に直接つけても大丈夫なのかしら? 痛んだりしない?」

「お姉さんは誰ですか?」

「あら、ごめんなさい。自己紹介がまだだったかしら。私はクレマンティーヌ・アゼイヤ・クインティアよ。こちらにあらせられるエモット閣下の婚約者です。君の名前は何かしら?」

「僕はンフィーレア・バレアレと申します! モモンお兄さんの婚約者さんだったんですね。よろしくお願いします!」

「元気な挨拶ありがとうございます」

「その香水ですが、髪の毛に使う事を想定にしてあるので、痛まない成分だけに限定してあります! なので使ったとしても、髪が痛むことはないんです……たぶん」

「たぶんと言うのは怖いが、バレアレさんの腕には信頼を置いてるからな。あとでお礼に行かないといけないな」

 

 エンリのために髪の毛専用の香水を作成するとなれば、かなりの試行錯誤があった筈。バレアレさんはお得意様なので、その苦労を労わないといけないと思っていたが、違うんですとンフィーレアが発言した。

 

「それを造ったのは……僕なんです……」

「ンフィーレアくんが!? 以前、君の薬学と錬金術の才能は別格と聞いていたが、その年齢で香水を作れるほどに!?」

「そうなのですか、モモン様?」

「はい。以前、法国に在住する天才に一度見てもらっています。あそこにいる方ですね」

 

 俺が視線を向けた先には、めっちゃ若返った千眼千視さんがいる。千眼さんはいつ亡くなってもおかしくない高齢だったが、俺がフールーダに貰っておいた禁呪を使う事で宮廷魔術師のように若返ったのだ。ついでに若返った例に、法国が持つ秘宝『ケイ・セケ・コゥク』の使い手カイレさんもいる。

 なおこの件で、またもや法国からの俺に対する信仰は凄い事になった。それでも前に比べると、なんだろうこの人達みたいな感情は大分薄くなった。初対面で靴にキスしないだけ、この人達は理性的なんだと思えるからだ。

 千眼千視を見たクレマンティーヌは、あの人が才能ある判定を下したなら事実だねと苦笑していた。観る天才だからね、あの人。

 

「そうか。ンフィーレアくんは、うちのエンリのために一杯頑張ってくれたんだな。ほら、エンリもお礼を言っておきなさい。ありがとうって」

「うん、お兄ちゃん。ありがと、ンフィー。この匂い大好きだよ!」

「だいす!! う、うん。僕も、え、エンリのこと……す…………す……」

 

 む! この気配はまさか! 俺とクレマンティーヌは顔を見合わせる。そして同時にエールを送る。

 頑張れンフィーレア君! 行くんだ! 行けンフィーレアくん! 誰かのためじゃない! 自分自身の願いのために!!

 

「ぼくも……エンリちゃんのことが……すき……だよ……」

 

 俺とクレマンティーヌはハイタッチを交わす。パアンと音を立てないように、無詠唱で<静寂(サイレンス)>しておく。ちなみにこの魔法は本来信仰系だが、法国で魔力系でも使えるように開発されたものだ。

 ンフィーレアの告白を聞いたエンリはパァと顔を輝かせる。お? この反応、もしかしてエンリも悪い気はしないか?

 

「うん! わたしもンフィーのことすき!」

「そ、それじゃ……」

「ずっとトモダチでいたいぐらいすきだよ、ンフィー!」

「……うん。ぼくも、エンリちゃんとずっといたいな」

 

 このくそぼけがぁ!! 男の子の一世一代の勇気を、台無しにしたら駄目でしょエンリ!! ンフィーレアの肩が見ただけで分かるぐらい落ち込んだだろうがぁ!

 クッ! 6歳で男女の機微がどうこうというのが無茶だったか。俺は失敗だったなとクレマンティーヌにアイコンタクトを実行したら、向こうは俺を見て首を傾げていた。何事?

 

「……考えてみたら、モモン様にも似たようなところがあったなーと思いまして」

 

 クレムの目は語る。

 

そっか、兄妹揃ってこんな感じなんだ。

何が?

 

 何を納得したのかは知らないが、クレマンティーヌはうんうん頷いていた。

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