モモンガさん、転生する   作:一人旅系亜種

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こっからの無法ムーブ見とけよ~


ワールドアイテム『永劫の蛇の指輪』

(永劫の蛇の指輪(ウロボロス)は貰っておくぞ……と言っても、聞こえちゃいないか)

 

 宇宙空間に漂いながら、俺は肉片になったびりけんに心の中で語り掛ける。転移した直後に強制転移で月へと飛ばし、ありったけを叩きこんで殺したプレイヤーを。

 装備なども含めて全て回収しておく。同時に、この肉片はここに置いていく。流石に13年間分の恨みは許せなかった。

 

(長かったな……13年)

 

 二周目をスタートしてから13年。俺はもとの一周目と同じになるように……動いていない。それをする必要が無いと、3歳ぐらいの時に気付いたからだ。

 俺の考えが正しいならば、ウロボロスは相当の無茶が利く。それに思い至ったから。

 俺は手元にあるウロボロスを眺める。あらゆる願いを叶える指輪。運営にさえ通れば、どんな無茶な要求すらも望むままに行使する最強のワールドアイテム。そしてこの世界には、運営なんて存在しない。

 つまり……普通なら通らないようなお願いすらも、こいつなら思いのままなのだ。

 

「蛇よ、俺はあなたに願う。俺の死に戻りの力。これを俺が望む形に変化してくれ」

 

 結果は……成功。運営がいるなら通らないだろうが、全ワールドアイテムのコピーすら叶うような代物なのだ。このぐらいは叶えてくれないと拍子抜けにもほどがある。

 

(ようし、ここまでくれば、あとはセーブ&ロードの力を限界まで使うだけだ)

 

 さぁて、それじゃ……ここからグリッチ連打の時間だ。俺が望む平穏な日々のために──頑張らせてもらうぞ。

 

「びりけん。ありがとう……お前がウロボロスをもってきてくれたおかげで、俺は望む俺に成れる」

 

 俺はとある時間軸を『奇蹟(ロード)』。そこは──

 

「なんや、ここは。どこ──」

「■」

 

 即殺。ウロボロスを回収。使用して自己強化に消費する。さて次のループだ。

 

「なんや、ここは。どこ──」

「■」

 

 即殺。ウロボロスを回収。使用して自己強化に消費する。さて次のループだ。

 

「なんや、ここは。どこ──」

「■」

 

 即殺。ウロボロスを回収。使用して自己強化に消費する。さて次のループだ。

 

「なんや、ここは。どこ──」

「■」

 

 即殺。ウロボロスを回収。使用して自己強化に消費する。さて次のループだ。

 ……びりけん。俺が満足な強化を行うまで、お前には死に続けてもらう。悪いのはウロボロスを持ってきたお前だ。ウロボロスを使えば、自己能力を強化できると教えてくれたお前だ。俺が守りたいと願う安寧や平穏を得るためには……守りたいと心から欲する範囲に手を伸ばすには、生半可な方法では手が届かないと教えたお前の悪因悪果だ。最低でも数千回。念を入れるなら数万……お前には死んでもらうぞ。

 それからも俺は、何度もロードしてびりけんを殺害し続けた。その度にウロボロスを使用して自己強化を積んでおく。繰り返すこと千回。

 

「ん? ウロボロスによる強化はこれが限界か」

 

 本当はもっと強化したかったのに、途中からステータスなどが伸びなくなってしまった。

 一定まで鍛えたところで、全く俺の強さは上昇しない。なるほど、どんな願いでもとは言うが、一応上限は存在したか。まぁ、魔法にも限度があるように、ワールドアイテムの二十にしても限界はあるんだな。始原の魔法にしても、一度にユグドラシルから全てを転送は出来なかった。

 

「それでも、これぐらいまで強化すれば問題ないか。欲しいタレントも大半はコピーしたし」

 

 俺は成果を試すために一度天空城にまで行き、魔法結界の上から最大強化した<火球>を叩きこむ。もうエリュエンティウには普通の住民は誰も住んでいないことは分かっているので、遠慮なくやらせてもらうぞ。

 爆炎が膨れ上がり、きのこ雲が発生する。砂漠の砂が全て舞い上がり、直径十数キロの火炎球が膨れ上がる。たーまやー……いや、これ強すぎるわ。<火球>一撃で天空城が落ちちゃったよ。あらー……修正強化で威力を限界まで落としたり、常時デバフをかけておかないとおちおち普通の生活も出来んな、これは。

 だがこれだけの強さがあれば、これから来るユグドラシルプレイヤー相手でもまず負けない。というか、たぶん全プレイヤーと全ワールドエネミーを相手にしても、勝てる……よな?

 

「侮っちゃいけない。たどり着く場所はいつだって同じだ。俺がやったのと同じ手順を踏めば、そいつは同じ領域に立てるんだ……転移してきたプレイヤーは、一応理由は聞く。聞いて、嘘だと判断した瞬間に殺す。これは確定事項だ。さて……最後のウロボロスを使用して……蛇よ。俺をとある時間軸に連れていってくれ。今は失われた時間を、俺の手にもう一度……」

 

 俺の体は光に包まれる。どうやらこの願いは聞き入れてもらえるようだ。俺が欲しいと願った、失われた時間。それは──

 

「どうしたんだモモン? そんな虚空を見つめて?」

「……ザナック殿下……今はいつですか?」

「ん? 変な事を聞くな。いつも何も、今日はお前が生まれた日で、王城での誕生パーティだろ?」

「……ああ。そうでした、そうでした。そう言えばそうでしたね……すみません、最近仕事ばかりで、どうにも疲れが溜まっているようで」

「それなら休んでおいた方がいいんじゃないか? 父上には、俺から話をしておくぞ」

「恩に着ます、殿下。では控室で、少しお休みを貰いますね」

 

 俺はザナックと別れてから、控室に入り……秒で皇城に転移。

 

「なんや、ここは。どこ──」

「■」

 

 即殺。ウロボロスを回収。これで自己強化が済んだ上で、一周目に戻り、なおかつウロボロスも一個だがゲットした。

 さーて、王宮に戻ってちょっと休んでから、ザナックと13年ぶりにご飯しながらお話ししよっと。




なぜか関係リセットになると思ってる感想欄を見てふふっとなった

ん~~~~あなた達はワカってない。ウロボロスと言うワールドアイテムを──

感想の中で唯一正解に近い

『奇蹟鬼録』の制限撤廃&自由度増加とかで消費してしまって欲しいところ

を当てた人には拍手
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