完全に遅刻をかましたことに焦りを感じながらD・ホイールをヒューレーへと走らせる。そして、駐車場にバイクを停め、ヒューレーに入店しようと扉を開ける。そして、プラシドさんと目が合った。開幕怒号で叱られると身構えていたが、それを吹き飛ばすほどの光景が目の前に繰り広げられていた。
「良い時代になったものだ。このような茶店で、上等な紅茶を嗜めるようになったのだからな。O☆KA☆WA☆RI☆DA!」
「わかったようるさいなぁ。プラシド、高級ブランド紅茶追加ね。」
窓辺に座り薫り高い紅茶と共にカップラーメンを嗜むジャックに赤毛のメイド姿の美男子?が追加の紅茶を注いでいる。なぜあいつがいるのか、好物だとしてもなぜ紅茶と共にカップラーメンがいけるのか。そして何かメンバーが増えているという情報過多に脳が追い付けない。プラシドさんに再び目を配ると、多少嫌な顔をしながら紅茶を淹れている。
「ここはいつからカフェになったんだ……??」
「元より、ここはカフェ営業でカモフラージュしていることを忘れたか。」
「ああ、そう言えばそうでした……あ!遅れてすいませんでした!!!!!!!!!」
その場で土下座をする。
「いいや、遅れたことは気にしていない。むしろ、よく勝てたと言っておこう。」
「え?それは一体どういう。」
「本来なら、あのジャック・アトラスとデュエルをする前に初期ライフ1000ポイントや初期手札1枚、手札公開などなどのランダムなハンデを負いながら行う圧倒的不利な状況を捲り返す特訓デュエルをする予定だったが、その必要は無くなったようだ。」
「そんなハンデ追いながら特訓デュエルする予定だったのかよ……」
「へえ~お前がプラシドが言ってたシグナーの一人か……ちょービックリだよ!あのジャック・アトラスを倒しちゃうんだからさ。」
「ふごっ!?」
そう言われて、目の前でしゃがみ込んだ赤毛メイドに口の中にスプーンでカレーをぶち込まれる。
「こいつは、ルチアーノ。噛み砕いて説明すれば俺の弟だ。」
「弟扱いかよ。その制服ぐちゃぐちゃにするぞ。」
「おいちょっと待ってくれ、何でジャックがここにいるんだよ!?」
「赤き竜の力で、俺が助けを呼んだんだ。」
「あ、遊星さん!」
「実は、過去の時代から赤き竜に運んでもらったんだが、手違いで完全にキング時代のジャック、正確に言うとそれのコピーを呼んでしまった。」
「ああ、本物であって本物じゃないのか。」
「難しいが、そういうことだ。」
「遊星!貴様がどんな理由でこの時代にこのオレを呼んだか知らんが、オレは絆なんぞくだらないものに負けたつもりはない!」
「くだらないだと……!」
「ああ、そうだ!くだらん!」
「ジャック、今の言葉は聞き捨てならない!」
「吠えたな遊星!気に食わんのなら、デュエルで決着を付けようではないか!貴様に預けたデュエルキングの称号を今一度、取り返す!」
「その話乗った。俺が勝ったら、今回の事件に協力してもらうぞ。」
「ふん、好きにするがいい。」
二人は、デュエルをしにD・ホイールを乗ってハイウェイへと移動する。俺はプラシドさんから許可を貰い。なぜかついてこようとするルチアーノをサイドに乗せて、二人の後ろを追う。
「俺ってもしかして、的確に地雷踏み抜いちゃった感じ?」
「キシシ……ホイール・オブ・フォーチュンに残ってたデュエルログ見たけど、ここまで適確に踏む抜くのはしょーじき尊敬だよ!君、才能あると思うよ。」
「何の才能だよそれ。」
「フィールド魔法『スピード・ワールド3』、セット!」
スピードワールド3が発動され、フィールド全体に魔法がかかる。
『デュエルモード、オン。オートパイロット、スタンバイ』
『デュエルが開始されます。デュエルが開始されます。通路上の一般車両は直ちに退避してください。デュエルが開始されます…………』
「行くぞジャック!」
「かかって来い遊星!」
「「ライディングデュエル、アクセラレーション!」」
[不動遊星
LP:4000
ジャック・アトラス
LP:4000]
「先行はもらう。手札のモンスターを墓地に送り、「クイック・シンクロン」を特殊召喚!さらに「チューニング・サポーター」を通常召喚!」
[「クイック・シンクロン」
チューナー・効果
星5/風属性/機械族/ATK: 700/DEF:1400
「チューニング・サポーター」
効果
星1/光属性/機械族/ATK: 100/DEF: 300]
「レベル1の「チューニング」サポーターにレベル5の「クイック・シンクロン」をチューニング!疾風の使者に鋼の願いが集う時、その願いは鉄壁の盾となる、光さす道となれ!シンクロ召喚!現れよ「ジャンク・ガードナー」!!」
[「ジャンク・ガードナー」
シンクロ・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/ATK:1400/DEF:2600]
「「チューニング・サポーター」の効果によって、デッキからカードを1枚ドローする。カードを1枚伏せてターンエンド。」
「随分と守りの姿勢だな。キングの前に守備表示モンスターを置くことの恐ろしさを忘れたか!オレのターン!」
[不動遊星
SPC:0→1
手札:2枚
モンスター:「ジャンク・ガードナー」
魔・罠:「???」
ジャック・アトラス
SPC:0→1
手札:6枚
モンスター:なし
魔・罠:なし]
「オレは「変容王 ヘル・ゲル」を召喚!」
[「変容王 ヘル・ゲル」
チューナー・効果
星1/闇属性/悪魔族/ATK:100/DEF:100]
「「変容王 ヘル・ゲル」の効果!フィールドのモンスター1体のレベルを自身へとコピーし、そのレベル×200のライフを回復する!オレは貴様の「ジャンク・ガードナー」のレベルをコピーし、ライフを回復する!」
[「変容王 ヘル・ゲル」
レベル1→6
ジャック・アトラス
LP:4000+1200→5200]
「そして、「変容王 ヘル・ゲル」はメインフェイズに一度、このカードよりレベルの低い悪魔族を手札から特殊召喚できる。来い「ジャイアントウィルス」!」
[「ジャイアントウィルス」
効果モンスター
星2/闇属性/悪魔族/ATK:1000/DEF:100]
「レベル2「ジャイアントウィルス」にレベル6となった「変容王 ヘル・ゲル」をチューニング!王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂「レッド・デーモンズ・ドラゴン」!!!」
「後手の1ターン目からレッド・デーモンズを出しやがった!」
「バトル!レッド・デーモンズよ!「ジャンク・ガードナー」を粉砕しろ!アブソリュート・パワーフォース!」
「いや、そうは行かない!「ジャンク・ガードナー」の効果発動!このカードはお互いのターンに一度、相手フィールドに存在するモンスターの表示形式を変更する!レッド・デーモンズの表示形式を守備表示に変更!」
「防いだ!」
「くっ、小癪な!カードを二枚伏せてターンエンド!」
「俺のターン!」
[不動遊星
SPC:1→2
手札:3枚
モンスター:「ジャンク・ガードナー」
魔・罠:「???」
ジャック・アトラス
SPC:1→2
手札:2枚
モンスター:「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
魔・罠:「???」「???」]
「俺は「
[「デブリ・ドラゴン」
チューナー・効果
星4/風属性/ドラゴン族/ATK:1000/DEF:2000
「シールド・ウィング」
効果
星2/風属性/鳥獣族/ATK:0/DEF:900]
「さらに手札から「
「合計レベル8。あいつを呼ぶつもりか。」
「俺はレベル2「チューニング・サポーター」とレベル2「ジャンク・サーバント」にレベル4の「デブリ・ドラゴン」をチューニング!集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、「スターダスト・ドラゴン」!」
[「スターダスト・ドラゴン」
シンクロ・効果
星8/風属性/ドラゴン族/ATK:2500/DEF:2000]
「出たな!スターダスト!」
「S素材となった「チューニング・サポーター」の効果でドロー!バトル!スターダストでレッド・デーモンズに攻撃!シューティング・ソニック!」
「甘いわ!
「俺は、バトルフェイズ終了の効果を選ぶ……」
「やはり貴様は軟弱!自らの運命をも選択することができぬ、愚かな運命の奴隷!」
「好きに言うと言い。俺はカードを2枚伏せてターンエンド。」
[不動遊星
SPC:2→3
手札:0枚
モンスター:「ジャンク・ガードナー」「スターダスト・ドラゴン」
魔・罠:「???」「???」「???」
ジャック・アトラス
SPC:2→3
手札:3枚
モンスター:「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
魔・罠:「???」]
「ドロー……!「
「「ジャンク・ガードナー」!」
「これで貴様の姑息な一手は封じ込まれた。行けレッド・デーモンズ!スターダストに攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!!」
「ぐっ!」
[不動遊星
LP:4000-500→3500]
「そしてオレは「
「そう来るなら、
「何度も表示形式を変更しおって!オレはこれでターンエンドだ!」
す、すごい。このカードの応酬。レベルがすげえ高い。互いに的確なカードの使用。俺じゃ、防ぐだけで精一杯なのにこの人達には無駄なプレイングが一切無い。素直に参考になるぜ。
「俺のターン!」
[不動遊星
SPC:3→4
手札:1枚
モンスター:「スターダスト・ドラゴン」
魔・罠:「???」「???」
ジャック・アトラス
SPC:3→4
手札:1枚
モンスター:「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
魔・罠:「???」]
「ジャック、お前が追われる者を語るなら。俺は追う者の誇りを見せる!」
「来い!思い切りぶっつかって来い!」
「最初からそのつもりだ!バトル!スターダストでレッド・デーモンズを攻撃!シューティング・ソニック!」
「甘い!その程度の攻撃でオレのレッド・デーモンズを破壊することはできん!
[「レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター」
特殊召喚・効果
星10/闇属性/ドラゴン族/ATK:3500/DEF:2500]
「なるほど、絶対孤高の効果を持つそのレッド・デーモンズは、ジャックが到達していた境地、その可能性の一つ。分岐点とも言えるキング時代のジャックが使えてもおかしくはないか……だが、ジャックよ!孤高は孤独の裏返しだ!例え、その立場を絶対のものとして全てを手に入れても決して満たされない心の穴が生まれる!お前はそれを感じることは無いのか!」
「何を言うかと思えば愚問だな。キングという席に立つ者が満足しきれないだと?否ッ!オレは綻びなどしない絶対王者!満足という一時の心の安らぎに身を置く軟弱者ではないわ!」
「ジャック!」
「遊星、貴様もいい加減成長すべきだ。このレッド・デーモンズのように、新たな自らの可能性を閉ざすような執着など切り離せ!こうして、オレはキングとなったのだ。貴様の言う、軟弱な絆を捨てたことで得れた絶対的な力の前に平伏せよ!」
「平伏などしない!絆は決して弱くない!
「貴様もやはり伏せていたか!「バスター・モード」を!」
「「スターダストをモードチェンジ!これが俺が見せるスターダストとの絆の姿だ!「スターダスト・ドラゴン/バスター」!」
[「スターダスト・ドラゴン/バスター」
特殊召喚・効果
星10/風属性/ドラゴン族/ATK:3000/DEF:2500]
「だが、攻撃力はオレのレッド・デーモンズの方が上だ!」
「それはどうかな!
[「スターダスト・ドラゴン」
ATK:3000+1000→4000]
「行くぞスターダスト!アサルト・ソニック・バーン!」
「くっ……「/バスター」が破壊された時、チェンジ元を特殊召喚する。蘇れ、レッド・デーモンズ!」
「だが、まだスターダストの攻撃は残っている!レッド・デーモンズに再び攻撃!アサルト・ソニック・バーン!!!」
「レッドデーモンズが敗れた!これでジャックの場には何も残っていない!」
「先に忠告しておく。「スターダスト・ドラゴン/バスター」は、このカードをリリースすることで、相手が発動したカード効果を無効にして破壊し。そのターンのエンドフェイズに帰還する効果がある。」
「これでジャックの残り手札は次のターンのドローを含めて2枚。手札2枚でジャックがこの状況を巻き返すのは至難の業だ。」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド!さあ、どうするジャック・アトラス!」
「くっ、おのれ……オレのターン!!」
[不動遊星
SPC:4→5
手札:0枚
モンスター:「スターダスト・ドラゴン/バスター」
魔・罠:「???」
ジャック・アトラス
SPC:4→5
手札:2枚
モンスター:なし
魔・罠:なし]
「相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。来い「バイス・ドラゴン」!そして「フレア・リゾネーター」を通常召喚!」
[「バイス・ドラゴン」
効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/ATK:2000/DEF:2400
ATK:2000/2→1000
DEF:2400/2→1200
「フレア・リゾネーター」
チューナー・効果
星3/炎属性/悪魔族/ATK:300/DEF:1300]
「なるほど、効果発動じゃない特殊召喚で、スターダストの発動無効効果を掻い潜ったのか!」
「オレはレベル5の「バイス・ドラゴン」にレベル3の「フレア・リゾネーター」をチューニング!王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!再び現れよ我が魂!「レッド・デーモンズ・ドラゴン」!!!」
「出た!2体目のレッド・デーモンズ!」
「レッド・デーモンズのS素材となった「フレア・リゾネーター」は、レッド・デーモンズの攻撃力を300ポイントアップさせる!」
[「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
ATK:3000+300→3300]
「さあ、バトルだ!レッド・デーモンズよ!スターダストを今再び破壊せよ!アブソリュート・パワーフォース!!!」
[不動遊星
LP:3500-300→3200]
「だが、「/バスター」が破壊されたことで墓地のスターダストが復活させることができる。」
「無駄だ!いくら、スターダストを復活させようとレッド・デーモンズの餌食となるだけだ!貴様の絆というのは所詮その程度!このオレの首元にすら届きはしない!」
「それはどうかな?」
「何っ?」
「絆は繋がるんだ!
[「ジャンク・シンクロン」
チューナー・効果
星3/闇属性/戦士族/ATK:1300/DEF:500
「スピード・ウォリアー」
効果
星2/風属性/戦士族/ATK:900/DEF:400
「ボルト・ヘッジホッグ」
効果
星2/地属性/機械族/ATK:800/DEF:800
「ソニック・ウォリアー」
効果
星2/風属性/戦士族/ATK:1000/DEF:0
「ロード・ランナー」
効果
星1/地属性/鳥獣族/ATK:300/DEF:300]
「す、すげえ!あのモンスター達は遊星さんを支え続けたと言われるモンスター、いや仲間達だ!」
「俺のターン!」
[不動遊星
SPC:5→6
手札:1枚
モンスター:「ジャンク・シンクロン」「スピード・ウォリアー」「ボルト・ヘッジホッグ」「ソニック・ウォリアー」「ロード・ランナー」
魔・罠:なし
ジャック・アトラス
SPC:5→6
手札:0枚
モンスター:「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
魔・罠:なし]
「レベル2の「ソニック・ウォリアー」にレベル3の「ジャンク・シンクロン」をチューニング!集いし星が、新たな力を呼び起こす!光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!「ジャンク・ウォリアー」!!!!!」
[「ジャンク・ウォリアー」
シンクロ・効果
星5/闇属性/戦士族/ATK:2300/DEF:1300]
「馬鹿な!ここで「ジャンク・ウォリアー」だとぉぉ!?!?」
「「ソニック・ウォリアー」がS素材となった時、フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる!」
[「スピード・ウォリアー」
ATK:900+500→1400
「ボルト・ヘッジホッグ」
ATK:800+500→1300
「ロード・ランナー」
ATK:300+500→800]
「さらに「ジャンク・ウォリアー」のS召喚に成功した時、自分フィールドのレベル2以下モンスターの攻撃力の合計分攻撃力をアップする!パワー・オブ・フェローズ!!!」
[「ジャンク・ウォリアー」
ATK:2300+1400+1300+800→5800]
「攻撃力5800!?」
「そしてSPCを1つ取り除き、速攻魔法「スクラップ・フィスト」を発動!これで「ジャンク・ウォリアー」の与えるダメージは倍となる!バトル!「ジャンク・ウォリアー」で「レッド・デーモンズ・ドラゴン」を攻撃!」
「オレはまた負けるのか……!!」
「スクラップ・フィスト!!!!!」
「馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
[デュエルエンド
勝者:不動遊星]
ジャックのD・ホイールが止まり、ジャックは悔しそうにD・ホイールのハンドルを叩いた。
「またしても!またしても!オレは絆に負けた!突き進むために切り捨てた絆にまたしても負けた!本物に敗れ、絆に敗れた。オレは……」
遊星は、D・ホイールを路肩に止め、ジャックに手を差し伸べる。
「私も、本物の不動遊星にはなれなかった。だが、それでも一度は世界を、未来を救うことはできた。貴方は偽物とはいえ、ジャック・アトラスだというのなら、本物になれなくとも今以上に成長はできるはずです。」
「遊星……いや、貴様は……!」
「俺達と共に来い!ジャック!一緒に、この世界を守ろう!」
「……フッハハハハ!!よかろう、ならば拝ませてやる!このオレが成長し、いつか貴様をも追い越す様を!」
俺は二人が話していた内容は、隣で騒ぐルチアーノのせいで聞き取れなかったが、何かいい感じの雰囲気になっているのは感じ取れた。何とも、賑やかになってきそうである。