博士とセーラの交換日記   作:もちもち物質@布団

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11月21日:セーラ

 今更ですよ。博士。今更です。

 

 シンセティックユテレッサー100基の内13基で細胞の乖離が起きたため、停止しました。

 10種類の型の内の2つは駄目そうですね。どうも、シンセティックユテレッサーにはある程度のカオス性が必要なようです。『案外適当に作った方が上手く行く』のかもしれませんね。不思議なものですが、案外、そういうものなのかも。

 しかし、20日以上運転させて、脱落は未だ13基です。30日までに脱落は20基になるでしょうが、それでもかなり順調だと言えるでしょう。30日で半減すると予想していたので。

 この調子で順調に進んでくれればよいのですが。

 

 論文ですが、探してもローラ・ディルクルム博士の論文が見つかりません。

 そもそも、この地下都市に持ち込まれなかったのかもしれませんね。博士が一切保存していらっしゃらないとも思い難いですが、地下都市への移住時の状況を考えれば仕方ないかもしれません。

 残念ですが、既存の論文と学術書からAE関係の学習を行おうと思います。

 

 並行作業の方は、あまり順調ではありません。

 私自身が足りない知識を補うところから始まりますから、当然といえば当然ですが。つくづく、高速リーダー関連機器が一式残っていて幸運でした。さもなくば、私が論文や書籍からのデータをインプットすることにすら、途方もない時間がかかっていたでしょうから。

 しかし現状、私が知識を完璧にしたとしても、恐らくは資源が足りないでしょう。

 知識の補填の傍ら、また各地区の倉庫を確認する作業も行わなくてはいけません。

 

 今日はα-I地区の倉庫の整理を行いました。

 α-Iは旧・農業地区ですから、倉庫の中にあるものも、古い送液ポンプや培養液、植物のDNA、冷凍保存の種子、といったものが主でした。

 そういえば、今の内に壊れた機器を修復して農業施設を増築しておくのも手ですね。

 植物はローコストで空気中の炭素を回収できるデバイスでもありますから、育てておいて損は無いでしょう。

 幸いなことに、農業用水としてならば、自由に使えるだけの水が十分にあります。培養液は新たに作り直さなくてはいけないでしょうが、それも大したコストではありません。

 明日以降、並行作業についての知識の補填や資料の収集の他に、農業施設の修復・増築も視野に入れて行動しようと思います。

 どうせ、資源の収集を行うにしても、知識が無い状態ではどの資源を必要とするのかすら分かりませんから、あまり効率的ではありません。

 なら、作業に必要な程度の知識が得られるまで、農業施設に関わる作業を行っていた方がよいでしょう。

 

 今日はこれで。

 

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