博士とセーラの交換日記   作:もちもち物質@布団

27 / 49
1月1日:ダイチ・アカツキ

 HAPPY NEWYEAAAAAAAAAAAAAAAAAAR!

 あけましておめでとう!新年あけましておめでとう!特になにがある訳でもないし、この地下都市じゃあ初日の出の観測もできないけれどね!

 けれど、まあ、1つの節目ではある訳だ。何がめでたいわけでもなくても、とりあえず喜んでいいよね。ね。

 

 セーラにお年玉をあげたよ。

 ここではお金なんて無いから、チタンの板をセルロースの袋に入れてね。チタンならセーラも何かで使うだろう。多分。

 どうやら、このセルロースの袋、『ポチ袋』っていうらしい。なんだか名前が可愛らしいよね。アカシヤがいくつか作ったのをくれたんだ。アカシヤはこういうの、好きだよね。

 

 で、この『ポチ袋』。

 γの子供達向けのニューイヤーフェスティバルで配布することになってるんだ。

 勿論、中身はお金でもチタン板でもないよ。

 なんと、お菓子さ!

 メリルさんが、モチツキ大会の時のモチをお菓子にしてくれたんだ。『アラレ』っていうらしいよ。

 カリカリしていて美味しいって評判だね。というか、メリルさんが作ったものは大体なんでも美味しいって評判なんだけどね。

 きっと、γの子供達も喜んでくれるだろう。

 ……あんまり、この地下都市では明るくて楽しいことが無いからね。

 こういうお祭りの時くらい、ちょっと贅沢していいと思うんだ。

 

 これは、ローラの信条だったけれど、『心が死ぬなら体を殺せ』ってね。

 やりたいことができないなら死んだ方がましだ、って、ローラはよく言っていた。

 ローラにとって、死とは精神や心の死を指していたんだよね。むしろ、彼女にとって、体の死は死じゃないのかも。だからあんなに簡単に死んでしまえたわけだけれど。うん、そこだけは許してないな。

 ……けれど、僕も彼女の意見には賛成だよ。つまり、『心が死ぬなら体を殺せ』ってところに、だけど。

『ホソクナガク』よりは、『フトクミジカク』の方がいいと思う。

 ……どうせ、この地下都市の人達は、太くても細くても、『短く』なってしまうことは間違いないからね。

 なら、どうせなら、子供達だけでも図太く生きていてほしい、と僕は思うよ。

 

 3日にアラレ入りポチ袋の配布員として駆り出されたら、また遠出してくる予定だ。

 今度は30日以内の帰還を目指す。

 最終的には、5日くらいにまで短縮できたらいいんだけれど……難しいかな。でも、そうでもしないと、試算してみても間に合いそうにないんだよ。

 うーん、まあ、そこは未来の僕に期待、ってことにしとこうかな。よろしく、未来の自分。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。