博士とセーラの交換日記   作:もちもち物質@布団

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7月31日:セーラ

 今日は大きな発見がありました。まずはその発見について。

 

 図書室の本の中に、もう一冊『Essays in Idleness』を見つけました。

 しかし、中を見てみたら、古い論文集でした。成程、博士、『Essays in Idleness』のカバーはこの論文集をカモフラージュするために外されたのですね。……博士の考案ではなく、チハラさんの考案のような気もしますが。

 論文集には、チハラさんやアカシヤさんの研究もありました。残っていてよかった。これで私の研究も捗りそうです。

 しかし博士。論文集には博士の論文もあったのですが、何故博士は『カオス理論を用いたコードの絡まりの検証』や『ボーキサイトから作るヨウカン・バーの呈味性について』などという論文を執筆したのでしょうか。

 論文はとてもユニークでした。

『本研究はボーキサイトを元素分解し、ボーキサイトから酸化アルミニウムを除いた中に残る炭水化物を用いてヨウカン・バーを合成することにより、食糧難を解決すると同時にボーキサイト精錬の新たな可能性を投じるものである』。

 どう考えても、ボーキサイトの元素分解によって消費するエネルギーは、ボーキサイトをグラファイト処理によって精錬する際のエネルギーと、ヨウカン・バーのエネルギーを足した分より遥かに大きいです。

 食糧難を解決する前にエネルギー不足をより深刻なものにすることでしょう。全く以て、ジョーク以外の何物でもありません。

 このような論文を書く暇があったらもう少し別な事に時間を使って頂きたかったですし、残すにしても、もう少し違うものを残して頂きたかったです。博士の過去の論文がもっと残っていれば、と思わざるを得ません。

 どうして博士はよりによって、この論文を選んで残したのでしょう?

 ……しかし、とてもユニークでしたよ。

 

 それから、β-C区画の倉庫に『足踏み式発電によるガラスファイバー花火オブジェ』の残骸を見つけました。

 博士の日記にある物の成れの果てですね。こんなところに隠してあったなんて。

 確か、酔ったチハラさんと博士が全力で足踏みした結果、ショートしてしまったのでしたね。

 博士が直して下さらなかったようなので、私が直します。

 直した後、この『足踏み式発電によるガラスファイバー花火オブジェ』は私の部屋に設置させて頂きます。

 

 今日はこれで。

 

 

 

 追記

 博士、一体いつの間に、『足踏み式発電によるガラスファイバー花火オブジェ』が様々な色の光を灯すように改造していたのですか?

 博士の言葉をお借りするなら、『とにかく、僕はこれを気に入った』とでも言うべきでしょうか。

 

 ありがとうございます、博士。

 

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