博士とセーラの交換日記   作:もちもち物質@布団

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6月12日:ダイチ・アカツキ

 ただいま。また1ブロック、中和作業の自動化を進めてきたよ。大分、スピーディーに作業を進められるようになったかな。

 とりあえず、次の出発は7月中旬になるだろうから、それまではここに滞在予定だ。作業用ロボットも新しく作らないといけないし、丁度いいよね。

 

 セーラにやっと、話したよ。もっと早く話すべきだったのにね。

 セーラは物分かりが良いね。「分かりました」の一言で終わっちゃったよ。

 たった1人、300年後に取り残されるっていうのにね。僕なら暴れて抗議してやるところだ。

 ちょっと、物分かりが良すぎるよ。多分、僕は抗議されて、ぶん殴られたかったんだと思うんだけど。セーラがあまりにもあっさり了承しちゃったものだから、なんか、気持ちの行き場が無いかんじだ。

 いや、分かってたんだけどね。

 セーラはすんなりあっさり了承するって、分かってた。だからβの皆で、こういう決定をしたんだし。

 ……うーん、やっぱり僕ら、ずるいよなあ。

 ずるいし、ひどいね。うん。

 でも、これがベストだって事も分かってるし……。

 うーん、やっぱり僕、セーラに思いっきりぶん殴られたかったな。

 

 セーラを300年後まで休眠させるための装置の開発が始まった。

 どうしようもない用事がある人以外全員でやってるから、速い速い。

 特に、こういう時にシバタさんは仕事が速いよね。気が利くっていうか。

 必要な物全部まとめてとってきてくれるし、手が足りない時は言う前に気付いて手伝いに来てくれるし、気づいたらこっそりαから資材盗んできてるし。

 ……最後のはブラン氏には内緒で!

 

 それから、メリルさんもすごいね。

 ほら、セーラが300年後に活動していけるように、それから、300年後に生まれる人類の為に、資材を蓄えておかなきゃいけない訳だけど。

 メリルさん、γやαの人達から資源を貰ってくるのが上手でね。すごいよ。ほんとすごい。いつの間にかうちの倉庫にボーキサイトが山積みになってた。ほんとすごい。なんでボーキサイトばっかりこんなに選んで貰ってきたのかは分からないけど、とりあえずすごい。

 まあ、ボーキサイトを精錬してアルミにすれば、それこそ、どこにだって使える。

 セーラの休眠装置のガワもアルミで作ることになるかな。アルマイトにしちゃえば腐食に強いから、300年、もってくれるだろう。

 

 300年後、かあ。

 その頃には、セーラ以外、誰も居ないんだよね。

 ……何か残しておきたい気もするなあ。うん、何か、考えてみようかな。

 

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