博士とセーラの交換日記   作:もちもち物質@布団

42 / 49
6月13日:セーラ

 シンセティックユテレッサーは残り9基にまで減ってしまいました。

 その内1基は死産です。

 また、シンセティックユテレッサー7基からとりあげた7人ですが、4人は亡くなってしまいました。チハラさん、イヌカイさん、パイソンさん、フジさんのDNAを元にした4人です。

 まだ、気持ちの整理がつきません。私は、私が考えていたよりずっと、この研究に希望を掛けていたようです。

 DNAの提供元が、βの皆さんだからといって、βの皆さんが帰ってくるわけじゃない。それは理解しているはずなのですが、チハラさんが亡くなった時のことを思い出します。

 ……私は少々、感傷的になっているのかもしれません。

 

 亡くなった4人のTTB-UCを調べてみましたが、TTB-UCの問題ではなく、元々の生育状況に問題があったようです。こればかりはどうしようもありません。元々、早産でしたから。

 死産も、TTB-UC導入後の死亡も決して珍しいことでは無く、むしろ生きのこっている残り9基のシンセティックユテレッサーと、TTB-UCで生きのこっている3人が上手くいきすぎている例なのでしょう。

 しかし、どうにもやりきれません。

 残っている9基と3人が、どうか順調に育ってくれますように。

 

 AE関連のプログラムをプレビューしてみたところ、一応、それらしい動作を確認できました。こちらは期待通りの進捗です。

 あとは残存していたメモリのデータを博士が残して下さったメモリキューブ内のデータを使って復元して、AEのプログラムに導入すればいいはずです。

 その段階でどの程度のバグが発生するのか、考えたくもありませんが……こちらもレポートを参考にして地道に修正を繰り返せば、1つの統合されたAEとして機能するはずです。

 実際、機能していたのですから。再現性はあるはずです。その点、こちらは人類再誕の研究より、気が楽ですね。しかし、掛ける希望は間違いなく、同程度に重いものです。

 

 そういえば、この日記を始めてからもう11か月以上経過しているんですね。

 不思議な気分です。

 この交換日記を始めることにした時は、博士の事ですから、日記は1月程度で終わってしまうのではないかと思っていました。その時、交換日記も終わりか、と。

 しかし、実際はそうではありませんでしたね。

 博士の筆不精と外出によって、著しく間が空いてはいますが、それでも1年近く日記が続いたことには驚きしかありません。

 もうすぐ7月ですね。7日には今年も流星群が見られるのでしょう。

 前回見られなかった分まで、楽しみにしています。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。