シンセティックユテレッサーは残り9基にまで減ってしまいました。
その内1基は死産です。
また、シンセティックユテレッサー7基からとりあげた7人ですが、4人は亡くなってしまいました。チハラさん、イヌカイさん、パイソンさん、フジさんのDNAを元にした4人です。
まだ、気持ちの整理がつきません。私は、私が考えていたよりずっと、この研究に希望を掛けていたようです。
DNAの提供元が、βの皆さんだからといって、βの皆さんが帰ってくるわけじゃない。それは理解しているはずなのですが、チハラさんが亡くなった時のことを思い出します。
……私は少々、感傷的になっているのかもしれません。
亡くなった4人のTTB-UCを調べてみましたが、TTB-UCの問題ではなく、元々の生育状況に問題があったようです。こればかりはどうしようもありません。元々、早産でしたから。
死産も、TTB-UC導入後の死亡も決して珍しいことでは無く、むしろ生きのこっている残り9基のシンセティックユテレッサーと、TTB-UCで生きのこっている3人が上手くいきすぎている例なのでしょう。
しかし、どうにもやりきれません。
残っている9基と3人が、どうか順調に育ってくれますように。
AE関連のプログラムをプレビューしてみたところ、一応、それらしい動作を確認できました。こちらは期待通りの進捗です。
あとは残存していたメモリのデータを博士が残して下さったメモリキューブ内のデータを使って復元して、AEのプログラムに導入すればいいはずです。
その段階でどの程度のバグが発生するのか、考えたくもありませんが……こちらもレポートを参考にして地道に修正を繰り返せば、1つの統合されたAEとして機能するはずです。
実際、機能していたのですから。再現性はあるはずです。その点、こちらは人類再誕の研究より、気が楽ですね。しかし、掛ける希望は間違いなく、同程度に重いものです。
そういえば、この日記を始めてからもう11か月以上経過しているんですね。
不思議な気分です。
この交換日記を始めることにした時は、博士の事ですから、日記は1月程度で終わってしまうのではないかと思っていました。その時、交換日記も終わりか、と。
しかし、実際はそうではありませんでしたね。
博士の筆不精と外出によって、著しく間が空いてはいますが、それでも1年近く日記が続いたことには驚きしかありません。
もうすぐ7月ですね。7日には今年も流星群が見られるのでしょう。
前回見られなかった分まで、楽しみにしています。