大食TSハンターが人型イビルジョーと呼ばれるまで(旧題チート名:一般ハンター)   作:超一星龍編成楽しすぎる

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狩人の燃費

ここは、新大陸開拓拠点アダストリア。

 

 完全にモンスターに支配された新大陸、アダストリアに、人類種の勢力圏を作ろうということで送り込まれたアダストリア開拓団。そこの拠点となっているのがこの、村もどきだ。

 

 総勢50名程度の小さな村だが、ハンターギルド、マイハウス、武具屋、加工屋、雑貨屋、メシ屋(計20軒)と言った、最低限の設備は整っている。

 

 そしてそこの筆頭ハンターやっているのが私だ。

 

 正直給料もそこまで高くないし、名誉も今の所大して得られない。何より文明から割と切り離されているのがつらい。

 

 なんで私がここにいるのかの理由は色々あるが、あえて一言で言うなら

 

「他のハンターギルド軒並み出禁になってるからだよおおおおちくしょおおおおおお!」

 

 理不尽な事に、私は、普通にハンター稼業していただけで何故か大量の悪名を頂いて出禁にされてしまってる。

 

 ■■■■

 

 私には前世の、それも男だった時の記憶がある。と言ってもよくある死んでTS転生したってだけの話だ。前世に未練は無い。俺がいなくても家族は幸せだろうしよ。

 

 転生し始めの頃はここの大陸のハンター連中の弱さに驚いた。まあ弱い事弱い事。身体能力は現実世界の鍛えた人間に毛が生えた程度。さらに武器はプレイヤーの装備するような、超重量の化け物武器でなく、現実基準でも扱えそうな軽量化した別物なんだわ。

 

 そしてプレイヤーキャラの見せる、超人的ムーブの数々など見る影もない。

 

 というか、リノプロス狩れれば確実に現地ハンターの平均より上、ドスジャギィを狩れるハンターなんて一割いるかいないかと行ったところだった。

 

 小型を一体狩れれば一人前扱いされ、大型モンスターはどうせ狩れないから災害みたいなもんだと割り切って、どっか行くまで逃げると行った具合でやり過ごす。

 

 それがこの大陸の常識だった。

 

 一応極々一部の上位ハンターは、他大陸の連中、そしてプレイヤーハンターに肉薄できそうな程度には強いけどさ。

 

 それでも俺、いや、私。クロエちゃんには勝てないんよ。

 

 そう、思ったよりも人類が貧相なハンター世界に産まれた特異点、それが私、クロエだった。

 

 産まれた時から、人と違いすぎていた私は、『こりゃこっちでも普通の人間の中では生きられねえわ』と悟って、こっちの家族とも別れ、産まれ故郷の村を出て、第二のパパとも言えるアイルーと世界を回ってハンターを目指す事を志した。

 

 そしてそのために体をめちゃくちゃに鍛えたんだが、その成長がまあ速いこと速いこと。

 

 この世界基準では天才たるクロエちゃんの才能は面白いほどメキメキと開花しちゃったんだなこれが。

 

 なんとクロエちゃん、喰ってるだけでも、寝てるだけでも強くなれる程の大☆天☆才。

 

 そんなんでも強くなれる超人が鍛えればどうなるかはいわずもがな。鍛えた分だけメキメキ強くなれていた

 

 今では才能の上限を叩いた節があるから、まともな成長はほとんど止まってる節があるが、小型モンスターなら種類を問わず全裸ステゴロで叩きのめせる。

 

 それでも装備が貧弱であると大型はかなり辛いのだがな。

 

 まあ、要は、俺が生まれ変わって爆誕したのがハンタークロエちゃんというわけだ。

 

 しっかし私をこの世界に送り込んだ奴が余計なとこまで再現して腐れやがったおかげで、すっごく面倒な事もいくつか起きているんだけどねぇ。まあそれはそれこれはこれ。

 

 何度も言うが、この大陸の連中は、例によってあまり強くない。開拓団に誘われた時は結構上位のハンターもいたものの、私が行くと言った途端どいつもこいつも辞退しやがった。結果ここのNO2ハンターは、ドスジャギィは狩れるが、リオレイアはギリギリ可能、それ以上は無理と言ったレベルだ。言っとくが、これでも、かなり優秀な部類なんですわ。

 

 現代日本でも二メートル単位の熊でわーきゃーしている事を考えれば、人間種のカスみてえなガタイで、近代兵器も無しに、少人数で、真正面から、やりあえるって時点で超人だ。

 

 

 

 もっとも私の超武力に比べればカスみたいなもんだがな。まああれだ、才能の違いですからとしか言いようが無い。むふー、天才のクロエちゃんを褒めてくれても良いんだぜ。

 

 そしてそんな天才のクロエちゃんを出禁にした大陸のギルド連中はアホなんじゃねえかと思う。 

 

 そうじゃ……そうじゃ……!! バルバレも出禁の魔の手に…………!! 

 

 ポッケ村ギルドも出禁にされた!! 食糧庫を10回ぽっち壊滅させただけで……血も涙もねぇ!! 

 

 救いは……とっても善良でお顔の良いクロエちゃんに救いはねぇのか!? 私このまま死……死んで……ッ 

 

 そうして大半のギルド出禁を出禁になって飯の種がなくなって野垂れ死にしかけてる私に差し出された神の手、それがアダストリア開拓団の筆頭ハンターになる事だった。

 

 何でも私を出禁にした、各地域のギルド上層部が、

 

「暴力という一点に於いては奴に適う奴は存在しません! 手綱も握れない鉄砲玉みたいな奴だし、読み書きすらもだいぶ怪しいし、馬鹿だし、頭使わなくて良いところでだけ頭回るし、七つの大罪一人でコンプリートしてるが、暴力に関しては奴の右に出るものは居ません。暴力が求められるのであれば、ヤツを連れて行くのは有力な選択肢と成ります」

 

 とか言って、私の採用を後押ししてくれたらしい。

 

 むふー、ツンデレって奴か、あのおっさん達も可愛いところあるんすね。

 

 しかも依頼料は前払いでガッツリ支払ってくれた上に、色んな店のツケまで全部支払ってくれちゃうの本当最高。アレかな? 好きな子に意地悪しちゃう小学生男子かな? 

 

 なんだよー好きなら好きって言えば良かったのに! やっべえ、イライラがムラムラに変わってきた。大人としての重責に潰されそうになりながらも突如現れた超絶美少女(私)に癒されながらも大人になるうちにこびりついた汚い思考が邪魔をして素直になれず小学生男子みたいな事しちゃうツンデレ中年! 良い! すごく良いですよ! くぉれは!! 

 

 

 

 ぐうぅぅぅぅ〜〜

 

 その直後地鳴りの様な響きが広がった。

 

 発生源はわたしの腹。

 

 さっき余計な事まで再現していると言ったよね。これがその一番の問題点。異常な空腹だ。私の身体能力は大体プレイヤーハンター基準なのだが、こんな余計な要素まで引き継いじまってるんだなこれが。

 

 何故か大っぴらに大食い扱いされて無いが、プレイヤーハンターの燃費は狂っている。

 

 六段階のスタミナ……要は空腹値は時間経過で減少していくのは皆様ご存知のとおりだが、その減少スピードが速いこと速いこと。最大値から最低値になるまで30分しかかからないじゃねえか。一応スキルとかで変わるんだけど、満腹になってから30分で空腹になるってこった。

 

 サイヤ人よりも酷くない? これ。

 

 それでも、3rdにRISEやワイルズのハンターみたいな、フライパンに乗る程度の料理や、常人でも食えそうなサイズのこんがり肉で、満腹になれるような、比較的少食のハンターなら良かったのだがよりにもよって、公式で大食い扱いされてる3G基準だ。

 

 具体的に言うとこんがり肉が十キロはありそうな肉塊だった時代で、マグロ一匹をペロリと平らげられた時代だ。

 

 きゅるるるるぐぅうううううううう……

 

 はいはい分かってますっての、30分かまってやらなかっただけで自己主張をする寂しがり屋のお腹さんがまた喚きやがってるからな。お腹をさするが空腹感が紛れる気配はない。

 

 

「ごはん……ごはん……」

 

 アイテムポーチを漁ると、底の方にこんがり肉が一つだけ残ってた! 

 

 ほぼ食べ尽くしてしまったと思ったが探してみると一個だけ残ってた! 

 

「いっただきまああああす!」

 

 こんがり肉を取り出しかぶりつく。

 

「〜〜〜〜〜〜!!」

 

 甘い肉汁! 濃厚な肉! 外はさっくり! 中はふんわり! 二十キロはありそうな肉がみるみるうちにほっそいお腹に納められていく。がっつき過ぎだと思われるだろうが骨までは食べなかったので褒めて欲しい。

 

 ごっくん。

 

 ごちそうさまでした。

 

 うーん……

 

 やっぱ足りないや

 

 

 

 べったべたになった手を名残惜しそうにペロペロ舐める空腹は収まったが。どうせこれっぽっちじゃ十分持つかどうかだ。早くしっかりと食わなければ……

 

 とりあえず目についた海鮮丼屋に向かった。

 

「あ……あのーごはんわけてくれません?」

「金は?」

「金ねンだわ」

 

 目の前で扉がピシャリと閉まった

 

 まあ良いや、次は焼肉屋だ

 

「あのぉ、ちょっとここにお腹を空かせた金欠の筆頭ハンターさんがいるんですけどぉ、お恵みとかいただけたりは」

「金は?」

「無いです」

 

 またもピシャリと閉じた。

 

 ピシャリ、ピシャリ、ピシャリ、ピシャリ

 

 とりあえず全店回ったけどどいつもこいつも金無いって言った途端ピシャリと閉めやがった! ツケにしてくれって言っても聞いてくれやしねえ! クソッタレ! バ──ーカ! うんこ! 

 

「あいつらマジで覚えてろ……奴らの顔は全部覚えたし、とりあえず奴らの嫁か夫を全員寝取ってや……」

 

 そう思っていると通行人にぶつかった。

 

「うおっ」

 

 ぶつかった相手は、年の頃は20代後半、黒ぐろと日焼けした肌、筋肉ダルマと言われない程度に鍛え上げられたしなやかな筋肉、鋭い眼光、悪人面、ジャラジャラとぶら下げた、品の無い金ピカのアクセサリーに、髑髏が彫られたスカジャンみたいな上着を纏っている。身も蓋もない事を言ってしまえば面の良いチンピラみたいな大男がそこにいた。

 

「アンタ…」

 

 大男は私を睨めつけると私の耳に顔を近づけて言った。

 

「ここで何してるのかしら。私、午前中に受付嬢の仕事終えて、午後は何しようかとワクワクしてたのに、七つの大罪欲張りセットの狂人に遭遇するなんてクソッタレだわ。ハァ……疫病神でもついているのかしら……」

 

 めっちゃくちゃ嫌そうな顔を浮かべて失礼な事ほざきやがったこいつはゴリアテ……もといアイリ。お前前線出てるタイプだろというガタイとどう見ても竿役の面をしているオカマだ。

 

 竿生えてる癖にここの受付嬢をやっているが、それが許される程度には有能。さらに数少ない、大型モンスターを狩れる側の人間で、何より料理が上手だ。

 

「おはよー! アイリちゃーん、私金欠でさあ、なんか寝てるだけでお金もらえるお仕事無い? あっ食べる方でも良いよ! 大食いタレントとか流行ってるし、絶対ウケるだろ!」

 

「ねえわよ、帰れ」 

 

「えー。私、今死ぬほどお腹空いているんだけど、奢ってくれない?」

「やだ、帰れ」

「分かった! でもねでもね、金貸してくれるならね。ちょーっとのお金で良いんだぜ、一食ご飯が食べられる程度の」

「ダメでーす」

「ちょっとだけ、たった一食だけで良いんだよ、二十年以内に3zおまけして返すからさ、ね?」

「ダメでーす」

「お刺身食べたいなぁ……お腹空いたなぁ……このまま何も食べられなきゃ死んじゃうかもぉ」

 

 チラチラと見るが心底どうでも良さそうに鼻くそほじってる。こいつは人の心が無いのか……

 

「ハァ……アンタ、腕だけはあるんだからもっと積極的に依頼受けりゃ良いのに。そうなる前にしっかり働いてなさいよ」

「働いたらストレスで死んじゃうよぉ! 働きたくないのぉ! やじゃ! やじゃ! 働くのやじゃ! 一生ニートしてたい! 一度たりとも労働せず! 美味しいものをお腹いっぱい食べて! ふかふかのお布団で寝て! 不特定多数と○○○したいいい! 財産も地位も名誉も欲しいいいい」

「付き合い始めた時から分かってたけど、クズ中のクズね、アンタ」 

「最高の褒め言葉だぜぇ。はぁ……叫んで疲れたからここで寝るわ、お布団……」

 

 アイテムポーチからお気に入りのふかふかの毛布を取り出して地面に寝転がろうとするが

 

「うおっ汚えな! アンタ一応ガワは女の子なんだからもうちょい清潔にしなさいよ、と言うか獣臭ぇ! アンタ何日風呂入ってねえの!?」

「はいーそれセクハラー今の時代男だからー女だから~もセクハラって言うんですー」

 

 下瞼を引っ張りながら舌を出して私は言った。

 

「性別以前に人間として終わってんのよ!」

 

 ぐぅううううううう……

 

「あ、ヤバい……死ぬ……お腹空いた……」

「……アンタの燃費の悪さは知ってたけど相変わらずイカれてるわね。ハァ……どうする? アンタにしか頼めない依頼あんだけど、それ受けてくれればサービスで一食分くらい作ってあげるけど」

「わぁい! アイリちゃん大好きぃ!」

「いつも通り中華で良い?」

「お、さんきゅ」

 

 そう言うとオカマはすぐ近くに建てられてるオカマハウスに向かって行ったので私も駆け足でついて行った。

 

 ■■■■ 

「で、何? お仕事ってのは?」

 

 カチャカチャ音を立てて料理しているアイリに向かって私は言った

 

「依頼は簡単よ。明日新人ハンターが二人入ってくるので、その教育係をして欲しいのよ。お願いできるかしら?」

「むふー、なるほどなるほどまあね、クソガキ共の育成を最強のクロエちゃんに頼むとはお目が高ぁい!」

「いや……私も全ステータスを暴力に振ってる人型ババコンガ(アンタ)に育成を頼むのは、新人ちゃん達に申し訳ない気持ちでいっぱいよ。でも他のまともなハンターは全員大規模クエスト入ってて無理だったし……ハァ……」

「おーい、それが人に物を頼む態度かよー」

「うるせえわね、塩無しで料理作るわよ」

「ワタシナニモイッテナイ、アナタ二ゼッタイフクジュウスル」

 

 そうこうしているうちに恐ろしく食欲を唆る匂いが漂ってきた。

 

「お」

「はい、お待たせ」

 

 目に映るのは肉まん、角煮、餃子、小籠包、ローストビーフ、エトセトラエトセトラ。

 

 ヤバい…涎が。こうなったらやる事は一つしか無い。

 

「いっただっまああああああああす!」

 

私は料理に飛びついた。

 

 大鍋一杯に敷き詰められたトロトロの角煮! 野菜たっぷりで健康に良さそうな春巻き! 顔よりもデカそうな肉まんに! 出汁の効いた小籠包! 

 

「んふー♡おいしー♡」

 

 口にパンパンになるまでに詰め込んだ小籠包を一気に飲み込み、両手に持った肉まんをまとめて口内に押し込んだ。肉まんが出そうになる口を両手で押さえてから一気にのみ込むと、私の喉がそういう生き物みたいに盛り上がり徐々に舌に下がっていった。ごっくん。続いて高さだけで30センチはありそうなから揚げの山を口元まで持ち上げて流し込む。

 

「おかわり!」

 

 普通の餃子何個分かも分からないサイズの餃子に酢醤油とラー油をかけてバクバクと喰い、余韻が残っている間におひつに詰まったご飯をかき込む。

 

 おひつをすっからかんにしたところで運ばれてきた鶏一匹使った油淋鶏3皿を瞬く間に平らげ、ローストビーフの乗った焼き飯5キロをあっさりすっからかんにして行く。

 

空いた皿を押しやって喰らい、次々に運ばれる料理を片っ端から平らげる

 

 そのまま食べて食べて、数十回目のおかわりをして皿の山が出来た辺りで運ばれてきた北京ダックにかぶりついた。うまっ! うまっ! 

 

「北京ダックって皮だけを喰うものなんだけど……」

 

「おまへのりょふりがおひひふぎる、ごくん、お前の料理が美味しすぎるのが悪い。あむ」

 

 まあ、何だ、喰って喰って喰いまくった。

 

「はぁ、喰った喰った。しあわせー! むふー!」

 

 漫画みたいな高さの皿の山に、空っぽの大皿大鍋おひつが各種5個くらい転がっている冗談みたいな光景が完成して、さてデザートでも食べるかと思っていたところに声が飛び込んできた

 

「うわぁあああ! リオレウスだあああああ!」

 

「うわぁ……めんどい……」

 

オカマハウスから出て、それを目視して私は言った

 

ここは人類の勢力圏が届いてない魔境、アダストリア。

 

 ここら一辺のモンスターは私がほぼ狩り尽くしたとは言え、結構な頻度で来る。今回来たのは【空の王者】。リオレウス。インフレが進んだ昨今のシリーズでは、そこまで強い部類のモンスターではない。実際こいつより格上のモンスターは掃いて捨てるほどいる。が、こいつは飛行能力、飛び道具、毒、と地力の差をひっくり返す要素を大量に持っている。どこにでも出しゃばってきてほとんどの場所で頂点捕食者やっているのは伊達じゃない。

 

 さらにこいつの基礎スペックはゲームの通りなんだが、搭載されているCPUの性能がゲーム時代の比ではない。何が嫌って、こっちの世界だとひたすら距離取りながらこちらの射程外から固定砲台やることなんだよねぇ。

 

 ゲームで出していたなら一瞬で炎上ていたであろうクソみてえな塩ボスとしかいいようがないしよー。

 

 ただ、CPUの性能が上がったのは、モンスター側だけじゃ無いわけよ。

 

 私は手を地面にかざして言った。

 

「リアライズ:太刀:王刀ライキリ」

 

 私に特定の得意武器は無い。

 

 あえて言うなら、アイテムポーチだろうか。そう、容量に限度こそあれど、明らかにそのサイズにふさわしくない程のアイテムを詰め込めるポーチ。

 

 私は必死に鍛えたおかげで全系統の武器を使えるんだけどさ、結局狩場じゃ一種か二種の装備しか使えないからもったいねーなと思っていたんだよね。

 

 でもまさか装備ボックス持ち込むわけにもいかないしよー。でもそこで、この大☆天☆才。クロエちゃんは気づいちゃった訳ですよ。アイテムポーチに装備ボックス丸ごとぶち込めば良くねと。それに気づいてからアイテムボックスやら装備ボックスをポーチにぶち込んで実質容量を上げるという発想により私は保有する全装備と持ち込み容量の上限を超えたアイテムを持ち込めるようになった。

 

 それを活かして、穿龍棍といった変わり種含めた、全十五種の装備を状況によって切り替えるのが私の戦闘スタイルになっている。

 

 しかもこっちきて初めて知ったことだけれど、アイテムポーチからアイテムを取り出す時の仕様はカッコいい。アイテムポーチからアイテムを取り出そうとすると、ホログラムのようなアイテムの立体映像が出てきて、それが実体化するように顕現する。かなりのロマンだ。

 

 ん?リアライズだのなんだの言う必要はあるのかって?あはー、ないっすね。

 え?じゃあガタガタ言ってるのは単なる中二病だって?

 あはー、正論だね。じゃあ次は強者に正論という攻撃を仕掛けるとどうなるのかの社会勉強をさせてあげよう♡

 

 そう思っていると私の手の中にいつ見ても馬鹿みてえな長さだなとなる太刀が顕現した。

 

 それは王刀ライキリ。

 

古龍級の戦闘能力を持つ様な例外中の例外相手は別だが、大半のモンスターの頑強な鱗、表皮、外骨格を豆腐のように切り裂く切れ味。纏った雷撃を餌にして雷光虫を集め、雷光虫の力を借りて、雷撃の威力を2倍にも3倍にもするという、素材となったジンオウガの生態を反映したギミック。それによる高い雷属性値は古龍種以外の大半の龍の弱点をつける。さらに何より見た目がカッコいい私のお気に入り武器。

 

 もっともこれは上空50メートルを飛び回る空の王には届かないのだが

 

 じゃあ何で取りだしたかと言えば飛び道具にするためだ。

 

 どうやって飛び道具にするかだって?むふー分かるだろぉ。男のロマンだ。今金玉無えだろテメェとか聞こえたような気がするが後で覚えてろ。

 

 私は射出機代わりの二本の王刀ライキリを追加で取り出した。

 

 レールガンと言うものがある。2本の電極をレールとし、その上に弾体となる金属片を乗せ、レールのそれぞれを電源の両極につなぐ事で金属片をすっ飛ばすというものだ。そのレールになるよう二本のライキリをセットする。ちょうどレ・ダウの頭部のような形になるように。

 

 そしてレール代わりの二本に強く放電させることでレールガンの要領で王刀ライキリを射出した。

 

 青い雷を尾の様に引きながら飛ぶそれは、戦闘機並の速度で空を駆け、火竜の喉笛に突き刺さった。

 

「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

 

 いつもならこの一撃で大概の飛龍は叩き落とせるのだが、こいつは珍しく必死で体勢を整えた。

 

「おぉ!あの一撃に耐えるなんて偉い偉い!お前やるなぁ」

 

 ポーチを振るい、既に射出機にセットされた太刀を取り出す。その数36本。それをいつでも射出できるように、セットし、展開する。

 

「じゃあ次は12発耐えられるか行ってみようか!!」

 

 そして一斉に射出した。 音を置き去りにしたかの様に12本の太刀が空を舞い火竜に突き刺さる

 

「ギャアアアアア!」

 

 流石に耐えきれず、リオレウスが落ちてくる

 

「あっ、チャンスやん」

 

 落下地点に駆け寄って、落ちてくるリオレウスに突き刺さるように、切っ先を上にして顕現させるのは大剣。

 

「リアライズ:大剣:約束された勝利の剣」

 

 今皆様方の方から、それ出すならF◯TEタグつけろと言う真っ当なお声が聞こえたが、聞かなかった事にする。いや、でも、マジでモンハンにもあるんだなこれが。ネトゲ版の方だけど。

 

 できれば後でググるなりしてくれたら嬉しい

 

話は戻るがエクスカリバ……もとい約束された勝利の剣が、空の王の胴体へと突き刺さる。勝利の剣に付与された光属性……要は炎と雷の複合属性による、目がくらむ程の炎熱と雷撃が空の王者を焼き払う。このままほっときゃ無事死ぬだろう。

 

「おっしゃ、飯の種ゲット」

 

 アダストリア拠点に来たモンスターはいつも私が狩ることになっている。

 

 うちのとこには優秀な観測手がいて、そいつが、モンスターの接近を知らせてくれるので、拠点が襲われる可能性が高い時は、アダストリアの拠点にいる事自体がクエストになる。ちなみに私が拠点防衛してる際は他のハンターは別個で依頼受けてどっか行ってることが多い。まあ私が負けるような相手だと、あいつらいてもクソの役にも立たないから私がそうさせたんだが。

 

 私としては金貰って合法ニートが出来て中々ありがたいものの、こういう時はしっかり働かないといけないのがまあ辛いこと辛いこと。私の信条であるいかに働かず過ごすかと言う哲学に反するからね。一応依頼されたいじょー投げ出すわけにもいかんしよー。もっともその分こんなふうに撃退すれば結構な臨時収入が入る。リオレウスの死体を売り飛ばせば、かなり気合いを入れてドカ食いしても3食分は食えるくらいの額がさ。

 

 さぁて、こいつ売って何食おう。予定通り海鮮系でも良いしまた中華でも良い。甘いものもたらふく喰いたいしカレーとかも悪くない。

 いつの間にか口元が涎だらけになっていたので裾で拭うと、いつの間にかリオレウスが突き刺さった大剣を自らから離し飛びかけていた。

 

「あ、やば」

 

 おそらく焼かれながらも勝利の剣もろとも強引に身体を持ち上げ、その拍子に外れたのだろう。

 

 突き刺さったままであれば逃げられても勝利の剣に付与された雷と炎が遅かれ早かれ空の王を焼き尽くしていたのだろうが、逃げられたならそれなりの対応が必要だ。

 

 そのままポーチから小樽爆弾を取り出した。でもただの小樽爆弾じゃねえぞ。ド級の小樽爆弾、ド樽爆弾だ! 

 

「オラァ!」

 

 んでもってぶん投げた。

 

 それはベースこそ小樽爆弾だが中身は全然違う。小樽爆弾の中に毒クナイを詰め込み、クラスター爆弾の要領で毒クナイを四方八方に打ち出す。

 

 毒クナイを翼に受けた火竜は、そんなのを意にも介さずに威風堂々と

 飛んで、飛んで、飛んで、

 そして翼が腐る様に壊死し、翼と泣き別れになり、

 腐り落ちた翼と共に落ちてきた。

 

 こんな短時間で火竜の翼を壊死させるような毒など原作……少なくともコンシューマー版には存在しなかった。

 

 個人的に最強の毒武器だと思っている、デッドリィタバルジンですらここまでの毒は持たない。

 

 私が使った毒は【壊毒】

 

 アダストリアでは色々あって、毒を持たぬ生物の大量死、通称【禍々葬列】が頻発してるんだけどさ、そんなかで巻き込まれたゲリョス30匹程が、殺し合い、蠱毒の要領でひたすら毒性を強め、闘技場の強化壁すら溶かすような強化個体ができていんの。あえて名をつけるなら歴戦蠱毒王ゲリョスって言ったところか。

 

 んでもって、そいつを、対毒特化装備でボコって半殺しにした後、採取して得た毒、いわば【蠱毒】と、私が山菜ジジイに、「くれないとヤダヤダ! やーやーなの!」と地面に寝転がって手足バタバタして駄々こねまくった結果、心底こいつ相手したくねえなと言う表情と共に渡された【劇毒】、その2つを混ぜ合わせた私お手製の猛毒、それこそが【壊毒】

 

 

 

 毒性が強すぎて武器に加工すると、3日も経たず武器が腐り落ちるトチ狂った毒性を持つ。それ故に、使う日の朝に、消耗品に塗ることでしかまともに使えない。さらに、一般人が頭からかぶろうものなら骨すら残さず腐り落ちる、絶死の猛毒だ。

 

 正真正銘の人類最強の私ですら、酔っ払った時に余興として飲んだらトイレにこもる羽目になる程のとんでもない猛毒だ。

 

 まあ何はともあれ再び空の王は地面に叩き落された

 

 となれば、やる事は一つ。

 

「リアライズ:太刀:王刀ライキリ」

 

 リオレウスの弱点の一つでもある、雷属性。四方八方に飛び散る、空間を焼き尽くす様な青い雷撃と共に放たれた一閃によりリオレウスは首と胴を切り離され仕留められた。

 

「おっしゃ」

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