個性:強化 作:レベルを上げて物理で殴る
試験当日、雄英高校に二人で行き案内に従い敷地内に入っていく。
「大きいねぇ、雄英高校」
「そうですね、さすが数多くのプロヒーローを輩出していることはありますね」
お茶子は少々緊張しているという面持ちであるが、侑剛は緊張すること無く肩の力を抜いて歩いていた。それを隣で見ていた侑剛はポケットからグミを取り出して一粒渡す。
「これどうぞ。少しは気は紛れますよ」
「ありがとう!ユウ君!」
お茶子はそのグミを食べ美味しそうな表情を浮かべる。
「気にしなくていいですよ。緊張でいつも通りに出来ない方が問題ですからね」
お茶子が美味しそうに食べているのを見て微笑ましくなるがそれはそれである。歩いていると緑色の髪の少年がつまづき転けそうになっていた。お茶子は個性を使い助けていた。
「大丈夫?」
「わっ、え!?」
ゆっくりと立てるようにしてから個性を解除しお茶子は
「私の個性ごめんね勝手に。でも転んじゃったら縁起悪いもんね」
と笑顔で話す。少年は固まって何も話せないでいた。侑剛は
「緊張しているのならこれどうぞ。根本の解決には成りませんがグミを食べると多少は気は紛れますよ」
「え!?あっ、ありがとうございます」
「お互い頑張ろう」
少年の先を進み校舎内に入る二人。そして説明会場に足を運んで説明を聞く。
「今日は俺のライブにようこそ!!エヴィバディセイヘイ!!」
ーーシーン
みんな緊張しているのか、静まり返っている。侑剛は落ち着いた様子でその状況を見ている。
「こいつはシヴィーー!!受験生のリスナー!実技試験の概要をプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?YEAHH!!」
返答は再び来ず静まり返る。
実技試験は10分で、模擬市街地演習が行われるということである。説明後は指定の演習会場へ向かう事になる。
演習場には3種類の"仮想敵ヴィラン"が多数設置されており、それぞれの攻略難易度に応じポイントを設けているらしい。各々なりの個性で"仮想敵"を行動不能にしてポイントを稼ぐそうだ。行動不能つまり動かないようにすればいいということだ、壊さなくともいいと言う。更に、配られたプリントには0ポイントの第4仮想敵ヴィランがギミックとして大暴れすると書かれていた。
「質問よろしいでしょうか!? プリントには4種類目の敵が記載されております!誤載であるなら日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!我々受験者は規範となるヒーローの指導を求めてこの場に座しているのです! ついでにそこの縮れ毛の君!さっきからブツブツと気が散る!物見遊山のつもりなら、即刻この場からさりたまえ!」
眼鏡をかけた少年が、緑髪の少年を注視し睨みつける。緑髪の少年は小さくなり「すいません」と謝る。
「オーケーオーケー受験番号7111君ナイスなお便りサンキューな!4種類目のヴィランは0ポイント!そいつはいわばお邪魔虫!スーパーマリオブラザーズやったことあるか!?あれのドッスンみたいなもんさ!各会場に1体、所狭しと大暴れしているギミックよ!」
「避けて通るステージギミックか」
「ゲームみたいだなこりゃ」
説明を聞いた他の受験生が0ポイントの仮想敵に言葉を漏らす。
「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校の校訓をプレゼントしようかの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』と!!更に向こうへ!PlusUltra!! それでは皆、良い受難を」
それぞれ準備を済まし、互いの会場に分かれる前
「それじゃあユウ君!バッチリ頑張って一緒に合格しよ!」
「リラックスですよ。落ち着いていけば大丈夫ですから」
「いつものユウ君の言葉で言って欲しいなこんな時は」
お茶子は侑剛に笑いかけながらにそう言う。侑剛は少し驚いた表情とやれやれと言った表情で
「いつも通りになお茶子。いつも通りに行けば何とかなるから」
拳を突き出して言う。お茶子は嬉しそうに拳を合わせて
「うん!それじゃあ試験後!」
そう言って互いの試験会場に分かれる。割り当てられた会場に着き、軽くストレッチをして体を解す。侑剛に緊張は無く少し運動する程度の空気しかまとって居なかった。
『ハイスタート!』
プレゼントマイクの突然の実技試験開始の合図が告げられる。
『どうしたどうしたあ!実践じゃあカウントなんざねえんだよ!!走れ走れ!!賽は既に投げられてんぞ!!?』
「なるほど、確かに実践ではよーいドンなんて無いですよね」
そんな事を呟きながら侑剛は慌てること無く走り出す。
『標的捕捉!!ブッ殺ス』
侑剛の眼前に仮想敵が現れる。1ポイントのタイプだ。侑剛は足を止めることなく
「とりあえず、強化五倍で行きますか」
個性を発動し言葉通り身体能力を五倍に強化し、迫り来るロボットを一蹴する。いとも簡単に破壊できたことに息を吐き。
「五倍大丈夫なら問題は無いですね……。それでは試験時間が十分しかないですし。頑張って集めましょうか」
身体能力を強化した後は街を試験会場を走り、ポイントを稼ぐ。時には苦戦している同じ受験生のアシストを行いながらもポイントを稼ぐ。
試験開始から時間が経過する。侑剛はゆっくりと仮想敵を殴り壊して計算する。
「これで60か……。強化の残り時間はあと二十三分。まだまだ余裕があるな」
侑剛が倒したロボットと自身の強化の残り時間を数えている時、突如轟音が響き渡る。大通りに出て音源の方を見ると、そこには巨大な仮想敵が居た。その近くいた受験者は蜘蛛の子を散らす様に逃げる。
(アレが0ポイント仮想敵か……。相手にするだけ無駄だな)
ため息をついていると、足を怪我したのか女の子が転倒していた。他の奴が助けると言う思考が巡りそうになったが
「人を見捨てられるやつがヒーローを救けるなんて笑い話にもなりゃしねェよな!!」
あの時の誰かに自分がなるのは侑剛にとっては我慢が出来ない。それ故に、ここで見捨てると言う選択肢はあってはならない。眼鏡を外し髪をかきあげて腰を落とす。
(身体強化の倍率を5倍から15倍に引き上げ、更に"脚力強化を10倍"上乗せする!一歩、ひとっ飛びで……!)
強化身体能力とそれに上乗せされた脚力は爆発的な速度と跳躍を生み出し、0ポイント仮想敵の眼前に肉薄する。
そしてその速度を殺す事無く、脚に力を込め
「ぶっ壊れろ!!」
仮想敵の頭部に凄まじい衝撃を与える。仮想敵は爆発音を出しながら仰向けに倒れていく。侑剛は仮想敵を足場にしてもう一度飛び上がり、トドメと言わんばかりにカカト落としをして仮想敵が倒れて行く中、追撃をし完璧に破壊する。
凄まじい衝撃と砂埃が舞い上がる。侑剛は倒れた仮想敵の上に立ち、髪を戻して眼鏡をかけて仮想敵から降りる。
(ふぅ、強化を解除しておくか疲れるし)
強化を解除してから転倒している女の子に近づく。しゃがみこみ目線を合わせて尋ねる。その少女はオレンジ髪のサイドテールの少女だった。
「怪我は無いですか?」
「え?あぁ、大丈夫。足をひねっただけだから」
「軽傷で良かったです。肩貸すので歩けますか?」
「あ、ありがとう。私は拳藤一佳。君の名前は?」
名前を尋ねられた侑剛は微笑んで答える。
「ボクの名前は徒野侑剛です。以後お見知り置きを」
そう名乗ると同時に
『終了ーー‼︎』
プレゼント・マイクによる、実技終了の知らせが響き渡った。
個性:強化
シンプル且つ汎用性高い個性。自分だけじゃなく仲間も個性の対象にでき、一度に2つ強化することが可能。現状の最大倍率は20倍であり、最大倍率は現状1つにしか付与できず残りは一つ下の倍率が付与できる。強化時には自壊しない程度の無意識の強化も入っている。
最大倍率使用時の制限時間は5分
5倍までは30分 回数制限10回
10倍までは15分 回数制限5回
15倍までは10分 回数制限3回
20倍までは5分 回数制限1回