転生するなら有名漫画が良かったよ…   作:犬うどん

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~~長い前書き~~
子供の頃、何気なく読んでいた漫画がいきなり終わってしまって悲しい気持ちになったことありますよね。
もっと続きが読みたかったし、回収してほしかった伏線や設定があり、読者としても悔しい気持ちです。
そういった気持ちを込めてこいつを書きます。多分。

作中の原作は昔思い付いて書いていたクソ小説を元に書いています。
内容ははちゃめちゃだったのですが、思い入れがあるのでそれの供養も込めてます。
ただその当時と変わらずに私の文章力はないので暖かい目で読んでいただけるとありがたいです。





第1週目 俺がこの世界にやってきた!!

皆さんは"ディビディビデビル"という漫画をご存じだろうか?

 

数年前にとある少年誌で連載されていた漫画であり、全5巻 話数にすると45話で完結した作品である。

 

ジャンルは学園コメディ、バトルアクション、そしてダークファンタジー。

 

何をやってもダメな中学生「比護蛍」(ひごけい)の前に自称最高位悪魔「ディビィ」が現れる。

ひょんなことから彼はディビィと契約をし、主人公の悩みや問題を解決するためにディビィは自身の悪魔の力や悪魔道具などを彼に貸す。

話の前半はそれらによって上手く行くが、途中からディビィの能力や悪魔道具の欠点がでてきて、毎回失敗に終わる。

そうやって毎度主人公がディビィに振り回されるが、そんな中でもなんやかんや主人公が頑張り人間的にちょっとずつ成長するという流れがこの漫画の特徴である。

そうして話を重ねるにつれ友人ができたり、憧れのあの子との中が進展したり、かと思ったら他の悪魔が出て来て新たな問題を起こしたり、そういった感じのドタバタ学園コメディアクションものである。

話の雰囲気は緩めで、バトルが挟まってもそこまで過激な戦いがあるわけではないため、少年誌版の日常系漫画のような作品であった。

 

だがそれらの説明は連載途中までの話である。

 

ここまでの話だと最初のダークファンタジー要素はどこなんだ。

そう思うだろう。

なぜそのカテゴリーに分けられているのか。

それは、連載途中にこの漫画が路線変更をしたためである。

 

それが起きたのは22話のことであった。

その話では唐突に主人公たちの前に天使という存在が現れ、ヒロインを連れ去ろうとするという展開から始まる。

それを阻止しようとする主人公蛍とディビィだが、あっけなくやられてしまい、天使たちが世界を支配するという宣言と共にヒロインは連れ去られ、22話は終わる。

 

 

そうして天使たちの登場以降は以前のコメディ要素は消えていき、シリアスな展開が続いていくことになった。

そのため、ダークファンタジーに括られているのだ。

 

いきなりジャンルが変わったのは多分だが、展開がマンネリ化して、人気が低迷していたのだろう。

そのため、唐突にテコ入れという名の路線変更がされバトル物になったのだ。

なぜこんな重い作風になったのかとも思うが、それは当時の少年誌で暗い雰囲気のバトル漫画が流行っていたからか、そういう風に変わったのだと俺は思っている。

 

だが、それでも人気がでなかったのだろうか。

連載の後半には、急展開の連続や時間の加速、最後には俺達の戦いはこれからだ!と終わってしまった。

 

ヒロインの奪還は最後までされなかったし、ボスとして現れた天使たちとの戦いや修行した仲間の能力すらろくに書かれずに終わってしまった。

 

 

 

それがディビディビデビル"という漫画である。

 

 

普通に考えたらそういった作品の評価は低いのかもしれない。

いわゆる打ちきり漫画だし、話の展開の仕方や作品終わり方は批判されても仕方ない酷いものだ。

だがどんな物にも当然ファンはいるわけで。

俺はその熱心な読者の1人だった。

掲載紙ではもちろん毎回読んでたし、アンケートも出してた。

単行本もちゃんと買っていたし、突然の展開に戸惑いつつも毎週楽しみに読んでいたのだ。

展開的に何となく察してはいたが、あきらかに話の途中で終わり、次回作にご期待ください。の文字を見たときにはとても悲しかったもんだ。

だから連載終了後も最終巻は買ったし、たまに読み返すくらいには好きな漫画なのだ。

 

好きな漫画なのだが。

 

何の因果か俺はその漫画の世界に転生してしまったのだ。

 

 

たしかに俺はディビディビデビルという漫画が好きだ。

 

好きな漫画なんだ。

 

好きな漫画だけどもさぁ…!!

 

 

転生するならもっと良い世界があるよなぁ!!!

 

なんかさぁ!!異世界だったり、超文明だったり、よぉ!!!

 

どうせ転生するならそういう摩訶不思議な世界に行きたいじゃんか!!!!

 

漫画とかアニメの世界じゃなくてさぁ!!!!!

 

前世とは違った未知の世界でわくわくしながら過ごしたいじゃん!!!!

 

そんであわよくば無双したいだろうが!!!

 

まあ無双するのは置いといても!!

 

百歩譲って漫画とかアニメとか原作と呼ばれるような元がある世界だとしてもさぁ!!

 

もっと人気の漫画があるじゃん!!

 

なんでディビデビ*1なんだよ!

 

この漫画は打ちきり漫画なんだぞ!?

 

巻数が少ないし、出てきた設定もふんわりしてるんだよ!!!

 

 

知識で無双ができねぇんだよ!!!

 

 

後半は急に時間とんで町が滅んだりしてるし、とんだ時間に何があったのかわからねぇんだよ!!

 

なのに結構人が死んでるっぽいし!!

 

0コマで簡単に町が滅んだりしてるの!!

 

登場人物の台詞で判明するからいつとかもわかんねェんだよ!!

 

というか22話まで、そんな素振りなかっただろ!

 

最初のコメディ路線とのあまりの温度変化に風邪引いちゃうだろ!

 

そんな世界なのに転生特典もないしさぁぁぁ!!

 

転生するならせめてそういう能力を俺にくれよぉ!!

 

なんもないんだよ!ほんとに…!

 

お決まりの爺さんやら女神やらそんなのに会ってないんだよ!!

気づいたらいきなりこの世界で赤ん坊になってたんだよ!

 

ちょっと成長するまで前世と同じ世界かと思ってたわ!

 

 

 

たしかに好きな漫画ではあるけどさぁ…!!

 

こんなやべー世界に転生するのは望んでねぇんだよぉ!!

 

うぉぉお!!どうしたらいいんだよ!!!!

 

 

 

 

 

 

ふぅ…。少し取り乱してしまったが、吐き出したことにより落ち着いてきた。

これはこの世界に転生してきてから訪れる発作のようなものである。

 

一番酷かったのは俺がこの漫画に転生したと気づいたときだった。

もうそれはそれは泣いて荒れた。

原作を知っているからこそ、この世界に訪れる超展開による理不尽を俺は知っている。

俺が荒れに荒れてしまい泣いてしまっても仕方のないことだろう。

突然めちゃくちゃに奇声を上げながら泣き出してしまいこの世界での両親にずいぶんと心配をかけてしまったのだけは、本当に申し訳ないと思っている。

 

まあそんな事があったのも十年ほど前の話だ。

この感情とは長年の付き合いによって、なんとかコントロールはできている。

先ほどのように心のなかでは荒ぶっているが、表面には少しも出さないという能力を手に入れているのだ。

まあそんな物を手に入れても現状は変わらないのだが。

 

 

さて落ち着いたところで今後のことを考えてみる。

このまま今のように普通に生活したとしても、バトル路線になった瞬間に死ぬ可能性が高い。

作中の戦いの裏側で死ぬだろうし、一番早くてあの22話の後に死んでしまうだろう。

なぜなら23話では天使によって町や学校の人間が操られている。

作中では、それに何故か耐え逆らおうとする人間がいたが、普通に殺されていたし、傀儡となっている人間でも不出来だと見なされると殺される描写があった。

 

 

更には22話と23話の間では作中の時間で数ヶ月の時間が流れており、主人公たちは修行という名前の失踪をしている。

それにより23話は最初から地獄のような展開になっているのだ。

モブとして俺が生きるとなると同じように操られるか、殺されるだろう。

 

なら主要キャラ達はどうなのかというと。

彼らは天使たちの手から逃れ、23話以降に味方として再登場をする。

その際に彼らの家族や原作で関わりがあった人たちが無事だと言及されていた。

詳しい説明がなかったのでどういう風にかはわからないが天使たちの被害を受けていないのだ。

ということはだ。

主人公たちの仲間内に入れれば。

知り合いレベルでも良いので交流ができれば。

俺も助かるかもしれないのだ。

 

なのでどうしようとも生き残るためには主人公たちに近づかなきゃならない。

 

 

原作開始時期はわからないのだが、俺が住んでいるところは劇中の舞台、罪多魔県血魑武市にある白黒町というところである。

 

とんでもねぇ名前の県だが、そのお陰で俺がディビデビの世界に転生したことがわかった。

県と市に対して町名が雑すぎるこの地で俺は育ち、はや16年。高校2年生である。

ちなみに主人公たちは中学生という設定である。

 

更に作中で登場する主要な人間は中学校の中で完結している。

つまりは俺が彼らと出会う機会になりそうな話が原作にはない。

そして主人公の住んでいる地区もわからず、もちろん俺の近所に比護という苗字の人もいない。

一応彼らの通っていた学校の場所はわかるけど、それだけだ。

この町はかなり広く、しらみ潰しに探してもとても時間がかかるだろう。

 

 

うん…。どうしようか…。この先…。

 

 

 

*1
ディビディビデビルの愛称。





設定説明の1話。

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