【オーバーロード】食事処もふキッチン【異世界編】   作:野神 汰月

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 はい、テンション何とか上げつつ食事処もふキッチン再開です。

 なおこちらはオーバーロードの本編である異世界編オンリーです。前作で投票していただいたクロスオーバーごちゃまぜもふキッチンはまた別で投稿します…(自ら首を絞めていくスタイル)


 今回は導入部分をさらっと―――


 もふキチの【家族】が本当に家族になるお話…はじまりはじまり


 ※前作でたっち・みーの奥さんであるテル・ミーをもふキチの孫娘でモモンガの叔母としてましたが、こちらでは修正してモモンガと一緒でもふキチのひ孫でモモンガにしてみれば従姉妹ということにしました。


開店準備 ギルド アインズ・ウール・ゴウンが異世界にログインしました

 振り返れば苦しかった事や悲しかったも多いが、幸せだったり嬉しかったり…長い時を生き抜いてかなり良き人生を歩んでこれたと思う。

 

 そう心の中で独り言ちりながら、儂は……如月 凰翔(きさらぎ おうしょう)はもう間もなくこの詩の時間を終えることを感じていた。ただ一つ、心残りがあるとすればそれは―――

 

 DMMO-RPG、YGGDRASIL…。世間を風靡したダイブ型VRゲームであるそれに残してきた儂の分身であるもふキチと、自らの自己満足のために集めたワールドエネミーであるNPCたち。あの子らは既に儂であり、儂の子らで別の家族だった。

 

 

 「楽しかった…そう、今までやってきたうん十・うん百のゲームの中で一番と言っていいほどの―――」

 

 

 だがそのゲームも終わりを迎える。今まさに、儂の命の灯が消えそうであるこの時に…。

 

 自由度が高く、儂のひ孫である輝美に勧められて始めたが驚くほどにはまってしまった。引退して名誉会長職に就いたとはいえ時間を忘れるほどに…それこそ仕事そっちのけで。いや重要な案件はきちんとやっておったよ?本当じゃよ?(誰に言い訳してるんだか…)

 

 そこでは輝美のPCであるテル・ミー(安直じゃよな?)と彼女の幼馴染で当時婚約者の現旦那たっち・みー等数人と一時期PTを組んで遊んでいた。まあ、もうその頃にはゲーム内で異業種PKが流行っておったからソロでPKKしておったんだが…。マジで正義の名のもとに!とか言ってMob狩りみたくPKしてくるの腹立ったわ。

 

 いつしかソロで活動していた儂の下に同じくソロでPKKをやってた連中が集まり(その中にテルもいる)PKK集団(クラン)摩天狼なんてもんが出来上がってしまったが。そして何故か儂がクランリーダーやらされておった。まあ、それも儂があるイベントクリアしてユニーク種族に転生するまでの話だが。

 

 ソロPKKerを引退して、世界級アイテム(と現実方面でもにょもにょ)を元手に運営を脅し…いや交渉して、ワールドの一MAPであったアームスヴァルトニル湖を貰い受け準GMとして運営しつつ食事処なんてものをやってたら、たっち・みー(たっちぃ)が始めた集団である始まりの九人【ナイン・オウン・ゴール】から出来上がったギルド、アインズ・ウール・ゴウンの面々がよく来るようになった。

 

 ギルマスであるモンちゃん(モモンガ)に茶ーちゃん(ぶくぶく茶釜)、煩悩戦死・エロゲの欲王(笑)ことペロ(ペロロンチーノ)やへろちー(ヘロヘロ)。件のたっちぃと犬猿の仲であるベルトさん(ウルベルト・アレイン・オードル)、何故か儂を逆セクハラしてくる大のもふもふや可愛いものスキーなもっちぃ(餡ころもっちもち)など。一癖も二癖もある面々が儂のところにやってきては楽しく過ごしていた。

 

 そんな中、ある事が切っ掛けでモンちゃんが探していた孫娘の遺した儂のひ孫であることが発覚して―――。

 

 

 「……いかんな、今までのことが思い出されて。もうそろそろ、婆さんのお迎えがきそうじゃ」

 

 

 モンちゃんのことは…儂の最後のひ孫であるあの子の事はテルを中心に皆に頼んだ。だから大丈夫じゃろう。しかしリングヴィの子供たちは……。

 

 アームスヴァルトニル湖のMAPは閉鎖されたが、まだサーバーにはデータが残っている。最後に会いに―――そう考えたところで急激に意識が薄れていく。ああ、時間切れか…すまんな、最低な【父親】で…。

 

 

 

 こうしてもふキチ…如月 凰翔の一生は幕を閉じた。それは奇しくもYGGDRASIL最終日が終わりをつげ、日付がちょうど変わった午前〇時ちょうどで―――彼の誕生日が来た時だった。

 

 

 

 ※※※

 

 

 「楽しかった…本当に、楽しかったんだ…」

 

 

 時は遡りYGGDRASIL終了日のナザリック地下大墳墓内第九階層にある円卓の間にて。ギルド、アインズ・ウール・ゴウンのギルドマスターであるモモンガは目の前にあるギルド武器スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを見つめながらそう呟いた。

 

 今日という日に何人かの引退したギルメンたちも来てくれたが、来なかったものもいた。最後だから皆と…このナザリックを作り上げたギルメン皆と過ごしたかったのだが…。

 

 

 「そうですね…色々ありましたが、本当に楽しかったですね(*´Д`)」

 

 「うちの愚弟がみんなに迷惑かけた思い出しか浮かんでこない件について(´・ω・`)」

 

 「ひでぇよ姉ちゃん!!Σ(´Д`||」

 

 「結構可愛い子たちに出会えて私はすごく楽しかったですぅ♪(*‘ω‘ *)」

 

 

 上から順にたっち・みー、ぶくぶく茶釜、ペロロンチーノ、餡ころもっちもちの順にモモンガのひとり言に応える。

 

 

 「いやぁ…今日仕事がなくて本当によかったですよ~。まあ、一大プロジェクトが終わったので今全然忙しくはないのですが~( ^ω^ )」

 

 「ヘロヘロさんには大変お世話になりまして…」

 

 「いえいえ、もふキチさんに仕事を紹介していただかなければ今こうしていられたかどうか~…」

 

 「私も丁度案件が終わったところでしたからよかったですよ(`・ω・´)」

 

 

 そんな四人にヘロヘロ、たっち・みーの(現実でもゲームでも)妻のテル・ミーそしてもふキチに悪の中学二年生と密かに呼ばれていたウルベルトがまったりとしていた。そしてそんな現在もギルドに所属しているメンバーの他に背の小さい子供のコボルトが突撃していく。

 

 

 「おじ様たち急にお仕事の話はやめよ?モモンガおじ様のために来たんでしょ?」

 

 「ああ、キャッチちゃんゴメン。そうだね、今日はモモンガさんの為に集まったんだからこういうのは良くないよな?」

 

 

 まだ小学校に入ったばかりだというのにしっかりとした言葉でたしなめるのはたっち・みーとテル・ミーの実の娘であるキャッチ・ミーだった。彼女は小学校に上がってすぐ両親の遊んでいるこのYGGDRASILをやってみたいということでギルドの方針に従い異業種であるコボルトを選択してゲームにログインしている。

 

 このYGGDRASIL、小学生でも親などの保護者同伴であればプレイは可能だ。なので今残っているギルメン全員でパワーレベリングを行い、今では立派なレベル八十代の中位プレイヤーだったりもする。

 

 

 「何人かは来てくれましたけど、やっぱりほとんど来ませんでしたね…(´・ω・`)」

 

 

 モモンガは寂しそうにそういうとスタッフ・オブ・AOG(長ったらしいので省略)を手に、「最後は玉座の間で終わりましょう」と言って全員を引き連れてナザリック地下大墳墓最下層、第十層の玉座の間へと移動を始める。

 

 本当なら…もしかしたらここに残っていたのは自分一人だけだったのかもしれないと思うと、こうして今いるメンバーに頭を下げて自分の近くにいることをお願いしたつい最近知った曾祖父に思いを馳せる。

 

 今その曽祖父は病院のベッドの上でこのYGGDRASILの終わりを憂いていることだろう…。脳に高負荷をかけてしまったせいで身体を壊し入院していて余命宣告までされている。だから彼は今このゲームにログインしていない。なんとなしにUIを開いてフレンド一覧を覗く。そこにはグレーアウトした【もふキチ】の文字があった。

 

 

 「……もふキチさんきっと凄く寂しがってますよ。みんな明日有給とってますし、来るなって言われてますけど今日のことをお話しするためにお見舞い行きましょう?」

 

 

 そう声をかけてくれたのはぶくぶく茶釜だった。いつもみたいにロリボイスで甘い声ではなく、優しく穏やかな声でモモンガは少し癒された。

 

 「そうですね…そうしましょうか」とモモンガは彼女に返しつつゆっくりと第十階層に繋がる階段を下りていく。

 

 階段を降り切るとそこにはみんなで作った戦闘メイドのプレアデスと、たっち・みーが作った執事が控えていた。

 

 戦闘メイドプレアデス。此処に居る茶釜と餡ころもっちもちと大の仲良しであり同じ女性プレイヤーのやまいこが制作したNPCであるユリ・アルファを筆頭とする六人のメイドたちの総称だ。執事の名前はたしか……。

 

 

 「ああ、セバス・チャンはここに配置してたんでしたか」

 

 

 そう言ったのはその執事を制作したたっち・みー本人だった。たっち・みー自身あまりNPCには拘りがなく、あまり愛着もなかったのだがもふキチに「自分で作ったNPCは自分の子供みたいなもんだろうが!ちゃんと大事にしやがれ!!」と怒られたことをきっかけにきちんとたとえNPCだろうが向き合うことにした。…その割には自分のNPCの配置場所知らなかったみたいだが、というツッコミはしてはいけないのだろうきっと。

 

 

 「えっと…命令コマンドは―――」

 

 

 もののついでだと彼らも一緒に連れて行こうと思い立ったモモンガは滅多に使うことのない命令コマンドを実行しようとして思いだそうと一瞬思考の海へと潜りかける。そこに全NPCのAIを担当していたヘロヘロがコマンドを教えてくれた。それと同時に、茶釜が「モモンガお兄ちゃん、命令コマンドいうとき魔王バージョンでよろしく☆」と言ったものだから少し慌てふためく。そんなモモンガを今此処に居るメンバー全員(キャッチ・ミー含む)が愛らしいと思ったのは言うまでもないだろう。

 

 

 「…付き従え」

 

 

 リクエスト通りに低いイケボ(笑)で魔王のようなしぐさと声でコマンドを言うと、メイドと執事は恭しく頭を下げ最後尾につく。

 

 モモンガのそれに女性陣はきゃーきゃーと喜び声を上げているので恥ずかしくてもやった甲斐はあったかとホッと胸をなでおろす。

 

 そうこうしているうちに目的の玉座の間の前まで来た一行は、重厚感のあるその扉に各々思いを馳せていた。この扉を作るにもいろいろとクエストに駆り出され死ぬ思いで(実際何度も死に戻りをしてデスペナで失った経験値を補充するのに奔走した)熟し、何とか完成させたそれはどこぞのあん畜生(るしなんとかさん)の腕によりをかけた彫刻が施されていた。

 

 あまり活用しなかったが思い入れのあるその扉をモモンガはレベル一〇〇の魔法詠唱者の筋力を以てしても重いそれを、ゆっくりと開ける。

 

 

 「あれ、アルベド?」

 

 「アルベド、こんなところに配置してましたっけ?」

 

 

 扉の先の広々とした空間、その玉座の下にはタブラ・スマラグディナが創った守護者統括の地位を頂くNPC、サキュバスのアルベドが佇んでいた。しかもその手には

 

 

 「ちょっ…なんでアルベドが真なる無(ギンヌンガガブ)持ってんの!?Σ(´Д`||」

 

 

 本当の本当に苦労して手に入れた世界級アイテムである真なる無(ギンヌンガガブ)、それを何故かNPCであるアルベドが持っていることに驚きをあらわにするモモンガ。基本ギルドが所有している世界級アイテムは一部を除き全て宝物殿に収めてあったはずなのだが…。

 

 

 「そういえばタブラさん来てたじゃないですか。その時なんかしたんじゃないかな?( ゚Д゚)」

 

 「……あ~、あの人ならあり得そう(´・ω・`)」

 

 

 サプライズやギャップ萌え大好きな脳喰い(ブレインイーター)で、設定厨でもあった彼ならばありえそうだと全員が納得する。

 

 

 「(そういえばあの設定厨のタブラさんの創ったNPCだから設定もりもりでフレーバーテキスト制限文字数までぎっちり設定描書きこんでたな…)どんなだっけ?」

 

 

 ふと思い立ってギルドメニューからアルベドの設定をのぞき込むモモンガ…。途端にうげっと声を漏らしてしまうほどいくらスクロールしても全然最後のほうまで行かないという長文設定だった。

 

 そしてやっと最後の文章まで辿り着いたとき、それを一緒にのぞき込んでいた全員が(キャッチ除く。というか子供には見せられないものがあったのでテルに退避させられていた)「んん?」と首をかしげる。

 

 

 「あれ、アルベドの設定、確か最後は【ちなみにビッ】…おっと、子供がいるから声には出して言えない文言でしたよね?(´・ω・`)」

 

 「そうそう…私もそこだけは覚えてたんですが―――これは」

 

 

 アルベドの設定の最後の文章は【ちなみにビッチである】だったのだが、今見たら変えられており【ギルメンを愛している】に書き変わっていた。おそらくタブラが来た時に替えていったのだろう。

 

 

 「もうタブラさんったら…そこは【モモンガを愛している】!くらいやればよかったのに(´・ω・`)」

 

 「あ、そういえばタブラさん『アルベドはその内モモンガくんに嫁に出す』とか言ってましたですぅ(*‘ω‘ *)」

 

 「…え?Σ(;゚Д゚)」

 

 

 茶釜と餡ころもっちもちのとんでも発言に思いっきり驚く我らが愛しの骸骨。骨にサキュバスを嫁に出すって…何言ってんだあの人!?(モモンガ心の叫び)

 

 

 「まあ、いいじゃないですかあの人らしくて。もし、モモンガさん以外全員引退していたら【モモンガを愛している】になったかもしれませんが…(^▽^;)」

 

 「そうだなぁ、あの人ならやりかねない…」

 

 「ですねぇ~…」

 

 

 たっち・みーもウルベルトもヘロヘロもタブラならやらかしてもおかしくないと口をそろえてそう言った。

 

 そうだよなぁ…と気を取り戻してモモンガは玉座に腰を掛ける。それに続いてメンバーも各々左右に分かれて、それはまるでファンタジーアニメに出てくる魔王とその幹部といった面持ちだった。

 

 

 「…平伏せ」

 

 

 玉座に座って、周りにみんながいる状態が自然とそうさせたのだろう先ほどと同じく魔王モードでそう命令するとNPCたちが綺麗に並んで跪いた。

 

 玉座から眺める広間にはギルメンそれぞれを示す紋章が描かれた旗が天井近くにずらりと飾られているのがよく見えた。

 

 

 「(さっき話に上がったタブラ・スマラグディナさん…ギルド最年長だった死獣天朱雀さん…やまいこさん…武人武御雷さん…)」

 

 

 一つ一つに視線を向けてはその紋章を表す一人一人を心の中で呼んでいく。そして今此処に居てくれているみなの名前も…。

 

 そしてついにゲーム終了の時刻まであと一分を切った。

 

 

 「それじゃあ最後にみんなで唱和しましょうか」

 

 「いいですねぇ~。こういうのはいくつになってもワクワクするものです~」

 

 「じゃあ、せーので行きますよ?」

 

 「はぁい!じゃあ、わたしがせーのする!!」

 

 

 そう言ってキャッチがせーのと言うと全員でギルドを称える言葉を大声で唱和する。

 

 

 「「「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!!!!」」」

 

 

 モモンガも立ち上がり全員で唱和した瞬間―――日付が変わり視界に映る時刻が〇時を指した。

 

 

 ※※※

 

 

 ―――あれ?ログアウト時のあの浮遊感が来ない?

 

 終了すると思ったその時、目を閉じたのだがいつもなら感じる感覚が来ない。それだけじゃない、目を閉じても視界に映るゲームのUIがそのまま表示されている?

 

 

 「…どういうことだ?!」

 

 

 思わず俺はそう叫んでいた。目を開けるとそこは先ほどと変わらず玉座の間の風景だった。NPC達も跪いているのが見える…。横を見ると先ほどまで一緒にいたみんなが俺と同じように驚いている。

 

 

 「もしかしてサービス終了はデマでしたです?」

 

 「いえ、そんなまさか…如月家の方で働きかけましたが無理だったのですよ?ありえませんわ」

 

 

 餡ころもっちもちさんがサ終はデマだったのでは?と言うが、如月財閥という世界有数の企業からの働きかけにも否と断じた運営が止めると言ったら止めるだろと反論するテル・ミーさん。

 

 そんな風に言い合ってる二人をよそに、ウルベルトさんとヘロヘロさんが慌てふためいている。

 

 

 「おい、コンソールが出なくなったぞ!!」

 

 「こっちもです~…どんな操作をしても、音声コマンドでもコンソールが出ません~…」

 

 

 それを聞いて其々が慌ててコンソールやコマンドを試す。だがどれも失敗に終わる。そこで俺はGMコールの存在を思い出し試し始める。これは伝言(メッセージ)の応用でも使える…。魔法を起動しGM宛へと思念伝達をする―――

 

 

 

 本来なら俺たちが陥ったこの現象は異世界転移であり、ゲームではないからGMコールなど通じるはずはなかった。だが―――

 

 

 『ほいほい、こちらGM代理…今度はどこのギルドが迷い込んできたんじゃ?』

 

 

 GMコールは繋がり、聞き覚えのある声が返ってきたのだった。

 

 

 

 




 ということで異世界編導入話をお届けしました…。ほのぼのを待ち望んでいる読者の皆様ごめんなさい。最低でもあと一話こんな感じの真面目な話になります。


 最後にGMコールに出たのは一体なにキチ様なんだ(すっとぼけ)



 できれば週一、あるいは各週で更新したいところですが体調面の調子しだいなので生暖かく見守っていただけると幸いです。少なくとも月一更新頑張ります!!

 それではまた次回、See you next story,ばいばい☆

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