【オーバーロード】食事処もふキッチン【異世界編】 作:野神 汰月
たっちみーの娘(息子)に隠された真実とは?!(笑)
それでは本日ももふキッチン開店です☆
もふキチが
もふキチにしか見えない魂の色…。親子親族関係ではほぼほぼ同じ色に見えるそれがたっち・みー夫妻のそれとは違ったという。そしてキャッチ・ミーの魂の色にほぼ同じ人物がいて、それがアインズ・ウール・ゴウンのギルドマスターであるモモンガだと。
どういうことなのか理解できないでいる困惑顔の両親を見てキャッチ・ミーはすこし心配そうにしていた。そんな時―――
「お爺ちゃんおにゃか空いたにゃ!朝ごはん欲しいニャ!!」
店の引き戸が勢いよく開けられ、そこから茶褐色の毛並みに黒のおかっぱヘアーの猫科の
その猫獣人と一緒に申し訳なさそうな顔をした高身長の女性のライオンと思われるが白い毛並みの、しかもビキニアーマーといういかにもな獣人も一緒に入ってきた。
「我らが父よ、申し訳ございません。バステトが腹が減ったと騒いで突撃してしまい―――なにやら大事のようですね?」
獅子獣人の女性が店内の空気を読みバステトの頸を猫掴みして持ち上げ出直そうとするが、もふキチがそれに待ったをかけた。
「セクメトとバステト、丁度良いところに来てくれた。食事は奥にいつものように用意してあるでな、それで済ませておくれ。それと申し訳ないんじゃが……」
そう言ってもふキチはキャッチ・ミーを指し、「この子の面倒少し見てもらえんかの?」とお願いをする。それにセクメトとよばれた獅子獣人が子供には聞かせられない話をするのだと察し了承する。
「それではお邪魔させていただきます。それと―――」
セクメトはキャッチ・ミーに近づき、目線を合わせるように屈むと「幼子よ、名は?」と彼女に名前を尋ねる。一瞬びくっとなるキャッチ・ミーだが、セクメトが優しい顔つきをしてるのに一瞬で気を許す。
「わたしはキャッチ・ミーっていうの。お姉さんは…セクメトさん?でいいのかな」
「ああ、我の名はセクメトだ。恐れ多いことだが我らが父であるもふキチ様の娘とされている。よろしく頼む」
「おじいちゃまの家族なの?じゃあ、わたしとも家族だね!!よろしくセクメトお姉ちゃん♪」
お姉ちゃん…いい響きだ。そう思いながらセクメトはバステトを猫掴みしたま逆の手でキャッチ・ミーと手を繋ぎ店の奥へと入って行った。
「あたしずっと猫掴みのままにゃんだけど…誰助けてクレメンスニャ……」
―――
三人が奥に言ったのを確認したもふキチは周囲に遮音結界を張る。そして今度は肉声でたっち・みー夫妻に話しかける。
「あの子が二人の子供に違いはないんじゃ。匂いが二人の子供だという証明になっておる」
動物(ある種虫も)は匂いで個体を判別する。なので二人の匂いとキャッチ・ミーの匂いは似通っているのでそれはそれでちゃんと子供だと証明することができる。
だが魂だけが違う。そして彼女の魂と似通っているのがモモンガだという……。それが意味することは―――
「恐らくチィちゃんは……いや葵は千尋の生まれ変わりじゃろう」
もふキチは確信めいてそう告げた。
※※※
儂は仏教徒ではなく神道系の家系に生まれたが、輪廻転生だけはあると思うておった。一〇〇年以上生きてきて、死別した誰かとそっくりな癖をする子や話し方をする子供を見てきておるでな。
じゃが、まさかモンちゃんの…悟君の母親であり儂の孫だった千尋が何の因果かテルの子供として転生しておるとはな…。
「恐らく生前の記憶はないんじゃろうが、無意識的にモンちゃんのことを覚えておって懐いておるんじゃろうよ」
「そんな…私たちの子供が…千尋さん?」
儂の言葉で息がつまる二人。愕然としておるが無理もなかろうて…じゃが―――
「記憶のない転生をしただけじゃよ。儂がこうして転生しておるのじゃから何の不思議もなかろう。それに」
儂は自分で用意した湯のみの中の緑茶を一口飲み、二人に諭すように話しかける。
「あの子は間違いなくちゃんと二人の娘じゃ。千尋の転生体であってもな。その証拠にあの子はお前さんたちになついておろう?ちゃんと父、母と慕ってくれているであろう?」
その言葉ではッとする二人。そうじゃ、今のあの子の親はお前さんたちなんじゃよ。
「じゃから二人はこれからもずっとあの子の親でいてやってくれ」
「「はい……!!」」
ま、儂は
※※※
三人が話し合っていた頃、セクメトに連れてこられた奥の座敷ではキャッチ・ミーとバステトと三人で食事をしていた。料理はエジプト料理だったのだがキャッチ・ミーは美味しい美味しいと食べていた。
フムスにケバブ、ひよこ豆を使ったコロッケのようなタミヤ(模型ではない)など山盛りに大皿に乗っていた。
「セクメトお姉ちゃん、すごくいっぱい食べるんだね?」
バステトは見た目通り小食なのですでに食べ終えており、自分もいつもよりかは大目に食べたのにまだ残ってる料理を次々に食べていくセクメトにキャッチ・ミーは目を丸くした。
キャッチ・ミーの言葉に今までケバブをヨーグルトソースで食べていたのでチリソース(キャッチ・ミーには辛すぎたらしく敬遠された)で食べようとした手を止めた。
「ああ、チィを驚かせてしまったか?我は見ての通り身体が大きい。それにこの後任務と鍛錬が控えているからこれくらい食べないとダメなのだ」
「はぇ~…そうなんだ」
「セク姉の胃袋は宇宙だとでも思っておけばいいニャ。マジで出されたもの全部食い尽くすからニャ」
自分も家族なんだから愛称のチィって呼んでと言われている二人。食事中にそれなりに仲良くなれたようだ。これならもふキチも安心することだろう。
「わたしその辛いの嫌い……」
「チィも大人になれば食べれるようになるさ。現に昔は食えなかったバステトが食えるようになったんだからな」
「なんか食べなれたっていう方が自然ニャ」
和気藹々とおしゃべりしてる途中、キャッチ・ミーは何かに気付いてセクメトに質問をする。
「そういえば今日通って来た門の前に立ってた…セト?さんの分は残しておかないの?」
大皿であった料理のほとんどがセクメトに食い尽くされかけてるのを見てキャッチ・ミーはそう尋ねたのだ。
「ああ、あいつの分は既に配布されて今頃食い終えたところだろう。帰りに聞いてみるといい」
「うん、そうするね!」
他人のことも気遣えるこの子は本当に優しい子だとセクメトは思った。そして自分の父として設定されたもふキチに雰囲気が似てるとも―――
「……(まさか…な)」
そのことにはセクメトは気付かないふりをして残りの料理を平らげていった。
―――
セクメトがすべての料理を完食した頃にたっち・みーとテル・ミーの二人にそろそろ帰ると声を掛けられたキャッチ・ミーは所持部屋に来た時と同じようにセクメトと手を繋いで戻ってきた。
唯一違うのがバステトがセクメトに猫掴みされてない点だろう。今度はバステトもセクメトとは逆の手を繋いでいる。
「それはで、本日はお時間を頂きありがとうございました。じゃあ、帰るぞあお…キャッチ・ミー」
普段は葵呼びなのででかかったが、もうこの世界の住人なのだからキャラクターネームで呼び合うとナザリックでの会議で決まった。配下の件もあるだろうしということで満場一致だった。なので慌てて呼びなおしたたっち・みーは少し慌ててしまう。
「はい、パパ。セクメトお姉ちゃん、バステトおねえちゃん、またね♪」
「ああ、いずれまた相まみえよう。今度はセトと一緒に茶会でもするか」
「それいいニャね!チィちゃん今度はあたしともいっぱいお喋りするニャよ」
それぞれ別れの挨拶を済ませ店を出るたっち・みー一家。
少し歩いたところでたっち・みーはキャッチ・ミーに尋ねる。
「彼女らとは仲良くなれたのかい?」
「うん、いっぱいお喋りしてもふキチお爺ちゃんの家族ならわたしも家族だねって言って仲良くなったの!!」
「そう、それは良かったわね」
優しい笑顔をキャッチ・ミーに見せつつ対応するテル・ミー。
そう、あのリングヴィ中央神殿地下を守護する者たちがたとえワールドエネミーであってももふキチが家族だというなら、自分たちも家族なのだ。
ちょっと恐ろしい部分もあるがもふキチに紹介されあってみたらみんな気さくに接してくれた。
キャッチ・ミーの出自…というか転生のことはさておき、家族なのだからこれからもできるだけ頻繁にここに訪れよう。そう心に誓うたっち・みーとテル・ミーなのだった。
余談だが、帰り際にキャッチ・ミーがセトに挨拶したとき、彼の口の周りにヨーグルトソースがついていて指をさして彼女が笑い転げる一幕があったという。
と、いうわけでキャッチ・ミーちゃんは実はモモンガのお母様の転生体というお話でした☆
こんなんふざけんな!って嫌悪される方もいるかもしれません。その場合には本当に申し訳なく、謝罪させていただきます。
でも、モモンガさんにはたくさんの人とのつながりが必要なのです。
そういうことで一つ…よろしくお願いします。
本日は二話構成です、こちらは一話目になります。次のお話でまたいましょう。
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