【オーバーロード】食事処もふキッチン【異世界編】   作:野神 汰月

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 本日はいい肉の日ということでかげ…げふん、ルプスレギナ様がご来店です。

 ということで本日ももふキッチン開店です☆


十二人目 かg…ルプスレギナ様がご来店しました。

 大分寒さが堪えるようになってきているアームスヴァルトニル湖。暦上では秋から冬へと移り変わるこの時期に、もふキチはきちんと四季を表すため微調整していた。

 

 そんなある日、店の引き戸ががらりと開くと「お爺ちゃん来たよ~♪」とルンルンステップしながらわふわふしてるルプスレギナが入ってきた。

 

 

 「お爺ちゃんこんにちわ」

 

 「お邪魔いたします」

 

 「おじーちゃま、こんにちわ♪」

 

 

 その後ろからもふキチの家族となるものも続いて入ってくる。本日はちょっと特別な日なのでルプスレギナと……正確にはもふキチと血のつながりのある人物たちが来店してきた。

 

 ルプスレギナはゲームの中とはいえ自分が生み出した娘みたいなものだ。ルプー本人は固くなにお爺ちゃん呼びではあるが…。

 

 

 「はいよ、いらっしゃい。んでもって、ルプスレギナ誕生日おめでとう」

 

 「ありがとうお爺ちゃん♪」

 

 

 そう本日暦の上では十一月二十九日は奇しくも今日、いい肉の日とされる日に生まれ(稼働し)たのだった。ついでにその日どこかの鳥が滅茶苦茶もふキチを煽って瞬殺された日でもある。

 

 店には既にいろいろな肉料理が並べられており、【ルプスレギナ誕生日おめでとう】と垂れ幕もかかっている。

 

 

 「私たちも一緒でいいんですか?お爺ちゃん」

 

 「ええんじゃよ。だってお前さんこの子の事を『家族』って言ってくれたんじゃろ?なら家族でお祝いするのは当たり前じゃて」

 

 

 そう言ってからからと笑うもふキチ。そうこれから行うのは誕生日パーティなのだ。だから家族全員でお祝いしてわいわいするのがいいのだ。ただしその中にたっち・みーがいないのは謎である。たっち・みーはテル・ミーの旦那なのに。

 

 

 席にはありとあらゆる肉料理が置かれている。クリスマスに定番のチキンレッグ、唐揚げはもちろん苦労して作ったマンガ肉などもあった。

 

 中央には誕生日ケーキがおいてあり【Happy birth day ルプスレギナ】と綺麗に描かれたチョコプレートも刺さっている。

 

 ルプスレギナは覚えている。まだゲームだったYGGDRASILL時代でも必ずもふキチはやってきて祝ってくれたことを。もふキチが入院してしまうまでずっと、毎年…。

 

 今年は祝ってくれるかな…とほのかに期待していたが、モモンガから手渡された誕生日会の招待状を見てはしゃいだ。はしゃぎすぎて姉と定義されているユリ・アルファや守護者たちに思いっきり説教されたのは記憶に新しい。

 

 それほどまでに彼女にとってうれしいものだった。さらに嬉しいことに家族だと言ってくれた御方でもあるモモンガやたっち・みーの奥方であるテル・ミー。その娘であるキャッチ・ミーにまでその招待状が届いてたことだ。(たっち・みーは「私は?」と若干ハブられて涙目だったことをここに秘す)

 

 

 「それじゃあ、家族だけの誕生日会始めるとするかのう」

 

 

 もふキチがそういうとクラッカーが鳴り渡る。決してあの鳴らしてはいけないクラッカーではないので安心してほしい。まあ、今はモモンガさん人化してるからあんまり意味ないんですけどね?

 

 ルプスレギナは真っ先にマンガ肉のあるテーブルまで行って、なかなかに大きいそれを両手で持った。

 

 

 「夢にまで見たマンガ肉…!!いただきます!」

 

 

 そうハイテンションにいただきますをしてから肉の中央部から齧りつく。結構固いのかと思ったら案外さくっと歯が通る柔らかさで、歯が入ると途端に肉汁がしたたり落ちる。

 

 メイド服…というかエプロンをしていてよかったと思う。このエプロンには清浄(クリーン)が付与されてて汚れない。じゃなきゃせっかくもふキチがくれたこの【芒に月】をモチーフにした赤白黒の三色で作られたローブドレスを汚してしまうところだった。

 

 普段はメイドとして、時にドジっ娘が発動するがきちんと仕事を熟している反面、はっちゃけるとどうしてもテンションが上がってしまう。

 

 

 「お爺ちゃん、すごく美味しいれふ!!」

 

 「口の中入ったまま喋るんじゃありません」

 

 「……んく、はぁ~い」

 

 

 このマンガ肉、実は黄金の雄鶏の腿肉二つをひとつになるように工夫して作られている。だから肉汁というか油がだばぁと出てしまうのが難点だった。

 

 モモンガやテル・ミー母娘はキチンとナイフとフォークで切り分けて食べている。

 

 今日だけは他の姉妹も守護者たちもいないのでルプスレギナはこういった野性味感じる食べ方をしても怒られはしない。

 

 「美味しい美味しい」とさくさくと巨大な肉塊を食べ終えたルプスレギナは次の料理に取り掛かる。

 

 今度の目標はクレーテーの牡牛の腿肉で作られたローストビーフにしたようだ。またとんでもない食材を使って料理してるよこの爺とどこかの料理人が言ってそうである。

 

 ローストビーフには二種類のソースが用意されていた。一つは無難にグレイビーソース。これはローストビーフを作った際にでた油や肉汁(ドリップ)を使用したもの。もう一つはチャコールソースだ。しょうゆベースのガツンと来るソースで、通はこれで食べるという。

 

 ルプスレギナはまず無難にグレイビーソースをつけて食べる。

 

 

 「ん~~~~~っ!!!」

 

 

 頬張ったそれはとんでもない旨味を蓄えており、グレイビーソースもさりながら肉からもたっぷりの肉汁があふれ出る。

 

 

 「やっぱりお爺ちゃんのご飯が一番いいわぁ♪」

 

 

 ナザリックにも料理長や副料理長がいていつも美味しい食事を出して呉れてはいるが、ルプスレギナにしてみれば生みの親の料理が一番なのだろう。

 

 続いてチャコールソースでローストビーフを食べてみるが……。

 

 

 「美味しいは美味しいけど、味が濃いから肉本来の味を楽しみたいならやっぱりグレイビーソースね」

 

 

 ご飯が欲しくなるような濃い味付けのチャコールソースはルプスレギナには合わなかったようだ。モモンガなどはローストビーフを白飯に乗せてチャコールソースをかけてローストビーフ丼にして食べていた。ちなみにテル・ミー母娘はルプスレギナと一緒でグレイビーソースで食べた。

 

 次々に肉料理を制覇していくルプスレギナ。猪神の肉で作ったほろほろに蕩ける角煮、朱雀の腿肉の唐揚げ、ミノタウロスのしゃぶしゃぶなど。

 

 全制覇して、いよいよデザートの時間。誕生日ケーキに移る。

 

 ルプスレギナは未だ誕生して七年なのでローソクは七本だ。蠟燭に火を燈し、部屋を暗くする。

 

 そしてもふキチ含むみんなでハッピーバースデーを歌うのだった…。

 

 

 「ありがとうお爺ちゃん。モモンガお兄ちゃん、テル・ミーさん、キャッチ・ミーちゃん……こんなに祝ってもらうの初めて!」

 

 

 目じりに涙を浮かべながら、ルプスレギナは蠟燭の火を消すのだった。

 

 

 みんなでワイワイとケーキを食べながら、プレゼントを渡していく。

 

 モモンガからは手鏡(何気に伝説級(レジェンダリー))、テル・ミーからは自作の化粧品、キャッチ・ミーからは小学生とは思えないルプスレギナの肖像画。そして―――

 

 

 「儂からはこれじゃ」

 

 

 そう言ってもふキチが出したのは麒麟のたてがみで作られたブラシだった。完全に神器級(ゴッズ)アイテムである。

 

 

 「ケモった時のお手入れでも日頃の髪を梳かすでも、いろんな場面で使えるじゃろ」

 

 「ケモっちゃうのあまり好きじゃないけど、お爺ちゃんのプレゼントは嬉しいわ!ありがとうお爺ちゃん♪」

 

 

 そういってルプスレギナはもふキチに抱き着くのだった。




 ちょっと短いですけどいい肉の日…もといルプスレギナの誕生日会でした。


 それではまた次回お会いしましょう、See you next story,バイバイ☆

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