【オーバーロード】食事処もふキッチン【異世界編】   作:野神 汰月

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 おは☆ぼっちー!(すっげぇ久々にこれ言った)

 今回は特別ゲスト回です。同じくオーバーロード二次創作を書いていらしたチェリオ様の作品【骸骨と共にぼっちが行く】よりぼっちさん(けっして悪口ではないです、そういうキャラネームなんです…)がもふキッチンにご来店です。

 かなり昔にお約束してはいたのですが、このくそ作者がしばらくエタって失踪してしまったが為に異世界編突入が遅くなりやっとこさ約束を果たせる時が来ました。


 それではもふキッチン特別編…開店です☆



 注意1:このぼっちさんはチェリオ様作のぼっちさんではなくもしもふキッチンの世界にぼっちさんいたらというIFです。

 注意2:骸骨と共にぼっちが行くは完結されてますので読んでみてください。この駄作よりクッソ面白いので


ゲスト ぼっち様がご来店しました

 世界の狭間に異世界転生アンド転移してきたアームスヴァルトニル湖ともふキチ。そこにアインズ・ウール・ゴウンのメンバーが来店するようになって賑やかさ(笑)を取り戻したもふキッチンに今日もお客様がご来店した。

 

 

 「……こんにちわ」

 

 「うおっ!?びっくりしたぁ……」

 

 

 音もたてず、索敵能力に長けたもふキチでさえ気づかなかったその来客者の名前は【ぼっち】といった。

 

 いったいどんな理由でそんなキャラネームを付けたのか…。本当にぼっちだから自虐で付けたのか。それとも別の意味があるのかは謎だが目の前の某吸血鬼漫画に出てくる執事のショタ時代の様相を少し大人っぽくした感じで硬質な仮面で素顔を隠したその人物はまぎれもなくぼっちだった。

 

 

 「珍しいの?一人で来るとは…」

 

 「……少し……疲れた……」

 

 

 なんとなく疲れた感じは醸し出しているのだが、彼はいつも誰かお供(戦闘メイドプレアデスの一人であるシズや、守護者であるシャルティアなど)と一緒に来るのだが今日は珍しく一人だ。けっしてその名の通りボッチなのではない。

 

 彼はあまり喋るのが得意ではないのでとぎれとぎれの言葉を読み取らなければならないのだが、もふキチはなんとなく察していた。

 

 ナザリックのNPCたちはそれはもう新たな宗教の信仰者か!?というレベルで忠誠心の塊である。ちょっとしたことを咎めようものなら死んでお詫びを!!となるやっべぇ連中なのだ。そんなのが四六時中ずっと一緒にいるとなると……お察しである。

 

 

 「…お疲れさん。まあ、座んなさい」

 

 「………(コクン)」

 

 

 もふキチがカウンター席に促すと、ぼっちは無言で一つ頷きもふキチが示した席へと腰を下ろす。

 

 あのとんでも連中といつも一緒で疲労困憊なのだろう……背中が煤けて見えるぼっちにもふキチは「ここにいる間はゆっくりしていきな」と声をかけて、彼の前に枡酒をもっきりスタイルで提供する。

 

 これから彼に出す料理の為に甘口の日本酒だ。まずはフルーティな香りで人気の一歩己(いぶき)の純米吟醸を注ぎいれる。

 

 

 「……いただきます」

 

 

 ぼっちはそう言ってもふキチの出してくれた日本酒を、まずは枡を持ち上げ枡の中のグラスの酒を飲む。その飲み方にもふキチはほうっと感嘆の声を漏らす。

 

 

 「お主、もっきりの飲み方知っとるんじゃの?」

 

 「……爺様に―――」

 

 「ほう、あのヲタ爺にならったんか」

 

 「……いえ……爺様に勧められた……漫画で……」

 

 

 もっきりスタイルとは枡に少し背の高めのグラスを置きそこに日本酒をなみなみと枡までお酒が入るように注ぎいれるものだ。グラスの表面張力ぎりぎりのところに枡を持って口を付けある程度飲んだら枡からグラスを取り出し、出されたおしぼりで拭いてからまずグラスの酒を飲む。そして枡に残ったお酒をグラスに戻して飲むのだ。

 

 ぼっちはそれを祖父から勧められた、異世界の貴族のお嬢様が現代日本(ここでは過去の日本)に何の因果か転移してきて大衆居酒屋などで「うまいですわぁ!!」するだけの漫画で知識を得ていた。かなりマイナーな作品だったらしい。

 

 ちなみにぼっちの祖父は実はもふキチの知り合いだった。彼の祖父も結構な富豪でもふキチとはとあるパーティで出会いヲタ話に花を咲かせて仲良くなったとか…。

 

 

 「そりゃまた…まあ、今の現実世界(リアル)じゃあまり意味をなさん知識じゃがええことじゃ」

 

 「……(コクン)」

 

 

 もふキチの言葉に静かにうなずくぼっち。そんな彼にもふキチはまず一品出す。

 

 

 「今日はいいモノが入ったでな。金目鯛の湯引きを刺し身でどうぞ」

 

 

 小さめの船盛でもふキチは刺し身を彼の前に出す。少し白くなった湯引きされた金目鯛はそれでも脂が乗ってて美味そうだった。ぼっちは箸を手に取り小さく「いただきます」と言うと一切れ少量の本わさびを載せてつまむと醤油に少しつけて口にする。

 

 わさびの少しつんとする刺激と共に湯引きされた金目の油の旨さが醤油の味と共に口に広がる。その美味さにぼっちも思わず「美味い…」とつぶやく。その言葉を聞いたもふキチは満面の笑みで「そうじゃろ?」と返す。

 

 

 「今日はちょいと珍しいものを出すからの。腹は空けとくんじゃよ?」

 

 

 もふキチはそういうと、冷蔵庫からタッパーを取り出しそこに付け込まれていた魚だろう物の柵をまな板に置き、刺し身のように引いていく。その横にはお櫃に入っている酢飯だろう物が置かれていた。どうやら寿司を握ってくれるようだとぼっちは考えた。

 

 寿司は現実世界では超高級食に分類される。安価な全人工食糧で作られた味だけにせたなんちゃって寿司でも一般人の給与の半分を持って行かれるほどだ。

 

 ぼっちはYGGDRASILを始めるまでは給料をほとんど使わない生活をしていたため漫画の知識(〇太の寿司)で見様見真似で自分で握ったことはあったがまずいものしかできなかった。つまり、今から食べるものが初めての本格的寿司になるのだ。

 

 思わず喉がなる…いったいどんな味なのだろうか。先ほど食べた刺し身もすごく美味かった…。そんな未知の味に思いを馳せ、らしくないほど興奮していた。

 

 

 「そういえば、ぼっちゃん(もふキチ的あだ名。たしかにいいとこの坊ちゃんだがあだ名である)は寿司食べたことあったかの?」

 

 「……ぼっちゃんは止めていただきたい。……昔、自分で握って食べたことは……ある……」

 

 

 一通り魚を引き終えたもふキチが尋ねるとぼっちはそう答えた。ふむ、ともふキチは少し考えるようなそぶりをしてからぼっちに「今日のは一般的な江戸前寿司とは違うがいいかの?」と尋ねる。

 

 一般的なエドマエズシとは何だろうか?寿司とつくのだから寿司なんだろうがぼっちには違いが判らなかったので、お任せするとだけ答えた。するともふキチはああと何か気付いたようで、

 

 

 「お前さんの事だからどうせあの爺に寿司系の漫画とかも詰め込まれとるだろうが、今日握るのはあれとはちと違うんじゃ。確実に美味いと言わせられるだろうが、今日のはまた違うとだけ覚えておいておくれ」

 

 

 とぼっちに断りを入れてから寿司を握り始める。

 

 ふわりと香る酸味のある香り……。だがそれはぼっちの知っている酢飯の匂いと違っていた。どちらかといえば

 

 

 「……柑橘類の香り?」

 

 「ほう、よぉ分かったの?そう、今日の寿司に使う酢飯はすし酢の代わりに柑橘果汁をつかっとるんじゃよ」

 

 

 言い当てたぼっちに嬉しそうに笑いかけるもふキチ。そう、今日握る寿司は巷で知られる一般的な寿司ではなく、離島などで作られていた寿司で―――

 

 

 「今日の寿司は島寿司じゃ。離島である八丈島などで握られとった郷土料理じゃよ」

 

 

 そうもふキチは説明するのだった。

 

 

 ※※※

 

 

 儂が今日握るのは郷土料理である島寿司で違いないが、これはどちらかというと南の方の離島で握られておったもののほうじゃ。

 

 伊豆や小笠原、大東諸島なんかの方のものに近い。すし酢の代わりに檸檬や酢橘などをつかった酢飯に白身魚などを醤油と青とうとよばれる唐辛子に付け込んだ漬けダネを使用する。さらに言えば寿司や刺し身に欠かせない山葵は使わない。代わりに使うのは―――

 

 

 「……からし?」

 

 

 儂が握った寿司の上に黄色いものを少量載せるのを見てぼっちゃんは言い当てた。なかなかの知識量だ…たとえそれがヲタ知識を大量に儂の友人でもあったあの爺に叩き込まれた結果であっても儂は感心した。

 

 

 「よう分かったの?そう、島寿司には山葵ではなく練りからしやこの青とうで食べるんじゃよ。今日は漬けに青とう使ってるでの…少量のからしでやっとくれ」

 

 

 儂はそう言ってから仕上げに島のり(イワノリの佃煮)を二つほど握ってぼっちゃんに出す。ネタはシイラ、イサキ、カンパチ、メダイ、オナガダイ、アオダイ、キンメダイ、マグロ、カツオ、トビウオの十種と島のりの計十二貫。

 

 

 「儂特性、各諸島の島寿司じゃ。んでもって、こいつに合う酒はこれじゃ」

 

 

 奥から一升瓶を取り出し、新しいグラスにこんどは普通に注いで出す。銘柄は会津娘の特別本醸造。

 

 優しい味わいですっきりと軽いボディ。喉越しがよく、すいすい飲めてしまう。じゃが骨格がしっかりしているので、寿司と合わせたときにも味がぼやけん。甘めの漬けネタにもいい一品じゃ。

 

 

 「ノリの佃煮は最後にした方がええよ」

 

 

 儂がそう一言添えると、ぼっちゃんはこくりと一つ頷いて箸を取り二度目のいただきますをしてから食べ始めるのじゃった。

 

 

 ※※※

 

 

 ぼっちが最初に手を付けたのはトビウオだった。ネタが全部べっ甲色になっているのでどれがどれだかぼっちにはわからなかったが手前にあったのでそれを口に運ぶ。

 

 口に入れて最初に訪れるのは漬けダレの甘辛い味と青とうのピリッとした辛さ。だがその辛さは痛みを与えるほどのものではなく本当にピリッとした感じであった。そして練りがらしのツンとくる風味。

 

 そして嚙み締めるとねっとりとした食感と舌ざわり…。そして酢飯のさわやかな柑橘類の味と香りが合わさって口の中をいっぱいにする。

 

 

 「………美味いっ!!」

 

 

 普段ほとんど表情が変わらず(仮面付けてるせいもあるが)声を荒げることのないぼっちが大きく感嘆の声を漏らす。それに気を浴したもふキチも満面の笑みだ。

 

 出された日本酒との相性も良く、食べては飲んでと酒をお代わりしながら次々に食していくぼっち。

 

 気がつけば出された寿司はすべて平らげ、ぼっちはほふっと熱いため息をつく。

 

 

 「あがり(お茶)の代わりに最後にコイツで〆じゃ」

 

 

 そう言ってもふキチが出したのは八十八夜という名前の焼酎だった。緑茶で有名な静岡の八十八夜摘み茶葉を使って作った焼酎で、ふんわりとお茶の香りがする焼酎だ。それのお湯割りサーブする。

 

 つまみに米あられを少々小皿に盛り付けて一緒に出す。

 

 

 「……とても美味しかった。ありがとう」

 

 

 焼酎のお湯割りをひとくち口にしてホッと一息ついたところでぼっちはもふキチに礼を言った。

 

 

 「少しはいい気分転換になったかの?」

 

 

 そう尋ねるもふキチに、ぼっちは優しく微笑みながらいつもより大きくうなずいたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………あの鳥は、一回死んだほうがいい」

 

 「いや、もう一回と言わず百八回死なせたんじゃがの?」

 

 

 その後どこかの煩悩戦死について愚痴大会になったとかならなかったとか―――。そのうちあの鳥はぼっちにも斬り斃される時が来るのかもしれない。そんな未来が……うん、近そうである。




 ということでこんかいはゲストにぼっち様を迎えて八丈島などの離島の郷土料理と日本酒の回でした。

 めっさ表現に迷いまくって書いたんですがどうですかね?ちゃんと伝わってればいいなぁ…。


 チェリオ様、もし読んでいただけていたらここで謝罪を一つ…。



 めっさ時間かかって申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(ジャンピングスライディングスタイリッシュ五体投地(謎))
 お約束してからかれこれもう十年近く?(滝汗)いや、言い訳させていただくと、ゲスト出すなら異世界編でって思ってたので……。誠に申し訳ありませんでした。



 それではまた次回。お会いしましょう。

 See you next story,バイバイ☆

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