鬼滅の刃 〜星空を舞う蝶〜   作:ありす(旧名:紅茶・ルミエール)

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そろそろ炭治郎達が登場しますよ〜
あと、今回はカナエは登場しません…

9/6 サブタイトルを変更しました


那谷蜘蛛山

栗花落カナヲの入隊から数ヶ月が経過していた。その間、三姉妹は稽古に尽力し、カナヲもまた、目覚ましい成長を遂げ、すでに熟練の隊士に引けを取らない実力を身につけていた。

 

しかし、鬼殺隊を取り巻く状況は、依然として厳しいままだった。

 

ある日の午後、胡蝶三姉妹と冨岡義勇は、産屋敷邸へと召集された。

 

庭に集まった四人を前に、鬼殺隊当主、産屋敷耀哉が静かに語りかけた。

 

「皆、集まってくれてありがとう。急な召集で申し訳ない。那谷蜘蛛山で、異常事態が発生している」

 

その声は、いつもと変わらず穏やかで優しかったが、その言葉には、張り詰めた緊張感が含まれていた。

 

「那谷蜘蛛山ですか、お館様」

 

あげはが、静かに尋ねた。

 

「ああ。那谷蜘蛛山に派遣された複数の隊士たちが、次々と消息を絶っている。そして、最後に派遣された隊士から、鬼の血鬼術によるものと思われる、異常な状況の報告が途絶えた。十二鬼月が存在する可能性が高い」

 

産屋敷耀哉は、そう言って、その目を静かに四人へ向けた。

 

「状況は極めて深刻だ。そこで、柱である、義勇、しのぶ、そしてあげは。加えて、経験を積ませたいカナヲにも同行してもらい、君たち四人に増援として向かってほしい」

 

お館様の言葉に、四人は即座に跪き、頭を垂れた。

 

「御意」

 

あげはは、姉妹たちの身を案じつつも、柱としての覚悟を決めていた。那谷蜘蛛山で何が起きているのか、一刻も早く把握する必要がある。

 

隣にいた冨岡義勇は、いつものように無言だったが、その青い瞳には、那谷蜘蛛山の異常事態に対する、強い警戒の色が宿っていた。

 

そして、あげはが、冷静に状況を分析した。

 

 

「頼むよ。大切な隊士達を助けてくれ」

 

四人は、再び頭を下げ、産屋敷邸を後にした。

 

屋敷を出た後、冨岡が先頭に立ち、四人は那谷蜘蛛山へと急いだ。

 

 

 

 

(那谷蜘蛛山……)

 

カナヲは、日輪刀の柄を握りしめた。最終選別で、自分は鬼の恐ろしさを知った。だが、柱たちが向かうほどの異常事態。その先に待ち受ける鬼は、想像を絶する強さなのだろう。

 

4人は沈黙を保ったまま、那谷蜘蛛山へと向かった。

 

那谷蜘蛛山に到着した時、その場所はまさに地獄だった。

 

 

山全体から濃密な鬼の気配が立ち上り、大量の糸がまるで粘着質な蜘蛛の巣のように張り巡らされていた。木々の間には、鬼の血鬼術によって操られた哀れな隊士たちが、奇妙な動きで私たちに襲いかかってくる。

 

「っ……これは酷い」

 

あげはが、顔を顰める。

 

「殺した隊士を操り人形にしてるのね。不愉快だわ」

 

しのぶは、その隊士たちに容赦なく突きを繰り出した。頸を斬る必要はない。彼らは鬼ではない。ただ、鬼の血鬼術から解放してあげればいい。正確無比な刺突が、隊士を動かしていた糸だけを貫いた。

 

「このままでは状況が読めません。冨岡さん、あげは、別で行動しましょう。カナヲは私と一緒に」

 

「わかったよ、しのぶ! 派手に頑張るね!」

 

あげはは、力強く頷くと、私たちが向かう方向とは別の方角へと飛び去っていった。

 

「…ああ」

 

冨岡は、いつも通り無愛想な返事と共に、私たちとはまた別の方角へ向かう。

 

しのぶとカナヲは共に山を深く進んだ。

 

 

 

 

場所は変わって那谷蜘蛛山の別の場所。

 

「オレノカゾクニ、チカヨルナァァァァァァ!」

 

そこでは、猪の頭部を被った青年が、父蜘蛛と対峙していた。

彼の刃は父蜘蛛には深い傷をつけることはできず、ついに捕まってしまう。

 

父蜘蛛は、青年を握り潰そうとした。

 

そのときだった。

 

「『水の呼吸』 弍ノ型・打ち潮」

 

流れるような一閃。冨岡の刀は、父蜘蛛の巨大な腕を、まるで豆腐でも切るかのように、一瞬で斬り落とした。

 

猪頭の青年は最初は驚いていたが、何故か冨岡に勝負を挑もうとしているようだった。

 

 

 

 

「はあ、鬼はどこにいるのかしら」

 

途中で黄色の髪を持つ青年を救出したしのぶは、毒づきながら、別の鬼の気配を追った。

 

朦朧とした意識の中で、青年は何やら「天女が現れた…」などと呟いていたが、しのぶは特に気にしていなかった。

 

その後、姉蜘蛛の鬼と相対した。彼女は、血鬼術で複数の隊士を捕らえ、糸で繭の中に閉じ込めていた。

 

「あら、柱? 邪魔しないでよ!」

 

姉蜘蛛は、私の存在に気づき、苛立ちの声を上げた。

 

「邪魔、ですか。ごもっとも。私は、あなたたち鬼の存在そのものが、この世の邪魔だと思っていますから」

 

私は、冷たい笑みを浮かべた。

 

「『虫の呼吸』 蝶ノ舞・戯れ」

 

私は、蝶が舞うように、姉蜘蛛の周囲を高速で飛び回る。彼女の糸の攻撃を全てかわし、その動きの隙間を縫って、彼女の体へ毒を注入していく。

 

「あ、あああ! やめろ! 何だこれ! 」

 

姉蜘蛛は、毒が全身に回るのを感じ、叫び声を上げる。彼女の顔には、恐怖の色が浮かんでいた。

 

「 藤の花で作った毒は、普通の毒とは違いますからね。あなたには、苦しみながら死んでいただくことにします」

 

 

「 しのぶ! 無事だった!?」

 

その後、あげはが、安堵したような表情で駆けつけてきた。どうやら、彼女は私のいる場所とは別の場所で、鬼と交戦していたようだったが、大きな傷は見当たらない。

 

「私は特に鬼と出会うこともなかったよ

 

その時だった。

 

 

 

しのぶは、驚愕した。鬼を連れた隊士がいたというのか。鬼殺隊士が、人間に戻れない鬼を庇うなど、言語道断。ありえない。

 

「まさか…鬼を連れていたなんて…非常識だよ!」

 

あげはもまた、怒りと驚きを露わにした。しのぶ達は隊士と鬼を捉えようと動き出した。

 

「待て」

 

その瞬間、静かな、しかし確固たる声が、の動きを止めた。

 

振り向くと、そこには、いつの間にか戻っていた冨岡が立っていた。

 

「冨岡さん、何を言っているのですか! 鬼殺隊の掟に反する行為をしているのです! 今すぐ、その二人を拘束しなければ、私たちが鬼殺隊の規律を乱すことになります!」

 

私は、怒鳴りつけた。

 

「俺が、それを許可しない」

 

冨岡さんの瞳は、静かで、しかし揺るぎない光を放っていた。

 

「なんですって!?」

 

「義勇さん、何を言ってるの!? お館様からの伝令だよ!? しかも、鬼を庇うなんて、隊律違反だよ!」

 

あげはもまた、冨岡の態度に、困惑と苛立ちを露わにした。

 

「…お前たちには、関係ない」

 

冨岡は、そう言い放つと、泰然と私たち二人の前に立ちはだかった。

 

「関係ない? 冗談はやめてください。このままでは、私たちが、あなたの愚行を容認したことになります!」

 

 

「退いてください、冨岡義勇。でなければ、あなたも隊律違反者として、拘束対象となります」

 

私の言葉に、冨岡さんは、何も言わない。ただ、その瞳は、私たちを貫くように、鋭い光を放っていた。

 

 

 

 




長くなりそうなんで、途中になってしまいました…。
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