鬼滅の刃 〜星空を舞う蝶〜 作:ありす(旧名:紅茶・ルミエール)
那谷蜘蛛山の激戦、そして柱合会議を経て、竈門炭治郎、嘴平伊之助、そして我妻善逸の三人は、蝶屋敷で静養していた。
しかし、彼らの体は、まだ万全ではない。鬼との戦いに復帰するため、彼らは、蝶屋敷で機能回復訓練を受けることになった。
訓練を指導するのは、蟲柱・胡蝶しのぶ、そして彼女の助手である神崎アオイ。さらに花柱・胡蝶カナエ、星柱・胡蝶あげは、そして、炭治郎たちと歳が近い栗花落カナヲも、訓練に加わることになった。
「では今日から、機能回復訓練を始めます。3人には、これからの戦いに復帰できるように、幾つかの訓練を受けてもらいます。」
「え、あ、はい…!」
一つ目の訓練は柔軟だった。炭治郎は素直に柔軟をするが、しかし、彼の体は、まだ鬼との戦いの疲労が抜けきっておらず、思うように動かない。
「駄目ですね、竈門くん。その程度の柔軟では、鬼の攻撃を避けることはできませんよ。もっと、体を柔らかくしないと」
しのぶは、炭治郎の体に、グイっと力を加えた。
「うぐぐぐ…!」
炭治郎は、悲鳴を上げる。しかし、しのぶは、一切容赦しない。
「しのぶ、もう少し優しくしてあげてもいいんじゃない?」
カナエが、そう言って、炭治郎の隣に座った。
「姉さん、これは訓練です。甘やかしてはいけません」
しのぶが、ぴしゃりと言い放つ。
「でも、痛みは、体の回復を妨げることもあるわ。ね、炭治郎くん、無理はしなくてもいいからね」
カナエは、そう言って、優しく炭治郎の体をほぐしてくれた。カナエの優しい手つきに、炭治郎の体の力が、少しだけ抜けていく。
隣では、善逸が、柔軟を拒否していた。
「いやあああ! 絶対に嫌だ! 俺は、このまま死んでいくんだから、もういいんだあ!」
善逸の叫び声が、屋敷中に響き渡る。
「ちょ、善逸さん!大人しくしてください!」
キヨ、スミ、ナホが3人がかりで善逸を抑えようとしている。
そんな善逸に伊之助が声をかけた。
「おい、そんなんじゃ強くなれねぇぞ!へばってんじゃねぇ!」
伊之助は、誰の手伝いを借りることなく体を変な角度に海老反りさせていた。
己の柔軟性を誇示しているように見えるのか、アオイは呆れた顔で伊之助を見ていた。
そんな二人を、あげはは、楽しそうに見つめていた。
「2人とも、楽しそうだね!」
あげはは、そう言うと、善逸と伊之助の間に割って入った。
「今日は、私と柔軟だよ !」
あげはは、そう言って、二人の体を、グイグイと押さえつけた。その力は、しのぶよりも遥かに強かった。
「ぎゃああああああああああああ!」
「うおおおおおおおおおお!」
善逸と伊之助の悲鳴が、重なり合って響く。
その後、2人は大人しく柔軟の訓練を受けた。善逸は、自分が女の子に押されているのが嬉しいのか、激痛が走っていても常に笑顔だったとか。
柔軟が終わると、次は薬湯かけ合う訓練だった。
台の上に置いてある、薬湯の入った湯呑みを先に取り、相手にかけた方が勝ちというゲームだ。瞬発力が試される。
「この薬湯を、相手にかけた方が勝ちです。私たちが相手をします」
しのぶは、そう言って、ニコニコと笑った。その笑顔に、炭治郎たちは、不安を覚えた。
伊之助、善逸の相手はアオイがした。
伊之助は容赦なくアオイに薬湯をかけて勝利した。
善逸は訓練に成功したが、自分は紳士だから薬湯をかけない、とアオイを説こうとして失敗した。
炭治郎の最初の相手は、しのぶだった。
「では、竈門くん。準備はいいですか?」
しのぶが、そう言って、薬湯を手に構えた。
「はい!」
炭治郎は、そう言って、薬湯を掴んだ。
「では、始め!」
しのぶがそう言った瞬間、しのぶの腕が、一瞬ブレた。
「えっ!?」
炭治郎が驚いていると、背後から、冷たい声が聞こえた。
「残念でしたね」
気がついたときには、すでに薬湯をかけたしのぶがいた。
「くそっ、速い…!」
炭治郎は、悔しそうに歯を食いしばる。
次に相手になったのは、カナヲだった。カナヲは、無言で、炭治郎の前に立った。
「カナヲちゃん、頑張って!」
カナエが、カナヲに声をかける。
「…始め」
しのぶがそう言うと、炭治郎とカナヲは台の上の湯呑みに向けて手を伸ばした。
炭治郎も、リハビリ中とはいえ、速かった。しかし、カナヲの方が早かった。カナヲは、迷うことなく薬湯をかけた。
「えっ…!?」
「…カナヲ、強くなったね。すごい!」
あげはは、カナヲの成長に、目を細めていた。
その後、炭治郎とカナヲは何度もゲームを行い、遂に炭治郎が勝利を掴んだ。
次の訓練は、
「今回は、私とあげはが鬼になります。二人から逃げ切れたら、皆さんの勝ちです」
カナエが、優しく微笑んだ。
「姉さんと私が追いかけるよ! 頑張ってね!」
あげはが、そう言って、二人の間に割って入った。
訓練開始、狭い道場の中、2人の柱が本気では無いとはいえ、炭治郎たちを追いかける。
「うわああああああ! あの人たち、速すぎる!」
善逸が、悲鳴を上げながら逃げ回る。
「負けてたまるかあ!」
伊之助が、猛烈な勢いでカナエへと突進する。
「あら、伊之助くん。可愛らしいわね」
カナエは、そう言って、伊之助の突進を、くるりと身を翻してかわした。伊之助は、そのまま壁に頭をぶつけた。
「あだああああ!」
伊之助の悲鳴が響く。
炭治郎は、全速力で逃げながらも、カナエとあげはの動きを、必死に目に焼き付けていた。どうすれば速く動けるか、どうすれば最小限の力で動けるか。
「炭治郎くん、捕まえたわ」
カナエが、背後から、優しく声をかけた。
「うわっ!」
炭治郎が振り返ると、そこには、すでにカナエが立っていた。カナエは、優しく炭治郎の頭を撫でた。
「諦めない心、とても素晴らしいわ。でも、それでは、鬼に勝つことはできないの。もっと、体を、心を、強くしなきゃ」
カナエの言葉は、炭治郎の心に、深く響いた。
次は、炭治郎が追いかける側で、カナヲが逃げる側だ。炭治郎とカナヲはほとんど同じ速さだったが、炭治郎の方が僅かに遅かった。
「終了…」
しのぶの声が響き渡り、試合の終了が告げられる。
「ハァ、ハァ…、速い…!」
毎回、カナヲにギリギリ追いつくことができずに、炭治郎は負けていた。
「こんなんじゃ駄目だ…!もっと速く、鋭く動かないと…!」
炭治郎は、この機能回復訓練で今まで以上に強くなる為に、様々なことを学ぼうとするのだった。
はい、機能回復訓練を、自分なりに再構築してみました。
少し乱雑なところはあったかもしれませんが…、私の文章力ではこれが限界でした…。