鬼滅の刃 〜星空を舞う蝶〜   作:ありす(旧名:紅茶・ルミエール)

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投稿が遅れてすみません。プライベートが色々忙しくて、書く暇がありませんでした…。
今後もこのような事があるかもしれません、ご理解の程をよろしくお願いします。
それでは、続きをお楽しみください!


炎柱の死と決意

竈門炭治郎たちが無限列車へ向かい、数日が過ぎた、ある昼下がり。蝶屋敷は、いつもと変わらず穏やかな空気に包まれていた。カナエは庭の花の手入れをし、しのぶは調薬室で薬の調合を行い、あげはは裏山で一人、打ち込みの訓練に励んでいた。

 

その静寂を破ったのは、鋭い鎹鴉の鳴き声だった。

 

「カアア! 伝令! 伝令! 炎柱、煉獄杏寿郎、殉職! 鬼、上弦の参との交戦により、死亡を確認! カアアア!」

 

 

 

 

鴉の叫び声は、青空の下に、残酷な真実を響き渡らせた。

 

その瞬間、蝶屋敷の時間は、止まったかのように感じられた。

 

胡蝶カナエは、手に持っていた花ばさみを落とした。彼女の目からは、大粒の涙が溢れ出した。煉獄杏寿郎。彼は、鬼殺隊の中でも特に優しく、力強い、尊敬すべき柱だった。柱合会議では、いつも穏やかで、誰に対しても分け隔てなく接する彼の存在は、カナエにとって、希望の光のようなものだった。

 

「煉獄さん……嘘、でしょ……」

 

カナエは、嗚咽を漏らしながら、その場に崩れ落ちた。煉獄ほどの強大な柱が、討伐に成功したにも関わらず、命を落とすとは。それは、上弦の鬼の脅威が、すぐそこまで迫っていることを、改めてカナエに突きつけた。彼女は、己の力の限界と、鬼殺隊の置かれた過酷な現実に、深い悲しみを覚えた。

 

 

 

 

 

「姉さん……!」

 

調薬室から飛び出してきた胡蝶しのぶは、その鴉の伝令を聞き、顔色を変えた。しのぶは、普段から冨岡や他の柱たちに厳しい言葉を投げかけるが、煉獄に対しては、常に一目置いていた。

 

彼は、しのぶに対して真摯に向き合ってくれた。しのぶは、カナエやあげは、そして他の柱達とは違い、自分が首を切れない事に、心の裏でコンプレックスを感じていた。3人で仲良く過ごしたい、その思いの強さに、打ち明けることができなかった悩み。

 

 

自分の位置に苦悩しているしのぶを、煉獄さんは気にかけてくれた。しのぶが今、自信を持って柱として活動できているのは、煉獄さんのおかげだった。

「煉獄さん…! どうして…!」

 

しのぶの瞳からも、涙が溢れた。彼女の目からは、めったに涙が流れることはない。その涙は、煉獄という偉大な存在を失ったことへの悲しみだけでなく、自分の心の奥底にある、優しさを理解してくれる人を失った喪失感でもあった。彼女は、唇を噛み締め、悔しさに耐えた。

 

 

 

 

その頃、裏山で訓練をしていた胡蝶あげはは、鴉の伝令を聞き、その場に立ち尽くした。

 

「煉獄さんが…殉職…?」

 

あげはは、つい先日、煉獄と共に遭遇した鬼舞辻無惨の影を思い出していた。あの時の煉獄の炎のような強さ、そして、未知の恐怖を前にしても一切揺るがない、気高さ。

 

(あの時、煉獄さんは、あの得体の知れない気配を前に、一歩も引かなかった。あの強さが、あの優しさが、鬼を前に散ってしまったなんて…)

 

あげはの脳裏に、煉獄との共闘の記憶が鮮明に蘇る。

 

『うむ! その歳でこの技量と胆力! 君の「星の呼吸」、素晴らしい剣技だ!』

 

『ありがとう、煉獄さん! 煉獄さんの炎の呼吸も、派手に強くてかっこいいよ!』

 

煉獄は、あげはにとって憧れの存在だった。師として尊敬する悲鳴嶼とは違い、自分と共に戦ってくれる先輩として、尊敬していた。燃え盛る炎の如きその強さを見習い、自分もいつか煉獄のようになりたいと思っていた。

 

しかし、その強さをもってしても、上弦の鬼には敵わなかったというのか。

 

あげはは、その場にしゃがみ込み、感情を抑えきれずに涙を流した。彼女の涙は、煉獄という偉大な柱を失ったことへの純粋な悲しみと、そして、上弦の鬼の強大さへの恐怖から来るものだった。

 

「煉獄さん……」

 

あげはは、濡れた顔を上げ、空を見上げた。

 

(煉獄さん、あなたは最後まで、強かった。貴方の炎は、最後まで消えることはなかったんだね)

 

彼女の心の中で、一つの強い決意が固まった。

 

煉獄杏寿郎の死を、決して無駄にはしない。

 

「私は…私は、煉獄さんの分まで、鬼を滅する! そして、鬼舞辻無惨を倒す! 煉獄さんのような、偉大な柱の死を、二度と繰り返させない!」

 

あげはは、そう心に誓うと、立ち上がった。彼女の瞳は、涙で濡れてはいたが、その奥には、以前にも増して、強く、そして燃えるような決意の光が宿っていた。

 

 

 

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