鬼滅の刃 〜星空を舞う蝶〜   作:ありす(旧名:紅茶・ルミエール)

37 / 37
遊郭(6)

 

「待たせたな。ここからは、ド派手に行くぜ」

 

地下の天井に大穴を開け、堂々登場した宇髄は、焦っているのか、若干蛇行しながら襲いかかってくる帯を、二振りの日輪刀で、全て斬りつけた。切り口が、宇髄の日輪刀の持つ謎の爆発によって焼かれ、さらなる追撃が加えられる。

 

「くっ、鬱陶しい!」

 

柱の猛攻に、帯鬼は攻め切ることができない。ついに爆発に耐えきれず、身体をよろめかせ、大きな隙を晒した。あげはが、その隙を見逃すはずが無かった。

 

「『星の呼吸』壱ノ型・流星!」

 

流星の如く空気を切り裂き、あげはが帯鬼の顔の下、首と思われる場所に日輪刀を振り抜く。帯鬼は首と思われる場所を斬られた。しかし、帯鬼は一切消滅しなかった。

 

「馬鹿ね。私は本体じゃ無いから、首を斬っても意味ないわよ」

 

全員が驚愕した。皆を嘲笑うかのように、帯鬼は身体を翻し、穴を伝って、何処かへ行ってしまった。

 

「お前ら、あの鬼を追うぞ!このまま放置するわけにはいかねぇ!」

 

あげは達は、帯鬼を追うかたちで、地上に戻ることになった。

 

 

 

地上では、炭治郎が、堕姫と壮絶な戦いを繰り広げていた。

 

上弦の鬼の力に、炭治郎は防戦一方だった。

 

一度だけ、炭治郎は堕姫の首を斬るまで追い詰めた。まるで、炭治郎が別の人物になるようだった。しかし、人間の身体には限界がある。炭治郎は、首を斬る直前で限界に達してしまう。

 

禰 豆子は、身体の変化か、上弦の鬼に接触したからか、鬼としての力が暴走してしまった。その力は、堕姫を追い詰め、全身に傷を負わせることになる。しかし、鬼の本能が暴走した結果、遊郭の一般人を襲おうとしてしまう。

 

「禰 豆子!落ち着いて!」

 

炭治郎は、禰 豆子の口を日輪刀でどうにか押さえつけていた。

そんな中、炭治郎のすぐ側に、二つの影が舞い降りた。あげはと宇髄だ。

 

「派手に暴走してんじゃねえか」

 

禰 豆子が暴れる中、炭治郎は2人の姿を見ると、安堵と同時に、不安を感じた。

 

「戦いの邪魔になる隊員はいらない。大人しく子守唄でも歌ってるんだな」

 

「禰 豆子ちゃんが、人を襲わないように、どうにかしといてね」

 

「ねぇ、上弦の鬼の私がいるのに無視するなんて、柱としてどうなの?」

 

そんな3人の様子を、何故か見ていた堕姫は、ふと声をかけたが、返ってきたのは予想の上を行くものだった。

 

「だってお前上弦じゃねえじゃん。弱すぎる」

 

宇髄が冷たい眼を向けて行った言葉を、堕姫は理解できなかった。しかし、宇髄の言ったことが、次の瞬間現実として、襲いかかる。

 

堕姫の首が、突然落ちたのだ。断面は滑らかで、斬られたことすら気づけなかったのだろう。

 

「は?」

 

堕姫が困惑したところに、あげはが説明を加えてあげた。

 

「あなたが気づかない間に、既に首を切っていたってことだよ。流石に上弦の鬼が、こんな簡単に首を斬られるわけないでしょ」

 

「本当だもん!私上弦だもん!」

 

「うるせぇなぁ。さっさと消滅してくれ」

 

「うわあああああああん!首切られた!」

 

宇髄は、困惑してあげはに耳打ちした。

 

「こいつ、何で泣いてんだ?情緒不安定すぎだろ。派手に厄介だな」

 

「さっきまで余裕です、って感じだったのにね。でも、それよりも首を斬っても消滅していないのがmとても気になるんだけど」

 

柱2人は、堕姫が消滅しないことに、違和感を覚えた。強かった下弦の鬼ですら、首を斬れば消滅した。つまりこれは、帯鬼と同じで、本体では無いのかもしれない。

 

 

 

 

「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 助けて! お兄ちゃあああああん!」

 

2人の予想は、正しかった。「お兄ちゃん」という単語に、2人は警戒心を抱く。

 

「うううううん………」

 

堕姫の背中から、おぞましい影が、這い出てきた。

 

それは、痩せ細り、背中が大きく曲がり、全身に黒い痣が浮かび上がった、醜悪な男の姿だった。両手には、黒ずんだ鎌を持っている。

 

2人は、男の出現に対して強い警戒心を抱いた。堕姫よりも明らかに強い気配。この男が本体であることは明確だ。宇髄は即座に仕留めようと、一瞬で肉薄し、男の首を狙う。

 

しかし、男はその動きを察知していた。振り向けざまに鎌を振り抜く。数秒後、傷ができていたのは、宇髄の額だった。

 

「妬ましい、羨ましい…。死ぬ気で振ったのになァ…、おまえ、いいなァ」

 

宇髄は、今の一瞬でこの男が今までの鬼とは違うことを知った。

 

「お兄ちゃん、こいつらが私の首を斬ったんだよ!」

 

「ひでぇじゃねぇか……。俺の可愛い妹を……派手に泣かせやがってよォ……」

 

その男の帯状に広がる、おぞましい威圧感。その男の瞳には、「上弦」と「陸」の文字が、はっきりと刻まれていた。

 

妓夫太郎。上弦の陸の真の姿が、今、この戦場に現れた。

 

妓夫太郎は、地面に落ちた妹の顔についた傷を、優しく擦って無くしてやった。

 

「泣くな泣くな。よしよし、お前の可愛い顔が台無しだ」

 

妓夫太郎は、2人の方に振り向くと、獲物を見定めるような目を向けた。

 

「さてぇ……誰から、派手に痛めつけてやろうかなァ……」

 

妓夫太郎は、そう言って、宇髄とあげはに、憎悪に満ちた眼差しを向け

その瞬間、妓夫太郎の体から、極めて強靭で、凄まじい速さを持つ、血の鎌が、無数に放たれた。それは、堕姫の帯とは比較にならない、密度と硬さを持っていた。

 

「派手に来るぞ! あげは!」

 

宇髄は、あげはと共に、その攻撃を躱そうとした。

 

しかし、妓夫太郎の攻撃は、あまりにも速く、そして広範囲に及んでいた。

 

「くっ!」

 

あげはは、辛うじて一撃を躱したが、妓夫太郎の攻撃から放たれる凄まじい威圧感に、全身の感覚が麻痺するようだった。

 

「これが……上弦の鬼……!」

 

戦場は、再び、凄惨なものへと変貌した。




最近一話が短すぎるな、と感じているので、これまで投稿していた話を、今後随時まとめていく予定です。後これからの投稿も文字数を増やしたいです。その為、投稿回数が減る可能性が高くなります。2週間に1、2話を投稿しようと思っています。これからもよろしくお願いしまう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。