一般通過腐敗ビルドネクロマンサー 作:4:56分くらいの空の色が好き
どうも、私だ。
一般的にはネクロマンサー、もしくはリッチと分類されるだろうか。
不死の秘宝を使って早150年、いま私は悟りの境地に居た。
「クククッ、これでアイツらは困り果てるだろう!」
黒いローブを着た不気味な笑みを浮かべた痩せぎすの男。名をロマ、もしくはロムと名乗る彼は、現在進行形で窃盗と私有地侵入罪を犯していた。
彼がいま盗んでいるのは不死の秘宝書。その効果は読んだ人間を高位アンデットにし、寿命なき不死へと導く本だ。
この効果のデメリットはアンデット化にある。
だが、そのアンデット化のデメリットをもロマはなんと無効化できる。
ロマの独自開発した魔法は「腐敗の魔法」
自分自身も腐敗に蝕まれるがどんな者もこの魔法に倒れる。
しかし、肉を腐らせ、血を濁らせ、骨をも溶かすこの魔法にも欠点があった。
それはゾンビやスケルトンなどのアンデット相手ではこの魔法の持つ「腐敗」という特性が効かないのだ。
アンデットなのでもう肉体は壊れても状態異常は効かない。
しかし、つまりそれは裏を返せばロマがアンデットとなればこの魔法のデメリットを帳消しにして全てを腐敗させることができるのだ。
アンデットになったらこの身を蝕む腐敗からおさらばしつつ悠久の、人間ではけっして到達できないような寿命を持つのだ。
ロマは宣言した。
「この世の帝王はこの俺だ!」
「世界よ震撼せよ!この俺に跪き、平伏せよ!」
はは、はははと笑い、次第に爆笑するロマ。
「不死の秘宝書よ!俺にその知識を授けよ!」
傲慢に笑いながらロマは不死の秘宝書を開いた。
そしてロマが見たのは、なんとびっしりと描かれた、
膨大な、さまざまなもはや失伝したような魔法式から現代でも使われるような魔法式まで。
古ぼけた開くにも細心の注意が必須のまるで糊がページに着いたように紙同士が癒着したその本は言語が今とは違う。
だがロマは、絶対にアンデット化してやるという執念、あるいは観念により現在の魔法式記述に使うような言葉ではない
昔の魔法言語をも習得し、さらに式がもつそれぞれの意味を解読するのにも合わせ、さらに相互にどのような影響を齎しあっているのかを理解した。
この不死の秘宝書の不死化のメカニズムを理解し、術者をアンデット化させるという式を見つけ、口角を天井に突き刺すように上げたロマは喝采した。
この魔法を使えば俺はもっと強くなれる。
そして世界を支配するのだ!
そんな野心を抱えつつ、自分1人がこの魔法を独占できるように
不死の秘宝書を破り捨てた。
まあこんな感じの過去回想シーンはここで終えつつ、ロマは300年という時間ですっかり丸くなった。
アンデット化したので陽の照らす日中は外を全く外を出歩けないし、リッチだから日光は3分だけ浴びてもセーフ。
たかが3分で何が出来るっていうだよちくしょう、とロマは嘆いた。
もちろん最初は世界征服のためにさまざまな事をした。
墓地で死体を漁り、ゾンビにして近場の村を襲撃してさらにゾンビやスケルトンに……
そんな事をしてばかりでは気も滅入るというもの。
そんなわけでロマは20年で世界征服を諦めた。
最近やったことは井戸にゾンビを投げ込み、井戸を腐肉で汚染したくらいか。
世界征服を掲げたロマは、小悪党になった。
道行く商人を山道でアンデットをけしかけ、商人の馬をビビらせて遊び、大慌てで鞭を打つ商人を見て笑うのだ。
当然その地域はアンデット出没ということで聖水の需要が上がる。
つまり、ロマは聖水の需要を上げて商機を見出してやってくる商人をも標的にしているのだ。
こちらはゾンビを多数向かわせてあわよくば壊滅、ゾンビでは壊滅できなかったとしても疲労が溜まっている。
そこでロマは魔法で火を馬車の荷台に向けて放ち、あわよくば馬車炎上を狙うのだ。
そして炎上している馬車に向けて腐敗の魔法を放ち、聖水を守る守護騎士をゾンビにするのだ。
これで聖水の絶対数を少しづつでも減らすということを100年以上続けているが全く減っている気配がしない。
何故なのか。
今日も今日とて小悪党活動を続けるロマ。
ロマにエールを贈るのは輝く太陽ではなく月だが、それもまたよし。
多分エタる でも許して……
あと今日プリンをお皿ごとお腹の上に落としてしまいました。悲しい
(2025/07/26 10:00) ちょっぴり本文を変えました。
編集前のやつは気が向いたら載せます……すみません
文章力に自身がないから見てくれたら嬉しいな。