なぜか最強になったので運営の胃を痛めにいこうと思います。 作:あつちま
発売前から話題になっていたVRMMOの〝New World Online〟
そして今日はそのNew World Online 通称NWOの発売日である。
発売前から予約困難で入手が難しいとされていたカセットだがツテを利用してなんとか手に入れたものに、思わず口角をあげるのは
蒼葉の部屋には沢山のゲーム機に大量のカセット、そしてそこそこの量の優勝トロフィー。その中にあるのはスポーツ大会のものの他にゲームの大会のもの。蒼葉は超のつくゲーマーなのだ。
本来は1つ下の幼馴染の片割れ兼弟子と一緒に始めようかと思っていたがテストの点数が悪かったため、NWOの購入を次のテストでいい点数を取らないと認めないと親に言われたらしい。スマホに映るその嘆きメッセージに思わず苦笑いを零してしまう。
「さて…と、やりますか!」
そう言い短い髪を左耳に掛けハードを身につけた彼女は電脳世界にダイブした。慣れている感覚を感じながらも目を瞑る。
もう一度目を開いた時には最初の街
─────なんてことはなく、最初に初期設定が待っている。
「名前、どうしよーかな」
蒼葉は少し悩みながらもソラと入力する。普段ゲームでは同じ名前を使うことが多いが今回は配信とかが出来るわけでもないので普段と違う名前にした。
ソラにした理由は単純。蒼葉の蒼→青→空→ソラ
連想ゲームみたいなものである。
「次は初期装備かー。大剣片手剣、杖に大盾。うーーーん」
1つずつ武器を見ている蒼葉の目に入ったのは弓矢。蒼葉、もといソラは過去してきたFPSやTPSゲームではスナイパーライフルを多く使っていた。勿論、近距離武器も使っていたのだが。VRゲームでの経験値は他のゲームより少ないが剣や杖に比べると比較的ライフルに似ているし使いやすいだろう。
「弓矢かー。射程は申し分ないし近距離戦がちょっと心もとないけど避ければなんとかなるかな?」
そうしてソラは弓矢を選択した。次に画面に映るのはステータスポイントの割り振り。
「んー、機動力は欲しいし威力も必要。魔法は使うか分かんないしMPには振らずにINTにちょっと。あとDEXにもちょっと振って、と」
独り言を言いながらステータスポイントを入力していく。見た目に関しては変更していないがソラとしてはお気に入りのピアスが仮想世界で付いていないことが残念な点だが、まぁゲーム内で探せば良いだろうと結論付けた。
全て決まった後に決定を押すと周りが光り出し、ソラ反射的に目を閉じる。次にソラの目に映ったのは城下町の広場だった。
☆★☆
広場にいるのは皆初期装備。今日はリリース初日でリリース開始からまだ数分。多くはないがある程度の人数がいる。とはいえ初日なのにこれだけ人がいるのは流石話題の最新作ゲームといった所だ。
「最初はーっと、ステータス」
ソラ
Lv1
HP 35/35
MP 25/25
【STR 30〈+12〉】
【VIT 0】
【AGI 45〈+8〉】
【DEX 15】
【INT 10】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【初心者の弓】
左手 【空欄】
足 【空欄】
靴 【初心者の俊足靴】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
初期設定のステータス割り振りが初期値になるらしい。それならVITに振るべきだったか、それとも当たらないように
ちなみに余談だが弓矢はDEXで多少だが手ぶれ補正が入る。それ以外にもバランス、あとは武器作成などに特化したい場合はDEXに多く振る必要がある。
まぁ何が言いたいかを簡潔に言うと弓使いはDEXに多めに振らないとかなりのエイム力が戦う上で必要がある。
「一旦レベリング、の前にスキル買う?いやでも…
そんなことも知らないソラは小さく笑みを浮かべながらそう言った。なんとなく西に向かって歩くと森についた。
運良く西の森は初心者のレベリングに最適な場所であった。強い敵はおらずステータスが低い初心者でも倒しやすいモンスターばかりとなっている。
「射程と威力の確認、あとは弓の狙撃感覚に慣れないと」
そう言って森の中を歩き出す。遠くに白い兎を見つけて立ち止まって弓を引き、100m程ソラの位置から離れた場所にいる白兎の頭を狙う。白兎はソラの存在を認識することなくぴょんぴょんと平和に跳び回っている。
見た目が可愛いから撃つのは少し心苦しいとソラは思いながらも白兎が跳んだ瞬間に矢を放つ。白兎に矢が命中するとキョロキョロと当たりを見渡すが恐らく100m程度離れているせいで白兎の索敵範囲では無いのだろう。そして後5回程矢をしっかりと頭に放つことを繰り返すとエフェクトが発生し白兎は消えた。
『レベルが2に上がりました』
『スキル【狙撃】を取得しました』
「お、レベルあがった。なになにこのスキルはー?」
───────
【狙撃】
狙撃対象との距離が100m以上離れているとSTRが10%上昇する
取得条件:100m以上離れた場所から狙撃対象を倒す。
───────
「悪くない。ステータスポイントが5貰えてるけど割り振りは後でにしとくか」
スキルの確認をしている内に虫や狼のようなモンスターが五体ほどソラの周りを囲んでいた。
ソラはジャンプをすると木の上に登った。すぐさま矢を引きモンスターの頭部分に命中させる。そのまま木の上を跳びながら移動し、また矢を頭部に向けて放つ。
地上に降りたり木の上にまた跳び乗ったりしながらモンスターの攻撃を喰らうことなく順調に一体ずつモンスターを倒していく。モンスターを4体倒せて残りが1体の狼のようなモンスターになり、木の上に5回目のジャンプをした時スキルの取得音が聞こえた。
『スキル【跳躍】を取得しました』
スキルを確認しようとするも、まだソラのことを追いかけてきている2体の狼のようなモンスターに加えて正面から蜂のようなモンスターが2匹増える。
「よっと!」
正面に来た蜂にソラは回し蹴りを加えた。その勢いで蜂から距離を取って矢を頭部に放つと蜂が1匹エフェクトと共に消えた。
これ使えるかもとソラは呟くと蜂に向かって殴る蹴るを繰り返す。その間にも木の下にいる狼の頭に数回矢を放ち、蜂と狼を同時に倒すことができた。
『スキル【体術】を取得しました』
『スキル【
戦闘にひと段落がついたので1度地面に降り、スキルの確認をする。
───────
【跳躍 I 】
高く飛べる
取得条件:5回高く飛ぶ
───────
───────
【体術 I 】
近接戦闘の熟練度上昇
体術で与えるダメージが上昇
取得条件:体術で敵を倒す
───────
───────
【
遠距離戦闘と近距離戦闘を同時に行っている時、攻撃が敵に命中した時のSTRが50%上昇。
取得条件:初ログインから3時間の間に弓矢で遠距離攻撃をしながら別の方法で異なる敵に近距離攻撃を外さず同時に倒す。
───────
「ん、順調順調。とはいえ【
そんなことを言いながらソラはレベリングを続ける。
この後【
その後もソラは1時間レベリングをしていた。2時間の間矢を1発も外すことなく命中させ続けた。それには集中力が必要でソラの額には汗が浮かんでいた。
「あーつかれた、ちょっと休憩しよっと」
そう呟きながら地面に座り込む。一息つきながらステータス確認のためステータスを出す。
ソラ
Lv6
HP 35/35
MP 25/25
【STR 30〈+8〉】
【VIT 0】
【AGI 45〈+12〉】
【DEX 15】
【INT 10】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【初心者の弓】
左手 【空欄】
足 【空欄】
靴 【初心者の俊足靴】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【狙撃】【跳躍Ⅱ】【体術Ⅱ】【遠近両攻】【弓矢の心得 I 】【しのび足 I 】【気配察知 I 】【気配遮断 I 】
ソラは15あるステータスポイントをまだ振っていない。VITに振ることも考えていたが今までノーダメージだし予想よりも動きやすい。これなら攻撃を避けれるかもしれない。
ソラは頭の中で考えながら中央の広場に戻って、ログアウトした。
☆★☆
「はぁぁぁぁぁぁ!?【
「はぁ!?あのおふざけスキルをか?」
「おいおいおいまだ初日だぜ…どんな化け物だよ」
「そのスキルは初ログインから3時間っていう条件あっただろ。どんなやつだよ!?」
「こいつだ!プレイヤーネームはソラ。ってなんだこいつ!」
「おいこいつPSバケモンすぎるだろ…ログインしてから1発も外してねぇ」
「1番難しいとされてる弓使いでこれとか、えぐすぎるだろ!?」
一ノ瀬 蒼葉 (いちのせ あおは)
短めの白髪に赤眼(長さはカナデと同じくらいのイメージ)
幼馴染が2人いて年齢は2人の1つ上