なぜか最強になったので運営の胃を痛めにいこうと思います。 作:あつちま
初ログインから約一週間半。連日のようにログインしたソラは街のNPCの経営するショップへと足を運んでいた。持っている金額は初期値の3000
「買うなら弓矢用のスキルか。いやでも攻撃手段を増やす方が先決、かな」
ソラは顎に手を当て考えながら3つのスキルの巻物とツルハシを購入して店を出た。スキルの巻物を開いてスキルを取得しながら東の洞窟向かって歩き出す。
東の森は昨日掲示板で騒がれていた。西の森が初心者のレベリングに向いているのに対し、街から東側にある洞窟は強いモンスターが多いと少し話題になっていた。
ソラはマップを頼りに歩いて東の洞窟に着くことができた。
「よーし、いくか!」
洞窟内に歩みを進めるとゴブリンのようなモンスター。ソラは迷わず弓を引き頭部分に命中させる。西の森では5発程で倒せたがゴブリンはHPが高いのか何発も当てているにも関わらず中々倒すことが出来ない。
「しぶといなぁ」
小さく舌打ちを呟きながら近づいてくるゴブリンの攻撃を体術でいなしながら距離をとって繰り返しゴブリンの頭に矢を放つ。矢を外すことはしない。18発目の矢を放った所で死亡エフェクトと共にゴブリンは消えた。
が、洞窟の奥から新たなゴブリンやカメレオンのようなモンスター数匹がソラの元に向かってくる。
「使ってみるか、【ファイアーボール】!」
スキル名を言うとソラの掌あたりから炎の玉が出る。それと同時に矢を撃ち、どちらもモンスターの頭部分に命中。2回、3回と繰り返し、突っ込んでくるモンスターを殴って蹴って距離を取る。距離ができた所をまた【ファイアーボール】と同時に矢を放つとモンスターがエフェクトと一緒に消えた。
『スキル【フレイム】を取得しました』
───────
【フレイム】
火属性の矢を放つことができる
取得条件:火属性魔法と矢を同時に命中させモンスターを倒す
───────
「ふむ、これ他の魔法攻撃でもスキル貰えるのかなー」
そう言うとソラは【ウォーターボール】と【ダークボール】でも同じことをしてモンスターを倒し、スキル【アクア】と【シェイド】を取得した。ソラはこの間も矢を1発も外すことなく頭に命中させていた。
モンスターには強い属性と弱い属性が存在する。対モンスターでは普通の矢よりも属性付きの矢の方が倒しやすいのだ。
その後もソラはモンスターを倒しつつ洞窟の奥へと歩みを進めた。
道中数々のモンスターがソラを襲おうとするも、難なく攻撃を避け矢を放つソラに完膚無きまでにやられていた。洞窟だが中は少し薄暗い程度でソラは気配察知を使いつつ初弾はできる限り100m以上離れた距離から放つことで狙撃スキルを発動させ威力をあげていた。
「たしかこの辺に…あれかな?」
東の洞窟に来た目的は1つ。洞窟の奥には鉱石があると掲示板で言われていたからだ。西の森のモンスターのドロップ品を売るよりも効率がいいとソラは考えた。
鉱石と思われるものの周りにはモンスターがいないことを確認し、インベントリから街のショップで買っておいたツルハシを取り出し叩く。
インベントリに鉱石がたんまりと溜まるまでひたすら叩く。
そして経過すること約30分。【採掘速度強化小】のおかげか想定よりも早く鉱石を集めることができた。
が、鉱石の叩く音のせいでモンスターが近づいてきたのだろう。数十体のモンスターがソラの周りにはいた。
「んんー多いな。しゃーない、【フレイム】」
スキル名を言いながら矢を放つ。炎の纏った矢がモンスターに突き刺さる。ひたすらその動作を繰り返す。全て頭部分に命中させる。ソラの攻撃が上手くいっていない訳ではない。順調に倒せているのだが、流石に数が多すぎて攻撃を捌くのが容易ではなくなってきた。
「くっそ、MP回復ポーション買っとくべきだった」
ソラはスキル取得のために道中魔法攻撃を連発したせいでMPが枯渇していて魔法を放つことができない。やらかしたなーなんて呟きながら跳躍を使い壁に向かって高く飛ぶ。そのままの勢いで壁を走り出す。
『スキル【壁走り】を取得しました』
スキル取得音は無視し壁を走りながら矢を引きモンスターに命中させる。モンスターが放ってくるレーザーを気合いで避けながらひたすら矢を放つ。
15分くらい走って矢を撃ってを繰り返したところでやっと全滅させることに成功した。
『レベルが7に上がりました』
『スキル【
「よーしノーダメ!スキル確認、の前に一旦洞窟出るかー」
これ以上モンスターと戦闘するのは面倒だし集中力が切れかけている。疲労感を感じつつも全速力で走って洞窟の出口まで戻った。
「っと、スキルの確認しないとね」
───────
【壁走り】
壁を地面のように走ることが可能
取得条件:壁を走る
───────
───────
【
敵の頭に矢を命中させるとSTRが2倍になる。また攻撃対象ののVITが自身のSTRを下回っている場合は即死率40%
ボスモンスターや弱点が頭以外のモンスターには即死効果なし
取得条件:100体のモンスター連続でを矢を外すことなく頭に命中させ倒す。ログアウトしたらカウントは1から再開
───────
「壁を走るってんなアバウトな…【
街に戻るために歩きながらスキルを確認する。ソラの脳内ではひたすらスキルの使い時や他のスキルとの噛み合いが思考されている。
数分歩けば街に着き、ソラはNPCショップで洞窟で取った鉱石を全て売り払う。そこそこいい値段がついたのでしばらくお金には困らなさそうだ。
「(今のところ強力なスキルがパッシブスキルしかない。攻撃力上げるためにもっといいアクティブスキルゲットしないと…)」
スキルはアクティブスキルとパッシブスキルが存在する。
アクティブスキルは『能動的に発動させるスキル』でパッシブスキルは『自動的に発動するスキル』を指す。
【ファイアーボール】や【フレイム】のようなスキル名を言うと発動するのがアクティブスキル。
【
今現在ソラが所持しているパッシブスキルは発動条件がそこそこ厳しい。【
それ故にソラが今求めているのは強力なアクティブスキルなのだ。
「取り敢えずスキル集めとレベリング、だな!」
☆★☆
───────そう言った日から約10日後
「いやー初期装備じゃない人も増えてきたねぇ」
今日も今日とてログインしたソラは街の広場に立ってそう言った。ゲームのサービス開始から約2週間。広場を見渡せば初期装備じゃない人もちょこちょこ存在する。
しかしソラがこの10日間にしていたのはスキル集めとレベリングのみ。その過程でお金もそこそこ稼いでいたが生産職から購入することを考えるとまだ足りないだろう。
NPCショップにも武器や装備が安く販売されているが、生産職から購入するよりも性能は劣る。
それなら金をかけてでも生産職を購入する方がいいだろう。まぁまだ2週間しか経っていないので高性能な武器を購入するにしろ生産職のレベルアップやスキル集めを待つ必要があるからお金を貯めてもすぐ購入、という訳でもいかないのだが。
「んー、今日は南にでも行くかー」
そうして南に進むと森がある。レベリングの時に1度だけきた森。奥にダンジョンらしき洞窟があったが前回は疲れて洞窟に入る前に折り返したのだ。
「たしかこの道だったはず…?」
数日前に来た時の記憶を頼りにモンスターを倒しつつ森の奥へと歩みを進める。
南の森のモンスターはHPはさほど高くないが速度がそこそこ速い。それに加えて掲示板曰く攻撃力も高いらしい。
速度は速いもののちゃんと狙えば当てることが出来る。ひたすらモンスターを倒しながら森の奥へと進んでいく。
20分ほど時間が経過したところでソラは洞窟の入口に着いた。
「あぶねー。トラップ多すぎだろここ」
ソラはよっと呟きながら宙返りをして飛んでくるナイフを避ける。実に殺傷能力の高い罠である。
「スライムは弱いからいいんだけどさー」
正面から突っ込んでくるスライムに対して回し蹴りを食らわせる。一発で倒せないことに対して小さく舌打ちをしつつももう一度蹴りを入れればエフェクトと共にスライムは消えた。
ステータスポイント振っとくべきだったなあ、なんて考えながら髪をかきあげる。現在ソラのレベルは20。ポイントは未だに振っていないため振ることが可能なステータスポイントは60。
「でも、今ポイント振るのはちょっとなー」
ここまで貯めたステータスポイントをノリで振ってしまうのはもったいない。諦めも大事である。
「モンスター多いなーっと、あれは…」
しばらく洞窟を進んだ後に見つけたのはボス部屋に繋がるであろう扉。
目を瞑りながら深呼吸をして頭の中で「集中」と唱えて扉を開いて1歩足を進めた。
1歩進むと即座に扉が閉まり逃げ道がなくなる。目の前からのボスモンスターが、ガオォォォオと鳴く。
「わお、ライオンかー」
引っ掻き攻撃をしてきたライオンの攻撃を即座に後ろにジャンプしながら避け弓を引いて放つ。矢はライオンの脳部分に命中した。しかしダメージは微量である。
「これは根気勝負になる、かなー」
ソラはもう一度気を引き締めた。
「(【遠近両攻】はボス以外いないから使えない。【狙撃】や【弱点撃ち】とかを使えばなんとかやれるはず)」
脳内で思考を巡らせる。ボス部屋はそこそこ広くボスであるライオンはとても大きいが100m離れて撃つことくらいはそこそこ容易くできるだろう。
「【フレイム】」
ソラは炎が纏った矢をボスの頭部に命中させたものの先程とダメージはさほど変わらない。矢を命中させてすぐにライオンは口から炎の魔法弾を放ってくる。いくつもの炎の弾がソラに向かってとんでいく。
高めのAGIを駆使して攻撃を避けつつ距離を取る。
「【アクア】」
次は水を纏った水色の矢がライオンの頭までとんでいく。ソラが小さく笑みを浮かべながら「お」と声を零す。まだまだダメージは少ないとはいえフレイムの倍以上削れている。やはり火属性には水属性である。
ソラはそれが分かってからはひたすら【アクア】を使ってボスのHPを削っていく。
「(なんか速くなってる…?)」
ボスに攻撃してHPを削っていく内にどんどん攻撃速度が速くなってきている。最初は避けやすかった攻撃も徐々にギリギリになってきている。
「ちょっ!?あっぶねぇ!【跳躍】」
魔法攻撃に対してソラはなんとか細かくステップを刻んで回避するがライオンは避けている途中で引っ掻き攻撃も繰り出してくる。ソラは【跳躍】を使って高く跳びどちらの攻撃も避ける。
「【拡散・30】」
空中で弓を引いてスキルと共に矢を放つ。放った1本の矢が5本、10本と増えて行き最終的に30本にまで増えた矢がボス全体に広がる。10本程度ボスに弾かれるものの多くの矢がボスに命中した。1本1本の矢の威力が高いとは言えないが数でのゴリ押しである。
着地と同時にライオンが突進してくるがもう一度【跳躍】によって避け次はライオンの背中へと着地。ショップで買っておいた投擲武器をライオンの首へと突き刺す。
「ガオオオォォォォ!!!!」
「およ、形態変化」
丁度HPが残り3分の1になった所でボスが大きく鳴いたと思うとライオンの見た目が変化しだした。黄色や茶色だった鬣や体表の毛が赤色や黒色へと変化し、体に炎を纏いだす。
形態変化直後ボスの背後に魔法陣が浮かび上がり炎弾がソラに向かって襲いかかる。
【アクア】を使いながら矢を放ちつつ炎弾を避ける。軽い身のこなしで避けきるがさっきとは少し違う。
「(着弾地点に炎が残ってる?多分あそこを通ればダメージ食らうよね)」
魔法攻撃の着弾地点に炎が残ることによってソラの行動範囲が狭くなる。避けるのが難しくなってくる。
「(なんとかまだノーダメジだけどこれ多分1発でも当たれば死ぬ)」
攻撃を見た感じボスの形態変化によって最初よりも攻撃の威力が格段に上がっている。HPにもVITにもステータスポイントを振っていないソラは1発でも当たれば恐らく即死だろう。
「(落ち着け、ちゃんと見て避ける。集中!)」
ソラは自身の頬を両手でペちっと音を鳴らして叩く。気合いを入れ直して一呼吸置き集中する。ぐっと地面を蹴り上げ、フェイントをかけながらライオンの攻撃を避け、ショップで購入しておいた投擲武器を3本連続で投げつける。
ヒットしたのは2本。1本はライオンの脳の中心部、もう1本は左目へと直撃する。
その瞬間ライオンは暴れだしソラに向かって今までにない速度で突撃していくる。ソラが避けてもその勢いのまま壁にぶつかるが、またもソラに向かって突撃。それに加えて魔法攻撃に引っ掻き攻撃。
ソラは小さく舌打ちを零し全力で走りながら弓を引いてライオンへと照準を合わせる。
「(速いけど動きは単調。よく見て予測)」
自分の速度とボスの速度、そして矢の速度の3つを考えながら狙い、スキル【アクア】を使い矢を放つ。ソラの狙い通り矢は命中。
しかしそれを気にも留めずにライオンはソラに向かって攻撃をしてくる。
その攻撃をなんとか避けるものの炎が地面の大半を埋めつくしている。この炎の魔法攻撃、プレイヤーに当たれば地面に炎は残らないのだがソラは今のところ全て回避している。その為全ての炎弾の着弾地点に炎が残っているためソラが動ける地面は少ない。
その少ない地面を使って回避した着地先はボス部屋の端。周りは炎に囲まれ動けない。
「(いや、まだいける!)【跳躍】【壁走り】」
グルルルルという鳴き声と共に迫ってくるライオンの前足を【跳躍】を使って避けて体を傾け壁に足を着ける。そしてそのまま【壁走り】を使って走る。壁を走っている状態で矢をちゃんと狙い放つのは難しいが気合いでボスを狙う。
「これで終わりだよ【拡散・10】」
壁を蹴り上げ空中で体制を整え、スキル名を発して矢を放つ。10本へと増えた矢が全てライオンに直撃。
そしてHPは0になりパリンッという音とともにライオンは消滅した。
『レベルが21に上がりました』
『スキル【
『スキル【
「あーーーーつかれた」
ソラは地面に寝転びながら額の汗を拭う。その体制のままステータス画面を出しスキルの確認をする。
───────
【
MPを使用して炎獅子の放っていた炎の魔法攻撃が可能。地面に炎が残るのは10秒間。
取得条件:炎獅子を形態変化させること。炎獅子の攻撃に1回も当たらずにボスを撃破する。
───────
───────
【
HP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手よりも低い値の時にHP、MP以外のステータスが二倍になる。
取得条件:HP、MP以外のステータスのうち、四つ以上が戦闘相手であるモンスターの半分以下のプレイヤーが単独で対象のモンスターを討伐すること。
───────
「【
極振りでもない限り相手によってステータスが変わってしまう【
ソラは上半身を起こしてんーっと伸びをすると宝箱を開けた。おおお、と感嘆の声を零しながらソラは中身を取り出す。
───────
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる、攻略者だけの為の唯一無二の装備。一ダンジョンに一つきり。取得した者はこの装備を譲渡できない。
王の冠
【STR+20】【AGI+15】【破壊不可】
スキル【ブレイジングスター】
王のローブ
【STR+25 】【MP+15】【破壊不可】
黒煙のレギンス
【INT+20】【MP+20】【破壊不可】
暁の弓矢
【STR+25 】【AGI+10】【破壊不可】
スキル【デトネーション】
月夜の短剣
【STR+15 】【DEX+15】【破壊不可】
───────
中に入っていたのはほぼ名前通りだが宝石のついた冠。
王様が着てそうなローブ。ちなみに白いモコモコが着いている。それとローブとセット判定?の黒のワイシャツに赤のネクタイ
黒のカーゴパンツのような服とズボン。
赤から黒へとグラデーションになっている弓。
黒色の鞘に収まる柄と鍔が黒と金色で構成されている短剣。
靴がないのが残念だがこれで装備1式をほとんど揃えることができた。それに【破壊不可】のためメンテナンスも必要ない。最高である。
「いいねーかっこいい!あとはステータスポイントの割り振りすれば完璧かなー」
宝箱と共にボス撃破時に出た魔法陣に乗りながらそう呟く。魔法陣を出た先は洞窟の前の森だった。ソラは【跳躍】を使い木に乗り枝に座り込んだ。木に登ったのはモンスターに見つかり襲われる確率を少しでも下げるためである。
ソラは顎に手をあてて考えながらステータスポイントを割り振っていく。
ソラ
Lv21
HP 35/35
MP 85/85〈+35〉
【STR 50〈+70〉】
【VIT 0】
【AGI 70〈+52〉】
【DEX 17〈+15〉】
【INT 20〈+20〉】
装備
頭 【王の冠:ブレイジングスター】
体 【王のローブ】
右手 【暁の弓:デトネーション】
左手 【黄昏の短剣】
足 【黒煙の衣】
靴 【初心者の俊足靴】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
「よーしポイント振り分けれたしもう遅いしそろそろ「ひにゃぁぁあああああああ誰か助けてぇぇぇぇぇえええええ」…元気だなー」
ソラのログアウトという言葉を遮るように響き渡る女の子の叫び声。無意識に真顔で元気だなーなんて零してしまう。
ソラは周りを見渡すがプレイヤーはぱっと見いない。ただでさえ南の森はモンスターの速度が速く攻撃を躱される確率が高くあまりプレイヤーに好かれていないことに加えて現在深夜。恐らく現実では丑三つ時くらいだろう。
ここはゲームだから明るいが、まぁそんな深夜にログインしてる人は少ないという訳だ。
「ったく、どこにいるんだか」
ソラは目を瞑り聴覚に意識を傾け、叫び声と足音だけを耳に入れ女の子の居場所を探る。
「(後ろ…左?いや、左斜め後ろか)」
女の子の場所が分かったから体を後ろに振り返る。数秒経つと初期装備で赤髪の女の子がソラの視界に入る。武器を持っていないところを見ると武器が壊れたのだろうか。
「はぁ!?ちょっと多すぎだろ!」
女の子は30匹弱のモンスターから追いかけられた状態で逃げていた。思ってたよりモンスター数が多くて体制を崩しそうになるが木の幹を掴んで体制を立て直す。
「【拡散・30】」
「わぁぁぁあなに!?攻撃!?」
枝の上で軽くジャンプをしてモンスターを狙って弓を引く。【拡散】によって1本の矢が30本にまで増える。30本の矢は全てモンスターの頭部に命中したがまだ数匹残っている。
女の子の驚く声を発しながらもソラのいる木の下まで走ってきている。
「よっと」
木の上から地面に着地し、小さく声をもらしながらモンスターに蹴りを入れる。モンスターの攻撃を捌きつつ距離を開けながら矢を放つ。
全てのモンスターがエフェクトと共に消えたところでソラは女の子に声をかける。
「大丈夫?気をつけなよおじょーさん」
座り込んでいる女の子に手を差し出すとその女の子は手を取って立ち上がった。
「あ、ありがとうございます」
「タメ口でいーよ。てか武器はどーしたの?」
「モンスターと戦ってる途中で杖が壊れて…MPもなくなっちゃって」
しゅんと効果音がつきそうな顔で俯きながら女の子はそう答える。ソラはあっと何かを思い出したように声を出すとインベントリからあるものを取り出す。
「ん、これあげる」
「これ…いいの?」
ソラが差し出したのは3本のMP回復ポーションと2本のHP回復ポーション。
「使わなかったからさ。まだ残ってるから貰ってくれると助かる」
押し付けるようにポーションを渡してインベントリにあるもう一本のポーションを使い女の子のMPを回復させる。
「んじゃ眠いからそろそ「あの!!」ん?」
そろそろ行くね、とソラが言おうとするもそれは叶わずまたも女の子に遮られる。女の子は照れたように指をもじもじさせながら小さく口を開いた。
「フレンド登録してくれないかな…?」
「お、いいよいいよー。フレンド登録ってどーやるんだっけ」
女の子にフレンド登録の仕方を教えて貰ってフレンド登録をする。どうやら名前はミィというらしい。
「んじゃ、また会った時はよろしくね。ミィ」
ばいばーいと手を振りながら女の子、もといミィに別れを告げる。予定よりログアウトが遅くなってしまったが明日は休みだから問題ないだろう。
「ソラ、か。かっこよかったなぁ」
ミィがそう憧れの目を向けながらそう言っていることをソラは知らない。
☆★☆
【NWO】やばい弓使い見つけた
1名前:名無しの短剣使い
やばい
2名前:名無しの魔法使い
kwsk
3名前:名無しの大剣使い
どうやばい?
4名前:名無しの短剣使い
南の森のモンスターに矢を1発も外さずモンスターを倒してる弓使いがいた
5名前:名無しの弓使い
まじで!?南のモンスターの動き速いから当てるのめっちゃむずいんだが!!
6名前:名無しの槍使い
俺のフレンドの弓使いもそこの森のモンスターは当てにくいから絶対行きたくないって行ってた
7名前:名無しの魔法使い
なんか命中率の上がるスキル持ってたとか?
8名前:名無しの大盾使い
ないとは思うけどPSとか?
9名前:名無しの魔法使い
流石にないだろ、流石に
10名前:名無しの大盾使い
その弓使い見たかもしれないんだけど王冠被っててマント羽織ってたか?そいつも南の森にいて1発も外してなかったんだが
11名前:名無しの短剣使い
いや、ただの初期装備だったな
12名前:名無しの弓使い
途中で装備見つけたとか?というかあそこで1発も外さないやつが2人もいてたまるか
13名前:名無しの大剣使い
まぁ追々情報集めるしかないか
14名前:名無しの短剣使い
だな。また見かけたらなんか書き込むわ。大盾使いの方も見かけたら頼む
15名前:名無しの大盾使い
おっけー任せろ
16名前:名無しの槍使い
頼んだぜ2人とも!