頸を斬っても死なないのならズタズタにするべし。 作:雨漏り
別に読まなくてもいい話
錆兎メイン 錆兎視点
すごく短い これはカゾクアイ
「鱗滝さん! 錆兎! 行ってきます!」
真菰は生き生きとした様子で出発した。俺と鱗滝さんに向ける顔は笑顔だったけど少しだけ口角が歪で強がっていたのかもしれない。後ろ姿を見て思う……前までは普通の女の子のように小さかったのに今ではその背中がたくましくもし共闘することがあるのなら背中を任せられる程信頼しているなと。数ヶ月前にあって少ししか一緒に居なかったのに、少ししか喋れなかったのに、でもその少しだけで俺は真菰に絆されているのだなとわかった。真菰と居ると修行で疲れた体はどこかに飛んでいくように癒され真菰と手を繋ぐと妹がいたらこんな感じなのか……と何故か感動してしまった。男がこんなのでいいのか、男だろうこんなことせずに修行しろ! と思う日もあったが真菰が笑っている姿を見るとどうでも良くなってしまうのだ。
真菰は甘えるのが上手だけどあまり我儘は言わず言葉には出さなかったが構って欲しい時は裾を掴んだりぴとりとくっついてくる。鱗滝さんも俺もそんな真菰に癒されていた。ずっとこんな日々が続けばいいのに……強くなるのなんてやめて普通の子として幸せに生きていて欲しい。鬼のいる世界では普通に生きられないのだ、分かっているそんなことだから……俺が鬼を倒して鬼のいない世界にすれば真菰は強くならずに済むだろうか。自分から地獄の道を進まずに済むだろうか……
真菰が3年前から修行をやっていて俺より強いなんて信じられなかった。男の俺より強いのかと吃驚した、こんな小さな体に筋肉があるのか? どこにそんな力があるんだ? と疑問ばかりで真菰を困らせてしまった。真菰はすばしっこくてかけっこじゃいつも負けてしまう。かけっこに負けるのが恥ずかしくて少しなよなよした時もあった……でも、真菰は言ってくれた「足が早くなくても錆兎にはもっといいところがあるよ、今度は錆兎の得意なことで勝負しない? 」と俺を励ましてくれた。
優しくて、甘え上手で可愛らしくて幼いそんな子共が七日経っても帰ってこないなんてありえない。きっと疲れてどこかで野宿でもしているのかもしれないし怪我して帰るのが遅くなっているだけかもしれない。もう一日、きっと帰ってくる。まだ、まだ……真菰が最終選別に行った日か十日経った。あぁ、帰ってこないのか……酷いじゃないか、何も返ってこないなんて。
真菰から貰った大切な花の冠からぐちゃ……と潰れる音がする。あぁ強く握りすぎた……
ぐしゃ
錆兎と真菰は兄妹のような関係だった。どちらかが道に迷えば片方が手を差し出す、元気がなかったら励まし合う。本当の兄妹みたいで普通の兄妹よりも素敵な存在だと思う。二人の関係を羨ましいと思うほど本当に素敵なのだ。
血は繋がってはいないけれど、本当の家族ではないけれどそこに愛があれば関係ない。
鱗滝は錆兎と真菰が関わり合うと必ず頬緩ます。鱗滝にとってこの二人は特別で大切な人……どちらかが欠けてもそれは変わらない。心の中にずっとあり続けるのだ。
多分だけど憑依主ちゃんは妹という存在が凄く似合うんでしょうね。
それに誰かを依存させる気質があるような…………
ちゃんと帰ってくればこうはならないはずですから安心してくださいね。