怒りに飲まれ感情のまま叫ぶ遊矢。
「落ち着け遊矢!」
そんな遊矢を俺は後ろから羽交い絞めにする。
「離せ!!」
「うわっ!?」
しかし、すごい力で振りほどかれ俺はたたらを踏んだ。
「融合次元を! アカデミアを! 絶対に許さない!!」
ドス黒いオーラを纏ってそう叫ぶ遊矢にオベリスク・フォースの1人が質問する。
「何だお前は!」
「お前達は何をしに来た?」
・・・・・・会話のドッチボールktkr。
「それをお前が知る必要は無い」
「お前達に勝手なマネはさせない! 俺と、デュエルしろッ!!」
遊矢がデュエルディスクを構えるとオベリスク・フォース達が笑い出す。
「そんなに身の程を知りたいか?」
「なら分からせてやる」
再び遊矢の加勢と行きますか。
「3対2のバトルロイヤルだ。行くぞ!」
「「「「「デュエル!」」」」」
Obelisk Force R LP4000
&
Obelisk Force G LP4000
&
Obelisk Force Y LP4000
VS
Yuya LP4000
&
Chikage LP4000
「先攻は私だ!」
1ターン目、俺のターン。
手札を確認して落胆する。
この手札では行き成りエクシーズ召喚できないな。
しかし、そのうちの1枚を見て思う。
《ヌメロン・スタチュー》
社長(赤)が勝手に作った【ヌメロン】のペンデュラムモンスター。
その姿は抽象的に彫られた《夢幻虚王ヌメロニア》の台座付き石像。
ってかスケール0って思い切るなぁ。
まあ、効果的に俺しか使えないよね。
量産カードの中に専用カード混ぜるとか、どうよ?
「私はモンスターをセット、カードを1枚伏せターンエンド。」
とりあえず手堅く布陣。特に伏せカードは相手が融合次元だから良く刺さる。
「俺のターン、ドロー!」
マスクに赤い宝玉があるオベリスク・フォース・・・・・・便宜上オベリスク・レッドと呼称しよう。彼のターンだ。
さて、どんなデッキで来るかな?
「俺は《古代の機械猟犬》を召喚!」
《古代の機械猟犬》R
☆3
ATK/1000
飛び出して来たのは古めかしい機械で出来た猟犬。
アンティーク・ギア・ハウンドドック。
【古代の機械】デッキか。
「まずは雑魚掃除だ! 《古代の機械猟犬》でヤツのセットモンスターに攻撃!」
俺のセットモンスターに向かって飛び掛る《古代の機械猟犬》。
《ヌメロン・ランプ》
☆1
DEF/0
セットモンスターは《ヌメロン・ランプ》。容易く噛み砕かれる。
「《ヌメロン・ランプ》の効果発動。デッキから【ヌメロン】と名の付くモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。来い《ヌメロン・リフト》」
《ヌメロン・リフト》
☆1
DEF/0
「さらにこの瞬間《ヌメロン・リフト》の効果発動。墓地の【ヌメロン】と名の付くモンスター1体を墓地から特殊召喚する。蘇れ《ヌメロン・ランプ》」
《ヌメロン・ランプ》
☆1
DEF/0
《ヌメロン・ランプ》でリクルートして《ヌメロン・リフト》で吊り上げるこの防御布陣。なかなかに強固だろう?
「雑魚が並んだだけで粋がるなよ! 俺は《古代の機械猟犬》の効果発動!」
起動効果?
「相手のフィールドにモンスターが存在する場合、1ターンに1度相手プレイヤーに600ポイントのダメージを与える! ハウンド・フレイム!」
「バーン効果か・・・・・・!」
Chikage LP4000→LP3400
《古代の機械猟犬》の口から発射口が飛び出し火炎を吹き出す。
腕を交差させ防御するがライフポイントは削られる。
「俺はこれでターンエンド」
オベリスク・レッドのターンが終り、オベリスク・グリーンのターン。
「俺のターン、ドロー! 俺も《古代の機械猟犬》召喚し、《ヌメロン・リフト》に攻撃!」
《古代の機械猟犬》G
☆3
ATK/1000
《ヌメロン・リフト》は噛み砕かれ破壊される。
「さらに《古代の機械猟犬》の効果で600ポイントのダメージを与える! ハウンド・フレイム!」
「くっ・・・・・・」
Chikage LP3400→LP2800
「ターンエンド!」
オベリスク・グリーンのターンが終り流れるようにオベリスク・イエローのターン。
「俺のターン、ドロー! 俺も《古代の機械猟犬》を召喚する!」
《古代の機械猟犬》Y
☆3
ATK/1000
「バトル! 《ヌメロン・ランプ》を攻撃する!」
守備力0なので呆気なくその爪で引き裂かれる《ヌメロン・ランプ》。
「《ヌメロン・ランプ》の効果発動。デッキから2枚目の《ヌメロン・リフト》を特殊召喚する」
《ヌメロン・リフト》2
☆1
DEF/0
「《ヌメロン・リフト》の効果により、墓地の《ヌメロン・リフト》を蘇生。さらに効果により《ヌメロン・ランプ》を蘇生する。」
《ヌメロン・リフト》1
☆1
DEF/0
《ヌメロン・ランプ》
☆1
DEF/0
「雑魚モンスターがわらわらと! だが600ポイントのダメージはくらって貰うぞ! ハウンド・フレイム!」
「・・・・・・っ!」
Chikage LP2800→LP2200
「ターンエンドだ」
これでやっと遊矢のターンか。
「気をつけろ遊矢、【古代の機械】モンスターは共通してダメージステップ終了時まで魔法・罠を発動できなくする効果を持っている」
「千影・・・・・・」
「私は大丈夫だ。問題ない」
ってか仮にも精鋭部隊なんだからモンスター召喚して終りって随分残念なプレイングだな。
ブラフでも良いから何か伏せようぜ・・・・・・。
「あっという間に崖っぷちだな?」
「雑魚を並べるだけしか能が無いらしい」
俺の事を嘲笑うオベリスク・フォース達。
こっちとしてはそっちの残念プレイングを笑いたいぐらいなんですが。
「お前らはコイツらと同じ運命さ」
そう言って見せ付けるはナイト・オブ・デュエルズが封印されたカード。
「ッ!!」
「・・・・・? 遊矢、どうした?」
目が一気に鋭くなり怒気が増す。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
さらにうめき声まで上げ、まるで血に飢えた狂犬の様。
「怒りに飲まれるな遊矢!」
「だが! 俺は! 許せない!」
これは素人でも感じ取れるようなほど強い魂の叫び。
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》に引っ張られてるだけじゃない。
別の何かが遊矢の身に起きている?
「無抵抗な人々をカードにして周ったお前達、融合次元の人間を許せるものかぁ!!」
何の事を言って? まさか、ユートの記憶まで受け継いでいるのか!?
「うぉおおおおっ!! 俺のターン、ドローッ!!」
煮えたぎるマグマの様な怒りを湛えた遊矢の渾身のドロー。
「俺はスケール3《相克の魔術師》とスケール8の《相生の魔術師》でペンデュラムスケールをセッティング!」
光の柱に現れる新たな魔術師。
《相克の魔術師》は白いローブに青いマント。丸い盾にそれを横断する長い装飾板の付いた物を装備している男性型モンスター。
《相生の魔術師》は薄紅色のローブに赤い帯飾り大きな赤い弓矢を持つ女性型のモンスターだ。
「これでレベル4から7までモンスターが同時に召喚可能!」
ここで新たな【魔術師】ペンデュラムモンスター!?
遊矢のデッキどうなってるの!?
デッキの8割近くがモンスターで占めてるんじゃないのか?
伏せカードとか殆ど無いし。
「揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け、光のアーク!」
揺れるペンデュラムが光の軌跡を描き、ペンデュラムエフェクトを作り出す。
「ペンデュラム召喚! 現れよ!」
呼び出されるは2体のモンスター。
「レベル4《EMウィップ・バイパー》! そして、レベル4《EMアメンボート》!」
《EMウィップ・バイパー》
☆4
ATK/1700
《EMアメンボート》
☆4
ATK/500
「これが、ペンデュラム召喚・・・・・・!」
驚くオベリスク・フォース達だが、これで終りじゃないはずだ。
レベル4が2体!? 来るぞ、遊馬!
ってふざけてる場合じゃない!
「さらにレベル4の《ウィップ・バイパー》と《アメンボート》でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」
2体のモンスターはそれぞれの属性、水色と茶色の光弾となり地面に渦巻くエクシーズエフェクトに飛び込んだ。
「漆黒の闇より、愚鈍なる力に逆らう反逆の牙! 今、降臨せよ! エクシーズ召喚!」
しなる先端が二叉となった尾。翻すは宝玉の埋め込まれた鋭利な翼。
「現れろ、ランク4! 《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!」
顎に長い牙を持つ漆黒の竜、反逆の化身がその姿を現す。
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
★4
ORU:2
ATK/2500
来たぜ《ダベリオン》!
だから内心でテンション上げてる場合じゃないってば!
「ペンデュラムからエクシーズ!?」
「バトルだ! 俺は《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》で《古代の機械猟犬》を攻撃!」
飛翔し突貫する《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》。
「反逆のライトニング・ディスオベイ!」
反逆の牙はオベリスク・レッドの《古代の機械猟犬》を貫き破壊した。
その時発生した爆発の余波でオベリスク・レッドを吹き飛ばした。
Obelisk Force R LP4000→LP2500
「俺は、ターンエンド」
「何者だ、コイツ・・・・・・」
怒りに飲まれている、完全に!
これが闇遊矢・・・・・・。キラー・トマトってか!?
「速く片付けるぞ!」
そうは言うけど、俺のターンなのよね。
「私のターン、ドロー」
っ! 引いたよ! キーカード!
「俺は永続魔法《ヌメロン・ネットワーク》を発動し効果を起動。デッキの【ヌメロン】と名の付くカード1枚を指定し、発動。その後指定したカードは墓地に送られる。指定するカードは《ヌメロン・ウィンドウ》」
「デッキからカードを発動だと!?」
融合次元の方々は初めての効果かなぁ?
螺旋はLDSに捕まってるから情報が伝わって無いはずだし。
デッキから《ヌメロン・ウィンドウ》が排出され、俺はそれを墓地に送る。
「《ヌメロン・ウィンドウ》の効果。デッキから【ヌメロン】と名の付くカード1枚を手札に加える。私が手札に加えるのは《ヌメロン・サーキット》」
こうして手札に加わった《ヌメロン・サーキット》はまだ発動しない。
「私はレベル1の《ヌメロン・リフト》2体と《ヌメロン・ランプ》、3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」
3体のモンスターがエクシーズエフェクトに飛び込み、そしてソレは浮上する。
「天を摩する地獄の門、堅牢なる扉開きしとき、一抹の希望を捨てよ!」
さあ、お出で下さいましってね! 地獄門!
「エクシーズ召喚! 現れよランク1! 《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》!」
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
★1
ORU:3
ATK/1000
「さらに私は永続魔法《ヌメロン・サーキット》を発動し効果を起動。1ターンに1度、自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を指定し、指定したモンスターと同じランクのエクシーズモンスターを特殊召喚する」
「な、素材も無しにエクシーズモンスターを!?」
「それは大いなる礎! 現れよランク1! 《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》!」
《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》
★1
ORU:0
ATK/1000
俺のフィールドに現れた《エーカム》と《チャトゥヴァーリ》。
《エーカム》は《チャトゥヴァーリ》の上にドッキングした。
さあ、バトルと行こうか?
「《チャトゥヴァーリ》で相手プレイヤーにダイレクトアタック!」
狙うはがら空きのオベリスク・レッド。
《チャトゥヴァーリ》の力の脈動を受け《エーカム》が目から赤い光線を発射する。
「ぐああ!」
Obelisk Force R LP2500→LP1500
「この瞬間、《チャトゥヴァーリ》の効果を発動」
「何!? そのモンスターはオーバーレイ・ユニットを持っていないんだぞ!」
と、オベリスク・グリーンからの抗議。
「《ヌメロン・ネットワーク》の効果。【ヌメロン】と名の付くエクシーズモンスターは効果を発動する時、オーバーレイユニット消費せずに効果を発動できる」
「何だ、その効果は!?」
「では、《チャトゥヴァーリ》の効果を処理する。自分フィールド上の【ヌメロン】と名の付くモンスターの攻撃力は倍になる」
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
★1
ORU:3
ATK/1000→2000
《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》
★1
ORU:0
ATK/1000→2000
「なっ……!?」
「《エーカム》の攻撃。相手プレイヤーにダイレクトアタック!」
「や、やめろぉおおおお!?」
強化された《エーカム》の光線がオベリスク・レッドのライフポイントを消し去った。
Obelisk Force R LP1500→LP0
「先ず1人。そして、この瞬間《エーカム》の効果を《ヌメロン・ネットワーク》の効果でノーコストで発動。自分フィールド上の【ヌメロン】と名の付くモンスターの攻撃力は倍にする」
「同じ効果を持っているのか!?」
オベリスク・イエローの驚きを無視して《エーカム》の効果を処理する。
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
★1
ORU:3
ATK/2000→4000
《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》
★1
ORU:0
ATK/2000→4000
「攻撃力4000のモンスターが2体!?」
「私はこれでターンエンド。さあ、貴様らのターンだ」
オベリスク・フォースの戦意が見るからに低下している。
一角も落とした。これで随分余裕が出来るだろう。
「お、俺のターン、ドロー! 俺は、《古代の機械猟犬》の効果で600ポイントのダメージを与える! ハウンド・フレイム!」
Chikage LP2200→1600
「た、ターンエンド」
おいおい、オベリスク・グリーンさんよぉー。
動揺しすぎて守備表示にするの忘れてるぞ?
「俺のターン、ドロー! くそぁ! 《古代の機械猟犬》の効果で600ポイントのダメージを与える! ハウンド・フレイム!」
Chikage LP1600→1000
「ターンエンド……」
あらら、オベリスク・イエローさんも表示形式変更忘れですかぁ?
エリートのオベリスク・フォースが形無しですな。
「フフフ……」
「遊矢?」
遊矢が笑っている? いや、嘲笑ている!
「エンターテイナーはそんな顔はしないぞ、遊矢」
「関係ない。コイツらを倒せるなら!」
くっ! はやくデュエルに決着を着けたいが、俺に出来るのはあれで精一杯だったし、今は遊矢のターンだ。
まずい、このままだと遊矢が何かの一線を超えてしまう!!
「遊矢! しっかりしろ! 遊矢!」
だが、俺の声は空しく響き、遊矢には届かない。
「俺の、ターン!!」
遊矢のターンが始まってしまった。
◇ ◆ ◇
「うおおおおおおッ!!」
遊矢の雄たけびと共に体から噴出す負のオーラ
「ドロォオオオオッ!!」
遊矢の負の力をヒシヒシと感じさせる渾身のドロー。
「うっ……!?」
ソレと同時に千影の精神を何か襲った。
──満ちる。実に満ちる。
千影にはそれに心当たりがあった。
螺旋の時に千影の体を乗っ取ろうと襲って来たナニかだ。
──その体、明け渡せ。
断るっ!!
千影は間髪居れずにそう返した。
そのナニかは確たる意思を持って話かけてきたのだ。
状況は確実に悪化していた。
──フフフ……。無駄な事を。
「くぁ……!!」
少しでも気を緩めれば乗っ取られる。
そう、確信めいたナニかが、千影の中で感じさせていた。
そんな千影の変化に気づくはずも無い遊矢は自分のターンを進める。
「今一度揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け光のアーク!」
揺れる振り子と出現する光の門。それより飛び出す一条の光。
「ペンデュラム召喚! 出でよ我が下僕のモンスターよ!」
光より姿現すは二色の眼を持つ赤き竜。
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》
☆7
ATK/2500
──ペンデュラム召喚、実に面白い。
ああ、そうかい! こっちはアンタが不愉快だよ!
──まだ抗うか。それも良かろう。
千影とその中に住まうナニかとの鬩ぎ合いは続いている。
「対立を見定める《相克の魔術師》よ! その鋭利な力で異質な星を1つにせよ!」
遊矢の号令で板の付いた盾を構える《相克の魔術師》。
その板に埋め込まれた10個の宝玉の内、7つが光りると光球が飛び魔法陣を描く。
「《相克の魔術師》のペンデュラム効果発動! 1ターンに1度、選択したエクシーズモンスターのランクと同じ数値のレベルをそのモンスターに与える!」
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
★4→☆4
ORU:2
ATK/2500
「俺はランク4の《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》をレベル4にする!」
遊矢は動きを止めない。
「和合を見定める《相生の魔術師》よ! その神秘なる力で天高く星を掲げよ!」
今度は《相生の魔術師》が手に持つ弓矢を引いて狙いを定める。
「《相生の魔術師》のペンデュラム効果! 1ターンに1度、選択したモンスター1体のレベルを別のモンスターと同じにする!」
《相生の魔術師》から撃ち放たれた矢が地面に刺さると円形のフィールドを形成し、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を覆う。
「俺は《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》のレベルを《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と同じ7にする!」
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
☆4→☆7
ORU:2
ATK/2500
「これ、で・・・・・遊矢のフィールドに、レベル7の、モンスターが2体!?」
千影はナニカと鬩ぎ合いつつも遊矢のデュエルを見ていた。
今、自分を襲っているこのナニかは遊矢の負の力に引き寄せられていると直感で理解していた。
「やめてくれ・・・・・・遊矢・・・・・・!」
弱々しく呟くしかできない千影。
だが、もう誰も遊矢を止める事はできない。
「俺はレベル7の《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》でオーバーレイ!」
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が黒い光球となり地上に現れたエクシーズエフェクトに飛び込む。
「二色の眼の竜よ!」
先が二又でまるでノコギリの様な尾を揺らし。
「その黒き逆鱗を震わせ」
漆黒の球体からは赤いラインが光りを浮かばせる。
「刃向かう敵を殲滅せよ!」
顎から生えた2本の牙は余りにも鋭利で邪悪。
「エクシーズ召喚! 出でよ、ランク7! 怒りの眼、輝けし竜、《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》」
《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》
★7
ORU:2
ATK/3000
降臨したモンスターは憤怒に溺れ漆黒に染まり禍々しく変質した《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を融合させた様なモンスター。
「何だこの衝撃は!?」
「これはスタンダードのものではないぞ!?」
うろたえるオベリスク・フォース達。
無理も無い。彼らはこれ程までに禍々しく威圧的なモンスターと相対した事など無いのだから。
──そういうエクシーズも出来るのか、この世界は。
意識が、遠のく・・・・・・!!
千影は自分の意識を保つのに精一杯だった。
そんな千影の様子を察する事さえ出来ない遊矢は新しく生み出したモンスターに命令を下す。
「《オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》はレベル7扱いの《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を素材とした事で敵側のレベル7以下のモンスター全てを破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」
《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》が嘶くと黒雲から落雷を起こし、オベリスク・フォース達の《古代の機械猟犬》を2体共消し去った。
Obelisk Force G LP4000→LP3000
Obelisk Force Y LP4000→LP3000
「さらに《オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》はオーバーレイ・ユニットを1つ使い、このターンに破壊したモンスターの数だけ攻撃する事ができる!」
「破壊したモンスターの数だけ!?」
「何だとォ!?」
《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》がオーバーレイ・ユニットを1つ吸収する。
「破壊したモンスターの数は2体、よってこのターン2回攻撃する事ができる。貴様ら残り2人にダイレクトアタックする!」
二色の眼を煌かせた《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》の各部の翼が展開して光の翼を形成する。
その姿はまさに《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》の様。
「やれ! 《オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》!」
遊矢の命は下された。
飛翔する《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》は大地に牙を突き立て猛進する。
「反旗の逆鱗!ストライク・ディスオベイ!!」
突き上げられた牙がオベリスク・フォース達を襲う。
その衝撃は凄まじく、命まで刈り取るのではないかと錯覚する程。
Obelisk Force G LP3000→LP0
Obelisk Force Y LP3000→LP0
──今回は面白いものが見れた。今はそれで良しとしよう。
その言葉を最後に千影を襲う違和感は消えた。
後に残るのは屍のように気絶したオベリスク・フォース達と静かに佇む遊矢。
そして、ナニかから開放され息を乱した千影だけだった。
Yuya&Chikage WIN
To be Next───
●今日の最強カード●
《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》
闇属性 ランク7
ドラゴン族 エクシーズ ペンデュラム
スケール4/4
ペンデュラム効果
①:1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選び自分のペンデュラムゾーンに置く。
モンスター効果
ドラゴン族レベル7モンスター×2
①:レベル7扱いのXモンスターを素材としてこのカードがX召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドのレベル7以下のモンスターを全て破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える。
②:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このターン、このカードはこのターンに破壊した相手モンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
③:このカードがフィールドから離れる場合に発動できる。自分のPゾーンのカードを全て破壊し、このカードを自分のPゾーンに置く。
ATK/3000 DEF/2500
遊矢とユートの魂の結合によって生み出された異質なモンスター、それがこの《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》である。
その異質さはエクシーズモンスターでありながらペンデュラムモンスターである事。
召喚の難しくはないが、このカードの本来の力を発揮するには難しい召喚法方法を取らなくてはならない。
だが、十全なこのモンスターの効果は強力で限定的とはいえ相手モンスターの全破壊に効果ダメージ。さらに複数回攻撃と相手をまさしく“殲滅”するモンスターだ。