《夢幻虚王ヌメロニア》
本来であればこのカードの名前の前にとある記号と数字がつく。
記号はNo.。
数字は1000。
よって正式名称は・・・・・・。
《No.1000 夢幻虚王ヌメロニア》
ナンバーズと呼ばれる、特殊なカード群の中でも異質にして異端。
とある世界を生み出した神が反抗する者達を葬り去るべく己の力の写し身として作り出したカード。
しかし、決戦においては呼び出される事無く、このカードの上位存在が戦いの場に出る事となった。
「存在するはずの無いカード、何だよなぁ」
そう俺は呟いた。
【ヌメロン】と名のつくモンスターも《ヌメロン・ウォール》のみしか登場していない。
あの時の初期手札に他のモンスターが存在しなかった、という訳か。
その後のデュエルも《ヌメロン・ネットワーク》をフル活用して進めていったから出番すらなかった。
エクストラを見るとランク10のモンスターも存在するし。
「そんな事より第2試合か、確か相手は・・・・・・」
デュエルディスクを操作して対戦相手を再確認する。
「・・・・・・またLDSなんだよな。しかも───」
モニターに表示されていた名前は志島 北斗。
「本編登場キャラとかよ・・・・・・」
俺はただただ、自分のくじ運の無さに落胆するのであった。
◇ ◆ ◇
舞網チャンピオンシップ2日目。
LDS所属の沢渡 シンゴVS遊勝塾の榊 遊矢のデュエルは観客を魅了した。
遊矢しか出来ないとされたペンデュラム召喚。
それをシンゴも行使しただけではなく遊矢のペンデュラム召喚を封じる戦方により窮地に追い込む。
しかし、逆境に負けずエンタメデュエルを貫いて見せた遊矢がペンデュラム対決の勝利を掴んだ。
その熱が冷め切らない内に次の試合が始まる。
『先程のデュエルは我々を熱くせてくれましたねー! 次の試合も期待大です! 何故なら、次の対戦カードは昨日ランク11という凄まじいモンスターを召喚した土野 千影選手とLDS所属のエリートエクシーズ使い、志島 北斗選手なのですから!』
湧き上がる会場の中、2人は相対する。
「やあ、始めまして。LDS、エクシーズクラス所属の志島 北斗だ」
「始めまして、土野 千影だ。よろしく」
「ああ、こちらこそ。そしてお互いエクシーズ使いだ、良い勝負が出来そうだ。しかし、最強がLDSのエクシーズだと証明してあげよう!」
「そうか」
同じエクシーズ使い同士のためか比較的友好的の北斗。
挑発する北斗だが、さらりと千影に流される。
『それでは、アクションフィールド、オン!』
スフィアに投影されるカードが回転し、今回のデュエルのステージを決定する。
「フィールド魔法《地底神殿 ブラック・モア》発動!」
ソリッド・ビジョン起動。
舞台が岩壁に覆われていく。
仄暗いその空間の中央に禍々しい雰囲気をかもし出す神殿が現れた。
「くそッ・・・・・・、今回はアクションカードを使うのはやめるか」
北斗は思わず呟く。
まあ、当然といえるだろう。今回の舞台は彼のデッキと相性が悪い。
『御二方、参りましょうか?』
今回のコールは千影から始まった。
「戦いの伝道に集いしデュエリストが」
「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る」
「見よ、これぞデュエルの最強進化系!」
『アクショーン!』
「「デュエル!」」
Chikage LP4000
VS
Hokuto LP4000
「先手必勝! 先攻は僕からだ!」
チッ・・・・・・、先攻は向こうかよ・・・・・。
北斗の先攻に悪態をつく千影。相手のデッキを知っているからこそ、できれば自分が先攻であって欲しかったと思っていた。
「僕は《セイクリッド・ポルクス》を通常召喚!」
北斗のフィールドに現れる金の縁取りのされた白い鎧に身を包んだ双子座の戦士。
《セイクリッド・ポルクス》
☆4
ATK/1700
「《ポルクス》の召喚に成功したターン、もう1度【セイクリッド】モンスターを召喚できる! 僕は《セイクリッド・グレディ》を召喚し、その効果を発動!」
《セイクリッド・グレディ》
☆4
ATK/1600
《セイクリッド・ポルクス》と同じく【セイクリッド】モンスター特有のデザインの鎧を身に纏った山羊座を司る女性型の魔法使い族モンスターが現れ、その手に持つ杖を振る。
「手札からレベル4の【セイクリッド】モンスターを特殊召喚する! 《セイクリッド・カウスト》を特殊召喚!」
《グレディ》が放つ光の粉が円となり、そこからモンスターが飛び出した。
今度はケンタウロスの姿をした弓の担い手、セイクリッドの射手座の加護を受けた獣戦士だ。
《セイクリッド・カウスト》
☆4
ATK/1800
流れるような手際でモンスターを展開していく北斗。
「ここで、《カウスト》のモンスター効果発動! 自分フィールド上の【セイクリッド】モンスターのレベルを1つ変化させる!この効果で《ポルクス》と《グレディ》のレベルを1つ上げる!」
《セイクリッド・グレディ》
☆4→☆5
《セイクリッド・ポルクス》
☆4→☆5
「ここで永続魔法《セイクリッドの聖痕》を発動! 見せてあげるよ、LDSのエクシーズを! レベル5となった《セイクリッド・グレディ》と《セイクリッド・ポルクス》でオーバー・レイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」
地上に渦巻く宇宙に黄系色の光の球になった《セイクリッド・グレディ》と《セイクリッド・ポルクス》飛び込み、その姿を変える。
「星々の光よ、今大地を震わせ降臨せよ! エクシーズ召喚!」
牡牛座の加護をその身に宿した大いなる戦士が降臨する。
「ランク5! 《セイクリッド・プレアデス》!」
《セイクリッド・プレアデス》
★5
ORU:2
ATK/2500
はいはい、プレアデスプレアデス。
と、千影はランク5エクシーズモンスターの切り込み隊長を眺めた。
ランク5のエクシーズをするならとりあえず《プレアデス》出せば良いや的なノリでなんとか成る程に汎用性の高いモンスターだ。
「この瞬間《セイクリッドの聖痕》の効果発動! 【セイクリッド】エクシーズモンスターが特殊召喚された時、1ターンに1度、デッキからカードを1枚ドローできる!」
ここまでで4枚の手札消費を1枚分補充した。これで北斗の手札は2枚。
「いいカードを引いたよ。速攻魔法《フォトン・リード》発動! 手札からレベル4以下の光属性モンスター1体を手札から自分フィールド上に攻撃表示で特殊召喚できる! 《セイクリッド・アクベス》を特殊召喚!」
現れたモンスターは蟹座の力を宿した堅牢なるセイクリッドの機械戦士。
《セイクリッド・アクベス》
☆4
ATK/800
「そして《アクベス》のモンスター効果発動! このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールド上の【セイクリッド】モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる!」
《セイクリッド・カウスト》
ATK/1800→ATK/2300
《セイクリッド・アクベス》
ATK/800→ATK/1300
《セイクリッド・プレアデス》
ATK/2500→ATK/3000
「まだ終りじゃないぞ? 僕はレベル4の《ポルクス》と《アクベス》でオーバーレイ!」
先攻1ターン目だというのに2回目のエクシーズ召喚。
「星々の光よ、今大海を震わせ降臨せよ! エクシーズ召喚!」
エクシーズエフェクトより顕現するは蟹座を司る上級戦士。
「ランク4! 《セイクリッド・ビーハイブ》!」
《セイクリッド・ビーハイブ》
★4
ORU:2
ATK/2400
『なんというデュエルタクティクス! 北斗選手、1ターンで連続エクシーズを成功させましたー!』
「僕のセイクリッド達を倒せるものなら倒してみるがいい。これでターンエンドだ!」
北斗のフィールドには《プレアデス》と《ビーハイブ》の2体のエクシーズモンスター。
そこから放たれる威圧感は並みのデュエリストならサレンダーを選択する者もいるだろう。
「私のターン、ドロー」
ああ、超《ブラック・ホール》撃ちてー。
冷静にドローする外側とうって変わってと千影の脳内は平和であった。
「私は永続魔法《ヌメロン・ネットワーク》を発動」
「来たか、ヤツのキーカード!」
《ヌメロン・ネットワーク》に警戒を強める北斗。
「手札から《ヌメロン・ウィンドウ》を捨てて効果発動。デッキから【ヌメロン】と名のつくカードを1枚手札に加える。《ヌメロン・ピラー》を手札に加える」
「《ヌメロン・ピラー》・・・・・・!」
「さらに魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《ヌメロン・フロア》を捨てて、デッキから《ヌメロン・リフト》を特殊召喚。」
《ヌメロン・リフト》
☆1
DEF/0
「《ヌメロン・リフト》が召喚・特殊召喚に成功した時、効果が発動できる。墓地の【ヌメロン】と名のつくモンスター1体を自分の墓地から特殊召喚する。蘇れ、《ヌメロン・ウィンドウ》」
《ヌメロン・ウィンドウ》
☆1
DEF/0
「墓地の《ヌメロン・フロア》の効果発動。自分フィールド上に【ヌメロン】と名のつくモンスターが存在する場合、このカードを自分フィールド上に特殊召喚できる」
《ヌメロン・フロア》
☆1
DEF/0
「そして、《ヌメロン・ピラー》を手札から自分フィールド上に特殊召喚する」
《ヌメロン・ピラー》
☆10
DEF/0
「何!?」
『レベル10のモンスターがいきなりフィールドに特殊召喚されたぞー!?』
「《ヌメロン・ピラー》の効果。自分フィールド上に【ヌメロン】と名のつくモンスターが存在する場合、1ターンに1度、手札のこのカードを自分フィールド上に特殊召喚できる」
超便利だよね、この効果。まあ、でも。相手が動くならここだよね。
「やらせはしない! 《セイクリッド・プレアデス》の効果発動! 1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ使い、フィールド上のカードを持ち主の手札に戻す! 《ヌメロン・ピラー》を手札に戻して貰おうか!」
《セイクリッド・プレアデス》
ORU:2→1
《プレアデス》から飛来するオーバーレイ・ユニットが弾け、《ヌメロン・ピラー》が光りだす。
千影は言われた通り、《ヌメロン・ピラー》を手札に戻した。
「フフン。これであのエクシーズモンスターは出せないだろ!」
『キーモンスターである《ヌメロン・ピラー》を封じられてしまった千影選手! これではあのエクシーズモンスターは出せない! 万事休すかー!?』
いや、《ヌメロン・ネットワーク》使えば出せるんですけど・・・・・・。
と内心、呆れる千影。
北斗のプレイングは本編を見ても《プレアデス》の効果発動タイミングのミスで敗北してると思う。確かに【セイクリッド】を使いこなしているが今一詰めが甘い。
まあ、今回は何を手札に戻してもどうしようも無い。
他の【ヌメロン】モンスターを戻しても通常召喚されてしまうから意味が無い。
その時、千影にアイディアが浮かぶ。
前のデュエルでは本編で登場さえ出来なかった《夢幻虚王ヌメロニア》を使ったが、今回は別のを使おう。
丁度、フィールドはレベル1が3体。手札も上々。
ならば・・・・・・・。
「私はレベル1の《ヌメロン・ウィンドウ》《ヌメロン・フロア》《ヌメロン・リフト》の3体でオーバーレイ。3体のモンスターでオーバレイ・ネットワークを構築」
「何だと!? ランク1のエクシーズモンスター!?」
3体のモンスターが地上に渦巻く宇宙に光となって飛び込むと、波動を発しながら始まりとなって姿を現す。
「天を摩する地獄の門」
赤き眼が星の戦士達を見据える。
「堅牢なる扉開きし時」
その姿は世界を隔離する絶対の門。
「一抹の希望を捨てよ!」
原初より来たりて1の名を冠するモノ。
「現れよ、ランク1! 《ゲート・オブ・ヌメロン・エーカム》!」
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
★1
ORU:3
ATK/1000
「ランク1の【ヌメロン】モンスター!? でも、攻撃力はたったの1000に何が出来る!?」
強がっているものの声が震えている北斗。
本能的に目の前に存在するモンスターに恐怖しているからだ。
「さらに手札から速攻魔法《エクシーズ フレクタクル》発動」
「《エクシーズ フレクタクル》!? そんなカードを使うのか!?」
「《エクシーズ フレクタクル》は自分フィールド上でエクシーズ召喚に成功した時に発動できる速攻魔法。その効果はそのエクシーズ召喚されたモンスターと同じランク・属性・種族のエクシーズモンスターをエクストラデッキからエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する」
「あのモンスターのランクは1、もう1体のランク1モンスターが・・・・・・」
「私はこの効果でエクストラデッキから《ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》
を特殊召喚」
《ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》
★1
ORU:0
ATK/1000
新たに現れたのは《エーカム》と同じ風なデザインの巨大な横長の飾像。
2を冠するモノ《ドゥヴェー》は《エーカム》の左に構えた。
「さらに、永続魔法《ヌメロン・サーキット》を発動し効果を起動。このカードは自分フィールド上に《ヌメロン・ネットワーク》が存在しない場合、効果を発動できない。効果は1ターンに1度、自分フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体を指定し、指定したモンスターと同じランクのエクシーズモンスターを召喚条件を無視してエクストラデッキから特殊召喚する」
「なっ・・・・・・!?」
「私はエクストラデッキから《ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》を特殊召喚」
召喚条件を無視して現れたモンスターは《ドゥヴェー》を反転させた様なの巨大な横長の飾像。
3を冠するモノ《トゥリーニ》は《エーカム》の右に構えた。
《ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》
★1
ORU:0
ATK/1000
「さらに《ヌメロン・ネットワーク》の効果発動。デッキから【ヌメロン】と名のつくカードを指定し、指定したカードを発動する。指定するのは《ヌメロン・サーキット》。この効果により、エクストラデッキから《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》を特殊召喚。選択したカードは墓地へ送られる」
最後に現れたモンスターは尖った柱を左右に持つ巨大な浮遊土台。
4を冠するモノである。
《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》
★1
ORU:0
ATK/1000
『なんという事でしょう・・・・・・! 1ターンでエクシーズモンスターが4体も千影選手のフィールドに現れたではあーりませんかー!?』
千影のフィールドに存在する4体のモンスターが移動を始めた。
《エーカム》の左に《ドゥヴェー》が、右に《トゥリーニ》が取り付く。
そして、その3体を《チャトゥヴァーリ》が支え、1体の巨大浮遊地獄門型のモンスターとなった。
その姿からは禍々しさと同時にインドの芸術品の様な美しさを感じられた。
「合体した!?」
『千影選手の呼び出した4体のモンスターが合体! 巨大な門型のモンスターへ変貌したぞー!?』
「これが《ゲート・オブ・ヌメロン》。地球に最初に降り立ったモンスターであり、地上を監視し続けた地球の番人だ」
「《ゲート・オブ・ヌメロン》・・・・・・。 地球の番人、だと?」
千影の言葉に北斗はただただ唖然とするばかり。
正体不明のモンスター《ゲート・オブ・ヌメロン》。
「バトルフェイズに入る」
「どういうつもりだ!?」
「問題ない。《チャトゥヴァーリ》で《セイクリッド・ビーハイブ》に攻撃。ブレイク・レイ」
《チャトゥヴァーリ》が脈動すると《エーカム》がそれに応え、眼から光線を発射した。
対する北斗の手札は無く、伏せカードも無い。安心して攻撃できる。
「攻撃力の低いモンスターで攻撃? バカが! 《セイクリッド・ビーハイブ》の効果発動! 1ターン1度、このカードのオーバーレイ・ユニットを消費して、ターン終了時まで【セイクリッド】モンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップ! 《セイクリッド・ビーハイブ》の効果は相手のターンでも使えるんだよ!」
《セイクリッド・ビーハイブ》
ATK/2400→ATK/3400
「返り討ちだ! やれ! 《セイクリッド・ビーハイブ》!」
《ビーハイブ》は光線を弾き、その爪で《チャトゥヴァーリ》を攻撃した。
『相手よりも攻撃の低いモンスターで攻撃とは千影選手どういう事なのでしょうか!? 大ダメージ負ってしまうというのに何が狙いなんでしょう? 私、気になります!!』
Chikage LP4000→LP1600
2400ポイントの大ダメージを自ら受けに行った千影のプレイングに観客は皆、疑問に感じた。
「っ!? 《チャトゥヴァーリ》が破壊されない!?」
「そう、《チャトゥヴァーリ》は戦闘では破壊されない。そしてこの時、《チャトゥヴァーリ》のモンスター効果発動。このカードが攻撃した後にオーバーレイ・ユニットを1つ消費して発動できる。自分フィールド上の【ヌメロン】名のつくモンスターの攻撃力は倍になる」
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
ATK/1000→ATK/2000
《ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》
ATK/1000→ATK/2000
《ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》
ATK/1000→ATK/2000
《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》
ATK/1000→ATK/2000
「なぜ効果が発動した!? 《チャトゥヴァーリ》はオーバーレイ・ユニットを持っていないんだぞ!?」
「《ヌメロン・ネットワーク》の効果。【ヌメロン】と名のつくエクシーズモンスターはオーバーレイ・ユニットを消費しなくても効果を発動できる」
「何だその効果は!?」
『驚愕! まさに驚愕です! 脅威の《ヌメロン・ネットワーク》! この効果により、千影選手のモンスターは無限に効果を使用できてしまいます!』
エクシーズモンスターの効果が強力なのはオーバーレイ・ユニットという回数制限があるからだ。
それを無視する《ヌメロン・ネットワーク》の効果の凶悪さは異常すぎる。
《ヌメロン・ネットワーク》
第1の効果、自分フィールド上にカードが無い場合、相手ターンのドローフェイズに発動できる。
第2の効果、相手のターンであろうとも1ターンに1度、デッキから【ヌメロン】と名のつくカードを発動できる。
第3の効果、【ヌメロン】と名のつくエクシーズモンスターはオーバーレイ・ユニットを消費せずに効果を発動できる。
このカードは常人に持てるシロモノでは無い。
「バトル続行。《トゥリーニ》で《ビーハイブ》を攻撃。ブレイク・レイ」
《トゥリーニ》が脈動し《エーカム》がそれに応え眼から光線を放つ。
しかし、《ビーハイブ》はこれを弾き、《トゥリーニ》に反撃する。
Chikage LP1600→LP200
「《トゥリーニ》もまた戦闘では破壊されない。そして《トゥリーニ》の効果発動。フィールド上の【ヌメロン】と名のつくモンスターの攻撃力は倍になる」
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
ATK/2000→ATK/4000
《ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》
ATK/2000→ATK/4000
《ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》
ATK/2000→ATK/4000
《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》
ATK/2000→ATK/4000
「はあ!?」
「《ゲート・オブ・ヌメロン》4体は全て同じ効果を持っている。《ドゥヴェー》で《ビーハイブ》を攻撃、ブレイク・レイ」
今までと同じように、今度は《ドゥヴェー》が脈動し、《エーカム》がそれに応え光線を放つ。
しかし、今までと違いそこから感じる力が格段に強い。
さすがに《ビーハイブ》も耐え切れず、赤い光に飲まれて消えた。
「くっそ・・・・・・!」
Hokuto LP4000→LP3400
「《ドゥヴェー》の効果発動」
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
ATK/4000→ATK/8000
《ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》
ATK/4000→ATK/8000
《ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》
ATK/4000→ATK/8000
《ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》
ATK/4000→ATK/8000
「こ、攻撃力8000!?」
「さあ、最後だ。《エーカム》で《セイクリッド・プレアデス》に攻撃」
4、3、2、1と。これは敗北へのカウントダウン。
《エーカム》の眼が光る。しかし、今までのように光線を放つ気配は無い。
その代わりに、《エーカム》の胴体である巨大な門がその封を開く。
開かれた門の中は“異質”“異形”“異色”。無秩序な黒い斑な空間だった。
その空間から、ソレは現れた。
赤紫に光る体、それに輪郭を与える赤黒い外骨格。
そしてその貌。深淵の様な瞳は魂を凍らせる錯覚を感じさせ、万物を噛み砕くと思われる程のアギトを持つ。
正しくソレは“怪物”だった。
「何だあれは!? 何だあれはぁっ!!」
北斗の慟哭。
《ゲート・オブ・ヌメロン》の正体が姿を現すと、その余りの恐ろしさから会場から悲鳴が上がる。
『これが、これがあのモンスターの正体という事なのでしょうか!? 私、恐怖の余りお恥ずかしながら、少し粗相をしてしまいました・・・・・・』
「LDSのエクシーズが最強なんだ! それなのに、それなのに・・・・・・!」
「・・・・・・フィアー・オブ・ヌメロン」
「僕は! 僕は!」
───閃光。
「あああああああッ!!」
怪物の放った光線が《プレアデス》ごと、北斗を飲み込んだ。
Hokuto LP3400→LP0
Chikage WIN
静まり返る会場。
ブザーが鳴り、ソリット・ビジョンが解除され、我を取り戻していく人々。
『決まったー!! エクシーズ合戦を勝利したのは土野 千影選手!! 強力無比な【ヌメロン】コンボが炸裂し、今大会最大攻撃力8000ポイントを叩き出しましたーー!!』
我に返った係員達が気絶した北斗に近寄り、担架に乗せ医務室へ運んでいく。
『皆さん、お気づきでしょうか? 今のデュエルはたったの2ターンの出来事でしたのです!! 千影選手、後攻ワンターンキル達成!! 中学生とは思えない卓越したデュエルタクティクスを披露してくれました!!』
実況のニコの言う通りターン数は2ターン。
会場のほぼ全員が目まぐるしくフィールドが入れ替わり立ち替わりで変化したためすっかり忘れていた。
そして何よりも、後攻ワンターンキルの成立。
しかもLDSの生徒相手に。
これに気づいた観客達は歓声をあげ会場が湧き上がる。
とある格言にこうある。“死ななきゃ安い”!
シナヤスシナヤス。ワンチャンアレバカテルー。
と千影の頭の中でバカな事を考えていたりする。
そんな会場の展望塔で眼を光らせる人物が1人。
「土野 千影。彼は我等が世界のための槍となりえる人物の様だな。しかし・・・・・・・」
彼は眼鏡を直しながら思考する。
土野 千影。
予選では《守護天使ジャンヌ》をエースに据えた天使族デッキで勝率8割で予選突破。
マークしていなかった訳ではなかったが、LDSの教員や生徒を襲撃し悉く打ち倒してきた謎のエクシーズ使いの黒咲 隼や卓越した融合使いである柴雲院 素良。なによりも“ペンデュラム召喚”を編み出した榊 遊矢と比べると霞んでいた。
「彼とは1度、話をしなければならない様だ」
彼の名は赤馬 零児。
若干16歳にしてLDSの社長を務めるプロデュエリスト。
この物語を紡ぐ人物達の中でも巨大な存在が動き出した。
To be Next───
●今日の最強カード●
《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》
ランク1 光属性
機械族 エクシーズ 効果
レベル1モンスター×3
このカードは戦闘では破壊されない。
このカードが戦闘を行った後に、このカードのX素材1つを取り除いて発動する事ができる。
自分フィールド上に存在する「ヌメロン」と名のつくモンスターの攻撃力は倍になる。
ATK/1000 DEF/100
本来は同じ《ゲート・オブ・ヌメロン》である《ドゥヴェー》《トゥリーニ》《チャトゥヴァーリ》の4体で1セットの大型モンスター。
その効果は《エーカム》と共通だ。
攻撃する度に攻撃力が倍になっていく強力なモンスターだ。