梁山泊の同門者 黒崎相介   作:rOOd

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古代の思想家が書き残した一節によると・・・
“過ちを正さないのが本当の過ち”
すなわち、“罪”の真理は自分自身である。
ゆえに背けてはいけないのが“罪”なのだ。
”罪”を認めることこそ・・・“罪”を償う時だ。
そう、罪とは法でも他者でもない自分の心
で裁くことを忘れるな。
罪を背負うのが生きている証なのだ。


BATTLE 06 達人への昇華

        【陽春 夜明け前】

 

      [都内 人気が無い歩道]

 

〜ロキサイド〜

 

 俺は波乱の会合が終わり、帰り道で珍しくため

息を吐いた。

 なんせ、今日の会合中にフェンリルからとんで

もない情報を聞かされたからだ・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・『ルシフェル』」

 

 そう、これから来る最悪の未来に対応をしなけ

ればいけないと思うと・・・・・・あたま〜痛て〜! 

 

「クソ!!あの人狼野郎が〜!!!」

 

 イライラした俺はつい叫んでしまったが、少し

溜飲が下がった。

 俺は自分が持つ『ルシフェル』の情報を頭の中

で整理することにした。

 そうしないと、あいつの言う通りになっちまう

 

「ラグナレクが壊滅するか。だが、『拳聖』を

 追い詰めた謎の武術家だ。可能性が高い・・・」

 

 『ルシフェル』について詳しくは知らねぇ。

 風の噂だと拳聖が1、2年ぐらい前に同じ流派

の使い手との親善試合での話だ。

 確か、拳聖が試合相手を殺して勝ちを収めた。

 その後、相手の親族が拳聖へ牙を剥き、敵討ち

をするために戦った。

 その交戦中に乱入して敵討ちを止めたヤツが・・・

・・・・・・『ルシフェル』だと。

 

「なぜ、そんなことしたのか。だいたい、敵討ち

 を止めるなんざ、無粋だろ・・・・・・」

 

 さらにわからないのはヤツが拳聖に戦いを仕掛

けたことだ。

 

「ここからが伝説なんだよな〜」

 

 勝敗はつかなかったとか痛み分けで終わっただ

のと曖昧だが、拳聖と互角に渡り合い、最後には

追い詰めたとか。

 

「それ以外は何も知らねぇ・・・・・・しかし、それ以

 上気になるのは今日のオーディンの態度だ」

 

 あの冷静沈着のオーディンがあんなに動揺した

ところを初めて見た。

 白浜兼一を知り、黒崎相介に心当たりがあるこ

とは丸わかりだった。

 しかし、それと同時に俺はあることに気づいた

 白浜と黒崎がオーディンの知り合いならば・・・

黒崎が拳聖と戦った年齢は13か、14歳だ!

 つまり、拳聖は中学生に追い詰められたという 

ことだ。

 黒崎相介はマスタークラス!?

 

「・・・・・・笑えねえ冗談だ」

 

 だが、フェンリルの情報が正しいならば、ルシ

フェルは俺たち・・・ラグナレクと敵対をするのか?

 けっ、南條ってヤツはとんでもねぇ厄介事を持

ち込んでくれたな〜。

 近いうちに拳豪入りすると聞いていたが、今回

の一件で取り消し・・・・・・とはならないよな。

 どちらかと言えば完全に無関係で巻き込まれた

だけもんだよな〜、南條は。

 

「・・・・・・なんか不憫なヤツ」

 

 ドライな俺はガラにもなく他人の心配をしなが

ら、アジトへ着くために早足で歩いた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〜フレイヤサイド〜

 

 帰路につく私は思いも寄らないところで可愛が

っていた活気と負けん気が強い妹分の名を聞いた

からいつもクールで通してきた私の心が揺れた。

 

「・・・・・・キサラ」

 

 あいつは自分の“武”を極める為、私のもとを離

れ、自分自身のチームを作り、がむしゃらにがん

ばっていると風の噂を耳に入れていたので正直嬉

しかった。

 しかし、今日の会合でフェンリルに聞かされた

情報で複雑な気分に変わった。

 

「・・・キサラのせいではないが、ルシフェルが敵

 対するのか。拳聖を追い詰めた男・・・・・・」

 

 その噂は一時期ラグナレクの中枢でも話題にな

ったことがある。

 拳聖の直弟子であるオーディンすら素性を知ら

ないと言っていたが・・・・・・フェンリルの言葉で

ヤツの顔は今まで見たことがない動揺した表情に

変わり、明らかに問題の人物たちを知っているだ

とわかった。

 

「昔馴染みと言っていたな・・・・・・」

 

 オーディンの過去は誰も知らないが、ヤツの他

の者よりも一線を越えてる“武”への信念は白浜と

黒崎が絡んでいると私の直感が捉えた。

 たぶん、ヤツらがオーディンの強さの原点だ。

 

「そう、オーディンは強い。それだけは確かだ」

 

 オーディンの恐ろしさは生まれ持った“才”でも

鍛え抜かれた“肉体”でもない・・・“勝利”への異常

な渇望と執念だ。

 

「それがオーディンと私を含めた拳豪たちとの絶

 対的な差だ」

 

 その目的のためならば、オーディンは誰よりも

冷徹で残酷な所業を成し遂げる。

 

「そこに惹かれて人が集まる・・・それがオーディ

 ンの強さ・・・いや“武”だ」

 

 しかし、フェンリルの話から予測するにオーデ

ィンは『ルシフェル』に敵わない。

 噂だとヤツは拳聖と互角に渡り合った・・・。

 つまり、『ルシフェル』は達人の域に到達してい

るはずだ。

 それに対して、オーディンは弟子の上位だ。

 

「あり得ない。オーディンと同じ年齢でマスター

 クラスとは・・・・・・」

 

 もしも、そうならば、『ルシフェル』は生か死か

の戦場を生き抜いてきたということだ。

 それほどの凄まじい戦闘経験がなければ、10

代でマスタークラスに到達できない。

 

「考えれば考えるほど謎が深まるな・・・・・・」

 

 これは私やロキでもどうにもならない。

 バーサーカーもオーディンも同じだ。

 もはや、どう転ぶか運次第だな。

 

「・・・ふ、少しだけ楽しみができたな」

 

 私は高揚しながら、家路を急いでいた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〜オーディンサイド〜

 

「兼一・・・・・・相介・・・・・・」

 

 僕は心ここにあらずで暗い道を歩いていた。

 今日の会合でフェンリルからあの2人の名を聞

かさせた時、流石の僕も言葉を失った。

 

「兼一がラグナレクの壊滅の原因・・・・・・拳聖様を

 追い詰めた『ルシフェル』が相介・・・・・・」

 

 会合中はあまりにもフェンリルの情報が突拍子

もなさ過ぎて理解が追いつかなかった。

 会合が終わり、誰とも会話せずにすぐさま会場

を出た。

 

「僕らしくもないな。けど、一人になりたかった⋯

 考えをまとめたかった」

 

 特に、『ルシフェル』は最大の問題だ。

 僕の師 拳聖様が勝てなかった武術家。

 僕も噂は聞いたが、拳聖様にその一件を尋ねて

も答えてもらえなかったからな。

 フェンリルの情報通りならば、相介は僕よりも

強くなっている。

 そう、相介はマスタークラスに到達している。

 

「可能なのか?僕でも弟子の上位だぞ」

 

 もしも、達人の域に到達するならば、地獄の修

行だけではたどり着けない。

 そう、達人へと昇華する方法はただ一つ・・・・・・

生か死かの戦場を経験した。

 それしか考えられないが・・・・・・なぜなんだ?

 

「相介、君はそこまでして強くなった!?」

 

 考えれば考えるほどわからない。モヤモヤする

 たぶん、今日の会合に参加したラグナレクの幹

部たちも同じように疑問と謎でモヤモヤしている

だろうな。

 このモヤモヤを吹き飛ばすにはただ一つだ。

 

「・・・・・・修行だ。拳聖様に頼んで数段上の修行を

 課してもらおう」

 

 僕は拳聖様が住む樹海へと足を向け、走り出し

ていた。そう、全てはあの約束を果たすために!

 

「相介、そして兼一。首を洗って待ってろ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

       【陽春 夕暮れ】

 

      [岬越寺接骨院 診察室]

 

〜美羽サイド〜

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・負けましたわ」

 

 今日の試合はわたくしの負け、しかも非の打ち

どころがない敗北ですわ。

 最後は何をさせたか理解できずに気絶して気づ

いたら、岬越寺さんの接骨院の診察室でベッドに

寝かせられていました・・・・・・。

 上半身を起こした際、黒崎さんのカウンターに

より受けた背中が痛みますが、それ以外はほぼ無

傷ですわ。

 黒崎さんは相当手加減したと実感ました。

 

「・・・・・・・・・・・・岬越寺さんの言う通りでしたわ」

 

 兼一さんの親戚 黒崎相介さんは“達人”。

 先日の緊急会議の題名でしたが、お爺さまも逆

鬼さんたちも盗み聞きをしていたわたくしも最初

誰もが信じませんでした。

 

「弱冠以下のマスタークラスなどありえない・・・

 普通はそう思いますわ」

 

 けれど、わたくしと黒崎さんとの試合で岬越寺

さんの予測が証明されました。

 

「今さらながら、お爺さまの言葉が理解しました

 わ・・・“天才”と“達人”との差を」

 

 幼い時から大人をも凌駕する強さを持ったわた

くしでも“達人”との戦闘を避けるようにお爺さま

からキツく言われましたが、今日ほどその言葉を 

身に沁みたことはないでしょう。

 

「黒崎さんの強さは確かにマスタークラス・・・。

 しかも、梁山泊の皆さんと同じレベルであるの

 は間違いないでしょう」

 

 今日の試合、黒崎さんは力を抑えて・・・いいえ

違いますわ、あれは封印していると言えば・・・

しっくりと当てはまりますわね。

 まさに己を制した者だからこそできる芸当・・・

・・・達人の域ですわ。

 

「・・・・・・あの方は何者ですの?」

 

 わたくしも普通の人とは異なる生き方を歩んで

きましたから、黒崎さんがどんな人生だったかを

想像できます。

 

「戦いの中で生きてきた・・・そうでなければ達人

 には絶対なれません・・・・・・・・・」

 

 そう生か死か、四面楚歌の戦場で多種多様の敵

を迎え撃ちながら、そばにいる味方すら心を許さ

ず、戦いの中で研ぎ澄ました精神と休息の合間に

鍛え抜いた強さで生き抜いてきた・・・。

 

「それこそが達人になる最短な道」

 

 “武”を嗜んだ者ならば考えるが、それを実行す

るとなれば・・・・・・容易に決断できるものではない

でしょう。

 

「なぜ、あの方はそのような生き方を?」

 

 兼一さんは昔、黒崎さんと龍斗さんという人と

再会したら、真剣勝負をする約束したと以前に話

していました。

 その約束のために強くなったのならば・・・・・・

矛盾がありますわ。 

 考えれば考えるほど謎が深まりますけど、悩ん

でも仕方ないですわ。

 これから、梁山泊で兼一さんと一緒に修行する

と言ってました。

 そのうちに黒崎さんが達人になった経緯を話し

てくれるでしょう。

 

「ともかく、わたくしも負けっぱなしではありま

 せん」

 

 わたくしも必ず黒崎さんと同じ達人へたどり着

きます。

 その時は今日の借りを返しますわ。

 

「さて、夕飯の支度をしなければ」

 

 わたくしはそう言ってベッドから飛び起き、母

屋の台所に歩き出しました。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

        【陽春 深夜】

 

        [都心 廃屋敷]

 

〜相介サイド〜

 

「よし、ここだな。今回の依頼物件は」

 

 オレは香坂さんの尾行を撒いて今日の仕事場に

到着した。

 今回の依頼は幽霊による失踪事件が絶えないと

いう噂がある高級住宅街の心霊スポットの調査と

悪霊の除霊だ。

 まず、この古びた豪邸を見て一言。

 

「しかし・・・よくまぁ、都心の一等地に贅沢だけ

 が取り柄の豪邸を建てたもんだ〜〜」

 

 一体どれだけ悪行を重ねてきたんだよと思いつ

つ、送られてきた資料を再度確認した。

 豪邸の主人は破産をした成り上がり系の資産家

らしく、バブル全盛期に不動産業で大儲けをした

が、商売のやり口は相当強引かつ、あくどかった

と書面に書かれていた。

 地上げ屋だのヤクザだのを使い、地価が上がる

土地を安値で買いたたき、合法ギリギリの高値で

売りさばいたそうだ。

 その結果、数十億の資産を築き、調子に乗って

都心の高級住宅街で東京ドームの半分の敷地に三

階ビルと同じ大きさの豪邸を建てたのだが・・・。

 

「なんつーか、バブルの信仰者だ。けど、その末

 路が因果応報だ。まさに悪は滅びるだな」

 

 バブルがはじけた途端、不動産業では稼げなく

なった資産家は他の商売に切り替えても業績は赤

字が続き、負債が雪だるま式に増えていき、気づ

けば百億以上の借金を背負い、破産した。

 その後にその資産家は絶望して自殺したと。

 故人を悪く言いたくないが、相当恨みを買って

いたんだろうな〜。

 自分で生み出した悪霊どもに取り殺されたんじ

ゃねぇのか?

 これ、資産家が悪霊になって住み着いているだ

けじゃねぇよ。

 オレの鈍い霊感でもわかるぞ。少なく見積もっ

ても二百人以上の悪霊がいるぞ。

 

「つーかよ、霊に住み着かれる前に取り壊せよ⋯

 だから、面倒事が起きるんだ!」

 

 その資産家は親族がいない天涯孤独の身で行政

もこの豪邸には長年手を出せずに放置させていた

 しかし、心霊スポット巡りがブームだった頃に

この廃墟の豪邸へ不法侵入した怖いもの知らずの

アホたちが次々と謎の失踪する事件が勃発した。

 わかっている行方不明者は五十人以上らしいが

本当はもっといるのではないかと風の噂で聞くぐ

らいヤバい心霊スポットになってしまった。

 

「お偉いさんたちも重い腰を上げて取り組んだ時

 にはもう手遅れだったらしいからな」

 

 すぐさま、行政による豪邸の解体工事が決定し

たが、解体作業の初日から怪奇現象が次々と起こ

り、工事関係者たちは恐怖で身体を震えた。

 

「悪霊もここまで大胆にやるとはな〜。これって

 ユーチューブにこの一件の動画をアップしたら

 軽く100万回を超えるぞ〜」

 

 なんでも、仕事中の作業員たちが頭痛や耳鳴り

吐き気でその場に次々と倒れ、救急搬送させた後

脳梗塞や脳腫瘍で立て続けに亡くなったようだ。

 

「亡くなった人たちを調査したら、作業前は健康

 そのものだったらしいからな」

 

 さらに、解体作業中にショベルカーなどの重機

操縦者が豪邸の敷地内に入れようとした際、突然

奇行な声を叫びながら、重機をとなりの家に突撃

させた。

 

「その後、やらかした操縦者は精神崩壊して自殺

 したか・・・・・・すごいな〜、もう呪いだよ」

 

 お役人も豪邸の悪霊の祟りだと半狂乱して急遽

名高い寺の僧侶とか有名な神社の神主とかを呼ん

でお祓いしてもらおうとしたが、どちらもこの豪

邸を見た途端、断ったそうだ。

 ハモるように『これに手を出すと自分どころか

周辺の地域に天変地異が起きてしまうほどの穢れ

だと』と言い残して立ち去ったんだと。

 

「確かにな。これは悪霊の祟りではなくて動画や

 漫画のネタにする呪物だな〜」

 

 お役人が困り果てていた時に今話題の下水道管

の老朽化問題の調査チームはこの豪邸の下にある

下水道管が破損している可能性を見つけた。

 放置するとこの豪邸が倒壊して周辺の家に被害

が出るどころか、ヘタをすれば地盤沈下により周

辺の地面が陥没する大問題に発展する。

 役所はそうなる前に悪霊退散をしてほしいとオ

レに泣きつくように依頼してきた。

 

「依頼料も破格だったからな〜、それに地主っぽ

 い人からも現ナマ渡させたし・・・・・・頑張るか」

 

 オレがさっさと終わらせようと豪邸の玄関から

入った途端、出迎えたのは亡者たちによる不気味

な歓迎だった。

 

ぉ゙・・・・・・ぉ゙・・・・・・ァ〜・・・・・・あっ〜〜〜。

 

ァ・・・・・・あっ~〜・・・・・・ァ〜ー・・・・・・。

 

ハァッ・・・・・・・・・ハァッ・・・・・・・・・ハァッ・・・・・・

 

ァ・・・・・・あっ~〜・・・・・・ァ〜ー・・・・・・。

 

ぉ゙・・・・・・ぉ゙・・・・・・ァ〜・・・・・・あっ〜〜〜。

 

 この豪邸の無駄に広い玄関ホールのいたるどこ

ろから悪霊の唸り声が聞こえてきた。

 まるで助けを求めるようなかすれた声だと感じ

・・・・・・失踪事件の被害者たちに対して不憫だと思

ったので手を合わせて合唱した。

 

「・・・・・・南無南無。しかし、隠す気ないってか?

 すごいな〜ここの悪霊どもは」

 

ァ・・・・・・あっ~〜・・・・・・ァ〜ー・・・・・・。

 

ぉ゙・・・・・・ぉ゙・・・・・・ァ〜・・・・・・あっ〜〜〜。

 

ハァッ・・・・・・・・・ハァッ・・・・・・・・・ハァッ・・・・・・

 

ぉ゙・・・・・・ぉ゙・・・・・・ァ〜・・・・・・あっ〜〜〜。

ぉ゙・・・・・・ぉ゙・・・・・・ァ〜・・・・・・あっ〜〜〜。

 

ァ・・・・・・あっ~〜・・・・・・ァ〜ー・・・・・・。

ァ・・・・・・あっ~〜・・・・・・ァ〜ー・・・・・・。

 

あー・・・・・・・・・あー・・・あー・・・・・・・・・。

なあ〜なあ〜・・・なあ〜・・・なあ〜・・・なあ〜・・・

 

まぁ〜〜・・・・・・かぁーー・・・・・・・・・ころず〜〜

くぅ〜〜・・・・・・さぁ~〜〜・・・・・・・・・くうあ〜

 

じぅ〜〜・・・・・・・・・ぐびぅ〜〜〜〜

 

「だんだん、声がはっきりしてきたな。襲う気

 満々か?」

 

 悪霊ども・・・・・・あんたらを可哀想だと同情する

けど、こっちも仕事なんでね。

 

なあ〜なあ〜・・・なあ〜・・・なあ〜・・・なあ〜・・・

 

まぁ〜〜・・・・・・かぁーー・・・・・・・・・ころず〜〜

くぅ〜〜・・・・・・さぁ~〜〜・・・・・・・・・くうあ〜

 

じぅ〜〜・・・・・・・・・ぐびぅ〜〜〜〜

 

 まぁ、ハナっから話し合いをできるなんて考え

てねぇし。

 そう思っていると悪霊の群れが建物のあちこち

から姿を現した。

 その姿はゾンビ・・・と言うよりも何倍にも膨れ

上がった水死体のような異形の形をしていた。

 

なあ〜なあ〜・・・なあ〜・・・なあ〜・・・なあ〜・・・

 

まぁ〜〜・・・・・・かぁーー・・・・・・・・・ころず〜〜

くぅ〜〜・・・・・・さぁ~〜〜・・・・・・・・・くうあ〜

 

じぅ〜〜・・・・・・・・・ぐびぅ〜〜〜〜

 

 

「・・・・・・ほとんど原型をとどめてねぇのか」

 

 ここまでひどいものを見たオレは仕方ない・・・

やるかとため息を吐きながら、目を閉じて右手

に霊力を集中させて霊気の小太刀を出現させた

 

あ〜〜〜!!アーーーー!!!!わ〜〜!!

 

「弥勒流古剣術 綺の太刀・・・・・・“無量新月”」

 

あ〜〜〜!!アーーーー!!!!わ〜〜!!

 

 オレは小太刀をまっすぐ前面で持った構えに

なり、憐れな悪霊どもに退魔の戦いを開始する

雄叫びを上げた。

 

「かかってこいや悪霊ども!!罪も穢れも全部

 オレが祓ってやる!!!」   

 

あ〜〜〜!!アーーーー!!!!わ〜〜!!

 

あ〜〜〜!!アーーーー!!!!わ〜〜!!

 

あ〜〜〜!!アーーーー!!!!わ〜〜!!

 

あ〜〜〜!!アーーーー!!!!わ〜〜!!

 

 

 オレの叫びとともに玄関ホールの大量の悪霊

どもが全方位から襲いかかってきた。

 

 

ーto be continuedー

 

 

 




次回 退魔
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