GX次元の環境を破壊します。チェーンはありますか?   作:青いカンテラ

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マスデュエでデドハラが始まってすべてが終わるので初投稿です。

※長引いたので前後に分割しています。

※25/08/05 デュエル描写の一部を修正しました。


TURN-03融合と精霊とオシリスレッドと

【前回までのあらすじ】

 チビと言ったヤツはぶちのめす。

 

 

 

 ◆◇◆◇

 

 

 

「『カチコチドラゴン』がモンスターを戦闘で破壊した時、エクシーズ素材1つを使うことで、もう1度攻撃することができる」

「な、それじゃあ、2度目の攻撃は・・・!」

「これでリーサルですね。『カチコチドラゴン』でダイレクトアタック」

「うわぁぁぁ!」

 

取成(とりなし)

LP1000→0

 

 デュエルが終了し、ソリッドヴィジョンが消える。後に残るのは、尻もちをついているオシリスレッドの赤い制服を着た少年と、その彼をたった今打ち負かしたオレだ。

 

「・・・対戦、ありがとう」

「いてて・・・。いやー、やっぱり入試でクロノス先生を倒した小南は強いなー」

 

 ハハハ、と頭をかくレッド生徒。名前は取成、だったかな・・・。今回はレベル4モンスターを並べてランク4エクシーズを出す【ランク4軸エクシーズ】だったんだが、素材になる下級モンスターだけでも並べて殴ってれば勝てそうだったな・・・。

 

 相手の下級の最高打点が1600くらいだったし、仕方ないが・・・。まあ、残念だがカードを渡すほどの基準には達していなさそうだ。

 

 ・・・入学から一週間ほど経ち、オレは当初の目的通りにデュエルアカデミアでシンクロ召喚、エクシーズ召喚を周知すべく活動していた。

 

 ・・・といっても、実技やフリーデュエルでシンクロ・エクシーズを使うデッキを使うってだけなんだが。これでちゃんと広まっているかはわからないが、仕事はきちんとこなしていると面目は立つだろう。

 

 それ以外にも、オレ以外にカードを渡す相手・・・ようは新しいテスターの候補についても、オシリスレッドの寮生相手にデュエルという形で探していた。前にオシリスレッドで候補者を探すといった手前ではあるんだが、想像以上に、全体のパワーが低いと感じられる。

 

 デッキもそうだが、デュエリストもだな。まだまだローテンポな時代の環境なのだと言ってしまえばそれまでだが・・・。中には、よく実技試験をパスしてデュエルアカデミアに入れたなと思えるようなのもいたが。

 

 『人造人間7号』がメインアタッカーとか、コンボ前提のワンショットキルデッキか・・・? 実際のカードが出る前にカードを優先して渡す都合、それなりに腕の立つヤツに渡したいところだが・・・。

 

『誰もぱっとしないわねぇ。もっと強い男はいないのかしら! こんなのじゃ全然物足りないわよ!』

 

 ユウカが何かシャドーボクシングしながら戦闘部族みたいなことを言っている。実際にデュエルしてるのはオレなんだが・・・。まあいいか。

 

「・・・!」

 

 他に対戦相手はいないかと周囲を見ると、丁度ギャラリーになっていたオシリスレッド生の中に、水色の髪をしたヤツと目が合う。身長はオレと同じくらい。アイツは・・・丸藤翔、確か機械族デッキを使っていたんだったか。そういえばコイツとはまだデュエルしていないなと思い、声を掛ける。

 

「えーと、そこの、丸藤くん。デュエル、しません?」

「えっ!? ボクがっすか!? そ、そんなの無理っすよ・・・」

 

 急に及び腰になる翔。この頃はまたせ気弱でネガティブな面がやや強いし、この一週間で他のレッド生とデュエルをしているのも見ているはずだし、初めから無理だと思うのもやむなし・・・か?

 

『なによ、デュエルする前から諦めるなんて男らしくないわね! こんなんじゃ勝てるデュエルだって勝てないわよ!』

「まあ、アイツも成長前だしな・・・」

「お、デュエルするのか? なら俺が相手になるぜ!」

「アニキ・・・!」

 

 翔に代わって名乗り出たのは、十代だった。そういえばこの一週間、オシリスレッド生とはデュエルしてきたけどコイツとはまだだったな。不思議とタイミングが合わなかったというか、実技でも当たることは無かったし。

 

「それじゃあ、次のデュエル相手は十代くん、お願いできるかな」

「おう! デュエルのお誘いならいつだってOKだぜ!」

 

 取成と入れ替わりに十代が向かい側に立つ。・・・十代相手なら、遠慮はいらないかもな。さっきの【ランク4軸エクシーズ】デッキを外して、腰のデッキホルダーから別のデッキを取り出してデュエルディスクにセットする。

 

 

 

「「デュエル!」」

 

 

 

【遊城 十代】

LP4000

 

【小南 遊歌】

LP4000

 

 

 

「先攻は貰うぜ! ドロー!」

 

 よく先攻取られてる気がするな・・・気のせいか・・・?

 

「『E・HEROフェザーマン』を攻撃表示で召喚! さらにカードを1枚伏せる! ターンエンドだ!」

 

【遊城 十代】

LP4000

手札4

モンスター1(『E・HEROフェザーマン』)

魔法罠1

 

 

 

「・・・わたしのターン、ドロー」

 

 さて、十代の場は明らかに罠を張っていますってな布陣である。攻撃力の低いフェザーマン棒立ちに、バックにカードは1枚。どう見ても攻撃してくださいと言っているようなものだ。

 

『あからさま過ぎるわね。誘っているのが見え見えよ! それで、どうするの? どう見ても罠だけど、踏みにいくわけ?』

「まー、漢気探知で罠ごと踏み潰すまで! するデュエリストもいるのはいるが、ここはちょっと安全策を取ることにするか・・・」

 

 ひとまず、このターンでの動きは決まった。あとは流れでお願いしますってとこか。

 

「手札の『ティアラメンツ・シェイレーン』の効果を発動。1ターンに1度、このカードは手札からモンスター1体を墓地へ送ることで特殊召喚できる。そして、この効果で特殊召喚に成功した時、デッキの上からカードを3枚墓地へ送る・・・」

 

 シェイレーンを十代に見せて、いったん言葉を区切る。

 

「この効果に対して、何かチェーンはある?」

「ん? ないぜ!」

「なんでそんなこと聞くんすかね・・・?」

 

 ・・・誘発チェックの癖みたいなものかな。

 

「それでは、シェイレーンの効果は通りますね。このカードを特殊召喚して、手札のモンスター1体を墓地へ送る・・・『ティアラメンツ・レイノハート』を墓地へ。そしてデッキの上からカードを3枚墓地へ送る・・・。レイノハートの効果発動。このカードが効果で墓地へ送られた時、特殊召喚できる。そして、この効果で特殊召喚した場合は手札の『ティアラメンツ』カード1枚を墓地へ送る。レイノハートを特殊召喚し、手札の『壱世壊に渦巻く反響(ティアラメンツ・グリーフ)』を墓地へ」

 

【ティアラメンツ・シェイレーン】

【星4/ATK1800】

 

【ティアラメンツ・レイノハート】

【星4/ATK1500】

 

 シェイレーンとレイノハート、2体のモンスターがオレの場に並ぶ。そしてデュエルを遠巻きに見ているギャラリーからは「効果なげ~」「何やってるのかは何となくわかるけど何言ってるかはわからん」「なんかよくわからんがモンスターが2体出たことだけは分かる」などの声が聞こえてくる・・・。

 

「・・・シェイレーンとレイノハートは共にレベル4のモンスター」

「てことは、来るのか!?」

「わたしは、この2体を素材にしてエクシーズ召喚を行う!」

 

 フィールドに黒い渦が現れ、シェイレーンとレイノハートの2体がその中心部へと吸い込まれていく。閃光が爆ぜ、黒いマントを靡かせて怪盗然とした恰好の銀髪の男が飛び出してくる。

 

「現れろランク4! 『クロノダイバー・リダン』!」

「来たぁ! エクシーズ召喚!」

 

【クロノダイバー・リダン】

【ランク4/ATK2400/X2】

 

『ハッハッハッ! イケメン参上!』

 

 ・・・オレの場に出るや、シュバッ! と何かポーズを決めているコイツは、カードの精霊その1である。

 

『やぁ、我が愛しきマスターたち! やっとこの俺を呼んでくれたな! いつもはホルスの連中を使った高ランクエクシーズばかりだが、こうしてランク4である俺のことも忘れずにデッキに入れてくれていることには感謝しよう! さて二人のマスターよ、今宵はどの相手からカードを拝借すればいいのかな?』

『相変わらずめちゃくちゃ喋るわねこいつ・・・』

『ハハハハ! 誉め言葉として受け取っておくとしよう!』

『褒めてないわよ!』

 

 何かと便利なヤツだとはいえ、出てくるだけでこれである。まあまあうるさい。それに今宵ってまだ昼間だし。

 

「・・・まあいいや。リダン、十代・・・くんのフェザーマンを攻撃しろ」

『ふむ、それがマスターの望みであるというのなら、従うのもやぶさかではない。それにしても呼び出して早々にすることが戦闘とは、我がマスターも少々、血の気が多いように思えるがね。たまにはゆっくりと、ティーカップでも傾けながらデュエルをするというのはどうだろうか? そう言った心の余裕もデュエリストには必要であると俺は思うがね』

 

 いいからはよ攻撃しろ。

 

『やれやれ、せっかちなマスターだ。それでは、そこなヒーローくんには消えてもらおうか!』

 

 リダンが攻撃態勢に入る。フェザーマンとの攻撃力の差は歴然。このまま通れば十代は大ダメージを受けることになるが・・・。

 

「来たな、罠発動! 『ドレインシールド』! 相手モンスター1体の攻撃を無効にして、その攻撃力分だけライフを回復する!」

 

 まあ、ブラフなわけが無いよな。だがこちらとて無策で突っ込んだわけではない。

 

『やっぱりあの伏せは罠カードだったわね』

『ふ、この展開は読めていたがね。さあ、マスター! 指示を! 俺はいつでも準備万全だとも!』

「リダンの効果発動! このカードのエクシーズ素材を1つ取り除くことで、このカードはターン終了時までゲームから除外される!」

「なにっ!?」

「そして、対象が不在になったことでドレインシールドの効果は不発!」

『召喚されて早々の退場と相成ったが、この別れは一時的なものだ。それでは諸君、エンドフェイズにまた会おうではないか! さらばだ!』

 

 ハッハッハッ! という高笑いだけを残して、リダンの姿が光の粒子になって消えていく。条件付きではあるが、罠を踏んでも即座に場から離脱して透かせるというのはリダンの強みだろう。そして、コイツの強みはもう1つある。どちらかと言えばこっちの方がメインの目的に近いが。

 

「エクシーズ素材として取り除かれた、シェイレーンの効果発動! このカードが効果で墓地へ送られた時、墓地のこのカードと墓地、フィールド、手札のモンスターとで融合召喚ができる!」

「墓地で融合召喚!?」

「どういうことだ、まるでわけが分からんぞ!」

 

 ざわつくギャラリーたち。一応試験デュエルの時に1回やってるんだが、あの場にいなかった生徒もいるようだ。

 

 ちなみにエクシーズ素材として取り除くのはほとんどコスト扱いだが、リダンは効果で取り除く扱いになっているので『ティアラメンツ』モンスターの効果のトリガーになれるのである。これも中々にインチキ臭いことをやっているが、実際にそういう処理になるのだから使わない手は無い。

 

「シェイレーンとレイノハートの2体で融合召喚! 現れろ『ティアラメンツ・キトカロス』!」

 

【ティアラメンツ・キトカロス】

【星5/ATK2300】

 

『あぁあぁぁぁぁぁぁぁ! マァスタァァァァァァァァァ! やっと、やっとキトを呼んでくれたのですぅぅぅ! あのキザったらしいカッコつけがトリガーになっているのは、ちょっぴり、少し、やや、ほんのり、気になりますけれど、それでも、いいのです! キトは細かいことは気にしない女! なのです! ああマスター! マスターマスターマスター!』

 

 うるさい(2体目)。

 

 融合召喚特有の渦から飛び出してきたのは、ご存じ【ティアラメンツ】デッキのメインエンジンである、『ティアラメンツ・キトカロス』・・・の精霊。オレの持つカードの精霊その2である。

 

 ソリッドヴィジョンに干渉してポーズを取っていたりするリダンとは違い、こちらはソリッドヴィジョンはそのまま、精霊の方がオレの方へと飛び込んでくる。

 

 とはいえそこは実体を持たないカードの精霊なので抱き着かれても何かを感じるということはないのだが・・・。というかオレの持ってるカードに宿ってる精霊、2体とも自己主張激しすぎるんだが。そこんとこどう思うよユウカさん。

 

『アタシに振らないでよ。知らないわよそんなこと』

『もう一人のマスターのちょっぴり塩なのもグーなのです。これだけでもご飯が三杯はお代わりできるのです』!

『塩ってなに? おにぎり?』

 

 コイツの言ってることは真に受けなくていいぞ。・・・それにしても、キトカロスはイラストだと憂いの表情をして儚げな少女といった感じだったんだが、カードの精霊であるコイツは、まあ、この通り変にテンションがおかしい。キトカロスのイメージが崩れる音が聞こえるな・・・。

 

「・・・キトカロスの効果。このカードが特殊召喚に成功した時、デッキから『ティアラメンツ』カード1枚を手札に加えることができる。『壱世壊に奏でる愛唄(ティアラメンツ・サリーク)』を手札に!」

『カードだけと言わずに、婚姻届けも受け取ってほしいのです・・・!』

 

 それはいらない。ていうか、精霊と人間とは婚姻できないだろ。

 

『いやツッコむところはそこじゃないでしょ・・・』

「キトカロスはバトル中の特殊召喚のため、攻撃が可能。いけ、キトカロス!」

『キトとマスターの時間を邪魔するものはダニ以下なのです』

 

 ダニ以下て。キトカロスは即座にフェザーマンに接近すると、すれ違いに手に持った剣で斬りつけてフェザーマンを両断。翼を持った風のHEROは爆散した。

 

「くっ、フェザーマン・・・!」

 

【遊城 十代】

LP4000→2700

 

『ふっふっふっ、キトとマスターの愛の前には敵なしなのです! マスター! あなたの敵をキトは倒したのです! 褒めてくださいなのです!』

「・・・カードを1枚伏せてターンエンド。そしてこのエンドフェイズ時、リダンがフィールドに帰還する」

 

 シュイィィン・・・という効果音と共に、リダンが戻って来る。そしてバッ! とポーズを決めた。

 

『イケメン再び参上!』

『うわでたなのです。帰ってこなくてもよかったのに』

『ふっ、俺の効果は除外から戻ってくるまでがセットだからな。ところでキトカロスよ、先ほどから愛だのなんだのと言っているようだが、そういったものは奥ゆかしく多くを語らずにいるのが淑女たりえると思うのだがね。一方的に押し付けるだけの思いは時として相手にとっては負担にしかなりえないのだよ』

『そちらこそ、そのよく回る口を少しの間でも閉じていればいいのです。ペラペラと喋るのは紳士ではなく詐欺師なのです』

『詐欺師? そのような者たちと同一に考えてもらっては困るな。俺は怪盗さ。いくつもの次元をまたにかける、な!』

『なーにが怪盗ですか、あなたなんてちまちまと人様のカードを盗むしかできないコソ泥なのです』

 

 ・・・喧嘩ならよそでやってくれないかな。

 

『アンタも大変ねえ~』

 

 リダンとキトカロスに両サイドから頭上で口論しているのを見て、ユウカが他人事のように言う。いや実際他人事なんだろうが、『シフトチェンジ』使えるなら変わってやりたいくらいだ。

 

【小南 遊歌】

LP4000

手札3

モンスター2(『ティアラメンツ・キトカロス』『クロノダイバー・リダン(X0)』)

魔法罠1(『壱世壊に奏でる愛唄(ティアラメンツ・サリーク)』)

 

 

 

「俺のターン! ドロー!」

「このスタンバイフェイズにリダンの効果発動! お互いのスタンバイフェイズに1度、相手のデッキの一番上のカード1枚をこのカードのエクシーズ素材にする!」

「なんだって!?」

 

 この世界、ドロー、スタンバイ、メイン、みたいなフェイズ移行はわざわざ確認しないから、特にスタンバイフェイズに発動する効果がある場合は、多少食い気味にでも効果発動を宣言する必要がある。強制効果はともかく、リダンみたいな任意効果はタイミングを逃しやすいから特にな。

 

『さあ、そのカードを頂こうか! シャドー・スティール!』

「うわっ!?」

 

 リダンが影に潜み、十代の背後から現れてデッキの一番上にあるカードを慣れた手つきで拝借する。エクシーズ素材になったカードは・・・魔法カードか。罠カードなら1妨害になってたんだが、贅沢は言うまい。魔法カードでも無駄にはならないからな。

 

「相手のデッキのカードを自分のものにしちまうなんて、やるな・・・! けど俺だって負ける気はないぜ! 手札から魔法カード『融合募兵』を発動!」

 

 ん?

 

「これは自分の手札を1枚捨て、さらに融合デッキの融合モンスター1体を見せることで発動できるカード。自分のデッキ、墓地から、捨てたカード以外の、見せた融合モンスターカードに記されている融合素材モンスター1体を手札に加えることができる。そしてそれが通常モンスターだった場合、もう1体も手札に加えることができる!」

「いや何そのカード!?」

『うわ、びっくりした』

「遊歌? いきなり大声出してどうかしたか?」

「あ、いや・・・なんでも・・・続けて?」

 

 いかんいかん、オレの知らない融合サポートの魔法カードが出てきて思わず声を上げてしまった。もちろんすべてのカードを知っているわけではないが、『融合○○』の名前のサーチカードと言えば『融合徴兵』や『融合派兵』で、『融合募兵』というカードは無かったはずだ。

 

 手札コストこそ必要だが、見せる融合モンスターによってはそのディスアド分も補填できる融合素材モンスターのサーチカード・・・。これもまた、オレが転生したことの影響、あるいは歪みなのだろう。

 

「この効果で俺はネクロダークマンを墓地に捨て、融合モンスターの『E・HEROプラズマヴァイスマン』を見せることで、デッキからその素材となる『E・HEROスパークマン』を手札に加える! さらに、スパークマンは通常モンスター! もう1体の融合素材であるエッジマンも手札に加えるぜ!」

 

 しれっと上級以上の『E・HERO』のリリースを軽減するネクロダークマンを墓地に送り込みつつ、手札に融合素材モンスター1組を揃える十代。

 

「さらに『融合』を発動! 手札のスパークマンとエッジマンを融合!」

 

 融合素材を手札に揃えたからには、持ってるよな『融合』のカード。さて、出てくるのはさっきの『融合募兵』発動時に見たプラズマヴァイスマンか? あのカードは確か、手札1枚をコストに相手のモンスター1体を破壊できたはずだ。サリークで効果は無効化できるが、結局攻撃力の差で残った方が倒されてしまうな・・・。

 

「融合召喚! 来い! 『E・HEROサンライザー』!」

『ゼァッ!』

 

【E・HEROサンライザー】

【星8/ATK2500】

 

 プラズマヴァイスマン・・・じゃない!? いや、それよりもあのモンスターは!

 

「サンライザーの効果発動! このカードが融合召喚に成功した時、デッキから『ミラクル・フュージョン』1枚を手札に加えることができる!」

「・・・っ! 『壱世壊に奏でる愛唄(ティアラメンツ・サリーク)』を発動! キトカロスを墓地へ送ることで、サンライザーの効果を無効にする!」

『ああ! キトを墓地送りのコストにするだなんてマスターのいけずなのです! でもそんなところもステキなのです・・・!』

『どうやら、マスター殿は俺が残ることをお望みのようだな。さようならだキトカロス、精々墓地で俺の活躍をしかと目に焼き付けておくがいい!』

『はぁ? 何言ってるのです?』

 

 また言い争いになりそうなところで、さっさとキトカロスを墓地に送る。『マスターにちょっとぞんざいに扱われるのも最高なのですぅぅぅ!』とかいう声が聞こえた気がするが、きっと空耳だろう。たぶんそう。きっとそう。

 

 それにしても、サンライザーか・・・。クロノス先生が使っていた『古代の機械像(アンティーク・ギアスタチュー)』と同じく未来のカードだな。さっきの『融合募兵』もそうだが、十代のデッキも多少なりとも変化しているらしい。

 

「・・・キトカロスが効果で墓地へ送られたことで、効果発動。デッキの上から5枚を墓地へ送る!」

 

 うーむ、落ちはそこそこか。出来ればシェイレーンかハゥフニスのどっちかが落ちてほしかったところだが・・・。こればっかりは運が絡むから仕方ない。

 

「サンライザーの効果は無効にされちまったか。けど、まだ手はあるぜ! 手札から魔法カード『戦士の生還』を発動! 墓地のエッジマンを手札に戻すぜ! そして、墓地にネクロダークマンがいる時、1度だけレベル5以上の『E・HERO』は生贄無しで召喚できる! 来い、エッジマン!」

『ハァッ!』

 

【E・HEROエッジマン】

【星7/ATK2600】

 

 十代の場に、両腕に鋭利な刃を備えた全身金色のHEROが現れる。最上級モンスターとして攻撃力はそこそこだが、サンライザーと合わさると攻撃力3000超えてくるんだよな・・・。しかも貫通持ちだからパワーアップはそのままライフダメージ増加にも繋がる。

 

「アニキの場に攻撃力2500と2600のHEROが並んだっス!」

「すげーな、遊城のやつ」

「やっぱ入試でクロノス先生を倒した奴はちげーわ」

「へへっ。さあ、バトルだ! サンライザーでリダン攻撃! サン・オブ・スラッシュ!」

『ハァッ!』

 

 サンライザーが攻撃態勢に入って、リダンに急接近する。その攻撃がリダンに届く前に、オレは声を張り上げる。

 

「リダンの効果発動!」

「また除外か!?」

「いいや、リダンは取り除くエクシーズ素材の種類によって効果が変わるモンスター! リダンが今持っている持つエクシーズ素材は魔法カード! よって、カードを1枚ドローする!」

『マスター! 俺が君に託す最後の1枚だ! 受け取りたまえ! ぐっふぉ!?』

 

【小南 遊歌】

LP4000→3900

 

 こちらにカードを投げ渡すと同時に、エッジマンに殴り飛ばされて破壊されるリダン。すまない、オマエの犠牲は無駄にはしない・・・。

 

「これでもう、お前を守るモンスターはいないぜ! エッジマンでダイレクトアタック!」

「いっけーアニキ!」

「これが通れば大ダメージだ!」

「まだだ! 墓地の『ドラゴンメイドのお片付け』を除外して効果発動! 自分の手札か墓地から『ドラゴンメイド』1体を特殊召喚できる! 手札から『ドラゴンメイド・ルフト』を特殊召喚!」

『ギャオォォ!』

 

【ドラゴンメイド・ルフト】

【星8/DEF1700】

 

 オレの場に巨大な緑のドラゴンが現れ、十代のエッジマンに立ちふさがる。お片付けでの特殊召喚は守備表示固定だから、このターンでは破壊されてしまうだろうが、それでもダイレクト食らって大ダメージよりかは大分ダメージを抑えられる。

 

「なら、エッジマンでルフトに攻撃だ! パワー・エッジ・アタック!」

 

 ジャキン! という音を立てて、エッジマンの両腕に装備されている刃が展開される。そのままルフトに突撃し、腕を振り抜くと、緑色のドラゴンは両断されて爆散した。

 

【小南 遊歌】

LP3900→3000

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターン終了だ!」

「・・・エンドフェイズ時に墓地の『白き聖女エクレシア』の効果を発動」

「また墓地からモンスター効果っすか!?」

「相手のターンにも動きまくるとか、今どっちのターンなのかわからなくなってくるな・・・」

 

 まあ、こういうデッキだからな。

 

「このターンに融合モンスターが自分の墓地に送られている場合、墓地のこのカードを手札に加えることができる。キトカロスが墓地へ送られているため、条件は満たしている。エクレシアを手札に」

「えっと・・・もう何もないよな?」

「これで打ち止めですよ」

「そうか。なら、改めてターン終了だぜ!」

 

【遊城 十代】

LP2700

手札0

モンスター2(『E・HEROサンライザー』『E・HEROエッジマン』)

魔法罠1

 

 

 

 

 

 

【→To Be continued...】




【セルフQ&A】

Q.なぜ十代は精霊たちが騒いでも無反応なの?
A.このあたりだと十代はまだハネクリボーの声をたまに聴ける程度の精霊力(ちから)しかないので、遊歌の精霊が騒いでても見えてないし聞こえてないです。タイタン戦を待て。
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