私より背が高くて、私より要領が良くて、私より社交的で、私のことを愛してくる義妹 作:的形みずき
五月二日。
今日はみんなで県外の森林公園へ遊びにいく……つもりだったんだけど。
「雨だねー」
「ね」
天気予報になかった突然の大雨。よって今日の予定はなくなった。
予約をしていた、とかではないからね。無理して風邪を引きに行くこともないだろう。
……なんかもう定位置になったけど、いのりちゃんの膝の上で雨降る外を見る。
土砂降りだ。なお、これによってテニス部の練習もなくなったのだとか。
個人的な話をすると、雨は好きだ。
雨が……というか雨音が好き。ざぁざぁと降り頻る雨音は、頭の中から余計な考え事を押し流してくれる。ホワイトノイズで集中できるのと似ているかもしれない。
大きな音……クラクションだとか大声だとかは苦手だけど、暴風や大雨の音は好き。自然音。
「ねー、お姉」
「なに」
「ちゅーしたい」
「……んー」
無理矢理されたなら好きにして、っていう諦めになったけど、面と向かって言われると……。
「拒否したらやんないの?」
「やんないけど拗ねる」
「じゃあダメ」
「……よいしょ」
持ち上げられる。ベッドへ寝かされる。のしかかられる。
ぐえー。
「一般的な拗ね方と違わない……?」
「ふんだ。お姉が選んだことだから、謝られても聞かないもんね」
「わぁ言葉だけの人だ」
私を押し潰すいのりちゃんは、その手を私の顔の方へと持ってくる。
そして……頬を伝う指が、両側から口の中へ入った。
「にゃひを」
「大丈夫付け爪外してあるから」
そんなこと聞いてない。
なんで舌の根を指で圧迫しているのか聞いているんだ。
「りょ、りょっひょ、よひゃぇ……」
「そうだねー。あたしのベッドにお姉の涎垂れちゃうねー」
「いぉりひゃん?」
「垂らしたくなかったらあたしとキスするしかないねー」
なるほどそう来るか。
じゃあ私が洗濯するのでいいから垂らしてしまおうか。
「……強情な」
ごろん、と仰向けにされる。
唾液が喉奥に詰まり、少し咽た。
「あ、ごめん」
「……昨日さ、友達の話聞いてて思ったんだけど……いのりちゃんって変態なの?」
「へ?」
「スキンシップ多いし、口の中こうやって弄ってくること多いし……」
「あー。うーん? まぁ変態かも? 変態はイヤ?」
「それがよくわかんないんだよね。友達の話に出てくるような人のことは……普通に気持ち悪いって思ったけどさ。ぇほっ、……いのりちゃんとか浅野に対しては別にそう思わなかったし」
「そこで浅野先輩の名前出しちゃうのがお姉だけど……。多分それって、気を許しているから、なんじゃないの? あたしと浅野先輩に対しては」
「でも……絶対してこないと思うけど、お父さんにこれされたらキツいよ?」
「そりゃそうでしょ……。……お姉ってなんか……経験不足以前の欠落があるよね」
「いきなりの悪口が過ぎない?」
人間失格ですか?
「たとえばさ。あたしが今お姉の首絞めたとするじゃん」
「例え怖すぎない?」
「お姉はそれされて、嫌?」
「嫌……うーん。死ぬからやめてほしい」
「嫌かどうか聞いてるんだけど」
「……変な話、たとえば……私に恨みを持っている人から、それをされたとするじゃん。その時の感情って、死んじゃうからやめて、怖い、っていうのはあるんだけど……嫌、じゃないんだよね。なんで、って思うし、反撃されても文句言わないでよね、とか……色々思うんだけど、別にその人のこと嫌いじゃないっていうか」
「今超ドン引きしてるあたし」
「殺されてもいいって言ってるわけじゃなくてさ。……究極、知らない人じゃん? 知らない人は嫌えないんだよね。理解が足りないから。で、それと同じかも。つまり、首を絞められて……その感覚が沢山重なって、苦しさを理解したら、そこでようやく好悪が……好き嫌いが出る。まだ知らないことには好きも嫌いもない」
とはいえ、「嫌い」という感情は知っている。
だからそれを向けられたのなら察知できるし、それを返すこともできる。
多分私といのりちゃんの最も大きな違いはそこ。
彼女は敵か味方しかいない世界に住んでいて、好きか嫌いかしかない世界であるとも言える。
私は好きと嫌いのラインが双方かなり手前にあって、その間に「まだ理解していない」が長江くらい横たわっている。
「総合して言えば、やっぱり経験不足なんだと思うよ、私は」
「それ……周りにも問題ありそうだけど、お姉の生来の気質も……。まぁあたしが言えたことじゃないけど」
「ほんとにね。佐十さんと浅野以外に本性見せる予定ないの? 素のままのいのりちゃんを受け入れてくれそうな相手を探す、ってこと」
「う゛。……お姉相手になら、嫌われてもいいから自分のものにしたい、ってとこまで思えたけど……他の人から嫌われるのは、やっぱまだ怖い。嫌われてもいいから自分の意見を通したい……って、思わないんだよね」
「素の自分は絶対に嫌われるって思う?」
「わかんない。わかんないけど、愛されるいのりちゃんよりは……嫌われる確率高いでしょ」
「でも、どうせ意味も理由もなく嫌ってくる人いるよ。世間には」
「……そういうのは、わかってる」
私も中学生の時まではアレを信じていた。あの頃見ていたアニメによく出てきていた、「話し合えば誰とだってわかり合える」みたいなやつ。
ナイナイ。
世の中には理由もなく他人が嫌いで、あるいは理不尽な理由で他人が嫌いな人がいる。
人気だから、声の音域がどうだから、男だから女だから、よく喋るから無口だから、みんなに愛されているから。
そして、嫌いな人に好かれているから、も。
万人というのは「どうしようもない人達」とルビを振ることのできる集団を指す。そしてそこには当然私達も含まれている。
「お姉は、あたしにどうなってほしいの?」
「最近ちょっと減ってきたとはいえ、まだ帰ってきてから泣くことあるじゃん、いのりちゃん。……それで……大学とか、社会とかに出たらさ。壊れちゃいそうだなって」
「強くなってほしいってこと?」
「強くなってほしいけど、多分いのりちゃんは強くなれないから、せめて私や佐十さん以外にも弱音を吐ける人間を作ってほしい、かな」
強くなる、って。
それは……無頓着になっていくことと同じだと思う。別に私が強いってわけじゃないけどね。
で、いのりちゃんは無理だ。繊細な子だし、他者の感情に敏感だし。この子はおばあちゃんになっても弱いまま。そう思う。
ストレスというものがどれほど生存活動に支障をきたすか。
吐き出しようのないストレスが、健康にどれほどの害を与えるのか。
「……お姉ちゃん、みたいなこというじゃん。お姉のくせに」
「いつでも私はいのりちゃんのお姉ちゃんだったでしょ」
「全然。お姉がお姉らしくなったの最近だし。それまで駄々こねる幼稚園児だったし」
ざくざくぐさぐさ。
……はいそうです。意固地意気地なし辛気臭子でしたついこの間まで。
いや今もそれは変わってないんだけど。
「あ、じゃあさ。そういう友達を……もう一人くらいつくるって約束したら、お姉の方からちゅーしてくれる?」
そんな感じで、話題の不利を察してか明るく茶化そうとするいのりちゃん。
奪う。その、唇を。
「……!?」
まさか仰向けの状態から……覆いかぶさられている状態からそれが来るとは予想していなかったのだろう。ふ、部活をしていないとはいえ、腹筋は結構ある方だぞ私は。
「ぷは。じゃ、約束ね」
「ぇ……ぁ、はい」
動揺してなぜか敬語になっているいのりちゃん。
よーし。……我ながら大胆な行動過ぎて今更恥ずかしいので、とっとと退散しよう。自室で雨音聞きながら勉強して思考を彼方にまで追いやろう。
……あの?
いのりちゃん、私はとっとと撤退したいんですが。
腕で檻作るのやめてくれませんか?
「……」
ぽけーっとした表情のまま、私が潜り抜けようとする箇所すべてを腕で塞いでくるいのりちゃん。
あのあのあの。
「お……お姉、さ」
「なに。ちょ、速すぎ」
「面倒臭いな、ちょっとこっち」
ぐい、と抱き寄せられた。そのままごろんと抱えられて寝っ転がられて……脇の辺りを持たれて、持ち上げられる。
「今自分が何したかわかってる、んだよね? 顔赤いし」
「いや、だって、いのりちゃんが行動してくれるなら、キスの一つや二つか……軽いもんですよ」
「本気で言ってるんだよね。じゃあ、あたしがもっと凄いこと……ママとパパの話とか、今まで自分がやってきたこととか……全部みんなに明かすって言ったら、お姉はもっと凄いことしてくれるの?」
「も、もっと凄いこと? え……えーと。キス以上、って……いうのは、……私がいのりちゃんの口に指突っ込むとか、そういうこと?」
「ううん。今の世の中、少しネットで検索すれば出てくるような──えっちなこと」
いやだからしたことないんだって。
……なんだろ。もっと長くちゅーするとか?
ゆっくりと近づけられる。降ろされて、抱き寄せられて。
ぞぞぞ、っと……首筋を舐められた。
「ひぃぅ……!?」
「こうやって……全身舐める、とかさ」
「そ、そんなことされたいの!?」
「お姉のちっちゃい舌にされたなら、嬉しいかも」
「やっぱり変態だよね、そういうことだよね!?」
「だからそうだって言ってんじゃん。で、そうだったら許してくれるんでしょ? 嫌じゃないから」
舐める。……舐める、って……それが嬉しいってなに?
まずい、本気でわからない。そういう世界がある、のだろうか。
「どうなの、お姉。あたしが色々約束したら──やってくれるの?」
「……い、いいよ。それでいのりちゃんが……踏み出せるなら」
「……」
ぞり、と。
舐める、というより、こそがれる感じに近いほど……舌が強く首へ当たる。
「……ちょっと自分無すぎじゃない、お姉。もうちょっと……自分の身体大切にしなよ」
「いやだから首を絞めるとかは死ぬのでやめてほしくて」
「そういう意味じゃなくて。こういう……えっちなこと要求された時は、自分を優先しなって言ってんの」
「えっちって……。意味わかんないとは思うけど、究極舐めるだけでしょ? ああでも初めにシャワー浴びてほしいくらいは思うけど」
「……」
「……?」
いのりちゃんは。
私を持ち上げる手を一度降ろし、自分の部屋シャツをぐ、と持ち上げて、私に被せる。
被せた。
「え、なに」
「前もこれやったじゃん。で、お姉はあたしの鳩尾近くを舐めてきたじゃん」
「う、うん。仕返しだったからね」
「お姉にとってはその程度かもしんないけど、あれであたし……えっちな気分になってたんだよね」
「へ?」
なんだそれ。
……いやあの時そこそこ険悪な空気じゃなかった?
「あの時さ、あたしまだお姉のことそんな好きじゃなかったんだよね。でもえっちな気分になった。じゃあさ、今、お姉のこと好き全開な今……お姉にお腹とか胸とか舐められたら、どうなっちゃうと思う?」
「えーっと……」
「正解は歯止めがかからなくなる、でした。……学校でさ。泉美以外で一番仲のいい女の子が二人いるんだよ。高校から仲良くなった子。その子たちに……あたしの本性をバラすって約束する。だから……舐めてよ。おへそとかおっぱいの下側とかさ。見えるとこ全部舐めて」
どう……すべきだろう、これ。
さっきから、ずっと。
いのりちゃんの声には楽しそうな気配が一つもない。ずっと怒っている。
これを……このまま、言われた通りにすると、多分余計に怒らせる。
従順なのが嫌……なのだろうか。いや、そう単純な話ではないようにも思うけど。
「どうしたの? あたしのためならキスでも軽いものなんでしょ。早くしてよ」
「えっと……や、やめにしない? キスを軽いものって言ったのは、うん、間違いだったって認めるからさ」
「いいよそんなの認めなくて。早くしてよ。もうそういう気分になりかかってるんだからさ。早く舐めて。ちっちゃい舌で、ちろちろ舐めて」
抜け出す……のは、無理そう。
身体はがっちりホールドされている。足も肩も。
……うーん。
「舐めろっつってんの」
「んぶ!?」
ぐ、と……頭が肌へと押し付けられた。あ、じゃあ拘束が緩まっているということだ。ならどうにかして抜け出し──。
「馬鹿なの? 逃がすわけないじゃん」
また、ごろん、と。
私を服の中にいれたまま寝返り打ついのりちゃん。私が下になって、もう抜け出すのが無理になる。
「ほら。早く舐めてよ。あたしが一歩踏み出すためならどんなえっちなことでもしてくれるんでしょ? 肌を舐めるなんて仕返し程度の意味しか持たないんでしょ?」
諦める、か。
どの道もうどうしようもない。弁解しようにも言い訳しようにも、口が塞がれている。
だから……押し付けられたお腹の少し上のあたりで、ちろ、と舌を出した。出して……肌を舐めた。
チ、と。
明確な……舌うちが。
「……ホントに舐めるんだ」
いやだってそれ以外選択肢がなかったじゃん。
「はぁ。……ただでさえ低気圧でちょっと苛々してるのにさ。……お姉、ホントになんでもしてくれるんだよね? じゃあ──ほんとにやるよ」
いえ別になんでもするとは言ってないですよ。
あなたがもっと凄いことをしたらしてくれるんだよね、と聞いてきただけです。そんな確約はしていないです。
なんて抗議の声も出せぬままに。
いのりちゃんの細い手が……腰から、服の中へ入って。
ぴしゃん! と……激しい光、そして直後に轟音が鳴り響いた。伴い、びりびりと揺れる家全体。
「きゃ……!?」
ひし。あるいはがち、と。
私に抱き着いてくる大きな身体。
身体がくの字に曲がったことで、塞がれていた口も解放される。
「ぷっは……ふぅ。……どっか近いとこ落ちたかな? 大丈夫、近くに避雷針あるし」
「……!」
「けどいのりちゃん、今まで怒ってて、どんな文句も受け付けませんって感じだったのに……今は生まれたての小鹿みた」
ぴか。どーん。ぎゅ。
あの。
さっき以上の密着ですそれ。首折れますよそれ。
「だ、大丈夫だって。落ちない落ちない」
「なんでそんな落ち着いてるの!? 信じらんないんだけど!?」
「おお、めっちゃ声荒げるじゃん。さっきまでの勢いはどこへ。今も勢いすごいけどさ」
なお、暴風や豪雨に漏れず、雷の音も好きだ。空気を叩く音は日常生活で聞く機会があまりないし、広い空間に響き渡る音は耳心地が良い。
……あんな感じでいて浅野は苦手らしいから、もしやギャルは雷苦手なんだろうか。弱点なのかな。
「ほらほら、ヘンなこと言わなければもっと抱き着いていいから。っていうか一回出して。そろそろ暑苦しいです」
「……やだ」
「顔が近くにあった方が安心できるでしょ? ね?」
ぴしゃあ、と……また雷。
大分近いねー。テレビのコンセントとか抜いてきた方がいいかな。
「う……うぅ」
「ぺろ」
「ひゃああ!? ……や、やめて、馬鹿なの!? お姉馬鹿なの!? 今……今やることじゃないでしょ!? 馬鹿、ホント馬鹿!!」
うむ。やっぱり舐められてえっちな気分云々は嘘だねこれは。
演技演技。これだよ、この反応が欲しくて仕返ししたんだからあの時も。
「妖怪雷怖がり妹舐めびっくりさせお姉を服の内側なんて場所に飼っているいのりちゃんが悪い」
「なにそのピンポイントな妖怪……」
「はやく出せー」
「……。……いやだ。もう、次来るってわかってれば、」
ばりばりっ、と……さっきまでとは比べ物にならない距離で雷鳴が轟く。
音と光がほぼ同じタイミングだった。つまりほとんど直上で鳴ったものである、ということだ。近付いてきちゃったか。
……おや。
「いのりちゃん?」
「ぅぅぅぅ……」
「……まさかと思うけど、泣いてる?」
「泣いてなぃ……」
泣いてるね。
……可愛いじゃん。
ハッ。
これが……小動物に対する愛情、ですか?
これが……みんなが私に対して抱いている感情……!? 泣き顔が可愛いってこういうこと……!?
「出して、いのりちゃん。よしよししてあげるから。怖いなら、雷が去るまでお姉ちゃんが耳を塞いでいてあげるサービスまで」
「……」
もぞもぞと動き。
私を外へ出してくれるいのりちゃん。おお、このサービスそんなにいいのか。
彼女は──。
「んぅ……」
「ちょ」
私の服の中へ、頭を入れてきた。
あの。伸びちゃうよいのりちゃんの方がおっきいんだから。……仕方ない、ボタン外すか。良かったよ今日珍しくボタンタイプのパジャマ着てて。
「……んふ。これ……お姉の心音聞けるからお得かも」
「心音って……」
「あちょっとボタン外しちゃだめ。ひっつけなくなって雷よく聞こえちゃう」
「えー」
「うわすごい。耳じゃなくて……体内を伝って声が聞こえてくる。……なんかお腹の中きゅるきゅる言っててかわいい」
「それは流石に恥ずかしいんだけど」
「……お姉ってさ、ナイトブラつけないよね。なんで?」
「いきなりですね。そして苦しいし邪魔だからです。……そんなに無い、というのもあるけど」
「ふーん。ま、そのおかげで今こうやって……れろ」
「!?」
舐められる。
む、胸の内側が。
「死ぬほどくすぐったいのでやめてください」
「舐められるのがどうえっちなのかわかってないお姉には、身体でわからせるのがいちば──」
どーん! と。
また……地鳴りを伴う雷が。
「身体で、なんだって?」
舐めるのをやめてひっついてきたいのりちゃんに問う。
怖いなら調子乗らなきゃいいのに。
「耳塞ぎサービス求む」
「はいはい。掌で塞ぐのと指入れるのどっちがいい?」
「その質問ちょっとえっち」
「いのりちゃん? サービスしてあげなくなるよ?」
「ゆびいれてくだたい。あたちはそてがいいれふ」
「よくある描写ではあるけど、幼児退行したって別に舌足らずになるわけないよね」
「雷怖い。お姉安心する。あたしお姉大好き」
「はいはい。……ってあれ、声聞こえてる?」
「指と肌の耳栓が完全に音を遮断できるならノイズキャンセリングなんて技術は開発されてないと思、」
ぴしゃん! ひし!
……よしよし。余裕ぶるのやめようねー?
「いつ止む、かな」
「わかんないから、今日は寝ちゃうといいよ。お昼寝……っていうには早い時間だから、二度寝?」
「合法的にお姉に抱きしめられるチャンスなのに……?」
「合法的って……。別にハグくらいいつでもしてあげるから、ね」
「……じゃあ、今度あたしの耳食べて」
「うんうん……うん?」
「今から寝るから、もう話しかけないでね」
いえあのちょっと。
どういうことですか、いのり先生。……あの?