その奇跡が何回も起きたらそれは奇跡と呼べるだろうか 作:トモットモ
「えっと、このまま外に出て問題はねーのか?」
俺が脳内に語りかける。
『はいです。そのままレッツゴーなのです』
ジンカの声がそのまま脳内に伝わってくる。
「じゃ、行ってきまーす」
俺は戸締まりをしっかりとやって外に出た。
う~ん! 中々いい天気じゃねえの。
晴れやかなお日様
僕は下から顔を上げる
眩しい君は
燦々と輝く
いつまでも君は君らしく あなたはあなたらしく
そんな風に笑い合えた
『なんだかポエミーですですね』
「うおっと、俺の思考読んじゃう系?」
『リンクしているので。筒抜けです』
「マジかよ~恥ずかピーな」
『あ、からん、まで共有も出来ます』
接続感パないって。
『ジョリオさん。これからどこへ行くのですか?』
「おう。今日はあそこに行くぜ」
俺は、意気揚々と目的地へと向かった。
まあ、勿体ぶってもあれだからサクッと言っちゃうならばそれは……コラボレーションカフェってやつですたい。
『何ですかここは?』
「奮い立つよな~」
俺がオリジナルドリンクをズズズ~っと飲みながら言うとジンカちゅわんが念を送ってきてる。表現合ってっか?
『何がですか?』
「そりゃマイハートだろ」
『ぷっ、です』
「おい、今笑ったろ?」
『笑ってないですですよ。ぷぷぷのぷ」
あからさまに笑っていやがる。可愛いからいいけどな。1時間制なんであっという間な感じがすんな。好きなものに囲まれてる空間っていうのはいいもんだよな。
そんでもって帰り道。俺は満足気な心持ちで歩く。なんならスキップしてるまである。
『ゴキゲンですね』
「まあな。ジンカちゅわんはつまんなかったかい?」
『そんなことないですですよ』
「ほんとか~? 若干俺のテンションに引いてなかったかい?」
『はい』
「そこは否定しとけよ!」
とまあやいのやいのしている内に、俺とジンカちゅわんは家に帰宅した。
「ただまー」
『お帰りなさいです』
おろ? そっか。いつも1人で出迎える相手なんざいねーもんだからテキトーな挨拶ぶっ放したけど、返してくれるやつらがいるんだよなあ……。
『なんだかしんみりしてますですね』
あんまり思考読まないでん。
『では外に出ます』
ん? ああ、そうか。俺の頭の外に出るってことね。びっくりちた。もう1回出るのかと思ったぜ。お兄さんもうヘトヘトよ。
「おう」
俺の目の前にきーせききーせきと歌が流れる中、ぱっ、ぱっ、ぱっと光が点滅し続けている。そして――
ピカッ! と光が大きく瞬いた。
「まぶしっ!」
そして俺の目の前には──
「ど、どなたですか……?」
パツキンのスタイル抜群な美女がいた。俺のお宝雑誌の娘にクリソツだけど。
「ジンカです。ジョリオさん」
「マジ!?」
「今日イチの雄叫びですね」
ふふっとジンカお姉さんは、小さく微笑む。
「き、奇跡だ……!」
俺は自分の目を疑った。感動で心が震えていやがる。
「びっくりしました?」
ズイッと変身したジンカが俺に迫ってくる。
「あ、ああ……」
「ならばこのドッキリ奇跡は成功ですね」
「ジ、ジンカ……俺」
俺が滾る思いを伝えようと口を開くと、あっとジンカが何かに気付く。
「そろそろ時間です」
「え?」
カッ! とまた光が瞬いた。
「ふう。この奇跡は持続時間がまだまだ短めのようですですね」
ちっこいジンカに戻った。これはこれで可愛いけども……。
「ま、じ、か、よ~~~~~~!」
ガクッと俺はその場で地に伏せる。
「悔しさ爆発ですね」
「ワンモア! ワンモアプリーズ!」
俺の必死の懇願にジンカちゅわんはふふっと笑った。そして俺の頭をポムンとする。
「また、次の奇跡で」
ポムン! とそう言い残してジンカは消えた。
パツキンのチャンネーにまた出会えますように。
奇跡ってしゅごいな~。また次回ですです~。