もし鬼滅の刃の世界に現代の剣道六段を転生させたら 作:スカタン3145
そう、あれは転生して一年ぐらい経った時だった。
呂律が回らない。なんとか立てるようになって母さんと父さんが喜んでいた。
そして、永倉新八、おじいちゃんに初めて会った。
今思えばあれが地獄の始まりだったのかも。
始まりはやつが竹刀を二本持って来た時だった。
一本渡され、父の必死の抵抗虚しく、俺は庭に投げ飛ばされた。
母の抵抗?そんなものなかったよ。アレの娘だし
一年ぶりの竹刀に喜んだ……とうわけないだろ。楽したいんだから。
最初は意味がわからなかった。「このおじいちゃん一歳児に何してるの?」って。
まだ混乱してる中、上段から右片手面が飛んできた。反射的に面返し面の容量で上段を受け、返し技を狙おうとしたんだけど、一歳児の身体能力なんてたかが知れてる。足で裁けないし、ただただ両手で受けただけ。
そのまま押し潰されそうになったから頑張って後ろに飛んだんだよ。20センチぐらい。これだけで体中痛いんだよ。転生してから運動どころか歩き始めたばっかだっていうのにさ……
そしたらさ、おじいちゃんの目の色が変わって竹刀を左手に持ち直したんだよ。
そこから何も覚えてない。
目が冷めたら知らない天井が!!という理由もなく、そこにはおじいちゃんの顔が。
なんか嬉しそうだった。
そこから毎日毎日、朝から晩まで鍛錬。間違えた24時間365日だね。
剣術、体術、座学、射撃、砲術と色々ね〜……いやいや、子供に何教えてんのこのジジィ。暇かよ
どこに逃げてもすぐ見つかるし、母さんに止めさせてほしいと頼んでもなんか武士道がどうのこうのとか言うんだよ……は?廃刀令で武士居なくなってるんだよ?何言ってるの?
と逃げ場もなく、ただただ地獄。タヒねよジジィが。いや、ジジィ二号だな
はっ!!何だ今の?!走馬灯か?!今度こそ知らない天井だ!!
キョロキョロ周りを見渡すとそこには藤田さんが!
「病院だ」
は?なに?病院?なんで?
待って、思い出した。確か全力の(多分)横蹴りを食らったんだった。
「起きろ。鍛錬だ」
???ワタシケガシテルデハ???
「いや、俺怪我しているのでは?」
「知らん」
??????
「立て」
ジジィ、もうちょっとなんか言えよ。言葉足りねぇんだよ
病院の中庭で剣術鍛錬ってしていいの?
ちょっと、その構え何?見たこと無いんだけどぉ?
腰を低く落として、左手で竹刀を地面と水平に構えて、剣先に右手を添える。
なにその無駄があるようで無駄のない突き特化の構え。
こっわ
でも、これなら霞の構えが使えるか?
入ってきた突きを右へ弾いてカウンターを狙えばワンチャンあるかm
「牙突」
また知らない天井!!
結論から言うとだめでしたね!!
はい。
何あれ?初見殺し過ぎない?真っ直ぐな突きだったのに、ただただ速い。
霞の構えでカウンター狙おうと思ったんだけど突きが早すぎで見えんかったわ笑。
気づいたときには目の前にまた知らない天井がぁ
ははは……
首いてぇよ。もっと他の狙えよ
「起きたか」
は!このジジィまたいる!もしかしなくても、俺が起きるまで待っていたとか?忙しいんじゃ無いのか?
「えっと……おはようございます?」
「時間がない。起きろ。鍛錬だ」
え?
同じ天井だ!!
同じ天井だ!!!
同じ天井だ!!!!!
オナジテンジョウウレシイ
ワレオモウユエニワレアリ
タンレーン
オナジ……あれ?この天井って、家に戻って来た?
あれから何時間経ったんだ?
一体何が起きたんだ
起き上がって外を見るともう日が落ちている。
「智勇、起きたのね」
「か、母さん。一体何が?」
「藤田さんが送り届けてくれたのよ。お疲れ様」
つまり、鍛錬はこれで終わりかな?よかっったー!あの突き、何回も食らって死ぬかと思った。ひとまず生き残っt
「明日からまた来てくださるわよ!よかったね!」
は?
「おはよう。鍛錬だ」
「藤田さん、息子がお世話になります」
「あぁ」
ジジィ二号の鍛錬が始まってから一年近く立ちました。
しかーし、対策はあるぜ。いつもと同じと思ってもらっちゃ困るぜ爺さん!あの神速の突きが来る前に距離を詰めて連続技を叩き込めば勝てるはず。多分。
実際、あの突きは基本首しか狙ってこないからそれさえ避ければ後はどうにでもなる。
「では私が初めの合図をさせてもらいますね」
距離を取る。
「初め」
駆ける
突きの構えを取られる前に右脇構えで距離を詰める。斉藤相手だからあんま効果無いかもしれないが、間合いを誤認させられる。
それでも、11歳の体のせいで速度が足りない。間合いに入る前に構えを取られた。来る
「牙突」
来た。でも、昨日と違うことがある。
今日は突きが見える。さんざんあれを食らったからかはわかんないけど、見えるようになった。これで避けられる。
左に踏み込み、間一髪で避けたと同時に間合いに入った。
右足で踏み込み、右脇構えからの横一閃を叩きこむ……込もうとしたら後ろに半歩で避けられたが、これは想定内。
左脇に構えを取り、腰を落とし、二段突きを仕掛ける。
一撃目。半身で避けられたが、二段目を準備する。
普段は単純な真っ直ぐな二段突きだったから避けられたが、同じ避け方をするなら、こっちも突きを変える。
左足を右前に踏み込み、右脇に構え、バランスを崩したジジィに突きをお見舞いする。右脇からの突きはあまり練習してなくて、当たるか心配していたが、当たった。胴にだけど。
そのまま体当たりで地面に叩きつける。最後に、上段からんの振り落としでトドメだ。
「見事。」
ジジィが後転で俺の振り落としを避た。
立ち上がりやがった。
おい待て何だその身体能力。60超えてるとは思えない。
構え直され、連続の剣撃が。でも、突きほどキレがなく、右へ左へ避ける。一発でも受ければまた蹴りが来る。
突き以外は大した事無い。体力的にもこっちが有利。隙はそのうちくるはず。
ジジィの息が上がってきた。
上段からの大ぶりが来た。
左へいなし、横殴りで頭から叩き伏せる。
「か、勝った?」
「さすが新八の血を引いてるだけはあるな」
うぉー!か、勝ったぞ。斉藤一に勝ったぞ!!
40歳差あるけどなんとか勝った。
「二本目と行こうか」
は?