秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

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ジョジョ要素はあまりないです…。


プロローグ

 プロローグ

 

 ――私の名前は秋静葉(あき しずは)。秋を司る神である。私は世のため人のために神様をしているわけではない。大好きな秋を一年中楽しめるように、今まで研究に研究を重ねてきた。そしてこのたび河童の河城にとりの力を借りて、念願の『季節操作マシ~ン』の完成にこぎつけることとなった。私はこれから妹の秋穣子(あき みのりこ)と一緒に、この幻想郷(げんそうきょう)を一年中、秋で埋めつくす計画を実行しようと思う。

 

「……と、いうわけで、さあ、穣子。私についてきなさい。計画が成功した暁には、未来永劫(みらいえいごう)の秋を約束するわ」

 

 と、言いながら、静葉は薄暗い部屋の中で、河童のお皿のような形をした何やらうさんくさい機械を目の前に置くと、不敵な笑みを浮かべていました。

 背後では、この機械をつくった張本人(ちょうほんにん)である河城(かわしろ)にとりが、ニコニコと笑みを浮かべて成り行きを見守っています。

 妹の穣子に、静葉は力強い口調で話しかけます。

 

「さあ、穣子。さっそく、(うたげ)を始めましょう。この説明書に書いてある呪文を唱えながら装置のスイッチを押しなさい」

 

 説明書を受け取った穣子は、その内容を読んで、思わず姉に問いかけます。

 

「姉さん……。これ絶対言わなきゃいけないの?」

「ええ、そうよ。我が世の秋のためならば。恥ずかしがってちゃダメダメよってね。さあ、早く呪文を唱えなさい」

「わ、わかったわ。ええと、……マハリクマハリタヤンバルクイナーカモンベイビーニイタカヤマノボレー! とりゃーーーーー!!」

 

 どうやら、とりゃーーーーー!!までが呪文だったらしく、穣子が、恥ずかしさをこらえて装置のレバーを押しますが、装置はうんともすんとも言いません。

 すると、後ろで見ていたにとりが、思い出したように一言言います。

 

「あ、ごめん。これ引くスイッチだった」

 

 気を取り直して静葉がスイッチを引くと、たちまち部屋の中に空間のひずみのようなものが発生し、そこから現れたムラサキ色のもやもやがまたたく間に三人の視界をさえぎってしまいました。

 

「姉さん! 何も見えないわっ!!」

「慌てることないわ。このもやもやが晴れたとき、新しい世界が始まるのよ。さあ、とくとごらんなさい。黄金時代の幕開けを……」

 

 と、静葉が仰々しく両手を広げたそのとき、突然バリバリドドドーンという轟音とともに、ボカーンという爆発が起きて、三人はウワーッと爆風に巻き込まれてしまいました。

 

――――

 

 目を覚ますと、そこは暗い森の中でした。

 

「いたたた……。もう、どうなってるのよ!? 姉さん! 話が違うじゃない!」

「……まったく驚いたわね。急に機械が爆発するなんて聞いてないわ」

「まったくよ。ねえ! にとり一体どうなってるのよ!?」

 

 と、穣子はにとりに呼びかけますが、返事がありません。

 二人は慌てて起き上がって周りを見回しますが、彼女の姿はどこにも見あたらず。

 

「あんにゃろめ、どこいったのよ……」

「どうやら爆発に巻き込まれたときに、はぐれてしまったようね。まあ、きっと無事でしょう」

「ところで姉さん。ここはどこよ……?」

「多分、妖怪の山の中じゃないかしら」

 

 二人が周りを見回すと、あたりは空が見えないほどのうっそうとした真っ黒い木々と、薄気味悪い霧におおわれ、まるでここは地獄の一丁目かといった雰囲気です。

 ……はて、夢かうつつか。妖怪の山にこんな不気味なトコロはあったでしょうか?

 

「なーにが黄金時代の幕開けよ! これじゃ暗黒時代突入じゃないのよ!」

「あら、奇遇ね穣子。私もそう思ってたところよ」

「この様子だと、どうやら計画は盛大に失敗したみたいね!」

「あら、奇遇ね穣子。私もそう思ってたところよ」

「……しかも何やら妙な事になってない?」

「あら、奇遇ね穣子。私もそう思ってたところよ。気味が悪いったらありゃしないわ」

「……ねえ、ここは本当に幻想郷なの?」

「そうだと思うけど。……まあ、とりあえず歩いてみましょうか」

 

 と、二人が歩き出すと、おや、向こうから誰かがやってきました。

 

 あ、あれは博麗(はくれい)の巫女です!

 博麗の巫女がいると言うことは、やはりここは幻想郷で間違いありません!

 

 彼女は二人を見つけるとこっちにやって来ました。なにやら服やら髪やらがボロボロのようですが、一体どうしたというのでしょうか?

 

「ちょっと、アンタたちここで何をしてるのよ!」

「あ、ごきげんよう。巫女さん」

「どうしたの? 巫女のアンタがそんな姿になるなんて、何があったのよ?」

「どうもこうもないわよ……!」

 

 なにやら彼女は機嫌悪そうです。

 

「まったく、話には聞いていたんだけど、この私が手も足も出せないなんて……!」

 

 どうやら彼女は、妖怪にケンカをふっかけて返り討ちにされた様子。

 博霊の巫女である彼女を打ち負かす妖怪とは、果たしてどんなスゴいヤツなのでしょうか。

 

「へー。あんたほどの巫女がボロボロにされるなんて、よっぽど強い妖怪だったのね?」

「うっさい。とにかく! アンタ達も気をつけなさいよ。私でさえこのザマなんだから」

 

 と、言い残すと、彼女は去っていってしまいました。

 

「……姉さん。今の聞いた?」

「ええ、彼女が手も足も出せないような妖怪がいるとはね。どうやら幻想郷が色々とおかしくなってるみたいだわ。私が思うに、きっとこれは『季節操作マシ~ン』が暴走を起こして幻想郷をこんな世界にしてしまったに違いない」

「ええっ!? どうすんのよ!?」

「どうするもなにも決まってるわ。まずはにとりを見つけて、元の世界に戻してもらいましょう。そして今度こそ幻想郷を秋で埋めつくすのよ」

「……え。姉さん。またあの実験やる気なの……?」

「もちろんよ。これしきのことで私の夢を諦める訳にはいかないわ。いい穣子。これは神が我々に与えた試練なのよ。この試練を乗り越えてこそ、私たちは真の理想郷へとたどり着くことができるのよ」

「神の試練って……。私たちがその神なんだけど……」

「今は四の五の言ってる場合じゃないわよ。一刻も早くにとりにあいに行きましょう」

「あ、姉さん、ちょっと待ってよ!?」

 

 二人はにとりを探すべく、気味の悪い森の中を進みはじめます。

 

 

 こうして二人の奇妙で、長い長い長い冒険が今、幕を開けたのです……。

 




なるべく定期的に投稿できるように頑張ります。よろしくお願いします。
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