秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

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その7

 さて、神奈子たちの命を受け、地底へと向かった龍とみとりは、旧地獄街道を目指して進んでいました。

 

「……そうか。では、アナタは元々地底に?」

「ああ。いろいろワケがあってね。それで長官に呼ばれて地上に出てきていたんだ」

「ほう。長官からじきじきご指名とは……。よほど信頼されていると、お見受けする」

「いやいや。そんな……。せいぜい地上と地底の橋渡し程度の役割じゃないかと」

「フフフ。そんな謙遜(けんそん)しなくても。アナタからはただ者ならぬ気配を感じますとも」

「そう言うアナタからも、十分に強者のオーラを感じるが……」

「いやいや。そんな……。一応、大天狗なんて肩書きはついてますが、そんなにたいしたことありませんよ」

「いやいやまたそんな……」

 

 などと言ってるウチに、二人の眼下に街並みが見えてきます。しかしなにやら様子が変です。

 あちこちから黒煙が立ち上っています。

 

「むむ!? みとりどの。これは!」

「……ああ、いそごう!!」

 

 二人が街へたどり着くと、二人の目に信じられない景色が飛び込んできました。

 なんと、建物という建物が壊れ、黒煙に包まれて燃えていたのです!

 

「これは! いったい誰がこんなマネを!?」

「みとりどの! あれを!」

 

 みとりが龍が指をさした方を見ると、なにやら弾幕が激しく飛び交っています。どうやら誰かが交戦中のようです。

 

「……いったい誰が戦っているんだ?」

「この威圧感。よほどの実力者同士と見た!」

 

 と、そのときです。

 何者かが二人の目の前にズンっと着地してきます。

 

「……ふう。やれやれ。コイツはなかなか厄介だな」

「ああ! オマエは!?」

「ん……?」

「勇儀! 私だよ!」

「何ぃ!? なんでここにオマエがいるんだ!? みとり! それに大天狗サマまで!?」

「いったい誰と戦ってるんだよ!? 勇儀!」

「あ、ああ……。紅魔の吸血鬼だよ」

「なんだと!? 紅魔っていうことは……」

 

 そのとき三人の目の前に赤い弾幕が降ってきます。それも尋常な量の!

 

「うわ!! なんだこれは!?」

「……まったくやってくれるね!」

 

 勇儀は立ち上がって、気合い一閃、拳を突き上げます。すると衝撃が発生し、弾幕をかき消していきます。

 

「やれやれ……。相手が相手なだけに、本当は本気で挑みたいトコロなんだがな。これ以上街を壊すわけにもいかないし」

 

 どうやら彼女は、場所が悪くて本気を出せず手こずっている様子。

 

「勇儀! 私がいく!」

「あ、おい! 待てみとり!?」

「みとりどの!?」

 

 制止する勇儀たちを無視して、みとりは上空へ飛び上がります。そして、そのまま彼女は空中にいるレミリアへと向かっていきます。

 

「キサマ!! 地底になんてマネをしてくれたんだ!?」

 

 レミリアは、見下すような目つきでみとりを見ます。

 

「あん? ……なんだオマエは? 誰に向かってモノを言っていると思っているんだ」

「うるさい! とっとと失せろ! 野蛮な吸血鬼ごときが!」

 

 みとりはレミリアに×マーク状の弾幕を放ちます。そして弾幕を放った瞬間、彼女に言い放ちました。

 

「オマエに私の弾幕をさけることを禁じる!」

「なに……?」

 

 すると、レミリアは身動きが取れなくなり、彼女の弾幕の直撃を受けてしまいます。

 

「ちいっ……! こざかしいマネを……! オマエ何者だ!」

 

 にらみつけるレミリアに、みとりは言い放ちます。

 

「私は、赤河童の河城みとりだ。『あらゆるものを禁止にする程度の能力』を持つ!」

「な、なんだと! そんなの反則じゃないか!」

「なんならオマエが息をするのを禁じてやってもいいんだぞ?」

「ぐっ……!」

 

 みとりの言葉にレミリアは、思わず歯ぎしりをして言い放ちます。

 

「……くっ。まあいいさ! 今日のところはあいさつ代わりってコトで、この程度にしといてやるわ! だが、いずれココも私の支配下にしてやるからな! 覚悟しとけ!」

 

 そう言い残すとレミリアは、飛び去っていきました。

 

「……あらあら」

 

 遠くで様子を見ていた典は、レミリアが撤退するのを見届けると、思わずニヤリと笑みを浮かべてつぶやきます。

 

「……あの赤河童。なかなか面白いじゃないですか。ふふふ……」

 

 □

 

 そのころ、穣子たちは、妖怪の山にむかっているところでした。

 

「それにしてもさぁ。なんでオマエ、レジスタンスなんかに入ったんだよ?」

「え? いやそれは……。なんというか」

 

 ヤマメの問いにリグルは、思わず言葉をにごしてしまいます。

 

「ま、なんでもいいけどさ。オマエみたいな弱虫が役になんか立てんの?」

「う……うるさい! 私にだってやれるコトくらいあるよ!」

「へえ。たとえば?」

「え? いやそれは……。その……」

 

 再びリグルは、言葉をにごしてしまいます。

 

 と、いうやりとりを、二人はずっと繰り返しているモンだから穣子は……

 

「……あーもー。やだやだ。とっとと終わらせて、とっとと帰りましょ!」

 

 と、嫌気がさしたように、ふて腐れています。

 そんなこんなしているウチに妖怪の山に着きました。しかし、ここである問題が。

 

「……ねえ。そーいえば二人とも。どっちのボスに書簡届ければいいのよ?」

「あ! そういえば聞いてくるの忘れた!」

「慧音さんも何も言ってなかったね……」

「もぉー。どーすんのよー?」

 

 穣子は思わず、ため息をつきます。するとリグルが一言。

 

「あの。何も言われなかったというコトは、どっちもでいいってコトだと思うんだ。だから私たちで決めちゃっていいんじゃないかな?」

「あー。それもそうだね。んじゃ、どっちにする?」

「よーし。じゃあここは多数決で決めちゃいましょー!」

 

 三人が多数決を取った結果、河童の住処に行くコトになりました。すなわち、神奈子……。じゃなくて技術局長官のほうです。

 と、いうわけで、三人はさっそく河童の住処へと向かうのでした。

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