秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

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その16

 

 その日の夜、同盟軍の会議室では神奈子、諏訪子、静葉の三人が、最後の作戦会議を行っていました。

 

「……では、各軍の状況報告をお願い」

「我が河童軍は兵器の開発をすべて終了し、配備も終えている。いつでも作戦開始できる状態だ」

「おなじく天狗軍も、各隊列の配置はすべて終わっているよ。皆、選りすぐりの精鋭ばかりさ」

「ふむ。じゃあ、残るはレジスタンスと共闘の準備ね」

「ああ、そういうコトだな」

「と、言っても、おおまかな動きはすでに伝えてあるんでしょ? 静葉」

「ええ。彼女らには、おもに里の人間の解放を優先に動いてもらう予定になっているわ」

「よし。では、我々は存分に暴れさせてもらうとするか」

「そうだね! 力を見せつけてやりましょう!」

「……あ、そういえば静葉。レジスタンスへ使者は誰を送るつもりなんだい?」

「そうね。……私が直接行くわ」

「なんだと?」

「アンタがじきじきに?」

 

 驚きの表情を見せる二人に静葉は言います。

 

「そうよ。だって作戦を一番知ってるのは私だもの。私が行くのが無難でしょう」

「……ふむ。たしかにそれもそうか」

「よし。じゃあ、アンタにまかせるよ」

「ええ。あなたたちも頑張ってね」

「まかせて!」

「それじゃ作戦決行は明朝ということで。私は今からレジスタンスのところに行ってくるわ。どうか御武運を」

「うむ! 静葉もな!」

 

 静葉は二人に現場指揮をまかせ、レジスタンスのところへと出かけました。

 

 □

 

 さて、同じころ、穣子はリグルとともに紅魔館への潜入を試みていました。

 二人ともすでに紅魔館近くまで来ていますが、門の前には門番である美鈴の姿が。

 

「ま、やっぱりいるわよねー」

 

 夜というコトもあってか、彼女はアクビをして眠たそうにしていますが、しっかりと立って見張りをしています。

 

「……さて。どうしたもんかしらね」

「そうだね……。このアイテムでメイド妖精に変装しても、逆に怪しがられてしまうだろうし」

「敷地の外にメイド妖精がいるのはおかしいもんね。思い切って門以外のところから入ってみるとか?」

「それこそ危ないよ。もし万が一にでも、レミリアに見つかったりしたら……!」

「ひえぇ……。想像するだけで背筋が凍るわ……!」

「やっぱりここは彼女の気をそらして、そのスキに潜入するしかなさそうだね」

「……でも、どうやって?」

「……うーん。あ、そうだ! ……上手くいくかわからないけど、ちょっと試してみたいコトがあるんだ。やってみてもいいかな?」

「ええ、いいわよ!」

「ちょっと驚かすことになるけど、ゴメンね……?」

 

 そう言ってリグルはサッと手をかかげます、すると、どこからともなく何やら羽音が聞こえてきて……。

 

「……何よ。この音?」

 

 なにやら黒い塊が、羽音を立てながら、こちらに向かってきています。

 わわ!? なんと! ハチです! ハチの大群がやってきました! スウォームです!

 

「うわっ!?」

「大丈夫! こっちには来ないから」

 

 ハチは、そのまま美鈴に向かってきました。

 

「アイヤー!?」

 

 美鈴は慌てて逃げますが、ハチは彼女を追いかけてきます。

 

「ひえー!? お助けー-!?」

 

 彼女は、ハチに追いかけられて門から離れていってしまいました。

 

「よし! いまのうちに!」

 

 そのスキに穣子たちは、紅魔館の敷地内に入り込みます。

 

「あー。おどろいた。よーやるわね。アンタ」

「よし、上手くいったね。これで第一の関門は突破だよ。次は……」

「葉っぱ使って化けるんでしょ?」

「うん。今取り出すよ」

 

 リグルは、例の葉っぱを取り出すと頭に乗せます。そして「エイヤ」と念じると、ドロンと言う効果音とともに虫っぽいメイド妖精の姿になりました。

 

「どう……かな?」

「おお! どこからどう見てもメイド妖精よ! これならバレることなさそうね!」

 

 さっそく穣子も同じように葉っぱを額に乗せて念じます。するとドロンという効果音とともに、大きなサツマイモになりました。

 

「なんじゃこりゃー!? なんで私がイモに……!」

「……ねえ、もしかして念じたときに余計なコト考えなかった?」

「ああ、そういえば焼きイモのコトをちょっと……」

「それが原因だよ。雑念が入っちゃってイモになっちゃったんだ!」

「そんな!? オーノーなんてこったい……!?」

「うーん……。こんな大きなイモ引きずってたら怪しまれちゃう……」

「いちおう自分で動けるけど……」

「イモが一人で動いてたら、それこそ怪しいなんてもんじゃないでしょ?」

「それもそうか……。もはや怪奇現象だわね」

「しかたないから、私一人で潜入してくるよ。穣子はそこで待ってて」

「えっ」

「大丈夫。たぶんそのうち変身解けるから」

「えっ。それはそれでヤバいんだけど……!?」

「それじゃ!」

「え!? ちょっと……!?」

 

 と、いうわけでリグルは、穣子を置いて一人で中に入っていってしまうのでした。

 

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