そのころ、河童の住処では……。
たくさんの河童たちが作戦開始に備えて待機しています。
その中には、河城姉妹の姿もありました。みとりは何やら説明書を読みふけっており、にとりは何やら考え込んでいる様子。
「……うん。よし、操作は大体理解したぞ。これできっと思う通りに動かせそうだ。にとり、そっちは大丈夫そうか?」
みとりはにとりに呼びかけますが、彼女は考え込んでいるせいか呼びかけに答えません。
「おい、にとり?」
声に気づいたにとりは、慌てて振り返ります。
「あぁ……! なんだい? ゴメン。ボーっとしてた」
「大丈夫か……?」
「あ、うん! 大丈夫!」
「どうだ。そっちの塩梅は」
「ああ、うん! なんとかイケそうだよ!」
「そうか。それならいいんだが。……しかし、こんなモノを作り上げるコトになるとはな……」
「本当だよね! あの設計図は、恐らく外からのものだろうけど……。それにしてもコイツは想像以上のシロモノだ……。やっぱり長官さまはスゴイんだなぁ」
二人の目の前には、黒くて大きな三角形状の機械があります。
どうやらコレが神奈子の言ってた兵器のようですね。
その兵器が、河童の住処の一角に大量に配置されています。なかなか壮観です。
その様子を、神奈子と諏訪子が上空から見下ろしています。
「……ふむ。順調そうだな」
「そのようねー。……それにしても神奈子」
「なんだ?」
「アンタは、よくもまぁ突拍子もない作戦考えつくモンだねぇ」
「くくく……。そうか? 私は相手と状況を考えて、作戦を使い分けているだけだよ」
「さすが軍神を名乗るだけあるわ」
「……なんだ今日はやたらほめるじゃないか。どうしたんだ?」
「……ねえ、神奈子。この戦で本当にすべて終わると思う?」
諏訪子の問いに神奈子は、しばらくアゴに手を当てて考えるそぶりをみせると答えます。
「……さあね。少なくともレミリアのヤツは大人しくなるだろうが。それ以上のコトに関しては、正直、私はもう直接関与する気はないよ。あとは当事者同士でやってくれって感じだな」
「そうね。このが戦終わったら、私も神社に戻ろうっと」
「ああ、そうだな。さすがに早苗のヤツも寂しがっているだろうからな」
「……あの子には、申し訳ないコトしたわ」
「まったくだ。帰ったらヤツに謝らなければな」
「ほんとよ……」
「……しかし諏訪子よ。こっけいだな」
「何がよ?」
「我々は神なのに、これじゃまるであの子の方が立場が上のようじゃないか」
「何を今更言ってんのよ。そんなの前からでしょ?」
「くくく。間違いないな」
思わず苦笑を浮かべる二人。
「……さて、諏訪子。おそらく明日は、この世界の運命を決める戦いとなるだろう」
「そうね! なんとしても作戦を成功させましょう! 神奈子!」
二人を気を取り直して表情を引き締めると、お互いに力強く握手をかわすのでした。
□
さて、レジスタンスのもとへ向かった静葉は、さっそくアジトで聖にあっていました。
「まあ。静葉さん。わざわざお出向き頂きありがとうございます。私がレジスタンスまとめ役の聖です」
「あなたがそうなのね、ご苦労さま」
「この度は、我々レジスタンスとの共闘を決断して頂き感謝しています」
「こちらこそ。目的が同じ組織と一緒になれるのはとても心強いわ。それで、そちらの準備はどうかしら」
「ええ。事前の通達では作戦は明日の朝決行とのことで、それに向けてこちらも今動いているところですよ」
「そう。ならよかったわ。それじゃさっそく本題に入るけど……」
静葉は作戦が内容が書かれた書簡を聖に渡します。
聖はさっそく開けて中の書類を読みます。
「……え!? これはどういうことですか……?」
その内容を見て思わず驚く聖。
「読んでの通りよ」
「読んでの通りって……!」
驚きのあまり、聖は言葉を失ってしまいます。
その様子を見て静葉は、不敵な笑みを浮かべると彼女に告げました。
「大丈夫よ。私たちを信じて」