秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

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その19

 一方、リグルは。

 

「情報だと、地下に人間たちはいるって話だよね……」

 

 こちらは変装がカンペキなコトもあって、すんなりと地下へと向かうコトができていました。

 彼女が地下への階段を降りた先には、大きな扉があり、その扉を開いた先には……

 

「うわ!? なんだここ!?」

 

 彼女が驚くのも無理はなく、大きな空間に大勢の人がいたのです。しかもそこには、トーフのような四角い家が理路整然と建ちならび、人たちは畑を耕したり、そこら辺を散歩していたりしています。公園では子供たちが遊び、まるで一つの大きな村のようになっていました。

 空もキレイな青空で、太陽の光が暖かく降り注いでいます。いったいここは……?

 

「……そういえば、紅魔館には魔法使いがいるって話だったっけ。その人の仕業なのかな」

 

 リグルが周りを見ながらその空間を歩いていると、黒い魔女みたいな服に、魔女みたいな帽子をかぶった金髪の女性がベンチに座って団子をほおばっているのを見つけます。おや、もしかして彼女は……。

 

「……もしもし! もしもし!」

 

 すかさずリグルが話しかけると……

 

「ん? なんだ? メイド妖精なんぞに用はないぞ。帰れ帰れ!」

 

 と、つっけんどんに突っぱねられてしまいました。

 

(……あ、そっか。姿変わっているから気づかないんだ)

 

 リグルは困ってしまいますが、そんな都合よく変身が解けるわけもなく……と思ったら、ドロンと元の姿に戻れました。ラッキー! どうやら都合よく変身が解けたようです。

 

 その姿を見た魔理沙はリグルに言い放ちます。

 

「あ!? オマエは! 行方不明になっていたリグルじゃないか!?」

「いや、行方不明になっていたのはアナタの方ですよ!? 魔理沙さん! さがしましたよ! 連絡取れなくなっていたので、レジスタンスの皆心配していますよ?」

「ああ、もしかしなくても探しに来てくれたのか。悪い悪い。ここは外界と完全に隔離された世界みたいでな。連絡も取れなくなってしまったのさ」

「そうだったんですね。とにかく無事でよかったです。それでここはいったい何なんですか?」

「さあ、私にもわからん。なんか知らんが平和だな」

 

 と、そのときです。

 

「説明しましょう!」

 

 突然、二人の前に紫色の寝間着のような服を着た、不健康そうな女性が姿を現します。

 彼女は二人が返事をする前に勝手に話し始めます。

 

「聞いて驚きなさい! この空間は、人間が健康的に過ごすためにつくられたモノなのよ!」

「お前はいたって不健康そうなのにな」

「私のことはほっといて……」

「でも、いったいどうしてこんな空間を……?」

「この館の主レミリア・スカーレットは吸血鬼。吸血鬼は人間の血を好むもの。でも、グルメな彼女は、不健康な人間の血は美味しくないから嫌いなのよ」

「わがままなヤツだ。ははぁ。なるほど。それで人間たちになるべく健康に過ごしてもらうために、この空間があるというワケか」

「そのとおり! ここは三食昼寝つきで、眠るベッドもふかふかの極上モノ。疑似太陽の光もふんだんに浴びて、すくすくと健康に育つコトうけあいよ!」

「なんだ。みんないい生活してるんじゃないか。なんかこのままでいい気がしてきたぜ」

「本当ですね。うらやましいくらいです」

「そうよ。何しろ、ここは私が研究に研究を重ねて作り上げた人間の理想郷だもの。よかったらあなたたちもゆっくりしていっていいのよ?」

「お、そうか? じゃお言葉に甘えちゃおうかな」

「え……。で、でも、私たちにはまかせられた任務があるので……」

「……あら、そう。それは残念ね。じゃあ、せめてものはなむけとして、入り口まで送ってあげるわ」

 

 と、彼女が言うと、二人はいつのまにか扉の前にいました。

 

「あれ……? ここは空間への入り口? 戻されちゃった?」

「おいおい。パチュリー! なんで私まで巻き添え食らわなくちゃいけないんだ!?」

「パチュリー……?」

「ああ、さっきの紫もやしはパチュリーって言ってな。ここに住む魔法使いなんだよ」

「ああ、あの人が! じゃあ、あの空間って」

「そうだ。十中八九、アイツがつくったんだろう」

「でも、私たちって敵ですよね? なんであんな親切に教えてくれたんでしょう?」

「そんなの知らん。たぶん、自分の魔法を誰かに自慢したかったんじゃないか……?」

 

 と、そのときです。

 

「ホギャーー!!?」

 

 という叫び声とともに、大きなイモが階段を転げ落ちてきました。

 

「なんだありゃ!? なんかでっかいイモが落ちてきたぞ?」

「いや、あれは穣子!」

「え? あれイモ神なのかよ? なんだ。とうとう本物のイモに」

「んなわけあるかい!?」

 

 と、穣子がツッコむと同時に、ドロンと音を立てて元の姿に戻りました。どうやら魔法がきれたようです。

 

「いったい、どうしたんですか?」

「階段降りて下行こうとしたら、イモだったコト忘れてて……」

「ああ、足がないから、そのまま転げ落ちたんですね」

「なんだやっぱりイモだったんじゃないか」

「だから違うって言ってるでしょ!?」

 

 などと、ワーワー言っていたそのときです。

 

「見つけたわよ。アンタたち!」

 

 なんと三人の目の前に咲夜が現れました。これはヤバいかも……!?

 

 

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