秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

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その20

 

「げっ! 出た!?」

「パチュリーに聞いたわ。ここにドブネズミが迷い込んでるって」

「なんだと!? 誰がドブネズミだ! 失礼なヤツめ! ……まあ、確かに私は黒いは黒いが」

「いや、魔理沙さん。ドブネズミはどちらかというと灰色ですよ?」

「ああ、そうか。……じゃあ違うな! 悪いが私たちはドブネズミじゃないぞ! ドブネズミは黒くないからな!」

「アンタたちの黒さなんて、どうでもいいわよ!? 私の役目は侵入者を排除するのみ!」

 

 やはり咲夜はナイフを構えてヤル気満々です。

 

「よし、ここは私にまかせてオマエらは逃げろ!」

「え。でも?」

躊躇(ちゅうちょ)してる場合かよ。リグル! 見ろよ! イモ神さまはさっさと逃げてったぞ?」

「へ……?」

 

 そのとおり、穣子は脱兎のごとく、その場から逃げ去っていました。

「あっ!? 待ってよー!!」

 

 慌ててリグルも追いかけます。すると咲夜は苦笑を浮かべて告げます。

 

「……フフフ。バカなヤツらね。あっちは行き止まりなのに……」

「なんだと!? ……ま、いいか。あっちはあっちで何とかしてもらおう」

「そうね! まず先にアンタを始末しないとね! 魔理沙!」

「それはこっちのセリフだぜ! 覚悟しろ! 咲夜! 白黒つけてやる!」

「アンタは真っ黒だけどね!」

 

 二人が同時にはなった弾幕がぶつかり合い、あたりにまばゆい閃光がほとばしります。

 そして、そのまま二人は激しい弾幕合戦へと移行するのでした。

 

 □

 

 一方、逃げた二人はというと……。

 

「……ねえ、穣子。本当にこっちでいいの?」

「そんなの私に言われてもわかんないわよ!」

「ええ……。じゃあ、なんでこっちに来たの?」

「しかたないでしょ! 逃げるコトしか考えてなかったし……」

 

 二人はどんどん奥へ進みます。

 

「……穣子。なんかだんだんジメジメしてきたよ?」

「そうね。ノド乾いてたから助かるわー」

「……穣子。なんかカビくさくなってきたよ?」

「そうね。ちょっと変わったニオイ嗅ぎたかったから助かるわー」

「……どういう状況なの。それ」

 

 更に奥に進むと、やがて二人の目の前に、いかにも古めかしい重厚そうな木の扉が現れました。

 

「ほら、穣子、行き止まりみたいだよ?」

「うーん。やっぱり道、間違えちゃってたみたいね……。と、言っても今更戻るわけにもいかないし……」

「……でも、なんかここ入るの気が引けるなあ……」

 

 などと二人が尻込みしていると、突然ドアが重苦しい音を立てて開きます。

 まるで「どうぞ、お入りください」と、言っているようです。

 

「……ねえ、どうする? 穣子」

「いや、もうこれは入るしかないでしょ? 話の流れ的にも」

「……うう、わかったよ」

 

 二人は渋々、部屋の中に入りました。

 

「おじゃましまー……す」

 

 カビくさい入り口に反して、中は意外にこざっぱりとしています。何かの魔法による照明でしょうか、ほんのりとコハク色に照らされた室内は、テーブルとイスが置かれており、その奥にはカンオケを模したベッドがあります。そしてそのベッドの奥にある丸椅子に座って、本を読んでいる少女の姿が……。

 

 その少女は、コチラを振り向くと、口元に笑みを浮かべ、二人に告げました。

 

「……いらっしゃい。二人とも。少し私に付き合ってくれないかしら……?」

 

そう言うと、その少女は二人を見つめ、その目を赤く怪しく光らせるのでした。

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