戻って、紅魔館上空ではレミリアが、攻撃をモノともせずノリノリで戦闘機を撃墜し続けています。
「フハハハハ! こんな心のない機械なんかじゃ、私は倒せんぞ!!」
神奈子は、腕を組んだままじっと戦況を見守っていましたが、フッと笑みを浮かべて彼女に告げました。
「そうかい。……それじゃあ、二の矢といこうか! 行くよ! 諏訪子!」
「はいよー! そんじゃ、天狗軍攻撃開始ー!」
いつの間にか現場に駆けつけていた諏訪子の号令で天狗軍が、一斉にレミリアに攻撃を仕掛けます。
「……いつの間に!? クズ鉄の群れに気を取られて気づかなかったわ!」
規則的な機械と違い、不規則な動きで素早く攻め立てる天狗たち。
さすがに苦戦するかと思われたレミリアですが……。
「……フン! しょせんオマエらと私じゃ格が違うんだよ! 格が!」
レミリアが次々と放つ赤い光弾が、天狗たちを次々と撃墜していきます。
「よしっ! 今度こそ私の出番ね! 待ってました!」
地上で待機していたうどんげは、イキイキとした表情で負傷した天狗の手当てに向かいます。
「……ふむ。どうやら作戦は第二段階に入ったようね。上空では天狗と河童両軍による波状攻撃が、レミリアに襲いかかっていることでしょう」
「……あの、静葉さん。だいぶ天狗たちにも負傷者が出ているようですが……」
「大丈夫よ、聖。精鋭部隊がそう簡単に負けるわけないわ」
静葉の言うとおり、負傷した天狗たちは傷の手当てが終わると、すぐに戦列へと復帰していきます。
「ちょっとちょっと!? いくらなんでもアナタたちタフすぎない!? 天狗って戦闘民族だったっけ!?」
思わず驚きの声を上げるうどんげに静葉が答えます。
「彼女らには、文字通り
「ああ、そういうコトなのね……」
そうつぶやくと、あっけにとられた様子で、うどんげは思わず上空を見上げるのでした。
□
さて、地上で激しい戦闘が繰り広げられる中、地底の地霊殿では、さとりとお燐が応接間で話をしていました。
「お燐。体調の方はどう?」
「おかげさまで、もうすっかり元気ですよ」
「……そう。永琳さんには感謝しないとね」
「はい!」
「……お燐。アナタには今までつらい役ばかりを引き受けてもらって、申し訳なかったわね」
「そんなそんな。どうしたんですか急に? 気にしないでくださいよ、さとりさま。あたいはこれでも結構楽しんでましたし」
「そう言ってもらうと助かるわ」
「それにしても、さとりさま?」
「なにかしら」
「今日は、心読まないんですね……? もしかしてお疲れですか?」
「……え、ええ、そうね。たまにはこうして、面と向かってしゃべるのも悪くないでしょう? それに確かに疲れもあるわね」
「……ご無理なさらないでくださいね? ま、あたいとしては新鮮でいいですよ。こうやってさとりさまと直に話すのは」
「……ありがとう。お燐。今ごろ地上では、同盟軍が紅魔館に攻め入っているコトでしょう。……果たしてこの先、どう事態が転ぶのか……。できる限り手は打っておきたいところ」
「……ええ」
「……そのためのアナタでもあるのよ。つらいかもしれないけど……」
「ええ、もちろんわかってますとも」
「……それじゃ、引き続きよろしくお願いね。お燐」
「はい。……では失礼します! ……さとりさま」
お燐は、深々と一礼をすると、さとりの顔をじっと見つめながらその場を去ります。さとりもまた、お燐が立ち去るまで彼女の顔を見つめ続けていました。
それからしばらくして、さとりの元に何者かがやってきます。
「……誰ですか? どうやってここへ……?」
「フリーパスってヤツだ」
「……他の皆はどうしたのです?」
「呼んでも誰も来やしないさ。オマエさんお得意の読心術でもつかってみたらどうだ?」
「……ふむ、なるほど。この私を……。始末するつもりですか」
「悪く思うなよ。これもこの世界のためだ!」
「……そうですか! 地霊殿の主である私の命を狙ったコトを後悔させてあげるわ……!」
さとりは、その侵入者に向かって弾幕を張り巡らせます。対する侵入者も余裕の笑みを浮かべながら、スペルカードを取り出すと、発動させました。