秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

66 / 85
その6

 穣子たちが里に着くと、立ち上がる黒煙と逃げ惑う人々で混乱状態となっていました。

 すかさず静葉が村人の避難誘導に回り、残った穣子とリグルで襲撃者の相手をすることに。

 

「で、襲撃者ってのはどこよ!?」

「穣子。上見て!」

「あ、あんなところに!?」

 

 二人が上空を見上げるとそこには何やら楽器のようなモノ持った二人組が。

 片方は琵琶を持ち、もう片方は琴らしきものを持っています。二人とも見た目がどことなく似ており、どうやら姉妹のようですが……?

 

「あ! アイツら見たことあるわ! えーと名前は何だったっけかな。……あ、そうだ! 思い出した! もずく姉妹よ!」

「え? そんな名前なの? あの二人」

「そうよ! 姉の方が確か、ぺんぺん草で妹の方が生八橋!」

「ぺんぺん草と、生八橋。なんかおいしそうな名前……!」

「よーし! やっつけてやるわー!」

 

 穣子はさっそく二人に近づいて言い放ちます。

 

「こらー! そこのもずく! アンタらリバイスとかのメンバーなんでしょ!? この泣く子も黙る穣子大明神さまがやっつけてやるんだからね!?」

「……あら、誰かと思えば、イモ神じゃない。何よ。邪魔するんならブッ倒すわよ!?」

「望むところよ! とっちめてやる!」

 

 穣子は二人に向かって弾幕を放ちます、が。

 

「ふふん。そんなモノこうしてやる!」

 

 琵琶を持った方がベエェーーンとかき鳴らすと、衝撃波が発生して弾幕をかき消してしまいます。

 

「なぬぅ!?」

「次はこっちの番ね! さあ、やっちゃいな!」

「はい! 姉さん!」

 

 妹らしき方が琴をポロポロとかき鳴らすと、あたりに次々と爆風が巻き起こります。慌てて二人はなんとかその爆風をよけます。

 

「なによこれーっ!? アイツらこんなに強かったっけ!?」

「きっと、マジックアイテムで強化してるんだ! おそらく楽器の音を衝撃波や爆風に変えてるんだよ!」

「なにそれ!? そんなの反則でしょ!?」

「アハハハハ! ザマァないねぇ! 私たちに近づくコトもできないの!?」

「このぉー! 正々堂々弾幕ごっこで勝負しなさいよ!?」

「弾幕ごっこですって? 姉さん、今の聞いた? そんなのもう古いわよね?」

「ええ、そうよ。これからは弾幕ごっこ関係なく、純粋に強いモノが頂点に立つ時代! 我々、付喪神たちもようやく陽の目を見られるようになったの! これからの幻想郷は今まで虐げられていた者も上に立てるのよ! 世はまさに下克上時代! アナタたちはその礎となりなさい!」

「ぐぬぬぬ……。なんか言ってるコトよくわかんないけど、アイツら弾幕ごっこする気はないようね!」

「……どうする、穣子?」

「そうね! とりあえず、これ以上、里で暴れられると困るから、いったん里の外におびき出しましょう!」

「どうやっておびき出す? また、私が何か虫呼ぶ?」

「いえ、ここは私にまかせて!」

 

 穣子は、大きく息を吸うと、腹の底から声を出して二人に言い放ちます。

 

「やああああぁーーーいっ! そこのぺんぺん草あぁー! オマエなんか、鍋で煮込んでおひたしにして食べてやるんだからぁーーーー!」

「なんですって!? 誰がぺんぺん草よ!?」

「くやしかったらここまでおいでー! おしりぺんぺん草ー!」

 

 などと言いながら穣子は、あっかんべーをしながら里の外へ逃げ出します。

 

「ぬぬぬっ! 待ちなさーい! 私たちも行くわよ!! あのふざけたイモに焼き入れて、焼きイモにしてやんないと!」

「あ、姉さん! 待ってよー!?」

 

 まんまと穣子の挑発に乗っけられてしまった二人は一緒に里の外へと飛び出しました。

 

 文字通り、場外乱闘のはじまりです。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。