秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

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その10

 

 その頃、霊夢の説得に向かった紫苑はというと。

 

「あ、あのー……」

「あん? なによ。アンタなにしに来たのよ?」

「あ、いえそのー……」

「もしかしてまた居候しに来たんじゃないでしょうね?」

「ち、違うわよ!」

「じゃあ、なによ?」

「あ、あのさ。霊夢……。いつまでそうやってるつもりなの?」

「あーん? もしかしてアンタも私を説得しに来たっての?」

「そ、そうだよ。萃香に言われてだけど……!」

「はぁ……。ったく。何度言ってもムダよ。だって、私だってどうしたらいいのか全くわからないんだもん!」

「だ、だからって、こんなコトしてても何もならないよ……?」

「じゃあ、どうすればいいのよ!?」

「そ、それは……。うーん」

 

 と、彼女が説得に苦戦しているころ、外の萃香は。

 

「……あの貧乏神のやつ、大丈夫かなー。アイツいざというときの押しは強いけど、そこにいくまでがなー……」

 

 と、やきもきしていたそのとき。彼女の目の前にある人物が。

 

「よっ! 誰かと思えば萃香じゃないか! こんなとこでなにしてんだ?」

「あ!? オマエ……!?」

 

驚く萃香に向かって、その人物はニッと笑みを浮かべます。

 

 戻って紫苑と霊夢。

 

「もうさぁ。どうでもいいのよ。だって妖怪にすら勝てない巫女なんて何の価値もないもん。お願いだから、もう放っておいてよ!」

「そ、そんなコトないよ。……だって、霊夢は優しいし、懐深いし。この神社に居候している妖怪たちだって皆、霊夢を慕って来てるんだよ?」

「なによ。今度はホメごろすつもり?」

「い、いや、そういうわけじゃないけど……」

「……それはそれでありがた迷惑な話だけどねー。こっちは別に住み着いてもらいたいわけじゃないし」

「うーん、それが巫女の人徳ってヤツなんじゃないかな? よくわかんないけど……」

「ふーん。ま、それはどうでもいいけど。で、結局、私にどうして欲しいってワケ?」

「え。そ、それは……えーと」

 

 そのときです。

 

「そんなの決まってるだろう! 博麗の巫女としてこの『異変』の解決に動くんだよ!」

 

 思わず二人が振り向くとそこにいたのは。

 

「……アンタは!?」

「……ま、魔理沙!?」

 

 そう、萃香の元に現れたのは霧雨魔理沙でした。

 彼女は彼女で霊夢を説得するために、偶然神社を訪れたのです。そして、萃香から話を聞いた彼女は、さっそく霊夢の元へと向かったというわけです。

 

「……まったく。こんなトコロでいつまでくすぶってるつもりだ? おい霊夢。いいか? オマエがこの『異変』を解決しないといつまでたっても幻想郷はめちゃくちゃなままなんだぞ!?」

「それはそうだけど……。いったいどうすればいいのよ? 今の私は妖怪も倒せないのよー?」

「ああ、そうだな。……だが、別にオマエが弱くなったわけじゃないんだぞ? 妖怪が一方的に強くなってしまったんだ」

「そんなの一緒でしょ!」

「いや。違う! ……どうやらこの『異変』には元凶が存在するようだぜ?」

「……え? つまり、一方的に妖怪の力を強くしてしまったヤツがいるってコト?」

「ああ、そうだ! そいつを叩けばきっと元に戻るに違いない! あとは、いつも通りにオマエのカンを頼りに動けばいいのさ!」

 

 魔理沙の言葉を聞いた霊夢は、しばらくポカンとしていましたが、やがて。

 

「……ふふ。そっか。そうね。……まったく、なんでこんな簡単なコト気づかなかったのかしら。ホント、いつも通りにやればいいだけのコトだったのに」

 

 霊夢は自嘲気味な笑みを見せながら、一升瓶を床に置くと、すっと立ち上がります。

 その表情はさっきまでののほほん巫女とは打って変わって、赤い通り魔……。もとい、異変解決モードの巫女のソレに切り替わっていました。

 

「……二人ともありがとうね。おかげで目がさめたわ! あ、そうだ紫苑!」

「はい……?」

「萃香のヤツにも、私のかわりにお礼言っといて!」

「ア、ハイ」

「……それじゃ、いくわよ!」

 

 霊夢は勢いよく神社を飛び立っていきます。

 

「おい待て! 私もいっしょに行くぜ! オマエに渡すモノがあるんだよ!」

 

 魔理沙も慌てて彼女を追いかけます。

 二人が神社から出て行くのを見た萃香は、思わずホッと息をつくと思わずつぶやくのでした。

 

「やーれやれ……。ようやく動いてくれたか。頼んだぞー。霊夢!」

 

 □

 

 さて、地底。

 

「ふふふ……。ここは簡単には通しませんよ?」

「望むトコロよ! 覚悟しろ! このゲスぎつね!」

 

 穣子はさっそくアビリティカードを発動させます。

 

「とりゃー! これでも食らえ!」

 

 典に向かってレーザーがびよーんと放たれますが、彼女は難なくよけます。

 

「おっとと。おやおや、何やら面白そうなモノを持ってますねえ?」

「ふふん! 言っとくけど、アンタに勝ち目はないわよ!」

「ほう……?」

 

 更に穣子はアビリティカードを取り出します。

 

「穣子。あまりカードを無駄遣いするんじゃないわよ」

「姉さんわかってるってば! オラァ! これでどうだー!」

 

 言ってるそばから彼女は一度にカードを何枚も発動させます。

 カードの効果で、なんか分身したり、タケノコ状の弾が発射されたり、動きが速くなったりしています。ムダに賑やかです。

 典は穣子の攻撃を難なくよけました。

 

「ふふふ……。それじゃこちらもいきますよ?」

 

彼女が手に持っていた試験管のようなものを振りかざすと、煙状の弾が発射され、穣子に向かって一直線に向かってきました。

 

「うぉ!? あぶなっ!?」

 

 穣子は間一髪でよけます。

 

「ふふふ……。よけてもムダですよー?」

 

 彼女がそう言った間もなく、弾はUターンして穣子に命中してしまいます。

 

「ギャーーー!?」

 

 被弾した穣子はあっけなくダウンしてしまいます。その様子を見ていた静葉は思わずため息をつきます。

 

「……まったく穣子ったら。ま、でもこれでカード無駄遣いされずにすむわね」

「おや、秋静葉……。アナタもやる気ですか?」

「……ええ、そうね。やるしかないでしょう。あなたはここを通す気なさそうだし」

 

 そう言って静葉はアビリティカードを構えます。

 

「ふふふ……。いいでしょう……!」

 

 典は余裕の笑みを浮かべて彼女を見据えます。

 

 ついに二人の対決の時です!

 

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