秋姉妹の奇妙な大冒険   作:バームクーヘン2号

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その24

 

 さてさて……。ここは夢かうつつか……。

 

「……し、針妙丸さま。ご無事ですか?」

「うう。なんとかな……、正邪。それにしてもここはどこだ? なんとも気味のわるい……。まるで見たこともないような悪夢の世界だぞ?」

「針妙丸さま。私たちはどうやら『幻夢鏡』に吸い込まれてしまったようです。つまりここは……」

 

「フフフ。二人ともおいでませ。夢の世界へ……。それとも、ここはお帰りなさいと言うべきでしょうか?」

「うわ! オマエは……!?」

「急に現れやがったな! 夢の支配者め!」

「フフフ。お二人の活躍っぷり、ずーっと見てましたよ。この夢の世界からずーーーーっとね。楽しい楽しい『夢物語』ありがとうございました」

「おいこら! ドレミー! オマエがくれた鏡のせいで私と正邪はひどい目にあったぞ! どうしてくれるんだ!」

「あらあら。言いがかりはやめて下さいよ。勝手に鏡を持って行ったのはアナタたちでしょう? 私の忠告を聞きもしないで」

「うるさい! 人を食ったような笑みなんか見せてないで いいから、早くこの悪夢から目覚めさせろ! 私には次の計画があるんだ!」

「残念ながら、それはできません」

「なに……!?」

「あの鏡は現実の世界で夢を見るためのもの。ようするに、起きていながら明晰夢を見るようなモノです。夢の世界と認識していながら夢を見た者は、早かれ遅かれ、いずれ夢の世界から出られなくなる運命ですので……」

「なんだと? それは困る!」

「……それに、そうでなくともアナタたちは、どこで方法を知ったのか知りませんが、明晰夢を使って、夢の世界で好き勝手やった挙げ句に『幻夢鏡』を夢の世界から盗み出したのですからね。これは本来なら悪夢の牢獄に収容されるくらいのエーキュウ待遇モノの大罪ですよ?」

「なにぃ!? 悪夢の牢獄だと!? そんなトコロに収容されてたまるか!」

「そうだ! そうだ! いいから早く私と正邪を元の世界に戻せ!」

「……まだわからないのですね。自分たちが犯した罪というものを……。まあ、いいでしょう……。夢の支配者である、この私、ドレミー・スイートが、今まで楽しい楽しい『夢物語』を見せてくれたコトに免じて、ここで一生、ワタシと一緒に暮らすという条件で、特別に許してあげましょう」

「な、なんだと!? ここでオマエと暮らすだと!? そんなのまっぴらゴメンだ! どうせなら私は正邪と二人きりがいい!」

「そうだ! オマエみたいなうさんくさいヤツと、一緒になんか過ごせるか!」

「あらあら。案外、悪い暮らしじゃないですよ……?」

「嫌だ! 私は絶対ここから抜け出してやるからな……!」

「フフフ……。……二人とも?」

「うわ、く、くるな! こっちにくるな……!?」

「キサマ! そのピンクのモヤモヤをしまえ! や、やめろ! うわぁあああ」

 

 

 

 

 

 

 

――もう……

 

 

 

 

 

 

 

 

――目覚めなくて良いのよ。

 

 

 

 

 

 

 




次で最終回となります。最後までお付き合い、よろしくお願いいたします。
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