ドラゴンクエスト11 〜ユグノアの騎士〜 作:ミルキー#ユミ
矛盾とかあったらすんません。
それは、運命の夜だった。
城下が炎に包まれ、黒煙が夜空を曇らせるなか、女騎士カティア・レイヴンは玉座の間にひとり現れた。
「……お逃げください、陛下。これ以上は持ちません」
黄金の甲冑を纏い、背中には炎の呪文で赤熱する刃──『煉光剣(れんこうけん)』を携えていた。
王妃エレノアは、王子を胸に抱いたまま、その凛とした瞳で彼女を見つめていた。「民は……どうなったの?」
「城門の外にはまだ抵抗している者たちがいます。しかし、魔物たちの波は止まりません。これは──崩壊の夜です」
王の死は未だ知らされていない。だが、戦況は語っていた。ユグノア王国の命脈が、終焉を迎えつつあることを。
「ならば、私ができることを」
エレノアは王子に口づけを落とし、そっとカティアの腕に預ける。
「カティア、私たちの命あなたに託します。」
「……ですが、陛下……!」
「この子が希望となるならば、私は王妃ではなく、母となる。剣はあなたが振るいなさい。」
その時、玉座の間の扉が爆音と共に砕けた。
黒き爪と翼、喉奥で唸る火の魔物たち──オーク系とドラゴンゾンビが混成して押し寄せる。
カティアはすぐに剣を構えた。目の前で王妃がその子を抱えたまま後退するのを確認すると、片膝を突いた。
「──我が剣に宿れ、聖なる炎よ……!」
【火炎剣】
炎の爆発が剣先から放たれ、前方のオークが眩い閃光と共に消し飛んだ。だが、次の波がすぐに迫る。
「消し飛べッッ!!」
【爆焔陣】
炎の陣を床に展開し、足を踏み入れた魔物たちの体が一斉に焼け焦げる。悲鳴が天井に反響し、黒煙が吹き上がった。
カティアは前へ出る。もはや守りではなく、斬り伏せ、抉る。炎と光を交互に纏わせ、敵を次々に斬り裂いていく。
「この剣は、王家の意志を守るためにある!」
一体のドラゴンゾンビが咆哮し、吐息と共に毒気を放つ。しかし、カティアは剣先をかざし叫ぶ。
【解毒の炎】
キアリーの効果を付与された炎が広がり毒気を消し飛ばす。そして、炎で仕切られ視界が途切れた隙に踏み込み、肩口から一直線に斬り下ろした。
「カティア!!早くこっちへ!」
背後から響くエレノアの声。「地下通路よ、急いで!」
カティアは剣を振るいながら
「すぐに向かいます!」と答えた。
彼女は走りながら王子を抱き直し、カティアに頷く。
カティアも後を追い、破砕された柱の間をくぐって地下へと滑り込んだ。
*
薄暗い地下道を駆けながら、カティアは思った。
(私は、剣を振るうために生まれてきた……。だが今は、王妃と王子の命を繋ぐために戦う)
地下神殿に到達し、結界の張られた扉が閉ざされた瞬間、彼女はようやく大きく息を吐いた。
「セレン様。こちらへ──」
エレノアの呼び声に、姿を現す老魔導士。
「王妃様、カティア殿……よくぞご無事で」
セレンはすぐに結界を強化し、二人を囲うように布陣を構えた。
だが、外の世界はもはや…
*
──城が燃えたあの日から三日後、セレン様はユグノア王を探すために城趾に戻った。幼い王子を抱えた二人は姿を隠し、荒野を越え、ようやくイシの村の近くに辿り着いた。
「……この村なら、静かに暮らせるはず」
王妃は王子を見つめる。
「あなたが大きくなるまで、私は母ではなく“影”でいましょう」
「……それでよいのですか、陛下」
「カティア。生きて、この子を見届けて。あなたの剣は、まだ終わらない」
そしてその夜、王子はイシの村に続く川にひっそりと流され、翌日の朝釣りをしに来たとある村人に拾われた。
王子が川の流れに乗ってその姿が小さくなっていく中、丘の上から見下ろす二人の影が、夜明けの光のなかに消えていった。
これでプロローグ終わり。
深く考えずに勢いで作ってるけど大丈夫かな…(´・ω・`)
今後も頑張って続けていけたらと思っています。
とりあえず、プロローグ以降も作成中です。
投稿はいつになるのか不明だけども…
今後も良かったらゆっくりと更新をお待ち下さい。