ドラゴンクエスト11 〜ユグノアの騎士〜   作:ミルキー#ユミ

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おまたせしました(´・ω・`)
小説作るって大変なんですね。実際にやってみて痛感します。
でも頑張って行けるとこまで続けていこうと思います。
よければお付き合いください


【第2話:緋の残光と碧の瞳】

ユグノア崩壊から一ヶ月が経った。

 

イシの村に赤子――王子を預けたあと、カティアと王妃エレノアはユグノア地方の北東、山間の廃教会跡へと身を隠していた。

 

そこは古の聖堂騎士団の施設跡で、地図にも記されていない。すでに草木に覆われ、外壁の多くは崩れていたが、地下聖域と聖泉だけは今も機能していた。

 

カティアはそこに結界を張り、魔物の探知を避けて暮らしていた。

 

エレノアは昼は畑を耕し、夜は静かに祈るように王子の無事を想っていた。

 

そんなある日、カティアが近くの森を見回りに出たときのことだった。

 

野獣のような唸り声。そして、かすかに聞こえた、少女の泣き声。

 

「……人間?」

 

瞬時に剣を抜き、茂みをかき分けて飛び込むと、そこにはボロボロのドレスを纏った少女が蹲っていた。

 

その身体には土と血がつき、目は怯えきっている。それでも、鮮やかな紫紺の瞳だけは、必死に何かを訴えていた。

 

「あなた……マルティナ様……?」

 

少女は顔を上げる。確かに、かつてユグノア城で王の膝にいた幼子の面影がある。

 

(生きていたのか……!)

 

背後から獣型の魔物が現れるが、カティアの【煉光剣】がそれを一閃する。

 

少女は失神しかけていた。

 

「大丈夫。もう大丈夫よ。あなたは……ここから、また始められる」

 

カティアがマルティナを背負って帰還すると、エレノアは目を見開いた。

 

「……あの子が?」

 

「はい。森で見つけました。恐らくは、ユグノア陥落後に逃げ延びたのでしょう。傷と衰弱がひどいですが……助かります」

 

エレノアは言葉もなく、少女の顔に手を添えた。「……こんなに小さな手で、生き延びたのね」

 

それから、隠遁生活は三人のものとなった。

 

マルティナは最初、夜になると泣いた。夢の中で、城が燃える光景を見るのだと。

 

だが、日々の中で、少しずつ言葉を取り戻し、笑うようになっていった。

 

エレノアは彼女に読み書きや礼儀を教えた。「王族の名に恥じぬように」とは言わなかったが、その手は常に温かく、指導は決して妥協しなかった。

 

一方、カティアは朝になるとマルティナを連れ出した。

 

「礼儀だけで世界は守れない。剣を振るわねば、民も友も救えない」

 

カティアの訓練は容赦がなかった。棒術、護身術、体捌き、走法、軽業――少女は転びながらも何度も立ち上がった。

 

「負けませんっ、カティア様!」

 

「その意気だ。だが、まだ脇が甘い!」

 

バチン!と竹の枝がマルティナの腕に軽く当たる。

 

悔し涙を浮かべながらも、マルティナは背筋を伸ばし続けた。

 

時にエレノアは止めに入る。「やりすぎよ、カティア。まだ幼いのよ」

 

だがマルティナは強く言い返した。「私は、もう城で泣いてるだけのマルティナじゃありません!」

 

その言葉に、エレノアはそっと微笑んだ。

 

「……そうね。あなたは、変わったのね」

 

三年が過ぎた。

 

マルティナは八歳になっていた。華奢な体つきながら、体術は熟達し、剣こそ持たぬが気迫は一人前。

 

エレノアの前では丁寧に挨拶をし、カティアとの訓練では闘志を燃やす。まさに王女と戦士の狭間に立つ存在となっていた。

 

そんなある日、カティアは久々に町への買い出しに出た。

 

そこで、思わぬ人物と再会する――

 

「……ロウ様?」

 

老騎士は驚愕の表情を浮かべた。「カティア……お前、生きて……? エレノア様は!? 王子は……!」

 

カティアは目を伏せ、答えなかった。

 

「申し訳ありません。すべてを語るには……時が早すぎます。ただ……この子だけは、あなたに託したい」

 

「……この子?」

 

後ろから現れたマルティナは、少し照れたようにロウを見上げた。

 

その瞳は、かつてユグノア城にてエレノアと居た幼子と同じ、澄んだ紫紺だった。

 

ロウはゆっくりと頷いた。「……わかった。私が預かろう。必ず、あの子の意思を継いでみせる」

 

カティアは一礼し、背を向けた。

 

(ごめんなさい、ロウ様。エレノア様が生きていることは、今はまだ……伝えられない。あの子が生きているということを知ってもらうまでは…)

 

静かな風が、丘を吹き抜けた。

 

ロウと共に遠ざかっていく少女は振り返らず、前を向いて歩き出した。

 

それを見届けたカティアはその後ろ姿が見えなくなるまで見つめたあと、エレノアが待つ元の場所に帰っていく。

 

(この先に何が待つのかはただの人である私にはわからない…しかし、エレノア様を守るために鍛え続けよう。この剣がいずれあの魔物の首に届くまで…)

 

カティアたちがいなくなったその場には穏やかな風と光が残るのみであった−




今回もあんまし進まなかった…(´・ω・`)
今後は勇者視点もちょくちょく挟みながらやっていきたいと思います。
次はどんな話になるのやら…
こんな作品でも温かい目で読んでいただけたら…
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