ハイスクールハックアンドスラッシュに転移した一般人 作:ホンビノス貝
今俺は絶望している。
とてつもなく絶望している。
汗がたらたらと額から流れ、顎を伝い、落ちている。
座っているはずなのに膝が笑っている。
腕ががくがくと痙攣し、顔を支える手からも発汗している。
1秒1秒が1時間のように感じられる。
震える手を押さえつけながらもふと隣を見ると女の子がしちゃダメな表情をしながら半泣き状態になっている。
それはなぜか、なぜそこまで恐怖しているのか。なににそこまで恐怖しているのだろうか。
それはあいつのせいだ。
そう、一番後ろの席にいるあいつ。
叶馬とかいうキチガイがとてつもないほどのオーラを発しているからだ。
もうやばい。ただそこに座っているだけなのに目つきとオーラがやばい。
イマスグニオマエヲコロス、って感じの目だ。おまけにイマスグシネコロスって感じのオーラで威圧もしてくる。
失禁しそう。帰りたい。寝たい。お母さんに会いたい。死ぬ前に童貞卒業したかった。そんな思いが脳を駆け巡る。
まあ、この学園からは逃げれないんですけどね。
嗚呼…クソが。
本当に嫌になる。
この学園…豊葦原千五百秋水穂学園は少々特殊な学園だ。
どこが特別なのかを挙げるとなるといろいろとあるが、一番の特徴はやはりこれだろう。
そう思いながら先ほど入学式で配られたパンフレットを見る。
そこには大きな文字でダンジョン実習という文字があった。
そう、この学園はダンジョンに潜れるのである。そこでレベルを上げ、装備を整え、さらに深い層に潜っていき、強くなっていこう!がコンセプトの学園である。あとおまけに学園という名の高専なので5年生である。まあありていに言ってしまえば「ハックアンドスラッシュ物のゲームを現実でやれるよ!ちなみにダンジョン内で死んでも生き返れるから好きなだけ挑んでね!ちなみに5年間の中で数回定期テストがあってそれまでに規定の階層行ってないと罰ゲームだよ!頑張れ!」というものである。
え?ここまで耳障りの良さそうなことしか言ってないけどデメリットはないのかって?
当然ある。
一度でも死んだら
恐ろしいだろう。だけどデメリットはまだまだある。
レベルアップによる全能感、性欲上昇、倫理観の欠如、精神の摩耗による自我の崩壊、極低確率だが確率でのカードへの封印、エトセトラエトセトラとかいうクソゲー極まりないデメリットがある。ちなみに当然の権利かのようにパンフにはデメリットは書いていない。学園は学生を守る気がなく、ダンジョンへの捧げものにしようとしているのである。大人なんだから子供を守れよマジでいやお前らに言ってんだぞ研究員とその上役共。
クソ・ガーヨ(114514年~1919810年)である。まじで。
「あ゛ー帰りたい」
うなだれてしまうのも仕方がないという奴なのだろう。
ん?なぜそんなことを知っているのかって?
そう、何を隠そう俺は異世界転移者なのだ。ブック〇フからうっきうきで出てきた瞬間にこの学園に飛ばされたのである。
景色が切り替わっていることに錯乱し、即座に警察につかまって、取り調べを受け、戸籍がないことがばれてしまい、戸籍を提供する代わりにこの学園で5年間過ごすのが俺の意志の介入する暇もなく勝手に決定されたのである。
無論この世界がハイスクールハックアンドスラッシュという小説の世界であることもその時知ってしまった。
原作主人公である人も知っている。
そう、あの無駄に威圧感を増しているキチガイである。
あのキチガイは船坂叶馬とかいうしゃれた名前で自称陰キャであり、この威圧感の正体が先生の説明を逆だと勘違いして笑おうかどうか悩んでいるからだとということも知っている。それでも、我慢ならない。つーかなんだよ家で黙々と無拍子の練習している奴は陰キャじゃねーだろ。ただの
そんなを考えている内に時報のチャイムが鳴る。いや古めかしいなおい、流石大正ロマン風建築なだけある。そこら辺の遊び心はばっちりわかっているということか。
まあ、愚痴を吐いても始まらない。
席を立つ。
向かう先は叶馬と誠一が話している学生机。
静香ちゃんと麻衣ちゃんが話しかける前に行かないと断られてしまう可能性が高いので早歩き。
コツコツとおろしたての靴が良い音を奏でる。
他の奴らから「マジかよこいつ」「勇者だ、勇者がいるぞ」「その勇者って愚か者って読んだりしない?」と失礼な声が聞こえるが無視無視。
突然だが先ほど俺が話したこの世界…ハイスクールハックアンドスラッシュの話をしよう。この小説はノクターンノベルズという小説家になろうの
成人版的なサイトで書かれていた小説だ。叶馬というチートで人の心がわからない系主人公が無双してハーレムを築く作品である。この作品の魅力的なところは多々あるが細かいことは置いといてこの作品の結末を言おう。
叶馬が邪神となって世界壊してジ・エンドなのだ。
この小説通りにことが進んでしまうと世界ごと俺が死んでしまう。魂魄結晶の崩壊による魂の加齢による死より前に一年以内に死ぬのである。
紛うことなきクソエンドだ。小説の中なら笑って読めたが現実となるとまあきつい。
せっかく転移したのにこんなクソエンドを許してなるものかって感じだ。
ならばそれを止めるにはどうしたらいいのか?
そうだね、原作介入だね。
「‥それとも、翠ちゃんが担任になるのを知ってたのか?」
「いや、先生も俺に当たるとは分からなかっただろう。俺が不粋だった」
会話をしているようだが‥仕方ない。誠一に悪印象を与えるかもしれないが割り込む。
「や、そこのお二人さん。パーティの枠はまだ空いてるかい?」
さあ、俺は生き残れるかな?
オリ主 読者とは異なるパラレルワールドにいた転移者。この世界のハクスラはバッドエンドで完結している。なお、チートはないただの一般人なため悲惨な運命を辿るのが確定している模様
高評価と感想とお気に入り登録をしてくれると嬉しいけどそんなのよりこれを読め
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